彼女を盗撮すると罪に問われる?成立する犯罪と正しい対処法を解説

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「彼女のことが好きであり、自分が普段から楽しむために……」このような思いから、彼女のことをつい、盗撮してしまう人がいるかもしれません。決して許されない行為であることは理解しつつも、楽しみたいという自分の欲望が優ってしまうこともあるかもしれません。

今回は、彼女の盗撮をして成立する犯罪や法定刑、万が一流出させてしまった場合に成立する犯罪について解説します。

また、彼女のことを盗撮し、そのことを後悔している人の正しい対処法についても解説しています。ぜひ参考にしてください。

彼女の盗撮をして成立する犯罪

付き合っている間柄(いわゆるカップル)であっても、盗撮をした場合は立派な犯罪になり得るため注意しなければいけません。

そもそも盗撮の定義は「対象物・管理者の同意を得ずに撮影すること」を指します。つまり、彼女に秘密のまま被写体を撮影した時点で盗撮になります。盗撮行為はカップルや夫婦等、撮影する者と撮影される者の関係性は関係ありません。

彼女を盗撮した場合に成立する犯罪は、主に以下のとおりです。

  • 撮影罪
  • 住居・建造物侵入ざい
  • 迷惑防止条例違反
  • 軽犯罪法違反

まずは、彼女を盗撮した場合に成立し得る犯罪について詳しく解説します。

撮影罪

盗撮行為は、2023年7月に施行された新しい法律「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿勢の撮影に係わる電磁的記録の消去等に関する法律(通称:性的姿態撮影等処罰法)」により処罰される可能性があります。

性的姿態撮影等処罰法では、性的姿態等の撮影もしくは撮影した写真や動画を提供したことに対して処罰する法律です。また、撮影されたデータを没収することを目的とした法律であるのが大まかな概要です。

同法では、性的姿態の撮影に対して以下のとおり定めています。

(性的姿態等撮影)
第二条 次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
一 正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
二 刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
三 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
四 正当な理由がないのに、十三歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は十三歳以上十六歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
2 前項の罪の未遂は、罰する。
3 前二項の規定は、刑法第百七十六条及び第百七十九条第一項の規定の適用を妨げない。

引用元:性的姿態撮影等処罰法|第2条

つまり、正当な理由がないにも関わらず性的姿態等を撮影した場合は、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金に処される可能性がある、と記載されています。

拘禁刑とは?
拘禁系とは、刑務作業が義務付けられている懲役刑と刑務作業が義務付けられていない禁固刑2つの自由刑を統合した刑罰です。拘禁刑は刑務作業が義務付けられていない自由刑です。

たとえ彼女であったとしても盗撮をする行為が性的姿態撮影等処罰法の性的姿態撮影等(性的姿態等撮影罪、いわゆる撮影罪)に該当するため注意しなければいけません。

なお、撮影罪などの盗撮行為を取り締まる法律では、相手の同意がない(秘密のまま撮影する行為)が犯罪となります。つまり、彼女の同意を得たうえで性的姿態の撮影をし、記録として残す行為は犯罪にはなりません(未成年の場合は犯罪となる)。

住居・建造物侵入罪

盗撮をする目的で人の住居もしくは人が看守する邸宅に侵入した場合に成立する犯罪です。たとえ彼女であっても、初めから盗撮をする目的であれば、同罪によって処罰されてしまう可能性があります。

(住居侵入等)
第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

引用元:刑法|第130条

住居侵入罪は、人の住宅もしくは人の看守する邸宅に侵入した場合に成立する犯罪です。そのため、たとえば自分の家に彼女を呼んで盗撮を行った場合は、同法による処罰はありません。

迷惑防止条例違反

盗撮行為は各都道府県に定められている、迷惑防止条例違反となる場合があります。たとえば、東京都の場合は以下のとおり明記されています。

(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写 真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しく は設置すること。 イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場 所 ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は 出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

引用元:東京都迷惑防止条例|第5条

つまり、迷惑防止条例では、特定の場所で下着または身体を撮影すると処罰対象となります。特定の場所の中には住居が含まれているため、たとえば彼女の自宅もしくは自分の自宅であっても、下着や身体を撮影すれば迷惑防止条例違反です。

なお、迷惑防止条例違反の法定刑は、最大で2年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。迷惑防止条例違反の成立が難しい場合も、撮影罪によってカバーできる可能性が高く、いずれにせよ犯罪として処罰されるため注意しましょう。

