痴漢で逃げてしまった場合は何が起きる?後日逮捕の可能性も詳しく解説

痴漢で逃げてしまった場合は何が起きる?後日逮捕の可能性も詳しく解説
痴漢で逃げてしまった場合は何が起きる?後日逮捕の可能性も詳しく解説

痴漢をして逃げてしまった場合、最悪の場合は逮捕される可能性があります。逮捕された場合は、家族にバレたり学校や会社をクビになったりなど、さまざまなリスクが発生するでしょう。

リスクを回避するためには、できるだけ早い段階で対処しておかなければいけません。この記事では、痴漢をして逃げてしまった場合の対処法や痴漢冤罪時の対処法について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

痴漢をして逃げてしまった場合に起こり得る今後のリスク

痴漢をしてそのまま逃げてしまった場合に起こり得るリスクは、「逮捕」です。逮捕されるケースとして考えられるのは現行犯逮捕もしくは後日逮捕(通常逮捕)です。

まずは、痴漢をして逃げてしまった場合に起こり得るリスクについて、詳しく解説します。

現行犯逮捕の可能性

痴漢をして被害者もしくは周囲の人にバレ、そのまま逃げてしまった場合は、追いかけられて逮捕される可能性があります。一般人の人が行う逮捕のことを私人逮捕と言いますが、現行犯である場合などいくつかの条件を満たしていれば逮捕が成立します。

痴漢を行った事実がある以上、そのまま警察への引き渡し、取り調べや勾留といった流れになり得るでしょう。

後日逮捕の可能性

痴漢をしてその場から逃げ切れた場合、後から逮捕される可能性があります。いわゆる、後日逮捕です。後日逮捕は、警察官が逮捕状を請求して被疑者の元へ行って通常逮捕を行います。

逮捕されるまでの期間は、警察の捜査機関によって異なります。痴漢を行った時点から数日程度で逮捕される可能性もあれば、数カ月後の逮捕の可能性もあります。

なお、迷惑防止条例違反の場合は公訴時効が3年、不同意わいせつ罪の場合は公訴時効が12年です。つまり、この期間内は逮捕・公訴される可能性があるため、注意しなければいけません。

任意同行には素直に応じたほうが良い
痴漢の場合は逮捕状を取らずに任意同行を求め、容疑が固まり次第逮捕状を請求して逮捕するケースもあります。または、任意同行を求め、逮捕をせずに在宅捜査となる可能性があります。任意同行はあくまでも任意ではあるものの、逮捕されない可能性も鑑みると、素直に応じるのが得策でしょう。もし、応じなければ逮捕状を請求され、通常逮捕となる可能性があるためです。

痴漢をして逃げてしまった場合の「後日逮捕」の流れ

痴漢をしてその場では逃げ切れたとしても、後から逮捕されてしまう可能性があります。公訴時効を迎える3年間は、逮捕の可能性があるため緊張しながら生活を送らなければいけません。

次に、後日逮捕の流れについても詳しく解説します。

被害者の証言を得る

初めに、被害にあった被害者が警察等へ相談をし、痴漢にあった詳細の内容を把握します。このとき、痴漢を行ったあなたの特徴等も詳細に聞かれます。

警察等は、被害者の供述を供述調書として取りまとめ、痴漢事件として認知、捜査を開始する流れです。これが、第一段階です。

なお、被害者となった人が被害届を出さない可能性も否定はできません。被害届を出さない主な理由は、「時間がかかるため、自分が我慢すれば良い」「嫌な思いをしたことを改めて話したくはない」などが多いです。

もし、被害者が被害届を提出しなければ、そもそも捜査のきっかけとはなりません。つまり、事件として扱われない可能性があります。

しかし、たとえばその場で「この人痴漢です!」などと言われて周囲の人が痴漢を認識し、あなたがその場を離れた場合、警察等が呼ばれる可能性もあります。この場合、痴漢事件として認知、警戒される可能性はあるため注意しましょう。

捜査機関による捜査

被害者側が被害届を提出した場合や連続痴漢など、事件性があると判断された場合は、捜査機関による捜査が開始されます。捜査では、被害者の供述調書や周囲の防犯カメラなどを確認しながら証拠を固めていきます。

