違法賭博で逮捕されるときの犯罪類型とは?実刑回避のコツと弁護士に相談するメリットを解説

違法賭博で逮捕されるときの犯罪類型とは?実刑回避のコツと弁護士に相談するメリットを解説
違法賭博で逮捕されるときの犯罪類型とは?実刑回避のコツと弁護士に相談するメリットを解説

違法バカラや海外のオンラインカジノだけではなく、友だち同士でする賭け麻雀やお金を賭けた遊びも含めて、これらはすべて違法な賭博行為です。これらの賭博行為に及んだことが捜査機関に発覚した場合、単純賭博罪や常習賭博罪の容疑で逮捕され、悪質性が高い事案なら実刑判決が下されるリスクも伴います

つまり、「少しくらい賭けても大丈夫だろう」「みんなギャンブルをしているから自分も楽しみたい」と安易な気持ちで手を出した違法賭博が原因で人生を棒に振ることになりかねないということです。

そこで今回は、違法な賭博行為に関与した経験をもつ人や、違法賭博に関して警察から任意の出頭要請がかかって不安を抱えている人のために、以下4点について分かりやすく解説します。

  1. 違法賭博で逮捕されるときの犯罪類型
  2. 違法賭博で逮捕されるときの刑事手続きの流れ
  3. 違法賭博で逮捕されたときに生じるデメリット
  4. 違法賭博への関与が警察にバレたときに弁護士へ相談するメリット

賭博罪は比較的軽微な犯罪類型に分類されますが、捜査機関主導で刑事手続きを進められると不利な刑事処分が下されかねません

少しでも早いタイミングで弁護士へ相談して、今後の防御活動について入念な準備をしてもらいましょう。

目次

賭博が違法なものとして逮捕されるときの犯罪類型

賭博が違法行為として刑事処罰の対象になるのは以下の犯罪類型に該当するときです。

  • 単純賭博罪
  • 常習賭博罪
  • 賭博場開帳図利罪
  • 博徒結合図利罪
  • 富くじ発売等罪

なお、「賭博行為は、『国民に怠惰浪費の弊風を生じさせて健康で文化的な社会の基礎をなす勤労の美風を害する』だけでなく、場合によっては、『暴行・脅迫・殺傷・強盗・窃盗などの副次的犯罪を誘発し、国民経済の機能に重大な障害を与えるおそれがある』」ため、「賭博及び富くじに関する罪」として検挙されるとするのが判例・通説です(最判昭和25年11月22日)。

ただし、賭博行為にはこのような社会風俗に対する危険性があるにもかかわらず、賭博行為等を正当化する諸法制(競馬法、自転車競技法など)によって一部例外的に合法として扱われる場合がある点に注意が必要です。

したがって、「賭博及び富くじに関する罪」は、「国によって公認された賭博・富くじ」以外の場面に行われ、これらに関連して違法行為を惹起したり、暴力団などの反社会的組織の資金源になったりする場合を処罰対象にしていると言えるでしょう。

賭博罪

賭博罪(単純賭博罪)とは、「賭博をしたとき」に成立する犯罪類型のことです。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときには、賭博罪は成立しません(刑法第185条)。

賭博

賭博罪の実行行為は「賭博」です。

賭博とは、「偶然の勝敗によって、財物や財産上の利益の得喪を2人以上の者が争う行為」のことです。賭博行為に着手した時点で賭博罪は既遂に達するので、勝敗が決したことや財物等が授受されたことは賭博罪の構成要件ではありません。

まず、当事者の一方が危険を負担することなく、常に利益を取得する仕組みになっている場合には、「賭博」への該当性は否定されます(大判大正6年4月30日)。

次に、賭博行為と言えるには勝敗の結果が偶然性によって決定されなければいけませんが、ここに言う「偶然性」は賭博行為者が主観的に偶然であると感じていれば足り、客観的な不確実性までは求められません(大判大正3年10月7日)。そのため、当事者にとって不確定なものでありさえすれば、すでに確定している過去の事実についても賭博罪が成立することになります。

さらに、当事者の技量に差があったとしても、偶然的要素が存在する限りにおいて、賭博罪の成立は認められます。たとえば、賭け囲碁(大判明治44年11月13日)、賭け麻雀(大判昭和6年5月2日)などは、打ち手の技量によって勝敗が左右するとは言え、偶然的要素を排除できるものではないので、違法な賭博行為だと言えるでしょう。

なお、当事者の一方についてのみ偶然性が存在するに過ぎない場合(詐欺賭博)には「賭博行為」への該当性が否定されるので賭博罪は成立しません(このケースでは詐欺罪の成否が問題になります。最判昭和26年5月8日)。

一時の娯楽に供する物

一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときには、違法な賭博行為として逮捕されることはありません。構成要件該当性自体を否定するのか可罰的違法性を否定するのかで見解は分かれますが、いずれにしても犯罪を構成しない点は同じです。

一時の娯楽に供する物」とは、「関係者が即時に娯楽のために費消するもの」のことです(大判昭和4年2月18日)。たとえば、友人同士で飲食物やたばこを賭けるようなケースが典型例として挙げられます。これに対して、金銭については金額の多寡にかかわらず「一時の娯楽に供する物」に該当しない(賭博罪が成立する)とするのが判例です(大判大正13年2月9日)。

賭博罪の法定刑

単純賭博罪の法定刑は「50万円以下の罰金刑または科料」です。科料とは「1,000円以上10,000円未満」の金銭刑罰のことを指します(刑法第17条)。

したがって、単純賭博罪で逮捕されたとしても懲役刑などの拘禁刑が下されることはなく、初犯であれば微罪処分・不起訴処分を獲得することも難しくはありません。ただし、適切な防御活動を展開しなければ罰金刑で前科がつくリスクに晒されるので、かならず刑事事件に慣れた弁護士までご相談ください

