ネット通販やフリマでブランド品を買ったあとに「これ、もしかして偽物…?」と気づくと、一気に不安になります。とくにプレゼント用に買った場合は、「渡したら違法?」「相手に迷惑をかける?」と焦ってしまいがちです。
結論から言えば、日本では偽物を買っただけで直ちに犯罪になるケースは原則として多くありません。商標法や不正競争防止法が主に問題にするのは、偽物の製造・販売・譲渡・輸出入といった流通させる側の行為であるためです。最終消費者が自己使用目的で購入した段階は、通常は刑事罰の対象外とされます。
ただし、「犯罪にならない=ノーリスク」ではありません。海外サイトからの購入では税関で没収・廃棄されることがあり、購入後に転売や譲渡をすれば一気に流通に関与したと評価される可能性も出てきます。
さらに、偽物と知りながら本物と偽って売る・信用を得るために利用するなど、行為次第では詐欺等の問題に発展することもあります。この記事では、偽物購入の刑事・民事・行政上のリスクを整理しつつ、知らずに買ったときの扱い。さらに、所持の違法性、転売が危険な理由、そして「買ってしまった後に何をすべきか」「偽物を見抜くチェックポイント」まで、わかりやすく解説します。
目次
偽物を購入すると罪になる?
偽物(コピー品)を買ってしまったら罪になるのか?この疑問は非常に多くの人が持つもので、とくにプレゼントやネット通販での購入時に不安を感じる人も少なくありません。まずは、刑事責任・民事責任・法律の仕組みという3つの視点から、結論と注意点について、詳しく解説していきます。
【結論】原則「購入しただけ」では犯罪にならない
結論として、日本の法律では、偽物(コピー商品)を「購入しただけ」という行為そのものは、原則として犯罪にはなりません。商標法や不正競争防止法が直接処罰の対象としているのは、偽物の製造・販売・譲渡・輸出入などの流通行為であり、最終消費者が自己使用目的で購入した段階では、通常、刑事罰は科されません。
そのため、以下に該当する場合は、原則として刑事責任に問われることはありません。
- 偽物と知らずに購入してしまった場合
- 偽物と分かっていても自分で使う目的で購入した場合
- 営利目的ではなく、善意でプレゼントとして渡した場合
もっとも、「犯罪にならない」ことと「法的に問題が一切ない」ことは別です。購入行為自体は処罰されなくても、民事上の責任や行政上の不利益が生じる可能性はあります。たとえば、海外からの個人輸入では、関税法に基づき税関で没収・廃棄されることがありますし、偽物と知りながら流通に関与したと評価されれば、損害賠償請求を受けるリスクも残ります。
目的や行為次第で処罰対象になる
購入行為そのものは原則合法でも、「その後に何をしたか」によっては、刑事責任が発生します。たとえば、転売・販売目的で偽物を購入した場合です。フリマアプリやオークションサイトで出品したり、複数回にわたって譲渡したりすると、商標権侵害や不正競争行為として扱われます。この場合、単なる購入者ではなく、違法流通の主体と評価されます。
また、他人を欺く意図を伴う場合も注意が必要です。たとえば、偽物と知りながら「本物」と説明して譲渡したり、ブランド品として信用を得るために使用したりした場合、詐欺罪や偽計業務妨害罪が問題となる可能性があります。ここまで発展すると、処罰は非常に重くなります。
商標法・不正競争防止法との関係が問題になる
偽物に関する刑事責任の中心となるのが、商標法と不正競争防止法です。商標法では、登録商標と同一または類似の標章を付した商品を、販売・譲渡・輸出入する行為が禁止されています。これに違反した場合の法定刑は、10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(またはその併科)とされており、非常に重いです。
一方、不正競争防止法では、有名ブランドと混同を生じさせる商品表示や商品形態を用いて、商品を提供・販売する行為が禁止されています。こちらの法定刑は、5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(またはその併科)が基本です。いずれの法律も、「購入しただけ」の段階では原則として適用されませんが、転売・広告・譲渡などを行った時点で、一気に刑事責任の問題が現実化します。