痴漢の証拠となり得るモノ

事件の捜査を行う中で証拠がなければ犯人を逮捕することができません。痴漢犯罪の中で、証拠となり得るモノは以下のとおりです。

  • 被害者の証言
  • 目撃者の証言
  • 防犯カメラの映像
  • 被疑者の手に付着した服の繊維

痴漢で主な証拠となり得るのは、上記のとおりです。

たとえば、電車の中で痴漢を行っていた場合、車内にはカメラが設置されていないところのほうが多いためその他の証拠が重要です。

ただ、痴漢を行った人が逃げてしまった場合、被疑者の手に付いている服の繊維を採取することもできません。また、仮に採取できたとしても、電車内で人が密着するほど混み合っている場合は、証拠となり得ません。

つまり、痴漢の主な証拠となるのは被害者や周囲の人の証言のみということになります。もし、周囲の人の証言も取れなければ、証拠は被害者の証言のみとなってしまいます。

このとき「被害者の証言のみで逮捕状を請求できるのか?」と考える人がいるでしょう。確かに、被害者が痴漢をされたという事実があっても、「誰が行ったのか」は誤認である可能性も否定はできません。

しかし警察等は、被害者の証言を元に捜査を進めるしか無いため「逃げた人に痴漢された」と言われれば、その話を元に捜査を進めていく必要があります。

嫌疑が固まり次第逮捕状を請求して通常逮捕

さまざまな証拠を元に、嫌疑が固まり次第逮捕状を請求します。逮捕状を取得次第、被疑者の元へ行って逮捕状を元に通常逮捕を行います。

逮捕後は48時間以内に検察官へ送致するかどうかを判断します。もし、被害者と示談が成立している、反省をしているなどの状況がある場合は、48時間以内に微罪処分として釈放される可能性があります。

仮に、微罪処分とならなかった場合は、48時間以内に検察官へ事件を送致しなければいけません。事件を受け取った検察官は、その後24時間以内に勾留の有無を判断します。

この時点で逮捕から最大72時間(3日間)が経過しています。この期間は、留置所に入れられているため、学校や会社などへいけません。

勾留が認められた場合は、最大で20日間留置所内にて取り調べを受けます。ただし、被疑者が罪を認めて反省し、逃亡の可能性がない場合などは勾留せずに在宅捜査へ切り替える可能性もあります。そうすると、日常生活へ戻れます。

その後、起訴・不起訴を検察官が判断する流れです。一度起訴された場合は、99.9%の確率で有罪判決となるため注意しなければいけません。やはりこのときも、反省度や示談の成立有無がとても重要です。

逮捕を行わずに「任意同行」を求めるケースもある

痴漢事件の場合、逮捕をせずに任意同行を求めるケースもあります。任意同行とは、あくまでも「任意」で取り調べを受けるというものです。当然、勾留されることはないため、基本的には日常生活を送れます。

ただ、任意整理を受けて嫌疑を固め、逮捕状を請求→通常逮捕といった流れもあり得ます。そのため、「任意同行だから大丈夫、勾留されない」といったことはありません。

その事件の内容次第では、嫌疑が固まっても逮捕せずに在宅捜査を行う可能性もあります。これは、被害者の心情や示談の成立有無、被疑者の反省度や前科などさまざまな事情を考慮して判断されます。

後日逮捕されるケースは少ない

痴漢事件の場合、後日逮捕となるケースは多くありません。なぜなら、被疑者が逃げてしまったことによって、証拠がとても少なくなるためです。そのため、現行犯逮捕が通常です。

とくに、被害者の証言しか取れない場合は、逮捕状の請求が難しく、あり得るとしても任意同行によって自白を促す方法しかありません。

ただ、常習的に痴漢行為を行っており、複数の被害者が存在している場合は痴漢事件の中でも重大な事件として取り扱われる可能性があり、通常逮捕の可能性が高いです。

後日逮捕のタイミングは決まっていない

痴漢をしてその場を逃げてしまった場合、いつまで逮捕されなければ大丈夫なのか?と不安を抱えている人もいるでしょう。

基本的には、「いつまでに逮捕」といったことは決まっていません。1週間後なのか、1カ月後、1年後なのかはわかりません。あくまでも、捜査機関の捜査次第と言えます。

ただし、迷惑防止条例違反の公訴時効は3年であるため、この期間内に逮捕されなけば以後逮捕される心配はありません。よって、痴漢後3年間は逮捕の可能性があると考えておいたほうが良いかもしれません。