常習賭博罪

常習賭博罪とは、「常習として賭博をしたとき」に成立する犯罪類型のことです(刑法第186条第1項)。常習性の発現として賭博行為が行われた場合に成立する加重類型です。

常習

常習賭博罪における「常習性」とは、「賭博行為を反復累行する習癖」のことです(大判大正3年4月6日)。

まず、賭博の種類・賭金の多寡・賭博が実施された期間・賭博が実施される頻度・賭博罪での前科前歴の有無など、諸般の事情が総合的に考慮されて「常習性」の有無が判定されます。たとえば、個人間・知人間での閉じられた関係性での賭博行為でも、金額が高額でかなりの頻度で実施された場合には常習性が認められる可能性が高いです(最判昭和25年3月10日)。

次に、1回の賭博行為であっても、当該賭博行為が「常習性の発現」と解される限り、常習賭博罪が成立します(大判大正4年9月16日)。

さらに、常習賭博罪は「集合犯」なので、複数回賭博行為を行ったとしても、常習賭博罪包括一罪が成立するにとどまります(最判昭和26年4月10日)。

常習賭博罪の法定刑

常習賭博罪の法定刑は「3年以下の懲役刑」です。

単純賭博罪と違って罰金刑・科料が定められていないので、検察官による起訴処分が下された場合には、実刑判決回避に向けて防御活動に専念する必要があります。

ただし、常習賭博罪の法定刑は最長でも3年なので、基本的には執行猶予判決の要件を満たします。初犯であれば執行猶予付き判決を獲得するのは難しくないので、刑事事件のノウハウ豊富な弁護士に尽力してもらいましょう

賭博場開帳図利罪

賭博場開帳図利罪とは、「賭博場を開帳して利益を図ったとき」に成立する犯罪類型のことです(刑法第186条第2項)。

賭博場の開帳

賭博場の開帳」とは、「犯人自らが主催者として、その支配下において賭博をさせる場所を開設すること」です(最判昭和25年9月14日)。実際に賭博行為が行われたかどうかは本罪の成否に影響しません(大判明治43年11月8日)。

たとえば、「賭博場の開帳」の典型例としてカジノ等の開設が挙げられますが、事務所に電話などを備え付けて電話によって賭博の申込みをさせるだけでも賭博場の実態があると考えられるので、違法な賭博場の開帳として処罰対象になります(最決昭和48年2月28日)。

図利

図利」が認められるには、「利益を得る目的で賭場を開帳したこと」だけで足ります。「実際に利益を得たこと」までは不要です。

たとえば、賭場開設の対価として賭博者から寺銭・手数料などの財産的利得を得ようとする意思がある場合には、それだけで賭場上開帳図利罪の成立が認められます。

賭博場開帳等図利罪の法定刑

賭博場開帳等図利罪の法定刑は「3カ月以上5年以下の懲役刑」です。

他者による違法な賭博行為を誘因する点で単純賭博罪や常習賭博罪よりも重い法定刑が定められています。最長で5年の懲役刑が科されるリスクがあるので、最低でも執行猶予付き判決獲得に向けて防御活動に尽力するべきでしょう。

なお、賭博場を開帳した犯人自身が賭博行為に及んだ場合には、賭博場開帳図利罪と賭博罪の併合罪が成立します(刑法第45条)。

博徒結合図利罪

博徒結合図利罪とは、「博徒を結合して利益を図ったとき」に成立する犯罪類型のことです(刑法第186条第2項)。

博徒

博徒とは、「常習的・職業的な賭博行為者」のことです。

ギャンブルを専業としている場合だけではなく、賭博への依存度や賭博行為の頻度、賭け額などを総合的に考慮して、博徒性が判断されます。

結合

結合とは、「自己が中心となって博徒との間に親分対子分またはこれに類する人間関係を結び、一定の区域・縄張り内において随時賭博を行う便宜を提供すること」を意味します。

図利

利益を図った」とは、利益を獲得しようとする計画があれば足ります。博徒の結合によって実際に利益を得たことまでは必要ありません。

博徒結合図利罪の法定刑

博徒結合図利罪の法定刑は「3カ月以上5年以下の懲役刑」です。

富くじ発売等罪

富くじ発売等罪とは、「富くじを発売したとき」「富くじの発売を取り次いだとき」「富くじを授受したとき」に成立する犯罪類型のことです(刑法第187条各項)。

富くじ

富くじとは、「『あらかじめ番号札を発売して購買者から金銭等の財物を集め、抽選などの偶然性のある方法によって、当選者だけが利益を得る』という形で富くじ参加者の間に不平等な利益を分配するギャンブルシステムにおける『くじ札』に相当するもの」のことです。

富くじへの該当性が認められるには、以下3つの要件を満たす必要があります(大判大正3年7月28日)。

  1. 抽選等の方式によって勝敗が決せられること
  2. 財物等の提供によって所有権を失うこと
  3. 購買者のみが不利益を負担し、発売者は一切の危険を負担しないこと

富くじ発売等罪の実行行為

富くじ発売等罪の実行行為は「発売」「発売の取次ぎ」「授受(発売・取次ぎを除く)」の3種類です。

発売とは、自らの計算において富くじを発行して売却することです。多数人に対して売り出していれば、結果として少数にしか売れなかった場合にも、富くじ発売罪が成立します。