悪意の有無が判断を大きく左右する
偽物をめぐる法的判断では、「悪意(知っていたかどうか)」が極めて重要な要素になります。偽物と知らずに購入した場合(善意)であれば、刑事責任を問われる可能性はほぼありませんし、販売者に対して返金請求を行う余地もあります。税関で没収されたとしても、処罰されることは通常ありません。
一方で、偽物と知りながら購入・保管・譲渡した場合は評価が大きく変わります。購入行為自体は処罰されなくても、その後の行動次第では「違法流通への加担」「侵害行為の故意」が認定されやすくなります。とくに、SNS投稿や第三者への譲渡、反復的な取引は、悪意を裏付ける事情として重視されます。
つまり、偽物問題では「買ったかどうか」よりも、「知っていたか」「どう扱ったか」が重要です。
知らずに偽物を買った場合の取り扱い
インターネット通販や海外サイトで商品を購入した際に、後からそれが「偽物(模倣品)」だと気付くケースは少なくありません。では、このように知らずに偽物を購入した場合、どのように扱われるのでしょうか。
結論としては、「罪に問われるケースは原則として限定的」です。ただし、単純な購入でも注意すべきポイントやリスクは存在します。次に、刑事責任・行政上の取り扱い・返金・被害者としての立場について、詳しく解説します。
原則として刑事責任は問われない
知らずに偽物を購入しただけでは、その行為自体が刑事罰の対象となることは基本的にありません。商標法や不正競争防止法の刑事規定は、主に「偽物を販売・流通させる行為」を処罰対象としており、一般消費者としての購入行為には適用されないというのが一般的な解釈です。
実際、刑事責任追及には「故意(悪意)」が前提となることが必要で、偽物であると知らなかった場合(善意)には、刑事責任は生じにくいとされています。
ただし、例外としては以下のようなケースがあります。
- 海外から個人輸入した場合
偽物が税関で「知的財産権侵害物品」と認定されると、税関による差止・没収の対象になります。また、悪質な仕入れと見なされた場合は別途調査対象になる可能性もあります。 - 販売・転売等を伴う場合
単なる購入に留まらず、出品・販売を行うと、刑事責任につながるケースがあります。
したがって「知らずに買った」段階では基本的に刑事責任は問われませんが、行為の内容・文脈によっては扱いが変わることがあります。
没収や差押えの対象になる可能性はある
刑事責任とは別に、行政上の措置として没収や差押えが行われる可能性があります。とくに海外からの購入では、税関が「知的財産侵害物品(商標権・意匠権・著作権等を侵害する商品)」であると認定した場合、受取前に差止・没収されるのが原則となっています。
2022年(令和4年)10月1日以降は、たとえ個人使用目的であっても海外から郵送される模倣品は税関で没収され、受け取ることができなくなりました。つまり、海外から送られてきた偽物は、購入者の意図に関わらず差押えの対象となります。
この差押え・没収は、刑事罰ではなく行政的な処分ですが、商品が手元に届かないだけでなく、追加的な税関・関係当局による調査につながるリスクも完全には排除できません。
返金・返品交渉が可能な場合もある
知らずに偽物を購入した場合、販売者との返金・返品交渉を行う余地がある場合があります。これは民法上の契約解除や詐欺・錯誤を根拠とした救済手段に基づきます。
- 錯誤に基づく契約取消
購入時に「本物」と誤認して契約をした場合、その認識の錯誤を理由として契約を取り消し、返金を求めることが考えられます。民法上、契約が錯誤によるものであれば取り消しが認められることがあります。 - 詐欺的な説明があった場合
販売者が故意に偽物であることを隠して本物であると偽った場合には、詐欺を理由に契約を取り消したうえで損害賠償を求めることも可能です。
ただし、販売者が海外業者で所在が不明確な場合や、プラットフォーム上での匿名出品者である場合、返金対応が困難になることも珍しくありません。そのため、販売者情報や決済手段によっては、クレジットカード会社へのチャージバックや購入者保護制度の利用など別途対応を検討する必要があります。
被害者として扱われるケースもある
知らずに偽物を購入した場合、その消費者は被害者として扱われる場合もあります。とくに以下のようなケースでは、消費者保護の観点から「被害者」として救済措置が働きます。
