詐欺で逮捕される時の犯罪類型と法定刑を紹介!実刑判決を回避するコツや弁護士に相談するメリットも解説

詐欺で逮捕される時の犯罪類型と法定刑を紹介!実刑判決を回避するコツや弁護士に相談するメリットも解説
詐欺で逮捕される時の犯罪類型と法定刑を紹介!実刑判決を回避するコツや弁護士に相談するメリットも解説

詐欺をしたことが警察にバレると初犯でも逮捕されます。そして、詐欺罪で有罪になると、数年の懲役刑が言い渡される可能性も否定できません。

なぜなら、詐欺罪の法定刑には罰金刑が存在せず、執行猶予が付かなければ実刑判決が確定するからです。

したがって、詐欺行為に関わってしまった場合には、逮捕・勾留・起訴・刑事裁判の各段階に応じた防御活動を展開して、できるだけ軽い処分内容獲得を目指すべきだと考えられます。

そこで今回は、家族が詐欺で逮捕されて不安を抱える人や、詐欺行為で逮捕されるか心配をしている人のために、以下5点について分かりやすく解説します。

  1. 詐欺で逮捕されるときの犯罪類型と法定刑
  2. 詐欺罪で逮捕される可能性が高い事案の特徴
  3. 詐欺罪で逮捕された後の刑事手続きの流れ
  4. 詐欺罪で逮捕されることで生じるデメリット
  5. 詐欺罪で逮捕されたときに弁護士に相談するメリット

特殊詐欺への警鐘が鳴らされている昨今の状況を踏まえると、バイト感覚で詐欺行為に加担しただけでも厳しい処罰が下される可能性があります。

今後の社会生活に生じる困難を回避・軽減するために、できるだけ早期に詐欺事件の弁護実績豊富な専門家までご相談ください

目次

詐欺で逮捕される場合の罪状と法定刑

詐欺罪で逮捕されるケースでは、以下6つのうちのいずれかが被疑事実とされます。

  1. 1項詐欺罪
  2. 2項詐欺罪
  3. 電子計算機使用詐欺罪
  4. 準詐欺罪
  5. 詐欺未遂罪
  6. 組織犯罪処罰法違反

1項詐欺罪

1項詐欺罪とは、人を欺いて財物を交付させたときに成立する犯罪類型のことです(刑法第246条第1項)。

1項詐欺罪で逮捕される具体例

1項詐欺罪が「お金を騙し取る」という一般的な感覚にもっとも近い犯罪類型です。

たとえば、最初から借金を返済するつもりがないのに「来月かならず返すから」と嘘をついてお金を騙し取ったようなケースが典型例として挙げられます。他にも、少額の金銭を詐取する寸借詐欺、結婚を匂わせて高額のお金を奪い取る結婚詐欺なども1項詐欺罪に該当します。

その一方で、日常会話のなかで嘘や誇張表現を使うだけでは1項詐欺罪で逮捕されることはありません。なぜなら、詐欺罪はあくまでも「財産犯」なので、財物の交付が既遂処罰の必須要件だからです。

1項詐欺罪の構成要件

1項詐欺罪の構成要件は以下4点です。

  1. 欺罔行為
  2. 財物
  3. 交付行為
  4. 欺罔行為と財物の交付行為との間に因果関係があること

詐欺既遂罪が成立するには、「欺罔行為による錯誤の惹起→錯誤に基づく財物の交付行為→交付行為による財物の移転」という一連の因果プロセスが必要です。この因果関係がどこかのタイミングで切れた場合には、詐欺未遂罪の成否が問題となるに留まります。

欺罔行為

1項詐欺罪は、「人を欺いて」財物を交付させた場合に成立する犯罪類型です。人を欺く行為のことを「欺罔行為」と呼びます。平たく表現すると、「人を騙す行為」が欺罔行為です。

まず、欺罔行為は、人の錯誤を惹起し得る行為でなければいけません。たとえば、欺罔行為の対象者が錯誤に陥らなくても標準的な一般人が錯誤に陥る蓋然性がある行為であれば欺罔行為性が認められますし(ただし、相手方の錯誤がないので詐欺未遂罪が成立するに留まります)、標準的な人であれば虚偽だと判断できるような行為でも行為対象者が実際に錯誤に陥れば欺罔行為に該当します。

次に、欺罔行為は、人による財物の交付行為に向けられたものでなければいけません。たとえば、誰かに突然話しかけて注意をそらしている間に財布を抜き取ったようなケースでは、「話しかけて注意をそらせる行為」は直接的に「財物の交付行為」に向けられたものではないので、1項詐欺罪は成立しません(別途、窃盗罪の成否が問題になるに留まります)。

さらに、欺罔行為は、作為だけではなく不作為の方法で実行されることもあり得ます。相手方が錯誤に陥りそうな場合や錯誤に陥っている場合に、真実を告知して錯誤を解消しないまま財物を交付させたときに、1項詐欺罪の「不真正不作為犯」として逮捕対象になります。たとえば、生命保険契約時に被保険者が現在の疾患を隠す行為、民法上の契約締結時に被保佐人であることを隠して契約する行為、売買目的物に瑕疵があることを隠蔽して契約を締結する行為などです。