発売の取次ぎとは、富くじの発売者と購買者の間に立って売却の周旋をすることです。

そして、授受には、富くじの授受行為一切が含まれます。

富くじ発売等罪の法定刑

富くじ発売等罪は、以下のように実行行為によって異なる法定刑が定められています。

実行行為 法定刑
発売 2年以下の懲役刑または150万円以下の罰金刑
発売の取次ぎ 1年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑
授受 20万円以下の罰金刑または科料

【注意!】賭博が例外的に合法になるケース

ここまで説明したように、単純賭博罪・常習賭博罪によって賭博行為自体が違法なものとされていますし、賭博場開帳等図利罪・富くじ発売等罪によって賭博行為を行う環境を提供することも違法と扱われるのが刑法の考え方です。

しかし、一部の”賭博行為”については、刑法とは別に根拠法が定められているので、例外的に合法なものとして取り扱われています。

合法な”賭博行為”と違法な賭博行為は以下の通りです。合法な”賭博行為”以外はすべて処罰対象になるので、「友達同士のギャンブルだから大丈夫」と安易に受け止めるのは避けるべきでしょう。

合法な”賭博行為” 違法な賭博行為
・競馬(中央競馬・地方競馬):競馬法
・競輪:自転車競技法
・競艇:モーターボート競走法
・オートレース:小型自動車競走法
・宝くじ:当せん金付証票法
・お年玉付郵便はがき:お年玉付郵便葉書等に関する法律
・パチンコ(三店方式):風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
・闇スロット
・海外カジノ
・オンラインカジノ
・野球賭博
・賭け麻雀
・賭けゴルフ
・賭けポーカー など

違法賭博で逮捕されるときの刑事手続きの流れ

違法な賭博行為に手を出したことが捜査機関に発覚すると、以下の流れで刑事手続きが進められます。

  • 違法な賭博行為について警察から接触がある
  • 賭博罪等で逮捕された後は警察で48時間以内の取調べが実施される
  • 違法賭博事件が警察から検察官に送致される
  • 違法な賭博行為について検察官が公訴提起するか否かを判断する
  • 違法賭博事件について刑事裁判にかけられる

違法賭博について警察から接触がある

違法賭博事件への関与が捜査機関に発覚した場合、以下3つの方法で警察と接触機会をもつことになります。

  1. 通常逮捕
  2. 現行犯逮捕
  3. 任意の事情聴取

違法な賭博行為への関与がバレるきっかけ

違法な賭博行為は密室や人目につかない場所で秘密裏に行われる傾向が強いです。そのため、「違法賭博に関与しても賭場でギャンブルをしている真っ只中を検挙されない限り、捜査機関に発覚することはないだろう」という油断を生み出します。

しかし、「過去の違法賭博行為はバレない」というのは間違いです。なぜなら、違法賭博への関与は以下のようなきっかけで捜査機関に発覚することが多いからです。

  • 違法賭博場の経営者が摘発されて芋づる式に顧客が逮捕される
  • 違法賭博で負け額を払えない利用者が自分も逮捕される覚悟で警察に助けを求める
  • 違法賭博をしているときの動画がSNS等で拡散されて捜査機関が事件を知る
  • 違法賭博をしている現場に捜査機関が踏み込んでくる

したがって、過去の違法賭博について現段階では警察の追及がないとしても、自分が想定していないタイミングで違法賭博行為が捜査機関にバレていつ警察から接触がかかるか分からない状況だと考えられます。

警察から接触がくる前に防御活動をスタートするだけで刑事責任を軽減できるので、できるだけ早いタイミングで賭博罪等の刑事事件の実績豊富な弁護士までご相談ください

過去の賭博行為は公訴時効が完成するまで常に立件リスクを抱えたまま

違法賭博に関与した場合、警察にいつ後日逮捕されるか分からないのは事実ですが、その一方で、「未来永劫死ぬまで逮捕リスクに晒され続ける」というわけではありません

なぜなら、賭博罪等については「公訴時効」という制度が設けられており、賭博行為等から一定期間が経過したタイミングで検察官の公訴権が消滅する(逮捕されるリスクがゼロになる)からです。

公訴時効期間は各犯罪の法定刑ごとに異なります。違法賭博に関連する犯罪類型の法定刑及び公訴時効期間は以下の通りです(刑事訴訟法第250条第2項各号)。

犯罪類型 法定刑 公訴時効期間
単純賭博罪 50万円以下の罰金刑または科料 3年
常習賭博罪 3年以下の懲役刑 3年
賭博場開帳図利罪 3カ月以上5年以下の懲役刑 5年
博徒結合図利罪 3カ月以上5年以下の懲役刑 5年
富くじ発売罪 2年以下の懲役刑または150万円以下の罰金刑 3年
富くじ発売取次罪 1年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑 3年
富くじ授受罪 20万円以下の罰金刑または科料 3年

したがって、過去に違法賭博事件に関与した場合には、少なくとも賭博行為から3年が経過しない限り逮捕リスクに悩まされ続けなければいけないと考えられます。このような不安定な立場のままでは、就職活動に励んだり結婚などの人生のステージを歩んだりしにくいでしょう。

賭博罪などの刑事弁護に強い専門家なら、過去の違法賭博事件が警察に発覚する可能性等から自首するべきか否かを的確に判断してくれるので、警察主導で逮捕手続きが進められる前に弁護士までご相談ください