- 偽物を本物と偽って販売された場合
これは消費者契約法などの保護規定が適用される可能性があります。 - 模倣品による損害が発生した場合
販売者やプラットフォーム運営者に対して、債務不履行や不法行為に基づく損害賠償請求が可能な場合があります。
加えて、消費者庁や公正取引委員会などが不当表示・不当説明に関する調査を行うこともあり、行政上のサポートが得られるケースもあります。ただし具体的対応は状況によって異なるため、専門家によるアドバイスを早めに受けることが重要です。
偽物所持の違法性
偽物(模倣品)を持っているとき、その行為が違法になるのはどのような場合でしょうか?単なる購入とは異なり、所持の態様や目的、輸入経路によって違法性の評価が変わります。次に、それぞれのケースについて詳しく解説します。
単なる私的所持は原則違法ではない
一般消費者が自分で使う目的で偽物を所持している場合、その所持自体が直ちに違法とはなりません。これは、商標法や不正競争防止法が処罰対象としているのが「製造・販売・流通・譲渡等の主体的行為」であり、単純な保管・使用だけを罰する規定を置いていないためです。実務でも、「購入・所持しただけで罰則が適用された」という事例はありません。
ただし、単に所持しているだけでも、本人に悪意があると評価されれば、後述する違法行為に該当する判断がされることもあります。これは、次に述べる「販売目的・業務使用」に移行するかどうかの判定と密接に関わります。
販売目的・業務使用は違法になりやすい
偽物を単に持っているだけでは違法でなくても、それが販売目的・業務使用を目的とした所持である場合は違法性が高まります。たとえばフリマアプリやオークションで複数回出品する目的で所持していたり、店頭で使うための在庫として保持していたりする場合です。
このような場合、商標法・不正競争防止法違反の疑いが強くなります。商標法では、他人の商標を無断で使用した商品の販売・譲渡等を規制しています。また、みなし侵害行為(商標権侵害とみなされる行為)についても第78条の2以下で規定されています。
(侵害の罪)
第七十八条 商標権又は専用使用権を侵害した者(第三十七条又は第六十七条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、十年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第七十八条の二 第三十七条又は第六十七条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
また、不正競争防止法でも、他社商品と紛らわしい表示等を用いて商品を販売する行為は違法とされ、刑事罰の対象になり得ます。これらは単なる所持ではなく、「販売に供するための所持」として評価されて初めて問題となる点を押さえておきましょう。
数量・態様で判断が変わる
偽物の所持が違法行為になるかどうかは、数量・態様(どのような状況で所持しているか)も重要な判断材料です。
- 1点のみ・自己使用目的と明らかな場合
通常、私的所持と評価され、違法性は低いです。 - 複数点・反復性がある場合
同種の商品を多数持っている場合、販売・譲渡目的と推認されやすく、違法性が高まります。たとえばフリマアプリへの出品予定と見られる数量や、同じ偽物ブランド品を大量に保有している場合などは、商標法・不正競争防止法違反として扱われる可能性が高くなります。 - 広告・販売準備行為と評価される場合
「値札を付けていた」「複数を同一場所で保管している」「出品画像を作成していた」といった状況は、販売目的と評価されやすく、違法性を判断するポイントとなります。
このように、所持の「態様」は違法性判断において実務上重視されます。
偽物の販売・転売で問われる罪
偽物(コピー商品・模倣品)を販売・転売する行為は、日本では単なる違法行為ではなく、刑事・民事の両面で重大な責任が生じる可能性が高い行為です。正規のブランド権利者の権利侵害や消費者保護の観点から、いくつもの法令がこの行為を規制しています。次に、代表的な罪名・法的根拠・処罰内容についてわかりやすく整理します。
商標法違反・不正競争防止法違反
偽物の販売や転売行為が刑事責任に問われる主な法律は、商標法と不正競争防止法です。