いわゆる「釣銭詐欺」では、1項詐欺罪が成立する状況は比較的限定されています。たとえば、店員が釣銭を間違えていることを認識しながら余計に受け取った場合には1項詐欺罪で逮捕されるでしょう。これに対して、釣り銭受領時には金額間違いに気付かず、受領後に金額が間違えていることを知りながらその場を立ち去った場合には、1項詐欺罪ではなく遺失物等横領罪が成立するに留まります。
財物

1項詐欺罪の客体は「財物」です。1項詐欺罪は、人を欺いて「財物」を交付させた場合に成立します。

詐欺罪は「財産の移転」が大前提の犯罪類型なので、1項詐欺罪の客体である財物は「他人が占有する他人の財物」です。財物には、動産だけではなく不動産も含まれます。

売買代金や請負代金などの支払い期限に対して欺罔行為を働き、契約書に記載された納期よりも前倒しして代金を受け取った場合には、代金全額について1項詐欺罪が成立するようにも思えます。しかし、欺罔行為を働かなかったとしても、代金の支払期日になれば当該金銭を受領できたことに変わりません。そこで、欺罔行為によって支払い期限を前倒ししたようなケースでは、「社会通念上別個の支払い」と言えるような場合であり、被害者に実質的な被害が生じたと評価できるケースに限って1項詐欺罪が成立し、多少支払い期限を早めただけでは1項詐欺罪は成立しないと考えられています(最判平成13年7月19日
交付行為

1項詐欺罪は、人を欺いて財物を「交付」させた場合に成立する犯罪類型です。欺罔行為によって錯誤状態に陥った被害者が、瑕疵ある意思に基づいて財物を交付することが求められます。

なお、財物の交付先は欺罔行為者自身に限られません。たとえば、第三者への交付と欺罔行為者自身への交付を同一視できるようなケース、欺罔行為者が第三者に取得させる目的としていたケースでは、1項詐欺罪で逮捕されるでしょう。

また、欺罔された人と被害者が一致する必要もありません(いわゆる「三角詐欺」)。たとえば、クレジットカードの不正使用のケースは、「加盟店が被欺罔者=交付行為者、カード会社が被害者」という三角詐欺と構成できます。ただし、三角詐欺が成立するには、被欺罔者が被害者のために財産を処分できる権能・地位にあることが必要とするのが判例です(最判昭和45年3月26日)。

瑕疵ある意思に基づいて財物が交付される点をもう少し細かく分類して、1項詐欺罪の構成要件のひとつとして「財産の移転」「財産上の損害」が挙げられる場合があります。確かに、交付行為によって被害者には何かしらの財産上の損害は生じていますが、これは1項詐欺罪固有の成立要件ではなく、財産犯としての性格上当然の帰結です。したがって、1項詐欺罪の構成要件に別途「財産上の損害」を掲げる必要はないと言えるでしょう。
欺罔行為と財物の交付行為との間に因果関係があること

1項詐欺罪が成立するには、欺罔行為と財物の交付との間に一連の因果関係が必要です。

たとえば、欺罔行為の対象者が欺罔性を看破したものの、欺罔行為者のことを憐れんで「わざと騙された振り」をして財物を交付したケースでは、「欺罔行為による錯誤、錯誤に基づく交付行為」という因果の流れが切れてしまっているので、1項詐欺罪は不成立です。詐欺未遂罪の成否が問題になるに留まります。

1項詐欺罪の法定刑

1項詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役刑」です。

1項詐欺罪の法定刑には罰金刑が定められていません。

したがって、1項詐欺罪で逮捕された場合、執行猶予付き判決を獲得できなければ、受刑者は刑事施設に収監されて出所まで刑務作業に服することになります(刑法第12条第2項)。

2項詐欺罪

2項詐欺罪とは、人を欺いて財産上不法の利益を得たり、他人に財産上不法の利益を得させたりしたときに成立する犯罪類型のことです(刑法第246条第2項)。

2項詐欺罪で逮捕される具体例

1項詐欺罪が財物を詐取する事例を逮捕対象にしていたのに対して、2項詐欺罪は「財産上の利益の詐取」を逮捕対象にしている点に特徴があります。

たとえば、飲食店で注文したときは代金を支払うつもりだったが、会計時にお金がないことが判明して、「車に財布を取りに行ってくる」と店員に伝えてそのまま逃げたような「無銭飲食」のケースは、「代金支払い義務を免れた」という点で財産上不法の利益を得ていると評価できるので2項詐欺罪が成立します。

なお、無銭飲食のケースでは、事案の細かい事情次第で罪責内容が変わる点に注意が必要です。

たとえば、最初から無銭飲食するつもりで商品を頼んだ場合には、「飲食物」という財物を詐取した点で1項詐欺罪が成立します。また、代金を支払うつもりで商品を注文したものの、店員の隙を見て食い逃げしたケースでは、「利益窃盗」として不可罰です。