痴漢をして逃げてしまった場合の対処法

痴漢をしてその場を逃げてしまった場合、後日逮捕されてしまう可能性があります。もし逮捕された場合は、勾留されたり裁判になったりする可能性があり、今後の生活にも多大な影響を及ぼすかもしれません。

そのため、「とりあえずその場は逃げたものの、どうしたら良いかわからない…」と悩まれている人は、これから紹介する対処法を参考にしてください。

痴漢場所へ行くのを避ける

事件が解決するまでの間は、痴漢を行った場所に改めていくのは避けましょう。たとえば、電車内で痴漢を行って逃げた場合、その電車に乗るのは避けたほうが良いです。

なぜなら、被害者が乗っている可能性もあり、改めて遭遇すると思わぬトラブルに発展する可能性があるためです。

たとえば、電車内で被害者と遭遇した際「この間痴漢した人です!」などと言い、捕まえられてしまう可能性があります。現行犯ではないため、その場での私人逮捕は認められません。

しかし、周囲の人の目があったり、金銭を要求されたりなどの思わぬトラブルに発展する可能性があります。また、その場で被害者等に捕まえられ、「あの時は申し訳ございませんでした」等、咄嗟に発言してしまう可能性もあるでしょう。

もし、痴漢を認めてしまえば十分な証拠となり得るため、そのまま逮捕されるかもしれません。さまざまなリスクが考えられるため、痴漢を行った場所に行くのは避けましょう。

現行犯以外の私人逮捕は認められていない

改めて痴漢を行った場所に行った際、被害者等に遭遇してしまう可能性もあるでしょう。このとき、被害者等に拘束されてしまうかもしれませんが、法律的にな拘束として認められません。

そもそも、日本の法律では「私人逮捕」が認められています。私人逮捕とは、逮捕権を有していない人が逮捕することです。私人逮捕が認められるためには、以下の要件を満たしていなければいけません。

  • 現行犯・準現行犯であること
  • 逃亡の恐れがあること(軽微な犯罪である場合)

つまり、たとえば「この間、痴漢した人」という事実のみで誰かを拘束することは、現行犯ではないため、私人逮捕に該当せず認められません。よって、仮に被害者に遭遇して拘束されてしまっても、その場を離れても問題はありません。

むしろ、何ら策もなくそのまま拘束され続けている状態のほうが非常に危険です。仮に、周囲の人に「トラブルです」といった通報があり、警察等が来た場合は痴漢に関する事実確認も行われることになるでしょう。

この場合、任意同行からの逮捕となる可能性も十分に考えられます。

早急に弁護士へ相談をしておく

痴漢の事実があり、その場を逃げてしまったのであれば早急に弁護士へ相談しておくのが得策です。今後の対処法について具体的に相談に乗ってくれます。

たとえば、痴漢が事実である場合は警察に被害届が出されている可能性があります。

被害届が出されているかどうかは、たとえ弁護士であっても知ることはできません。しかし、被害届が出されている可能性を考慮して今後の対応方法を検討します。

たとえば、被害者が明らかな場合は示談交渉を行った上で、被害届の取り下げや嘆願書の作成依頼等、さまざまな場面で動いてくれます。とくに被害者は、「加害者と顔を合わせたくない」と考えてるケースが多いです。

そのため、加害者側である自分が代理人(弁護士)を入れるのは、今後の交渉をスムーズに進めるために必要なことです。

出頭を検討する

痴漢をした事実がある場合、素直に出頭してしまったほうが今後起こり得るさまざまなリスクを低下させます。

ただ、警察側が被害申告を受けていなければ、そもそも事件として捜査していない可能性があります。つまり、被害者が警察へ申告していなければ、そのままバレない可能性もあるということです。

しかし、被害申告の有無や被害届の有無はわからないため、「自分が行ったこと」として素直に出頭しておいたほうが良いです。

もし、警察署へ出向いた際に警察側で被疑者の特定をできていない場合やそもそも事件として受理されていなかった場合は、自首として扱われるケースが大半です。自首扱いになると、量刑等に大きな影響を与えます。

そのため、痴漢を行った時点でできるだけ早めに出頭しておくことで、今後起こり得るリスクを低減できる可能性があるのです。さらに、「自首・出頭をした」という事実により、逃亡の可能性がない等と判断され、逮捕せずに在宅捜査となる場合も多いです。