【商標法違反】
日本の商標法では、登録商標権を持つ権利者のブランドマークやロゴを無断で使用して商品を製造・販売する行為は、商標権の侵害とみなされます。偽物販売はこの侵害行為に該当するため、刑事罰の対象となります。一般的に悪質な偽物販売者には、「10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(またはその併科)」が科されます。
これは、単に売れ残った在庫だけでなく、販売目的での大量所持・ネットオークションでの転売にも適用されます。実務では、「偽物と知りながら販売した」ことが証明されると、刑事責任が問われやすくなります。
【不正競争防止法違反】
不正競争防止法では、他社の商標・商品表示と紛らわしい商品を販売・輸出入する行為が禁止されています。とくに「商品形態模倣行為」や「混同惹起行為」は刑事処罰の対象です。代表的な刑罰としては「5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(法人の場合はもっと重い罰金もあり得ます)」です。
これは、単にロゴをコピーしただけでなく、偽物という認識でブランドと混同させるような表示で販売した場合に該当します。
詐欺罪が成立する場合もある
偽物の販売行為が消費者を欺く意図をもって実行された場合、商標権侵害だけでなく、詐欺罪(刑法)が成立する可能性があります。詐欺罪は、欺いて他人から財物を交付させる行為を処罰するものです。偽物販売で詐欺が成立する典型的なケースは次のようなものです。
- 「正規品」「本物」と偽って偽物を販売し、代金を得た場合
- 消費者が偽物であると知らずに購入し、損害を被った場合
実務でも、偽物を本物として売りつけた行為が詐欺として扱われた例があり、詐欺罪適用の可能性が議論されています。なお、詐欺罪はその行為の動機(欺く意図)が重要な構成要件となりますので、単に誤認を誘発した転売行為すべてが自動的に詐欺になるわけではありません。しかし、「売る側が本物だと知りつつ偽物として販売した」事実が明らかになれば、併せて詐欺罪で立件される可能性があります。
営利目的・反復性があると重くなる
犯罪としての評価が高くなるのは、以下のような事情がある場合です。
【営利目的】
- 本来の目的が利益追求のための継続的な販売行為だった
- 商売として継続的に転売していた
こうした行為は「商売目的の侵害行為」と判断され、より重い処罰が適用されやすくなります。
【反復性・大量性】
- 継続的・反復的に偽物を販売している
- 同一人物で多数の偽物を取引している
これらは常習性の高さを示す事情として、刑事立件の際に不利に扱われます。実務的にも警察・検察は「反復性・営利目的」を重視します。反復性があることで立件や起訴の可能性が高まり、罰金・拘禁刑の幅も上限に近い重い処分となる傾向があります。
偽物を買ってしまった場合の対処法
偽物(模倣品)を誤って購入してしまった場合、冷静に対処することが重要です。販売元やプラットフォームに連絡して解決を図るだけでなく、消費者相談窓口や警察・弁護士への相談も視野に入れて行動しましょう。次に、主な対処法を順に解説します。
販売者への連絡と返金要求
最初に行うべき対応は、販売者に直接連絡して返品や返金を求めることです。商品が届いた時点で偽物だと分かった場合、発送元の連絡先や出品者情報を確認し、事実を伝えて返金を要求します。
正規販売業者であれば返品・返金に応じることもありますが、偽物販売業者の場合は応じないケースが多い点には注意が必要です。連絡が取れない場合や返金対応がされない場合は、取引の証拠(画面キャプチャ、取引履歴、メールなど)を保存しておきましょう。これはあとで第三者機関や警察に相談するときの重要な証拠になります。
プラットフォームへの通報
ネットオークションやフリマアプリ、ECサイトで購入した商品が偽物だった場合は、販売プラットフォームの通報機能を活用しましょう。多くのプラットフォームでは「偽物報告」「違反行為の報告」機能があり、悪質出品者の取引停止やアカウント制限につながる場合があります。
また、プラットフォーム側の保障制度や購入者保護制度を利用できることもあります。たとえば一定期間内であれば返金手続きを代行してくれるサービスや、紛争解決制度が用意されている場合もあるため、まずは運営会社へ相談することが推奨されます。