2項詐欺罪の構成要件

2項詐欺罪の構成要件は以下4点です。

  1. 欺罔行為
  2. 財産上の利益
  3. 交付行為
  4. 欺罔行為と財産上不法の利益の交付行為との間に因果関係があること

欺罔行為・交付行為・因果関係については1項詐欺罪の構成要件と重複するので該当箇所をご確認ください。

財産上の利益

2項詐欺罪の客体は「財産上の利益」です。

財産上の利益の内容は幅広いですが、「移転性のある利益」でなければいけません。つまり、情報やサービス(役務)には移転性がないので2項詐欺罪の対象にはならないということです。

また、債権者に対する欺罔行為によって債務を免脱するだけではなく、債務の履行や弁済期を一時猶予させるだけでも財産上の利益を不正に得たと評価できるので、2項詐欺罪が成立します(大判明治44年10月5日)。

2項詐欺罪の法定刑

1項詐欺罪と同様、2項詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役刑」です。

2項詐欺罪の法定刑にも罰金刑は定められていないので、起訴処分が下されて刑事裁判にかけられた場合には、執行猶予付き判決獲得を目指して防御活動を展開することになります。

電子計算機使用詐欺罪

電子計算機使用詐欺罪とは、人の事務処理に使用する電子計算機に対して虚偽の情報・不正な指示を与えて財産権の得喪・変更に関する不実の電磁的記録を作出したり、財産権の得喪・変更に関する虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に提供したりすることによって、財産上不法の利益を得たり、他人に財産上不法の利益を得させたりしたときに成立する犯罪類型のことです(刑法第246条の2)。電子計算機使用詐欺罪の法定刑も「10年以下の懲役刑」です。

電子計算機使用詐欺罪は、コンピューターを利用した不正利得行為への対応を目的として新設された犯罪類型に位置付けられます。窃取・詐取・拾得したキャッシュカードを不正操作して他の預金口座に送金した場合や、プリペイドカードや電子マネーの残高を不正に変更して買い物をした場合などが逮捕対象です。

準詐欺罪

準詐欺罪とは、未成年者の知慮浅薄や人の心神耗弱につけこんで、財物を交付・財産上の利益を不正取得した場合に成立する犯罪類型のことです(刑法第248条)。準詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役刑」と定められています。

知慮浅薄とは、知識が乏しく思慮が足りないことです。心神耗弱とは、意思能力喪失には至っていないが、精神の健全さを欠いているために、事物の判断を行うにあたって充分な普通人の知能を備えていない状態のことを意味します(大判明治45年7月16日)。

準詐欺罪では、1項詐欺罪などで要求される「欺罔行為による錯誤」の要件の代わりに、「未成年者の知慮浅薄・人の心神耗弱」という要件が設定されています。つまり、未成年者の知慮浅薄等を利用して財物等を交付させる場合は、欺罔行為に至らない誘惑などの手段でも準詐欺罪が成立するということです。

なお。未成年者に対して欺罔行為を働き、錯誤に陥った未成年者が財物等を交付した場合には、準詐欺罪ではなく1項詐欺罪で逮捕されます。また、そもそも財物などの交付意思を欠く幼児・心神喪失者から財物を取得した場合には、交付行為の要件を満たさないので、準詐欺罪ではなく窃盗罪の処罰対象と扱われます。

詐欺未遂罪

1項詐欺罪・2項詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪・準詐欺罪は、それぞれ未遂犯も処罰対象とされます(刑法第250条)。

詐欺未遂罪の構成要件と逮捕される具体例

詐欺未遂罪が成立するには、「詐欺罪の実行の着手」が必要です(刑法第43条本文)。実行の着手とは、「既遂(犯罪結果)を惹起する現実的な危険が発生したこと」を意味します(最決平成16年3月22日)。

どのタイミングで詐欺罪の実行の着手があったかは個別事案の詳細から判断されます。たとえば、以下のように、欺罔行為をしたが相手が錯誤状態に陥らなかった場合や、欺罔行為によって相手方は錯誤に陥ったが財物交付にまで至らなかった場合では、詐欺未遂罪で逮捕される可能性が高いでしょう。

  • オレオレ詐欺を働くために被害者宅に電話をかけたが、相手が騙されなかったのでお金が振り込まれなかった
  • 銀行員を装って被害者宅に訪問し、被害者名義のキャッシュカードを詐取できそうだったが、巡回中の警察官に見つかりそうになったのでキャッシュカードを受け取らずに逃走した
  • カードローン審査で嘘の年収・肩書を申告したが、ブラックリスト登録が原因で審査落ちして借入に失敗した

詐欺未遂罪の法定刑

未遂犯には既遂犯と同じ法定刑が適用されるのが原則なので、詐欺未遂罪の法定刑は「10年以下の懲役刑」です。ただし、個別の事案の詳細を考慮して、裁判官の裁量で任意的に刑が減軽される可能性があります(刑法第43条本文)。

したがって、詐欺未遂罪で逮捕されたケースでは、捜査段階や刑事裁判中にどれだけ効果的な情状を主張立証できるかが量刑に影響すると言えるでしょう。かならず詐欺事件の弁護実績豊富な専門家に依頼しましょう。