出頭をする際は、依頼した弁護士が一緒に行ってくれます。そのため、被害届けの有無等に関係なく、痴漢をした事実がある以上は早めに出頭しておいたほうが良いです。

痴漢で逮捕された場合の刑罰

痴漢で逮捕された場合の量刑は、迷惑防止条例によって判断されます。また、被害者と示談が成立しているかどうか、罪を認めているかなどが量刑判断に大きく影響します。

次に、痴漢で逮捕された場合にどの程度の量刑となる可能性があるのか?について、詳しく解説します。

※迷惑防止条例違反については東京都の場合

罪を認めて示談が成立した場合

罪を認めて示談が成立している場合は、大半が不起訴処分となります。ただし、これはあくまでも初犯の場合に限ります。

もし、痴漢の前科がある場合は、仮に罪を認めて示談が成立している場合であっても、起訴される可能性があります。痴漢の法定刑は、迷惑防止条例違反であれば「1カ月以上6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」です。

そのため、上記の範囲内で刑罰が科されることになるでしょう。

罪を認めているが示談が成立していない場合

罪を認めている一方で、被害者と示談が成立していない場合は、被害者の処罰感情の程度によって大きく左右されます。

初犯で本人が反省している場合は、不起訴処分の可能性もあります。ただ、被害者の処罰感情が強い場合は、罰金刑(50万円以下)となるケースが多いです。

また、何度も逮捕されていて被害者の処罰感情が非常に強い場合は、懲役刑となる可能性もあります。相当悪質な痴漢の場合は、迷惑防止条例違反ではなく不同意わいせつ罪が適用される可能性もあるため注意しなければいけません。

迷惑防止条例違反の場合は、1カ月以上6カ月以下の懲役刑で済みますが、不同意わいせつ罪が適用された場合は、「6カ月以上10年以下の懲役」です。最悪の場合は、執行猶予が付かずに実刑判決となるかもしれません。

罪を認めていない場合

罪を認めていない場合、冤罪の可能性がない限りは起訴されて有罪判決が下ります。初犯であれば罰金、常習者であれば実刑判決の可能性もあるでしょう。

もし、痴漢を行った事実があるのであれば、素直に罪を認めてしまったほうが刑罰を軽くできる可能性が高いです。痴漢を行っていないのであれば、正しい対処法によって冤罪を証明しなければいけません。

【冤罪】痴漢を疑われた場合の正しい対処法

万が一、痴漢をしていないにも関わらず、疑いをかけられてしまった場合、どう対処をすれば良いのかわからないという人も多いでしょう。

最後に痴漢を疑われた場合の対処法についても詳しく解説します。

その場から逃げない・駅員室に行かない

まず、痴漢の容疑をかけられても絶対に逃げないでください。そして、すぐに弁護士を呼んでください。逃げてしまうと、弁解の機会を与えられないため、そのまま「痴漢を行った人」として捜査、後日逮捕されてしまう可能性が高いためです。

万が一、後日逮捕された場合に「自分はやっていない」と言っても、「ではなぜ逃げたのか?」「やましいことがあるから逃げたのではないか?」といった疑いをかけられます。

そして、すぐに弁護士へ相談をすることでその場の正しい対応方法をリアルタイムで教えてもらえます。また、弁護士にその場に来てもらえます。

夜間や休日であっても、緊急で対応してくれる弁護士が存在します。すぐに連絡をし、その場に駆けつけてくれるのを待ちましょう。

ちなみに、痴漢(冤罪)が行われた場所でスマホ等を調べていると、被害者や周囲の人からさまざまなことを言われる可能性があります。しかし、絶対に屈することなく、弁護士を呼びましょう。

弁護士を呼ぶのは疑いをかけられている人であっても、持っている当然の権利です。誰にも邪魔することは許されません。

また、先に自分の身分も明かしておくのが得策です。名刺等がある場合は、相手に名刺を渡しておきましょう。この時点で私人逮捕の成立要件を満たしません。

よって、身分を明かしているにも関わらず、拘束を続ける場合は相手が監禁罪等の犯罪に問われる可能性があります。ただ、身分を明かしたからといって、その場を離れるのも得策であるとは言えません。

また、電車等で痴漢の疑いをかけられると駅員室に連れて行かれてしまう可能性があります。このとき、絶対に駅員室にも行かないでください。

「私はやっていないため、駅員室にはいきません。今、弁護士が来ますので、それまではここにいます。」と言ってください。万が一、駅員室に行ってしまうと、私人逮捕が成立してその場から離れるのが困難になってしまうためです。