彼女のことを盗撮した動画・写真を流出させた場合の犯罪

彼女のことを盗撮した場合は、撮影罪や迷惑防止条例違反によって処罰されることは、先ほど解説したとおりです。しかし、中には盗撮した動画や画像をインターネット上に公開する者もいます。

実は、盗撮とは別に撮影した動画や画像を流出させた場合に成立する犯罪があります。いわゆる「リベンジポルノ」という行為を禁止・処罰する法律であり、その内容や被害者の年齢等によって成立要件・処罰内容は異なります。

また。これから紹介する動画・画像を流出させたことによって成立する犯罪は、盗撮した動画・画像以外でも成立するため注意しなければいけません。たとえば、彼女の同意を得たうえで撮影した動画をインターネット上に公開する行為も処罰対象となります。

次に、撮影データを流出させた場合に成立する犯罪について詳しく解説します。

提供罪

提供罪は、盗撮行為での処罰対象となる法律「通称:性的姿態撮影等処罰法」にて明記されている犯罪であり、内容は以下のとおりです。

第三条 性的影像記録(前条第一項各号に掲げる行為若しくは第六条第一項の行為により生成された電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)その他の記録又は当該記録の全部若しくは一部(対象性的姿態等(前条第一項第四号に掲げる行為により生成された電磁的記録その他の記録又は第五条第一項第四号に掲げる行為により同項第一号に規定する影像送信をされた影像を記録する行為により生成された電磁的記録その他の記録にあっては、性的姿態等)の影像が記録された部分に限る。)を複写したものをいう。以下同じ。)を提供した者は、三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。
2 性的影像記録を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

引用元:性的姿態撮影等処罰法|第3条

つまり、盗撮等の行為によって撮影されたデータを提供した場合は、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金もしくは併科に処される可能性があります。

なお、提供罪はあくまでも自主的に提供した場合に成立する犯罪です。自分で保存してあるデータが誤って流出してしまったような場合は、性的姿態撮影等処罰法に定められている提供罪は成立しません。

第3条二項では「性的影像記録を不特定多数もしくは多数のものに提供、または公然と陳列した者」が処罰対象になると記載されています。とはいえ、性的姿態を撮影をした時点で撮影罪が成立するため、自分が楽しむ目的であっても盗撮行為は絶対にやめましょう。

リベンジポルノ罪

彼女等と別れたあとに撮影データを流出させる行為を「リベンジポルノ」と呼び、社会的に問題視されていました。そこで2014年にリベンジポルノを規制するための法律「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律(通称:リベンジポルノ法)」が施行されました。

リベンジポルノ法では私事性的画像を提供した場合に提供者を処罰するための法律です。リベンジポルノ法では、盗撮によって撮影されたデータを前提とはしていません。たとえば、彼女の同意を得て撮影したデータを流出させた場合などを想定しています。

とはいえ、私事性的画像を提供した時点でリベンジポルノ法違反となる可能性もあるため注意しなければいけません。

(私事性的画像記録提供等)
第三条 第三者が撮影対象者を特定することができる方法で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を不特定又は多数の者に提供した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2 前項の方法で、私事性的画像記録物を不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者も、同項と同様とする。
3 前二項の行為をさせる目的で、電気通信回線を通じて私事性的画像記録を提供し、又は私事性的画像記録物を提供した者は、一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
4 前三項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
5 第一項から第三項までの罪は、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三条の例に従う。

引用元:リベンジポルノ法|第3条

リベンジポルノ法違反となった場合は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処される可能性があります。ただし、3条4項にも記載があるとおり、被害者からの告訴がなければ提訴できません。つまり、彼女からの告訴がなければ、あなたは罪に問われることはないのです。

そのため、万が一リベンジポルノ法違反に抵触してしまった場合は、彼女との示談交渉を進めることによって提訴を回避することができます。

わいせつ物頒布等罪

わいせつ物頒布等罪は刑法に定められている犯罪であり、以下のとおり明記されています。

第百七十五条 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の懲役若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
2 有償で頒布する目的で、前項の物を所持し、又は同項の電磁的記録を保管した者も、同項と同様とする。

引用元:刑法|第175条

つまり、有償・無償問わずわいせつな画像等を頒布したり公然と陳列した場合は、2年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金もしくは過料に処されます。また、懲役及び罰金刑の併科となる可能性もあるため注意しなければいけません。