組織犯罪処罰法違反

詐欺罪が、団体の活動として、詐欺罪などの犯罪行為を実行するための組織によって行われたときには、詐欺罪で刑事訴追される場合の法定刑が引き上げられます

具体的には、1項詐欺罪等の法定刑は「10年以下の懲役刑」でしたが、組織犯罪処罰法に抵触するケースの法定刑は「1年以上の有期懲役刑」です(組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第3条第1項第13号)。

組織犯罪処罰法における「団体」とは、共同の目的を有する多数人の経済的結合体であって、団体の目的・意思を実現する行為の全部または一部が組織的に反復継続して行われる性質を有するものを指します(同法第2条第1項)。

たとえば、暴力団や半グレ集団、テロ組織、振り込め詐欺グループ、特殊詐欺グループなどが典型例ですが、不良仲間同士で組織的に犯罪行為を繰り返しているようなケースでも組織犯罪処罰法における団体性は肯定されるでしょう。「地元の先輩の言うことを聞いてバイト感覚で受け子をしただけ」という軽はずみな場合でも組織犯罪処罰法の対象になる危険性があるので注意が必要です。

詐欺罪で逮捕される可能性が高いケース

「詐欺罪が警察にバレるとかならず逮捕される」というのは誤解です。

なぜなら、詐欺罪の疑いをかけられる事件にはさまざまなグラデーションがあるからです。悪質性が高い詐欺事件なら逮捕される可能性は高いですが、初犯で犯行に至った経緯に同情できる点があるケースなら、逮捕されずに在宅事件として処理されたり、不起訴処分が下されたりする余地も残されています。

実際、令和2年度の詐欺罪の起訴率は52.7%に留まっているのが実情です(「検察統計調査」e-Stat)。

一般的に、詐欺罪で逮捕・起訴される可能性が高い事案の特徴として、以下7点が挙げられます。

  1. 罪を犯した疑いが相当程度にある場合
  2. 逮捕の必要性が高い場合
  3. 詐欺事件の被害額が高額の場合
  4. 組織的に詐欺事件が引き起こされた場合
  5. 詐欺行為を現認された場合
  6. 詐欺罪などの前科・前歴がある場合
  7. 被害者が厳しい刑事処罰を望んでいる場合

裏を返せば、初犯かつ単独犯で、被害額が少額、罪証隠滅や逃亡のおそれがなく、被害者との間で民事的な解決が済んでいる場合」であれば、仮に詐欺事件が警察に発覚したとしても逮捕や厳しい刑事処罰回避を目指しやすいということです。

それでは、詐欺行為が発覚したときに逮捕される可能性が高いケースについて、それぞれ具体的に見ていきましょう。

詐欺行為を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合

原則として、被疑者が詐欺罪に該当する行為を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるときには、詐欺罪を被疑事実として通常逮捕手続きが進められます(刑事訴訟法第199条1項)。

通常逮捕は、裁判所が事前に発付した逮捕状を根拠に警察によって手続きが進められます。つまり、警察が自宅に逮捕令状を所持してやってきた段階で通常逮捕を回避するのは不可能だということです。

したがって、詐欺罪で逮捕されること自体を免れたいなら、「詐欺罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由はあるものの、わざわざ逮捕して身柄拘束付きの取調べをする必要はない」と警察に思わせる工夫が重要だと考えられます。

たとえば、被害者との間で示談を成立させた後で自首する警察から任意出頭の要請があった時点で素直に応じる、などの対応方法が適切でしょう。

とはいえ、悪質な詐欺事件では自首してもその場で逮捕されて身柄が拘束される可能性が高いですし、そもそも、事前に警察から任意出頭を求められずにいきなり通常逮捕段階に進むということも少なくありません。つまり、逮捕前に「逮捕回避に役立つ効果的な防御活動」を展開できるのは「初犯、被害額少額」などの限定的なケースに限られるということです。捜査の方向性を予測できるのは詐欺事件の弁護経験豊富な弁護士だけなので、捜査機関の手が及ぶ前に弁護士に相談することを強くおすすめします。

逮捕の必要性が認められる場合

詐欺罪で逮捕されるのは「被疑者の身柄を拘束する必要性が高い」と判断されるケースだけです。なぜなら、逮捕行為は被疑者の身体の自由・行動の自由を制限する強制処分なので謙抑性が求められるからです。

逮捕して身柄を拘束する必要性が高いと判断されるのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるときです。たとえば、詐欺の共犯と口裏を合わせる可能性がある場合や、詐欺事件について全面否認している場合、被害額は少額であっても反省の態度がまったく見られない場合などでは、証拠隠滅・逃亡の危険性が高いので逮捕されます。

逆に、一度は逮捕されたとしても、捜査活動によって詐欺事件に関するほとんどすべての証拠が収集されていたり、被疑者が真摯に反省をして逃亡リスクがないと判断できたりするケースでは、わざわざ逮捕によって身柄を留置する必要性はないので身柄は解放されるでしょう。逮捕処分回避や逮捕後の早期釈放を目指すなら弁護人のサポートが不可欠なので、できるだけ早いタイミングで弁護士までご相談ください。