消費生活センターへの相談
販売元やプラットフォームで解決しない場合は、消費生活センターや消費者ホットライン(188)への相談が有効です。国民生活センターなどの消費者相談窓口では、偽物購入トラブルに対して中立的な助言や解決支援を行っています。
窓口では、以下のような支援が受けられます。
- 状況の整理と法的観点からのアドバイス
- 販売者との交渉の補助や調停提案
- 必要に応じた専門家紹介
消費生活センターは全国の都道府県・市区町村に設置されており、消費者ホットライン「188(いやや!)」を利用すれば、窓口を案内してもらえます。また、海外から購入した模倣品の場合は、越境消費者センター(CCJ)でも相談を受け付けています。
警察・弁護士への相談が必要なケース
販売元への連絡や消費生活センターでの対応でも解決しない場合は、警察または弁護士に相談することが必要な場合があります。具体的には以下のようなケースです。
- 販売者が連絡不能になり返金が見込めない
- 銀行振込等で支払った資金の回収を検討する場合
- なりすましサイトや詐欺サイトで偽物を送られた疑いがある場合
偽物販売や詐欺的なECサイトは、最寄りの警察署やサイバー犯罪相談窓口で通報・相談が可能です。取引に関する画面のスクリーンショットやメール、振込情報を持参すると対応がスムーズになります。
また、弁護士に相談することで、返金請求や損害賠償の法的手続きについて助言を受けられます。弁護士は消費者契約や詐欺被害の対応にも精通しており、状況に応じて最適な手段を提示してくれます。
偽物を見抜くためのチェックポイント
偽物(コピー品・模倣品)は、見た目が本物とよく似ていてもいくつかの明確な兆候があります。購入前にこれらのポイントをチェックすると、誤って偽物を買ってしまうリスクを大きく下げられます。次に、具体的なチェックポイントを解説します。
価格が相場より不自然に安い
価格がブランドの定価や市場価格から極端に低い場合は注意が必要です。正規品は新品・中古を問わず、一定の相場が保たれる傾向があります。複数の正規販売サイトや中古市場の価格と比べて、大幅に安価で出品されているものは、偽物・コピー品である可能性が高まります。これは世界中の消費者向け注意喚起でも共通する指摘です。
販売元の住所・連絡先が不明確
出品ページやショップサイトに、明確な販売者情報が記載されていない場合は注意が必要です。信頼できる販売者は、会社名・住所・電話番号・問い合わせ窓口などを明確に記載しています。
正規品を扱う正規店や正規代理店であれば、公式サイトに販売情報が掲載されていることもありますが、偽物を扱う場合は曖昧な情報しかないケースが多いです。とくに海外サイトで会社情報や連絡先が不明確な場合は、ウェブ全体の信頼性を慎重に評価してください。
正規保証書やシリアル番号がない
正規ブランドの商品には、多くの場合、保証書・付属カード・シリアル番号が付いています。これらはブランド側が真正な商品であることを証明するもので、偽物には付属しないか、あっても精度が低いことが多いです。
たとえばシリアル番号は同じモデルであれば位置や形式が一定である場合が多く、刻印位置が異なる・印字の品質が粗いといった点は偽物の典型的な兆候として指摘されています。
ただし注意が必要なのは、シリアル番号や付属品まで精巧に偽造されている偽物も存在する点です。そのため、番号だけで判断せず、正規店や専門鑑定士による確認と併用すると信頼性が高まります。
口コミ・評判の不自然さ
オンライン上で販売者や商品レビューを確認する際、レビューや評判が不自然な場合は要注意です。具体的には、以下のようなレビューは、操作されている可能性があります。
- 投稿者が少なく評価がやたら高評価ばかり
- レビュー内容が具体性に欠ける
- 同じ文言が複数のレビューで使われている
偽物を扱う出品者は、信頼感を演出するために自作の高評価レビューを量産する手法を使うことがあると報告されています。レビューを見る際は、購入者が投稿した詳細な体験談や写真付きレビューを重視し、信憑性の高いフィードバックを重ねて確認しましょう。
よくある質問
偽物購入に関するよくある質問を紹介します。
Q.偽物だと知っていて買ったら違法ですか?