科料とは?
科料とは、1,000円以上1万円未満の金銭支払いを命じる罰です。1万円以上の金銭納付を命じる罰を、罰金刑と言います。つまり、金額によって科料・罰金の呼び方が変わるということです。

わいせつ物頒布等罪は、たとえば、彼女のことを盗撮したデータを公然と陳列したり頒布(広く分け配ること)したりした場合に成立します。

名誉毀損罪

名誉毀損罪は刑法にて明記されている犯罪であり、内容は以下のとおりです。

第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀き損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

引用元:刑法|第230条

彼女の盗撮データを流出させたことにより、当人の名誉を著しく毀損させた場合は、名誉毀損罪が成立します。たとえば、盗撮データが性的姿態である場合は名誉毀損罪に問われる可能性がとても高いです。

まず、通常衣服等で隠されている部分であり、大半の人が「人に見られたくない」と考える部分です。そのため、そういった性的姿態を流出させる行為は、彼女の名誉を著しく毀損させる行為であると考えられます。

名誉毀損罪に問われた場合は、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金に処されるため注意しなければいけません。

懲役・禁錮とは?
懲役刑とは、刑務作業が義務付けられている自由刑です。禁固刑は、刑務作業が義務付けられていない自由刑です。自由刑とは、身柄拘束を行う刑罰であり、刑務所に収容されて一定期間過ごさなければいけません。

未成年者の場合は児童売春・児童ポルノ禁止法違反

未成年者を対象に性的姿態を盗撮した場合は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(通称:児童売春、児童ポルノ禁止法)」によって処罰されます。

たとえば、未成年同士のカップルで彼女を盗撮した場合であっても、撮影された対象が未成年である以上、同罪によって処罰されるため注意しなければいけません。

同法では以下のとおり明記されています。

第七条 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。自己の性的好奇心を満たす目的で、第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて保管するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る。)も、同様とする。
2 児童ポルノを提供した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
4 前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
5 前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする。
6 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。

引用元:児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律|第7条

つまり、児童(18歳未満の彼女)を対象に盗撮した場合は、児童ポルノ製造に該当します。また、提供した場合や公然と陳列した場合も処罰対象となるため注意しなければいけません。

刑事罰は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金」のいずれかです。

彼女のことを盗撮してしまった場合の対処法

興味本位で彼女のことを盗撮してしまった場合、たとえ自分が楽しむためであっても立派な犯罪です。彼女にあえて伝える必要はないものの、これから解説する対処法をもとに、正しく対応する必要はあるでしょう。

撮影データを復元できない状態で削除する

彼女のことを盗撮してしまい、後悔しているのであれば初めに二度と復元できない状態で当該データを削除してください。

万が一流出してしまった場合、すべてのデータを削除することはとても困難です。そのため、ネット上に流出してしまうことを「デジタルタトゥー」と言い表すこともあるほどです。

自分自身で盗撮データを所有している以上、何らかの間違いで流出してしまう可能性があります。そのため、削除を試みるのであれば、絶対に復元ができない状態で削除することをおすすめします。

スマートフォンを利用して彼女のことを盗撮し、その後削除を行ったとしましょう。この場合、復元できない状態で削除できていなければ、あとから第三者が復元できる状態になっているため注意しなければいけません。

たとえば、彼女のことを盗撮したスマホからデータを削除し、その後月日が経って機種変更をしたとしましょう。不要になったスマートフォンをスマホアプリなどを介してバイバイするケースがあります。

中古スマホを購入した人が、面白半分であなたの削除したデータを復元して動画を視聴したり流出させたりする、といった可能性があります。そのため、二度と復元できない状態で削除することが大切です。

二度と同じことをしないと誓う

彼女の盗撮を後悔しているのであれば、二度と同じことがないように誓いましょう。わざわざ彼女に「実は盗撮していた」と伝える必要はありませんが、あなた自身が悔い改める必要はあります。

彼氏に勝手に盗撮されていた場合の対処法

彼氏に勝手に盗撮をされていた場合は、復元できない状態で削除してもらうこと、そのうえで弁護士や警察へ相談をしても良いです。

次に、彼氏に勝手に盗撮されていた場合の正しい対処法についても解説します。撮影データが流出してしまうと、完全に削除することが難しい世の中です。早期に正しく対応するように心がけましょう。

撮影データを復元できない状態で削除するよう伝える

撮影データを二度と復元できない状態で削除するよう伝えましょう。また、実際に削除している状況や削除されているかどうかの裏付けを取っておくと安心です。

たとえば彼氏がその場でデータを消してくれたとしても、実はバックアップを取っている可能性があります。また、少しの知識があれば、削除したデータを復元することも容易です。そのため、確実に復元できない状態で削除してもらうことがとても重要です。