詐欺被害額が高額の場合

詐欺事件の被害額が高額の場合には、初犯で被害者との間で示談が成立していたとしても逮捕される可能性が高いです。

なぜなら、詐欺被害額が高いほど悪質な事案に位置付けられるので、初犯であっても可罰的違法性が高いと判断されるからです。

たとえば、1回の詐欺行為で数百万円以上の損害を与えた場合は、数万円程度の詐欺行為を何度も繰り返していた場合には、逮捕を回避するのは難しいどころか、有罪の実刑判決が下される危険性も高いと考えられます。

組織的な詐欺行為の可能性がある場合

詐欺事件が組織的に行われた疑いがあるケースは逮捕される可能性が高いです。

なぜなら、組織的に詐欺行為を行っている場合には、発覚した詐欺行為以外にも被害者が存在する可能性がありますし、また、共犯者すべてを捕まえなければ、捜査の網をかいくぐって別の犯罪が引き起こされるリスクが生じるからです。

たとえば、受け子やかけ子のような末端構成員として軽微な詐欺行為を働いて逮捕されたケースでも、背後に主犯格の存在がある以上、逮捕は回避できないでしょう。

組織の末端構成員が詐欺罪で逮捕される場合、勾留期間が延長されたり、再逮捕が繰り返されて身柄拘束期間が長期化する可能性が高いです。SNSなどで特殊詐欺のアルバイトなどが募集される時代ですが、安易な気持ちで犯罪に手を染めたとしてもとかなり厳しい刑事手続きに巻き込まれるので、絶対に関わらないようにしてください。

参照:SNSで実行犯を募集する手口による強盗や特殊詐欺事案に関する緊急対策プラン – 首相官邸

詐欺行為を現認された場合

詐欺行為を働いている現場を捜査機関などに現認されると、現行犯逮捕・準現行犯逮捕される可能性が高いです。

現行犯逮捕とは、現に詐欺行為を行い、または、現に詐欺行為を行い終わった現行犯人を、逮捕状なしで取り押さえる逮捕手続きのことです(刑事訴訟法第212条第1項)。準現行犯逮捕とは、詐欺行為の犯人として追跡されている者や、詐欺行為の証拠物を所持している者などが、詐欺行為を行い終わってから間もないと明らかに認められる場合に、逮捕状なしでその場で捕まえる逮捕手続きを意味します(同法第212条第2項各号)。

たとえば、無銭飲食の現場から逃走しようとしたが店員に追跡されて逮捕されるケースや、オレオレ詐欺の受け子として被害者宅を訪問したときに見張っていた警察官に逮捕されるケースが挙げられます。

詐欺罪などの前科・前歴がある場合

詐欺罪・強盗罪・薬物犯罪など、何かしらの犯罪での前科・前歴がある場合には、詐欺行為が発覚したときに逮捕される可能性が高いです。

前科とは、過去に有罪判決を受けた経歴のことです。懲役刑や禁錮刑だけではなく、罰金刑も前科に含まれます。前歴とは、過去に捜査対象になった事実のことです。被疑者として捜査線上に浮かんだが逮捕・起訴までには至らなかったケースが典型例です。

詐欺事件の捜査で関係者の目星がつくと、警察は当該人物の前科・前歴情報をかならず確認します。そして、前科・前歴があると捜査機関からの心証が悪くなるので、どれだけ詐欺事件が軽微であったとしても、任意の取調べ段階を飛び越えていきなり逮捕状が請求されるでしょう。

被害者が厳しい刑事処罰を望んでいる場合

詐欺事件の被害者の処罰感情が強いと、被害額や犯行の悪質性にかかわらず逮捕によって身柄が押さえられる可能性が高いです。

なぜなら、逮捕するか否か、起訴するか否かなどの刑事処分の決定をする際には、被害者の処罰感情が斟酌されるからです。

したがって、特に、初犯で被害額が少ない詐欺事件では、強い怒りを抱いている感情的な被害者との間でいかに早期に示談を成立させるかが刑事処分の方向性を大きく左右すると考えられます。詐欺行為を働いた加害者では面会機会さえ設けてもらえないので、刑事事件の被害者対応に慣れた弁護士に相談して示談交渉を代理してもらうのがおすすめです。

詐欺罪で逮捕されたその後の流れ

詐欺行為がバレて捜査が及ぶと、以下の4ステップで刑事手続きが進められます

  1. 逮捕
  2. 勾留
  3. 起訴処分
  4. 刑事裁判

逮捕

詐欺罪で逮捕されると、警察署において48時間を上限に身柄拘束付きの取調べが実施されます(刑事訴訟法第203条第1項)。逮捕前と逮捕後48時間以内の捜査活動で得られた証拠を前提として、「事件の処理について検察官の判断を仰ぐ必要がある」と評価された場合には、検察官に事件・身柄が送致されます。

逮捕段階の取調べ中は、詐欺被疑者は外部と一切連絡を取ることができません。「家族が心配するから」「会社に連絡をしなければいけないから」というプライベートな事情は一切考慮してもらえず、取調室と留置場を往復するだけです。