違法賭博について後日逮捕される

過去の違法賭博行為が捜査機関に発覚すると、単純賭博罪等の容疑で通常逮捕される可能性があります。

通常逮捕とは、「裁判官が事前に発付する逮捕状に基づいて執行される強制的な身柄拘束処分」のことです(刑事訴訟法第199条第1項)。

逮捕状が執行されるタイミングは被疑者の状況次第で変わってきます。たとえば、出勤前に在宅しているのが明らかな場合には、平日早朝に捜査員がいきなり自宅にやってくることもあり得るでしょう。逮捕状が執行されるとその場で身柄が押さえられるので、「欠勤の旨を伝えるために会社に電話をかけたい」「大事な会議があるから別の日に出頭したい」などの要望は一切聞き入れられません。

逮捕処分は、賭博行為に及んだ相当の理由がある被疑者について「留置する必要性が高い」と判断される場合に実行されます。たとえば、違法賭博事件が以下のような要素を備えている場合には、後日逮捕手続きに着手される可能性が高いでしょう。

  • 違法賭博での賭け額が相当高額
  • 違法賭博などの前科・前歴がある
  • 住所不定・無職など逃亡のおそれが高い
  • 組織的な違法賭博行為に深く関与している疑いがある
  • 反社会的勢力との繋がりが想定される
  • 違法賭博の関係者との連絡手段(スマホなど)を証拠隠滅するおそれが高い
  • 違法賭博事件以外の犯罪に関与している疑いがある
  • 警察からの任意出頭要請に応じない、事情聴取で嘘や矛盾した供述をしている

違法賭博について現行犯逮捕される

違法賭博行為が捜査機関に発覚した状況次第では、単純賭博罪等の容疑で現行犯逮捕される可能性もあります。

現行犯逮捕とは、「現行犯人(現に罪を行い、または、現に罪を行い終わった者)に対する逮捕処分」のことです(刑事訴訟法第212条第1項)。通常逮捕(後日逮捕)と違って犯罪行為に及んでいることが客観的に明白な状況が揃っているので、現行犯逮捕は裁判官が事前に発付する逮捕状なしで行われます。たとえば、捜査機関が事前に目星をつけていた違法バカラ場に踏み込んだ際に賭博行為に及んでいた場合、その時点で単純賭博罪等の容疑で現行犯逮捕されるのが典型例です。

通常逮捕と同じように、現行犯逮捕された場合にも、その場で身柄が強制的に拘束されるので、第三者に連絡するタイミングのないまま警察署に連行されて取調べを受けなければいけません。できるだけ早いタイミングで防御活動を展開したいなら、警察署に連行されてすぐに当番弁護士や私選弁護人に連絡したい旨を告げるべきでしょう。

違法賭博行為に及んでいる現場を押さえられる場合だけではなく、違法カジノ会場から逃走している最中に逃げ切れずに捜査員に身柄を確保された場合にも、令状なしの逮捕処分が実施されます(準現行犯逮捕)。準現行犯逮捕とは、「犯人として追呼されている者、違法賭博に関する証拠物等を所持している者、と誰何されて逃走しようとする者が、違法賭博行為等を終えてから時間が経っていないと明らかに認められるケースを対象にする逮捕処分」のことです(刑事訴訟法第212条第2項)。個別事案の事情によって差はありますが、違法賭博の現場から逃走して数時間が経過した後でも、時間的・場所的連続性がある限り、準現行犯逮捕が実施される可能性もゼロではありません。したがって、「違法賭博の現場から逃走すれば現行犯逮捕はない、後日警察から出頭要請等がかかったタイミングで対応すれば大丈夫」というわけではないので、仮に一斉検挙の現場から逃走できた場合でも、すみやかに弁護士へ相談のうえ、今後の方策についてアドバイスを貰うべきでしょう。

違法賭博について任意の事情聴取を要請される

違法賭博事件の状況や関与の程度次第では、通常逮捕手続きではなく、任意の事情聴取・出頭要請をかけられる可能性もあります。

任意の事情聴取とは、「捜査機関の自由裁量に基づいて要請される捜査対象者に対する取調べ」のことです。捜査機関は違法賭博事件などについて認知した場合、自由に被疑者や関係者を取り調べることができます(刑事訴訟法第197条第1項)。たとえば、防犯カメラ映像や胴元のスマホ情報から違法賭博に関与した疑いがある人物の身元が特定されて、後日警察から電話連絡があったり、いきなり捜査員が自宅に訪問したりして、出頭要請がかけられます。

ただし、警察による任意の事情聴取に応じる義務はありません。なぜなら、任意処分は捜査対象者の法益を侵害しない範囲で行わなければいけないとされているからです。たとえば、警察から出頭要請がかかったとしても、「都合がつかないから」「気分が乗らないから」「警察署まで行くのが面倒だから」「違法賭博のことを話したくないから」など、どのような理由であっても出頭や取調べを拒絶することが許されています。

しかし、違法賭博に関与した疑いがあることを根拠に実施される任意の出頭要請には応じた方が良いでしょう。なぜなら、捜査機関はある程度単純賭博罪に該当する犯罪行為について証拠等を掴んでいるのは間違いないわけですから、任意の事情聴取を拒否したところで、逮捕状が請求されて通常逮捕手続きが実施されるだけだからです。

もちろん、「警察からの出頭要請に応じるのは怖い」という気持ちはもっともでしょう。しかし、任意の出頭要請に応じていれば好きなタイミングで取調べに応じて好きなタイミングで帰宅することができたところ、このチャンスを棒に振ってしまうと、強制的に身柄が拘束されて日常生活にさまざまな支障が生じかねません。

したがって、警察から違法賭博行為について出頭要請がかかった場合には、弁護士と相談して供述方針等を固めたうえで、丁寧に取調べに対応するべきだと考えられます。任意ベースで刑事手続きが進んでいる限りは社会生活等に大きな支障が生じる可能性は低いでしょう。