ただし、彼氏が動画を完全に削除してくれたとしても、実は第三者に動画を流出させていた、というケースも考えられます。

上記事実は、彼氏の言葉を信じるしかありません。また、第三者に流出されてしまった以上、完全に削除することはとても困難となるため注意してください。

削除してもらえない場合は弁護士や警察へ相談をしても良い

動画を削除してもらえない場合や削除されたかどうか不安な場合は、弁護士や警察へ相談をしましょう。弁護士へ相談をすることによって、法的手続きに基づいて対応してくれます。警察であれば、犯罪の事実がある以上彼氏を逮捕して取り調べを行い、送致・起訴といった流れまで持っていってくれることでしょう。

デリケートな問題であるため、女性の弁護士や女性の警察官が対応することも可能であるため、安心して相談をしてください。

彼女の盗撮に関するよくある質問

彼女の盗撮に関するよくある質問を紹介します。

Q.彼女の同意を得ている場合は撮影しても罪に問われませんか?

A.彼女の同意を得て撮影を行っている場合は、罪に問われることはありません。

彼女の同意がある場合は、「盗撮」に該当しません。ただの撮影行為であるため、お互いが納得しているのであれば何ら違法性はないため安心してください。

ただし、勝手に撮影データを流出させてしまった場合は、提供罪等の犯罪が成立します。また、彼女の同意を得て撮影データを流出させた場合であっても、内容次第ではわいせつ物頒布等罪に該当するため注意しましょう。

たとえば、彼女と性行為を行っている姿を撮影し、適切なモザイク等を入れることなく動画投稿サイトに投稿したようなケースが該当します。

Q.未成年者同士が性行為を行い、撮影しても問題はありませんか?

A.未成年同士の性行為や撮影にはさまざまな問題があるため注意しなければいけません。

まず、未成年同士の性行為は各都道府県の青少年育成条例によって禁止されています。つまり、未成年者同士が性行為を行うこと自体に問題があります。

また、16歳以上18歳未満の者が性行為を行う場合は、年齢差によって不同意性交等罪が成立するため注意しなければいけません。16歳〜18歳の者と5歳以上離れたものが性行為を行った場合は、不同意性交等罪によって処罰対象になります。

そして、16歳未満の者が性行為を行った場合、性同意年齢に達していないため無条件で不同意性交等罪に該当します。つまり、撮影の有無に関わらず、未成年者同士が性行為を行うこと自体に問題があります。

また、未成年者の性的姿態を撮影する行為は、児童ポルノの製造に抵触してしまうため、児童売春、児童ポルノ法違反にもなります。

Q.撮影データをもとに「別れたら流出させる」と脅された場合、何の罪に問えますか?

A.恐喝罪が成立すると考えられます。

恐喝罪は、刑法に定められている犯罪であり「暴行や脅迫によって財物交付が発生した場合に成立」します。つまり、「別れたら撮影データを流出させる」という発言が、脅迫に該当します。そのうえで、あなたが別れられなかったという事実が発生すれば、恐喝罪の成立要件は満たします。

また、あなたが屈することなく別れた場合であっても脅した事実により、恐喝未遂罪が成立します。その後に実際に撮影データを流出させた場合は、リベンジポルノ防止法違反となる可能性が高いです。

なお、恐喝罪の法定刑は「10年以下の懲役」であり、未遂で終わった場合も同じ法定刑に処されます。つまり、罰金刑以下の処罰がないため、その犯罪を行った時点で執行猶予がつかない限り、実刑判決(刑務所への収容)が確定することになります。

まとめ

今回は、彼女の盗撮行為について解説しました。

親しい間柄であっても勝手に撮影する行為は許されません。たとえ、彼女であってもその事実が発生した時点で何らかの法律に抵触するため注意しなければいけません。

さらに、撮影データを流出させた場合は、提供罪やリベンジポルノ防止法違反といった法律に抵触してしまいます。

撮影当初は「自分で楽しむために……」と思っているかもしれません。しかし、彼女にバレてしまえば、別れる原因になってしまいますし、あなた自身が犯罪者になってしまう原因になり得ます。

そのため、盗撮行為はどういった間柄であっても犯罪であることを認識し、もし、撮影データがあるのであれば正しく削除するようにしましょう。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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