唯一、被疑者の弁護人に専任された弁護士だけはいつでも接見できる権限を有するので、家族などへの言伝があるなら弁護士の助力が不可欠でしょう。

勾留

詐欺罪の容疑で逮捕された後、検察官に身柄が送検されると、担当検察官による取調べが原則24時間を上限に実施されます(刑事訴訟法第205条)。

ただし、詐欺事件が組織的に行われた可能性が高い事案や、被疑者が供述を拒んでいるケースでは、24時間以内の取調べでは足りないと判断されることも少なくありません。

このように、検察官が「24時間を超えてさらに詐欺事件の取調べを継続する必要がある」と判断した場合には、勾留請求によって取調べ期間が延長されます。勾留延長期間は原則10日間ですが、捜査状況次第では最大20日間まで可能です(同法第206条第1項、第208条各項)。

身柄拘束期間が長期化すると、日常生活へのデメリットが大きくなり、社会復帰への道が険しくなります。詐欺事件で逮捕・勾留された場合には最大の23日間まで身柄拘束されるケースも少なくないので、早期の身柄解放を実現するために弁護士の力を頼るべきでしょう。

詐欺事件を1件だけしか起こしていないなら逮捕・勾留段階の身柄拘束期間は最大23日間です。その一方で、組織的犯行や常習的に詐欺行為を働いていたようなケースでは、捜査活動の方針次第では、詐欺行為それぞれに対して逮捕・勾留が繰り返されるので、身柄拘束期間が数カ月に及ぶ危険に晒されかねません。もちろん、自白を強要する目的だけでの逮捕・勾留の連続は違法ですが、客観的に見て複数回の詐欺行為に及んだことが事実であるなら、逮捕・勾留処分に争うことは難しくなります。

起訴処分

身柄拘束期限が到来するまでに、検察官は、送検された詐欺事件の最終的な処分を決定します。

検察官が起訴処分を下して公訴を提起すると、詐欺事件は公開の裁判手続きに移行します。日本の刑事裁判の有罪率は99%とも言われているので、検察官による起訴処分が下された時点で「有罪=前科」を回避するのは難しくなるでしょう。

これに対して、検察官が不起訴処分を下すと、詐欺事件の捜査活動はその時点で終了します。不起訴処分は、「嫌疑なし(詐欺罪の疑いが無い場合)」「嫌疑不十分(詐欺罪の嫌疑が不十分な場合)」「起訴猶予(詐欺行為をしたのは間違いないが、諸般の事情を考慮して今回は起訴を見送る場合)」に分類可能です。冤罪事件もゼロではありませんが、逮捕に至った段階で捜査機関はかなり確度の高い証拠を収集していることが多いので、基本的には起訴猶予処分獲得を目指して防御活動を展開するのが筋でしょう。

簡便簡素な刑事手続きとして「略式手続き(略式起訴・略式命令)」と呼ばれるものがあります。略式手続きとは、罰金刑に処するのが適当な事件において、簡易裁判所の書面手続きだけで判決確定までを済ませる方法のことです。ただし、詐欺罪の法定刑は懲役刑だけで罰金刑が定められていないので、詐欺罪は略式手続きの対象外です。したがって、詐欺罪で起訴処分が下された場合には、かならず公開の刑事裁判にかけられることになります。

刑事裁判

詐欺事件の嫌疑をかけられて逮捕された後、検察官による起訴処分が下されると、公開の刑事裁判を経て判決内容が決定されます。

刑事裁判の期日は、公訴提起の1カ月~2カ月後に指定されるのが一般的です。公訴事実に争いがなければ1回の口頭弁論期日で終了します。争いがあるケースでは、弁論手続き・証拠調べ手続きが丁寧に進められます。

詐欺罪で有罪判決が下される場合には、「執行猶予付き判決を獲得できるか」「出来るだけ短期の刑期を獲得できるか」がポイントになります。態度や供述内容ひとつひとつが判決内容に影響するので、信頼できる弁護士のアドバイスを参考に法廷戦略を練りましょう。

詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役刑」ですが、執行猶予付き判決を獲得するには「3年以下の懲役若しくは禁錮または50万円以下の罰金の言渡しを受けたとき」という条件を満たす必要があります(刑法第25条第1項)。つまり、情状などを丁寧に主張立証しなければ「3年以下の懲役」という執行猶予の要件を満たさずに実刑判決が下されてしまうということです。したがって、詐欺事件が刑事裁判に移行した場合には、検察官による求刑が3年以下になるように効果的な防御活動を展開したうえで、情状により執行猶予付き判決を求める旨の弁論を展開するべきでしょう。

詐欺罪で逮捕されたときに生じるデメリット4つ

詐欺罪で逮捕されると強制的に刑事手続きへ巻き込まれるため、以下4点のデメリットに晒されます。

  1. 勤務先に詐欺での逮捕や有罪判決がバレると懲戒処分の対象になる
  2. 学校に詐欺での逮捕や有罪判決がバレると退学リスクに晒される
  3. 家族や恋人にバレると今までの関係性が崩れる
  4. 詐欺で逮捕・起訴されると前科がついて今後の人生に悪影響が生じる