A.直ちに違法性を問われる可能性は低いです。
偽物だと知りながら買う行為自体は、単純な購入だけで直ちに刑事罰に問われることは通常ありません。ただし、その後に転売・譲渡などの営利目的で行動したり、他人に販売して利益を得ようとしたりした場合は、商標法違反・不正競争防止法違反などの責任を問われる可能性があります。
商標法違反の罰則としては、悪質な販売行為などで10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金等(または併科)があり得るとされています。また、知らずに買った場合は詐欺の被害者とみなされることが多いため、即違法行為と評価されるものではありません。
Q.海外サイトで買うとリスクは高い?
A.没収されるリスクがあります。
海外ECサイトや海外販売者から偽物を購入すると、税関で没収される可能性があります。2022年10月1日からは、知的財産権を侵害する物品(いわゆる模倣品)が日本に送られると、個人使用目的でも税関で輸入差止・没収の対象となります。
また、海外業者から送られた場合でも、日本の商標法・意匠法の規定によって、海外業者の行為自体が侵害行為として評価されるケースが増えています。
Q.友人からもらった偽物も問題になりますか?
A.直ちに違法性を問われる可能性は低いです。
友人などから無償で贈られた偽物を持っているだけで、直ちに罪に問われることはありません。単なる所持や使用は刑事責任の対象にならないのが一般的な考え方です。ただしそれを他人に転売したり、営業目的で使用したりする場合は、商標権侵害や不正競争防止法違反などの責任問題が生じます。
Q.処罰されると前科がつきますか?
A.裁判で有罪判決が下された場合は、前科が残ります。
偽物の販売・転売行為が商標法違反などで処罰された場合は前科として残る可能性が高いです。有罪判決が確定すれば、前科として記録に残り、将来の就職やビザ申請等で影響することがあります。
たとえば商標法違反では、重大な侵害行為に対して10年以下の拘禁刑や1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。ただし、単に「購入しただけ」で処罰されるケースは通常ありません。販売や転売、営利目的の行為が問われる点に注意してください。
Q.返品できない場合はどうすれば良いですか?
A.まずは、販売者とのやりとり等を保存しておきましょう。
返品できない場合は、まず購入履歴や出品者とのメッセージ、支払い履歴などの記録を保存してください。そのうえで販売プラットフォームやECサイトのサポート窓口に問い合わせし、購入者保護制度や返金・保証制度を利用できるか確認します。
それでも解決しない場合は、消費生活センターや公的相談窓口に相談するとアドバイスや対応支援が受けられます。必要に応じて警察や弁護士へ相談し、詐欺被害や契約上の問題として対応することも検討してください。
まとめ
偽物(コピー品)をめぐる法的リスクは、「買ったかどうか」よりも知っていたか(悪意)とその後どう扱ったかで大きく分かれます。原則として、自己使用目的で偽物を購入・所持しただけなら、商標法や不正競争防止法の「流通行為」に当たりにくく、直ちに刑事責任を問われる可能性は高くありません。
偽物と知らずに買った場合は、基本的に被害者側として、返品・返金交渉や購入者保護制度、チャージバック等の救済を検討できます。一方で、海外からの購入は税関で差止・没収され得る点が要注意です。
また、購入後にフリマ等で転売・譲渡したり、複数点を保有して販売準備が疑われたりすると、商標法違反・不正競争防止法違反として現実に問題化しやすくなります。さらに「本物」と偽って売る、第三者を欺く意図がある場合は、詐欺など別の罪名が絡む余地もあります。
もし偽物を買ってしまったら、取引記録や画面の証拠を保存し、販売者・プラットフォームへ連絡、必要に応じて消費生活センター(188)や警察・弁護士へ相談するのが基本です。予防としては、相場より不自然に安い価格、販売者情報の不明確さ、保証書・シリアルの不自然さ。それから、レビューの偏りといった点を事前に確認し、安さより確実さを優先することが最も安全です。