違法賭博事件を認知した場合に逮捕処分・任意処分のいずれを選択するかは捜査機関が自由に決定できます。個別事案の状況によってどちらが選択されるかは左右されますが、一般的には、以下のような事情があれば任意捜査が選択される可能性が高いでしょう。

  • 常習的に違法賭博をしているのではなく単発的に関与しただけ
  • 違法賭博について共犯者と口裏を合わせるおそれがない
  • 違法賭博の胴元や反社会的勢力との密接な繋がりが見えない
  • 違法賭博で高額の現金等を賭けたわけではない
  • 住所や職業がはっきりしており逃亡・証拠隠滅のおそれがない
  • 警察からの呼び出しを無視せず、事情聴取中の供述にも矛盾や嘘がない
  • 違法賭博やその他犯罪行為の前科・前歴がない

違法賭博について逮捕されると警察で48時間以内の取調べが実施される

違法賭博への関与の容疑が明確になり、単純賭博罪等の容疑で逮捕された場合、警察段階の取調べが実施されます。

警察段階の取調べには「48時間以内」という時間制限が設けられています(刑事訴訟法第203条第1項)。逮捕処分に基づく身柄拘束期間が無制限だと被疑者の身体の自由に対する侵害が深刻な程度に至るからです。

逮捕処分に基づいて実施される取調べ期間中は、留置所と取調べ室を往復するだけで、自宅に戻ったり外部と連絡を取ったりすることはできません(面会できるのは選任した弁護人だけです)。

48時間以内の身柄拘束期限が到来するまでに、違法賭博事件を送検するのか、微罪処分に付するのかが決定されます。

違法賭博事件が警察から検察に送致される

違法賭博への関与について警察段階で入念な取調べが実施された後は、関係書類や証拠物・身柄と合わせて、違法賭博事件が警察から検察官に送致されます(これを「送検」と呼びます)。

送検後は、検察段階の取調べが実施されます。検察官が実施する取調べは原則24時間以内です(刑事訴訟法第205条第1項)。

ただし、極めてシンプルな単純賭博の自白事件なら「警察段階48時間+検察段階24時間」の取調べで充分な証拠が得られますが、常習性が疑われる事案・共犯者を追及する必要性が高い事案・反社会的勢力との関わりのなかで違法賭博が行われた事案・取調べに対して黙秘や否認をしている事案では、原則的な72時間の身柄拘束付き取調べだけでは真相究明に至らない可能性が高いです。

そこで、検察段階における取調べでは例外措置として「勾留請求」という制度が設けられており、検察官がやむを得ずに24時間の制限時間を遵守できない場合には、10日間~20日間の範囲で身柄拘束期間(勾留期間)を延長するという措置が採られます(同法第206条第1項、第208条)。つまり、勾留請求された場合には、逮捕段階からカウントして最大23日間身柄拘束されるということです。

違法賭博事件について検察が起訴・不起訴を決定する

逮捕・勾留に基づく身柄拘束期限が到来するまでに、検察官が賭博事件について公訴提起するか否かを判断します。

起訴処分とは、「違法賭博事件を刑事裁判にかける旨の訴訟行為」のことです。これに対して、不起訴処分とは、「違法賭博事件を刑事裁判にかけずに検察官限りの判断で刑事手続きを終結させる旨の意思表示」のことを指します。

日本の刑事裁判の有罪率は約99%とも言われています。つまり、刑事裁判にかけられた時点で「有罪=前科」が確定するということです。どうしても有罪や前科を避けたいなら、検察官による起訴処分だけは何としても回避しなければいけません

違法賭博事件が公開の刑事裁判にかけられる

検察官が違法賭博事件について起訴処分を下した場合には、起訴処分から1カ月~2カ月頃のタイミングで公開の刑事裁判が開廷されます。

違法賭博事件の場合、刑事裁判は冒頭手続き・証拠調べ手続き・弁論手続き・結審・判決言い渡しの流れを経るのが一般的です。ただし、公訴事実に争いがなければ第1回口頭弁論期日で結審に至ります。これに対して、常習性を争う場合や「一時の娯楽に供する物」への該当性を争う場合など、検察官が描くストーリーに対して疑義を呈するケースでは、複数回の口頭弁論期日をかけて主張立証を繰り返すことになります。

なお、単純賭博罪では法定刑に罰金刑・科料しか定めはありませんが、常習賭博罪では実刑判決が下される可能性も否定できません。丁寧に情状を展開しなければ刑務所に収監されかねないので、刑事事件を専門に取り扱っている弁護士に相談したうえで、できるだけ有利な判決内容獲得を目指して尽力してもらいましょう

違法賭博に関与して逮捕されると生じるデメリット5つ

違法賭博に関与したことが捜査機関に発覚して逮捕されると、以下5点のデメリットに晒されます。

  1. 逮捕・勾留によって長期間身柄拘束される
  2. 実名報道されて社会的信用が失墜する、インターネット上に違法賭博に関与した事実が残り続ける
  3. 違法賭博への関与が原因で会社から懲戒処分を下される
  4. 違法賭博への関与が原因で学校から何かしらの処分を下される
  5. 単純賭博罪・常習賭博罪などで前科がつくと今後の社会生活にさまざまな支障が生じる