詐欺で逮捕されたことが会社にバレると懲戒処分を下される可能性が高い

詐欺罪で逮捕されると、最低でも数日~2週間程度は身柄拘束付きの取調べを受ける必要があります。当然ながら出社できるはずもなく、自分自身で会社に直接電話連絡を入れることもできません。

したがって、詐欺罪の嫌疑をかけられて任意取調べが進められている段階ならまだしも、詐欺罪の容疑で逮捕されると会社にバレるのは時間の問題です。

そして、会社に詐欺罪で逮捕されたことを知られると、就業規則の内容にしたがって懲戒処分が下されます。たとえば、懲戒解雇事由のひとつに「不名誉行為によって会社の体面を著しく毀損したとき」などの条項が掲げられていると、会社をクビになる可能性も否定できません

仮に懲戒解雇処分を免れられたとしても、詐欺で逮捕されたことや前科がついたことが会社に知られてしまうので、職場で肩身の狭い思いをすることになるでしょう。昇進・昇格の見込みもなくなります。

詐欺で逮捕されたことが学校にバレると退学リスクに晒される

学生が詐欺罪で逮捕されると、捜査の一環として学校に連絡がいく場合があります。また、警察から学校に問い合わせをされなかったとしても、いきなり数日~数週間欠席が続くことになるので、何かしらのトラブルに巻き込まれたと推察されるでしょう。特に、近年では闇バイトや若年世代の詐欺事件がネットニュースなどで大々的に取り上げられる傾向が強いです。バレなければ幸運ですが、どこかのタイミングで学校に知られるのは仕方ありません。

詐欺罪で逮捕された学生に対する処分内容は学則・校則の規定次第です。訓告で済むこともあれば、停学や退学などの厳しい措置がとられる可能性もあります。

詐欺で逮捕されたことが家族にバレると関係性が崩れる

詐欺罪で逮捕されたことが身内に知られるとこれまでの関係性が壊れてしまいます。

たとえば、詐欺で逮捕されたことや前科がついたことをパートナーに受け入れてもらえなければ、法定離婚事由に該当するので婚姻関係が破綻します(民法第770条第1項第5号)。子どもの親権や慰謝料・養育費の問題が発生するだけではなく、生活環境が大幅に変わることへの苦労・ストレスも絶えないでしょう。

また、親に知られると愛想をつかされて実家を追い出される可能性もあります。さらに、知人や恋人からの信用を失うことになりかねません。

詐欺で逮捕されると前科がつく可能性が高い

詐欺罪で逮捕されると、検察段階で不起訴処分を獲得できない限りは、有罪判決が下されて前科がつく可能性が高いです。

前科がつくと、今後の生活において以下のような支障が生じます。

  • 職務経歴書の賞罰欄に記載を求められるので就職活動・転職活動が成功しにくい
  • 警備員や金融関係の仕事など、前科があると就業しにくい仕事が多い
  • 前科を理由に結婚を断られる可能性がある
  • 前科があることを理由に離婚を申し入れられると拒絶できない
  • 報道されるとWEB上に情報が残り続ける
  • 前科を理由に入国を拒絶されると海外旅行等に支障が生じる
  • 前科があると再犯時に刑罰が重くなる可能性が高い

特に、詐欺事件で逮捕されたことが実名報道されると、どれだけ逮捕から時間が経過しても、氏名をインターネット検索されるだけで過去に詐欺事件を起こしたことがバレてしまうのが難点です。社会復帰への道を容易にするためにも、個人の名誉やプライバシーに関する情報は早期に削除手続きを進めるように弁護士に相談しましょう。

なお、「前科によるデメリット」として噂されるもののなかには、いくつか間違ったものも含まれています。たとえば、「詐欺で前科がつくと選挙権を失う」「詐欺で逮捕されると前科情報が戸籍・住民票に掲載される」「詐欺で前科がつくと信用情報機関にブラックリスト情報が登録されてローン審査に影響する」などはすべて嘘です。前科による弊害は本文で紹介したものに限られるので、過度に恐れる必要はないでしょう。

詐欺行為に及んでしまったときや逮捕されたときに弁護士に相談するメリット4点

詐欺事件に関与してしまったときや、捜査機関から詐欺事件について問い合わせがあったとき、詐欺罪の容疑で逮捕されたときには、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら、詐欺事件の弁護実績豊富な弁護士を頼れば、以下4点のメリットを得られるからです。

  1. 詐欺罪で逮捕されても早期の身柄解放実現を目指して法律を駆使してくれる
  2. 詐欺罪で逮捕されても不起訴処分獲得を目指して尽力してくれる
  3. 詐欺罪で起訴処分が下されても有利な判決獲得を目指して裁判手続きを進めてくれる
  4. 詐欺罪で逮捕される前に自首する可否を検討してくれる