無実であることを告げる

万が一、痴漢の疑いをかけられてしまった場合、可能な限り大きな声で「私はやっていない!」等と無実であることを告げてください。なぜ、大きな声で言う必要があるのか、それは可能な限り多くの証人を得るためです。

もし、今後冤罪で逮捕されたり取り調べを受けたりすることがあったとき、証人がいれば「この人は初めからやっていないと言っていた」と証言してもらえます。この証言は、無実を証明する上でとても必要なことです。

そのため、ここまでの流れとしては以下のとおりです。

  • 1.その場にとどまる
  • 2.弁護士を呼ぶ
  • 3.無実であることを告げる

2と3が前後しても構いません。ただ、弁護士を呼ぶことだけは絶対に忘れないでください。その後の人生を大きく左右する可能性があります。

絶対に謝罪をしない

痴漢の疑いをかけられてしまった際、つい「すいませんでした」などと言ってしまうかもしれません。しかし、この謝罪は罪を認めたとも受け取れるため、絶対に言わないほうが良い言葉です。

痴漢を行っていないのであれば、謝る必要はありません。今後、不利になる可能性が高いため絶対に言わないようにしてください。

可能な限りの証人を得る

可能な限り証人を集められるようにしましょう。可能であれば、自分の近くに座っていた人、立っていた人、目撃した人などがいれば良いです。「この人はやっていません」という証言が取れれば、今後、有利に働くでしょう。

また、誰でも良いので一貫して「初めからやっていない」と言っていたという証言を取ること、痴漢の疑いをかけられてから自分を見ていた人などの証人を集めましょう。

後に詳しく解説しますが、痴漢の疑いをかけられてから「自分はこれから何も触りません!」と宣言をして、「この人は何も触っていません」と証言してくれる人も確保しましょう。後に解説する微物検査を行った際に有利に働く可能性があります。

【注意】微物検査を行っても冤罪の証明にはならない

痴漢の疑いをかけられた場合、「微物検査を行うことによって冤罪の証明をできる」と聞いたことがある人も多いでしょう。微物検査とは、手等に付着している繊維などを検査するものであり、警察が行ってくれます。

たとえば、被害者が「この人に手でお尻を触られた」という証言だった場合、疑われている人の手に被害者の服の繊維が付いている可能性があります。そのため、一般的には微物検査の結果で冤罪を証明できる、と勘違いされているのです。

しかし、微物検査は冤罪の証明にはなりません。なぜなら、手に繊維が付着する可能性は100%ではないからです。また、仮についていたとしても、検査時点で残っている可能性も100%であるとは言い切れません。

そのため、「手に繊維が付いていない=冤罪である」とは言えないのです。そのため、微物検査を行っても冤罪の証明にはならないというのが、基本的な考え方です。

とはいえ、痴漢の疑いをかけられてから「私はこれから何にも触りません!」と言って、弁護士等が来るのを待ち、検査を行ってもらったとしましょう。このとき、本当に手に繊維が付いてなくて、一貫して無実を主張している場合は疑いが晴れる可能性もあります。

微物検査は証拠集めが目的
警察が行う微物検査は、あなたの冤罪を晴らすために行うものではありません。あくまでも、あなたを罪に問うための証拠集めが目的です。よって、微物検査が絶対ではない点に十分注意してください。

まとめ

今回は、痴漢をして逃げてしまった場合の対処法について解説しました。

痴漢は迷惑防止条例や刑法によって規制されている立派な犯罪です。もし、出来心で行ってしまったのであれば、早急に出頭等をして今後の人生をやり直したほうが良いでしょう。

早め早めに動いておくことで、今後の人生で起こり得るさまざまなリスクを提言できます。

また、もしも痴漢をしていないにも関わらず、その疑いをかけられた場合はその場に止まり、弁護士を呼びましょう。その上で「私は、これから何も触らない」「私は何もしていない」「何もしていないため、駅員室にはいきません」と宣言しましょう。

証人を集めておくことも大切です。弁護士が到着次第、その場の対応を任せてしまいましょう。

なお、万が一に備えて弁護士保険等へ加入しておいたり、万が一の時に呼べる弁護士事務所の連絡先を登録しておいたりしておくのも良いでしょう。

今回解説した内容を踏まえ、今後の対応方法を検討されてみてはいかがでしょうか。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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