違法賭博で逮捕されると長期間身柄拘束されるリスクに晒される

違法賭博への関与が捜査機関に発覚すると、逮捕・勾留処分によって強制的に長期間身柄が押さえられる可能性が高いです。

仮に起訴される場合を想定すると、逮捕~起訴までは最短3日・最長23日間に及びます。

会社員の場合、たった1日無断欠勤するだけでも社会的信用は失墜するのに、これほど長期間直接連絡もできずに欠勤が続くのは相当問題です。また、逮捕・勾留期間中に実施される取調べは相当厳しいので、心身に負荷がかかるでしょう。さらに、一切面会が許されない配偶者や恋人、家族などが感じる不安も相当なものになりかねません。

違法賭博で逮捕されると実名報道されるリスクに晒される

違法賭博は話題性の強い事件類型なので、単純賭博罪・常習賭博罪などの容疑で逮捕された場合には、顔写真付きで実名報道されかねません。また、違法賭博に興じている様子がSNS等で拡散される可能性もあります。

報道番組やネットニュースで報道されると、違法賭博に関与した情報や賭博罪等の容疑で逮捕された情報がインターネット上に半永久的に残り続けます。たとえば、就職活動や転職活動では企業側が求職者の名前をインターネット検索することも当たり前のように行われるので、簡単に違法賭博への関与がバレてしまうでしょう。また、知人などに名前を検索されるだけで犯罪に手を染めたことを知られてしまうので、これまで築いた交友関係等にも亀裂が入ってしまいます。

もちろん、すべての刑事事件が報道の対象になるわけではありませんが、報道の対象になった時点で刑事責任とは別に甚大な社会的制裁が加えられる点にご注意ください。

違法賭博に関与したことが会社にバレると懲戒処分の対象になる

違法賭博に関与して逮捕されると、会社にバレて懲戒処分を下される可能性が高いです。

どのような懲戒処分が下されるかは各社の就業規則次第で異なります。懲戒処分には「戒告・譴責・減給・出勤停止・降格・諭旨解雇・懲戒解雇」の7種類があると言われていますが、違法賭博という犯罪類型の悪質性や、実名報道によって会社の信用を毀損した程度を鑑みると、ある程度厳しい処分が下されてもやむを得ないでしょう。仮に軽い懲戒処分で済んで今まで通り仕事を続けられるとしても、昇進・昇格などの出世は事実上見込めません

違法賭博に関与したことが学校にバレると退学処分等の対象になる

違法賭博に関与して逮捕されると、学校にバレて何かしらの処分が下される可能性が高いです。

学校側から下される処分の内容は学則・校則のルールに従って決定されます。たとえば、たまたま立ち寄ってしまった闇カジノで違法賭博をしてしまったような単純賭博事例なら「譴責・注意」といった軽い処分で済むこともあり得るでしょう。これに対して、常習的に違法賭博場に足を運んでおり集客を手伝ったり反社会的勢力の仲間がいたりするような状況なら「退学処分・停学処分」などの重い処分が下されかねません。

会社員が単純賭博罪等の容疑で逮捕された場合には会社バレを回避するのは不可能に違いですが、これに対して、学生が同罪で刑事訴追されても学校に知られずに刑事手続きを済ませやすいのが実情です。そもそも、会社員が欠勤する際には自分の口から直接欠勤理由を伝えるのが常識ですし、入院などの余程の事情がなければ数週間も欠勤することは考えにくいはずです。その一方で、学生なら親などが代わりに欠席の連絡をすれば良いだけですし、数日~数週間程度なら学校側に不信感を抱かれても別の言い訳を立てやすいでしょう。もちろん、単位や進級要件の関係で支障が生じるリスクは避けられませんが、少し工夫をするだけで「学生生活が根本から奪われるリスク」は回避できるはずです。弁護士に相談すれば”学校バレ”を予防する方策についてもアドバイスしてくれます。

違法賭博事件が原因で前科がつくと今後の社会生活にさまざまな支障が生じる

違法賭博への関与が原因で有罪判決が下されると「前科」がつきます。実刑判決・執行猶予付き判決・罰金刑・科料のいずれも有罪であることに変わりないので、これらの判決が確定すると「前科1犯」扱いです。

そして、前科がつくと今後の社会生活に以下のような悪影響が生じます。

  • 前科情報は「職務経歴書の賞罰欄」に記載しなければいけない
  • 前科が入社希望企業にバレると書類選考さえ通過できない
  • 士業・警備員・金融関係など、前科を理由に制限される資格・職種がある
  • 違法賭博への関与・前科を理由に配偶者から離婚を申し入れられる(法定離婚事由に該当するので拒絶できない)
  • 前科があることを理由にパスポート・ビザが発給されないことがある(海外渡航の制限)
  • 今後何かしらの犯罪行為に及んだ場合に、前科があると刑事処分や判決内容が厳しくなる可能性が高い

違法賭博に関与して後日逮捕が不安なときに弁護士へ相談するメリット9つ

過去に違法賭博に関与して逮捕されるのではないかと不安を抱えているときや、違法賭博への関与について警察から問い合わせがあったときには、すみやかに弁護士へ相談することをおすすめします。

なぜなら、賭博罪などの刑事事件を専門に取り扱っている弁護士に相談すれば以下9点のメリットが得られるからです。

  1. 違法賭博事件の「在宅事件」扱いを目指してくれる
  2. 違法賭博事件について「微罪処分」獲得を目指してくれる
  3. 違法賭博の容疑で逮捕・勾留されても「早期の身柄解放」を目指してくれる
  4. 違法賭博の容疑で逮捕・勾留されても「不起訴処分」を獲得して前科を回避してくれる
  5. 違法賭博の容疑で起訴を避けられなくても「略式手続き」の是非を検討してくれる
  6. 違法賭博で起訴されても「実刑判決回避」に向けて尽力してくれる
  7. 過去の違法賭博行為が警察にバレる前なら「自首」するべきか否かを慎重に判断してくれる
  8. 「接見交通権」を行使して違法賭博の容疑で逮捕・勾留されている被疑者をサポートしてくれる
  9. 違法賭博で検挙されたために生じた刑事責任以外の法律問題にも対応してくれる