早期の身柄解放に向けて尽力してくれる

詐欺罪で逮捕・勾留される期間が長引くほど、心身への負担は重く、実生活への悪影響は大きくなります。

そこで、依頼者が詐欺事件で逮捕された場合、弁護士はできるだけ早期の身柄解放を目指して策を講じてくれます

たとえば、証拠隠滅や逃亡のおそれがない状況なのに逮捕・勾留による身柄拘束が継続している場合には、留置の必要性がないとして異議を申し立ててくれます。また、起訴処分が下された後は、すみやかに保釈手続きを開始して、起訴後勾留の回避を目指してくれるでしょう。さらに、早期から効果的な弁護活動を展開できれば検察官送致さえ免れて微罪処分として捜査を終結させることも可能です。

詐欺罪で起訴された後は、保釈手続きを進めて身柄解放を目指すのが一般的ですが、保釈金の相場は個別事案の詳細や被告人の資産状況によって変動します。たとえば、比較的軽微な詐欺事件で被告人の年収が低ければ、保釈金は数十万円程度で済むこともあるでしょう。これに対して、被告人が高額資産を保有しており、初犯ではなく組織的犯行を伺わせる場合には、保釈金は数百万円以上になることも少なくありません。「初犯だから保釈保証金が安い」「初犯だから保釈請求が通りやすい」というルールは存在しないので、かならず弁護士に相談をして保釈決定が下りるように手続きを進めましょう。

不起訴処分獲得に向けて尽力してくれる

詐欺罪で逮捕された後は、不起訴処分を獲得できるかが大きな分岐点になります。なぜなら、詐欺罪で起訴処分が下されると前科を避けるのは現実的に不可能ですし、実刑判決が下される可能性も否定できないからです。不起訴処分を獲得できれば、前科なしの状態で社会復帰を目指せるでしょう。

そこで、弁護士は不起訴処分獲得を目指した策を講じてくれます。

たとえば、身柄拘束中で動きがとれない被疑者に代わって、詐欺被害者との間での示談成立を目指します。詐欺被害額によって示談金の相場は異なりますが、損害額に慰謝料額を加算した金額になるのが一般的です。和解契約が成立すれば、被害届や告訴の取り下げを期待できるので、不起訴処分獲得の可能性を高められるでしょう。

また、不起訴処分を獲得するには取調べへの向き合い方もポイントになりますが、弁護士なら接見機会を積極的に有効活用して、時々刻々と変化する捜査状況を踏まえたアドバイスを提供してくれます。たとえば、詐欺共犯者に関する情報の供述範囲や、反省の態度や再犯しない旨をアピールする重要性など、事案の状況に即した効果的な助言を期待できるでしょう。

逮捕・勾留段階で被疑者とコンタクトを取れるのは弁護士だけです。起訴・不起訴の判断までの時間は限られているので、効果的な防御活動を展開できるように、かならず刑事事件の実績豊富な弁護士に相談してください。

執行猶予付き判決獲得を目指して情状を主張してくれる

詐欺罪で起訴されると有罪判決が下される可能性が高いですが、前科回避が難しいからと言って諦めてはいけません。なぜなら、どれだけ力を入れて刑事裁判に向き合えるかで執行猶予付き判決を得られるか否かが決まるからです。詐欺罪で実刑判決が下されると数年間は社会生活から隔離されますが、執行猶予付き判決を獲得できれば、判決が確定した時点で日常生活に戻ることができます。

詐欺罪の成否自体を争う場合以外は、量刑を有利にする事情(犯行に至った経緯・計画性の有無・家庭環境・反省の具合など)をどんどん主張立証していくのが一般的です。有利な情状証拠が多い方が執行猶予が付く可能性が高まるので、わずかな隙もない弁護活動を展開してもらいましょう。

詐欺で逮捕される前なら自首についてアドバイスしてくれる

詐欺罪に関与してしまった場合には、逮捕される前でも弁護士の力を借りるのがおすすめです。

なぜなら、警察が詐欺事件を知る前に自首した姿勢が評価されて、軽い刑事処分(微罪処分・不起訴処分など)を期待できるからです。弁護士に相談すれば、自首によってどれだけの減軽効果があるのかを事前に見繕ってくれるでしょう。

さらに、逮捕前に弁護士に相談すれば、警察の捜査が及ぶ前の段階で被害者と直接連絡を取り合って示談をまとめることも可能です。示談条件次第では、詐欺被害者が警察に連絡することを控えてくれて、民事的解決だけで事件を終結させられます。

詐欺事件にかかわらず、「刑事罰の対象になる行為を犯したしまったときには、弁護士のサポートを得るタイミングが早い方が防御活動の選択肢が増える」ということを覚えておきましょう。

詐欺罪は逮捕される可能性が高いのですみやかに弁護士に相談しよう

詐欺罪は立件が難しい犯罪だと言われています。

しかし、本格的な捜査活動が展開されると、初犯でも詐欺の嫌疑で逮捕されますし、実刑の有罪判決が下される可能性も否定できません

したがって、詐欺グループに関わってしまったり、詐欺行為を働いてしまった場合には、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談して、刑事手続きのステージに応じた防御活動を展開してもらうのがおすすめです。早期の対策次第で逮捕・前科・実刑判決を目指せるので、諦めずに刑事手続きに向き合いましょう。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

刑事事件コラムカテゴリの最新記事

PAGE TOP