なお、違法賭博は「被害者がいない犯罪」なので、「示談交渉によって軽い刑事処分を目指す」という防御活動が選択肢にあがってこない点に注意しなければいけません。だからこそ、刑事事件に特化したノウハウが必要になります。

弁護士ごとに専門分野はまったく異なるので、かならず刑事事件に力を入れている専門家や、賭博事件などの実態について理解がある専門家を選任してください

弁護士は違法賭博事件の在宅事件扱いを目指してくれる

違法賭博事件について警察から任意の出頭要請をかけられた場合、在宅事件処理を目指して弁護士は尽力してくれます

在宅事件とは、「逮捕・勾留による身柄拘束を受けることなく捜査活動や裁判手続きが進められる事件類型」のことです。日常生活を送りながら刑事手続きを進めてもらえるので、心身の負担だけでなく、会社バレ・学校バレなどのリスクも最大限軽減できる点がメリットとして挙げられます。

違法賭博事件が在宅事件処理されるには、任意ベースの取調べに誠実に対応し、取調べにおける供述内容に矛盾点などが存在してはいけません。また、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されるとその時点で通常逮捕手続きに移行してしまうので、常に捜査機関と連絡がつく状態を作り出すなどの配慮も不可欠です。

弁護士に相談すれば、違法賭博事件の個別事情や捜査の進捗状況を都度チェックしながら、在宅事件処理を維持するケアを施してくれるでしょう。

在宅事件は「身柄拘束されない」というメリットを有するだけで、「起訴されない」「有罪にならない」ことまでを保証するわけではありません。「任意の捜査→書類送検→在宅起訴→刑事裁判」という流れを経た結果、「在宅事件扱いで有罪判決が確定する」というケースもかなり多いのが実情です。また、「逮捕・勾留」という強制処分とは異なって手続きに時間制限がないので、数カ月以上にわたって何度も任意の取調べが行われて、刑事手続きが長期化するリスクも伴います。したがって、「在宅事件扱いになったから安心できる」というわけではないので、軽い刑事処分獲得を目指すなら情状証拠の主張立証にも力を入れるべきでしょう。

弁護士は違法賭博事件について微罪処分獲得を目指してくれる

違法賭博への関与が疑われて警察から何かしらのアクションがあった場合、弁護士は微罪処分獲得に向けて尽力してくれます

微罪処分とは、「捜査対象になった刑事事件を送検せずに警察限りの判断で手続きを終結させる事件処理類型」のことです(刑事訴訟法第246条但書、犯罪捜査規範第198条)。違法賭博の容疑をかけられても微罪処分に付されるとその時点で捜査活動が終了するので、身柄拘束期間の短縮化や前科回避に役立ちます。

微罪処分の対象になるのは、違法賭博事件が以下のような特徴を有する場合に限られます。微罪処分に相当する賭博事件なら、弁護士は有利になる情状証拠等を提示するなどして警察に働きかけて微罪処分の可能性を高めてくれるでしょう。

  • 単純賭博罪のような軽微な犯罪類型であること(常習賭博罪は対象外の可能性あり)
  • 犯情が軽微であること(たまたま違法カジノに立ち寄った、酒席の流れで誘われたなど)
  • 賭博の賭け額が少額であること
  • 素行不良者ではないこと(前科・前歴がないこと)
  • 賭博行為への関与について真摯に反省しており、取調べで否認していない

違法賭博の容疑で逮捕・勾留後、弁護士は早期の身柄解放を目指してくれる

違法賭博への関与が疑われて逮捕・勾留されたとしても、弁護士は早期の身柄釈放に向けて尽力してくれます

そもそも、逮捕・勾留処分の根拠は「逃亡・証拠隠滅のおそれがあること」です。逃亡等のおそれがあるから留置が正当化されるのであって、違法賭博に関与したことは間違いなくても逃亡等のおそれがなければ留置は根拠が失われます。

弁護士は、取調べの進捗具合や供述内容、捜査機関が掴んだ証拠の内容、住居が明らかになっている事実などを主張して、逮捕処分を解くように捜査機関に働きかけたり、勾留に対する準抗告・執行停止などの方法で早期の身柄釈放を目指してくれます。また、起訴処分が下された後はすみやかに保釈手続きを履践してくれるでしょう。

弁護士は違法賭博の容疑で逮捕・勾留されても不起訴処分を獲得して前科回避を目指してくれる

違法賭博への関与が原因で逮捕・勾留されても、弁護士は不起訴処分獲得を目指して尽力してくれます

そもそも、「違法な賭博行為をした以上、犯罪をしたのは間違いないのだから、起訴されても仕方ない」という考え方は間違いです。なぜなら、不起訴処分が下されるパターンは以下3類型に分類されているからです。

  • 嫌疑なし:違法な賭博行為に関与した証拠がないケース
  • 嫌疑不十分:違法な賭博行為への関与について公判を維持できるほどの証拠がないケース
  • 起訴猶予:違法な賭博行為に関与したのは間違いないが、諸般の事情を総合的に考慮した結果、不起訴処分が相当なケース

弁護士は、取調べに対応している被疑者の様子や犯行に至った経緯などを説得的にまとめた不起訴意見書を提出することで、検察官の公訴提起判断に働きかけてくれるでしょう。

弁護士は違法賭博の容疑で起訴を避けられなくても略式手続きの是非を検討してくれる

単純賭博罪の法定刑は「50万円以下の罰金刑または科料」なので、略式手続き(略式命令・略式起訴・略式裁判)を目指す余地が残されています(常習賭博罪は法定刑に懲役刑しか定められていないので、略式手続きの対象外です)。

略式手続きとは、「100万円以下の罰金刑が下される簡易裁判所管轄の刑事事件について、検察官の提出した書面のみによって審理を行う裁判手続」のことです(刑事訴訟法第461条)。正式裁判で反論する機会は失われますが、略式起訴の段階で刑事手続きを簡易・簡便に終結させられるので、社会復帰のタイミングを前倒しできるというメリットが得られます。

たとえば、「一時の娯楽に供する物を賭け事の対象にしただけなので単純賭博罪は成立しない」という主張を貫きたいなら略式手続きは選択するべきではありませんが、「検察官の認定する事実に反論するつもりがない」という場合には公訴提起段階で将来的な罰金刑が確定しているのでわざわざ公開の刑事裁判を受ける必要性はありません

弁護士はこのような事情を総合的に考慮して略式手続きを利用するべきか否かを判断できるので、刑事手続きの合理的な遂行を実現してくれるでしょう。

弁護士は違法賭博で起訴されても実刑判決回避に向けて尽力してくれる

違法賭博に関与して起訴された場合でも、弁護士は実刑判決回避に向けて尽力してくれます(単純賭博罪の法定刑は罰金刑以下だけなので、逮捕・起訴されても実刑判決の不安はありません)。

たとえば、常習賭博罪の容疑で逮捕・起訴された場合、法定刑は「3年以下の懲役刑」なので、適切な防御活動を尽くさなければ、初犯でもいきなり実刑判決が下される可能性もゼロではありません。実刑判決が下されると刑期中は服役しなければいけないので完全に社会生活から断絶されます。服役期間が長いほど出所後の更生の難易度が高くなってしまうでしょう。

これに対して、刑事裁判で違法賭博行為についての反省の態度を示し、再犯を防止する措置について具体的に説明するなどの防御活動を尽くせば、執行猶予付き判決の対象になります。取消し事由等が発生せずに執行猶予期間を満了すれば服役なしに刑事責任が免除されるので、刑罰がもたらす社会生活への悪影響を完全に回避できるでしょう。

弁護士は違法賭博が警察にバレる前に自首するべきか否かを慎重に判断してくれる

過去に違法賭博行為に関与して後日逮捕に怖れている人こと現段階で弁護士に相談することをおすすめします。

なぜなら、捜査機関が違法賭博事件を認知する前に自首すれば「刑の任意的減軽」というメリットが得られるからです(刑法第42条第1項)。

「警察に発覚していない違法賭博について自分から申告するなんてバカらしい」と思われるかもしれませんが、自首をした点が好意的に受け取られて、微罪処分・不起訴処分・執行猶予付き判決などの軽い刑事処分に繋がるでしょう。

ただし、違法賭博への関与レベルが深く常習性を疑わせるような事情がある場合、自首をしても刑期が短縮されるだけで実刑判決が下されるリスクも存在します。「実刑になるくらいならこのまま逃げ切って公訴時効を狙った方が良かった」となりかねません。

弁護士に相談すれば、違法賭博事件の詳細やどのように関与していたかなどの事情を総合的に考慮して、現段階で自首するべきか否かを判断してくれます。弁護士には守秘義務があり、違法賭博への関与について相談しても通報されることはないので、安心してご相談ください。

弁護士は接見交通権を行使して違法賭博の容疑で逮捕・勾留されている被疑者をサポートしてくれる

違法賭博への関与を理由に逮捕・勾留された場合、身柄拘束期間中に面会できるのは選任した弁護士だけです。

弁護士は接見交通権をフル活用して、厳しい取調べに疲弊した身柄拘束中の被疑者を励ますと同時に、取調べへの供述方針を明確化して、少しでも有利な刑事処分獲得に向けてサポートしてくれるでしょう。

弁護士は違法賭博での検挙が原因で生じた刑事責任以外の法律問題にも対応してくれる

違法賭博の容疑をかけられた場合、刑事責任以外にもさまざまな法的トラブルが生じる可能性が高いです。

たとえば、「逮捕されただけで有罪になったわけではないのに会社から懲戒解雇処分を下されて不満だ」「違法賭博に少し関与しただけで配偶者から離婚を求められて慰謝料を請求するのは納得できない」「友達同士で闇カジノに行って、友達は停学で済んだのに自分は退学になったのが納得できない」などが挙げられます。

刑事事件を専門に取り扱っている弁護士は依頼人の今後の人生全体に配慮して法的支援をしてくれるので、労使紛争や離婚調停等も並行的・連続的に対応してくれるでしょう。

違法な賭博行為が原因で後日逮捕リスクを抱えているときは早期に弁護士へ相談しよう

違法賭博に関与した場合、警察から問い合わせがあるか否かにかかわらず、できるだけ早いタイミングで弁護士へ相談することをおすすめします。

なぜなら、捜査機関が通常逮捕に踏み出してしまうと厳格な時間制限のもと刑事手続きが進められるので、防御活動のために入念な準備をすることができないからです。

自首するか否か取調べへの対応方法警察にはどのような物証を提出すれば良いのかなど、こちらサイドで先んじて戦略を練っておけば刑事手続きを有利に進めることができます。社会生活への影響を軽減し、社会復帰しやすい環境を整備するには事前準備が不可欠なので、賭博事件等の弁護実績豊富な専門家のアドバイスを参考にしてください。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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