示談交渉が成立した場合、被害者の処罰感情が気薄化したことを客観的に証明できます。そのため、刑事罰や処分へ与える影響は大きく、被疑者としては「早めに示談交渉を成立させたい」と考えているでしょう。
しかし、被害者の処罰感情が厳しい場合は、そもそも示談交渉が成立しないというケースも考えられます。示談交渉が不成立に終わった場合は、刑事罰や処分も示談成立時と比較して厳しくなり得ます。
今回は、示談による効果や拒否された場合の対処法について詳しく解説します。示談の拒否について詳しく知りたい人は、本記事を参考にしてください。
示談の効果
示談を行うことによって、以下の効果に期待ができます。
- 事件化回避の可能性
- 逮捕・勾留を回避できる可能性
- 不起訴となる可能性
- 減刑となる可能性
- 民事訴訟提起回避の可能性
まずは、示談が成立することによって起こり得る効果について詳しく解説します。
事件化回避の可能性
示談が成立することによって、事件化を回避できる可能性があります。
事件化とは、被害者がいる刑事事件のうち被害者が被害届を警察へ提出し、受理されて正式に事件として扱うことを指します。そもそも、被害者が被害届を提出した場合、必ず受理しなければいけません。
しかし、受理したからといって必ずしも捜査を開始するとは限りません。被害状況等を考慮して捜査を開始するかどうかを決定します。
もし、被害届提出後に被害者と示談交渉を行って示談が成立した場合、事件化を回避できる可能性が高まります。事件化を回避できることによって、そもそも捜査対象とはなりません。よって、前科は付かないことはもちろん、前歴も残らない点がメリットです。
前科とは、有罪判決が下された場合に残る記録のことを指し、社会生活においてさまざまな影響が発生します。前歴は、刑事事件の捜査対象になった記録を指し、社会生活において影響はないものの、今後同じような事件を起こした場合に厳しい処分等が下される可能性が高まります。
被害者と示談交渉が済んだ場合、被害者は被害届を取り下げてくれることが一般的です。このことにより、事件化を回避できる可能性が高まるでしょう。ただし、被害届を取り下げられたからといって、必ずしも事件化を回避できるわけではない点に注意しましょう。
逮捕・勾留を回避できる可能性
被害者と示談交渉を行い、成立させることによって逮捕・勾留を回避できる可能性があります。
まず、「逮捕」とは罪を犯した疑いのある人の身柄を拘束するための手続きです。罪を犯したからと言って必ずしも逮捕されるわけではなく、「罪を犯したと疑うに足りる十分な証拠」があることを前提に、証拠隠滅・逃亡の恐れがあることが条件です。その他、身柄拘束をする必要があると判断された場合も逮捕されます。
勾留は最長で20日間被疑者の身柄を拘束するための手続きです。逮捕時同様に、罪を犯したと疑うに足りる十分な証拠があることを前提に、逃亡もしくは証拠隠滅、またはその他理由があることが条件です。
示談交渉を行っている、あるいは示談交渉が成立しているという事実があると、逃亡もしくは証拠隠滅の可能性が低いと判断されやすくなります。なぜなら、示談交渉を行っている=「罪を認めて反省している」という前提が考えられるためです。
たとえば、否認事件である場合は、「証拠隠滅・逃亡の可能性が高い」と判断されやすくなります。結果的に、逮捕・勾留の可能性が高まります。
一方で、素直に罪を認めて反省している場合は、「証拠隠滅・逃亡の可能性が低い」と判断されやすくなります。結果的に逮捕・勾留の要件を満たさずに、回避できる可能性が高くなるのです。
逮捕・勾留が認められた場合は、最長で23日間の身柄拘束が発生し、社会的な影響も大きくなります。その点、逮捕・勾留を回避できるのは大きなメリットになり得るでしょう。
不起訴となる可能性
示談交渉の成立で不起訴となる可能性が高まります。不起訴となった場合、刑事罰を受けずに済みます。そのため、「前科」が付きません。前科がつくことによって、今後の社会生活に多くの影響を与える可能性が高まります。
しかし、不起訴となることで刑事罰を回避できるだけではなく、前科を回避できる点が大きなメリットです。
なお、罪を犯した事実が明らかであっても、示談交渉の成立によって被害者の処罰感情が気薄化していることが明らかである場合、不起訴となる可能性はあります。ただし、示談交渉が成立しても、必ず不起訴処分となるわけではありません。
事件の内容を考慮し、検察官の判断で起訴される可能性もあります。起訴された場合、罪を犯した事実が明らかである以上、有罪判決を回避することは難しいでしょう。
減刑となる可能性
示談交渉が成立していることによって、減刑が見込まれます。示談交渉が成立することによって、被害者の処罰感情は気薄化しています。
刑事事件において、被害者の処罰感情は非常に重要です。被害者自身が加害者に対して「寛大な処分を望みます」という意見を出した場合、判決においても考慮されるケースが多いです。
民事訴訟提起回避の可能性
被害者と示談交渉を成立させておくことによって、民事訴訟提起を回避できる可能性が高いです。
そもそも、被害者のいる罪を犯した場合、刑事罰だけではなく民事上の責任も負います。たとえば、詐欺被告事件の場合、加害者側は詐欺罪として刑事罰を受けるだけではなく、被害者から民事訴訟を起こされ、被害にあった金銭の返還を求められます。
しかし、あらかじめ示談交渉を行って被害弁済を行っておくことで、そもそも民事訴訟を提起する必要がなくなります。結果的に、民事訴訟の提起を回避できる可能性が高まるということです。
仮に、示談交渉成立後に民事訴訟を提起されても、被害弁済が完了していることを考慮されるため、加害者にとって有利な判決が下されます。
示談を拒否された場合の可能性
示談は加害者側が一方的に押し付けることのできるものではありません。被害者側が同意して初めて示談交渉が成立(和解)します。そのため、示談を拒否される可能性もゼロではない点に注意が必要です。
もし、示談を拒否された場合は、以下のようなリスクが発生し得るでしょう。
- 起訴される可能性
- 罪が軽減されない可能性
- 実刑判決が下される可能性
次に、示談を拒否された場合に起こり得るさまざまな可能性について詳しく解説します。
起訴される可能性
示談交渉が成立しなかった場合、起訴される可能性が高まります。刑事事件においては、被害者の処罰感情が非常に重要です。
示談が成立しないということは、被害者の処罰感情が著しく厳しい状態にあることが窺えます。このことから、示談が成立している場合と比較して、起訴される可能性は高まると考えたほうが良いです。
起訴された場合の有罪判決率は99%と言われています。また、示談交渉を行っていたという事実がある以上、「罪を認めている」ということが明らかです。そのため、ほぼ確実に有罪判決が下されることとなるでしょう。
罪が軽減されない可能性
本記事でお伝えしているとおり、刑事事件において被害者の処罰感情が刑事処分へ与える影響はとても大きいです。「示談に応じない=処罰感情が厳しい」と考えるのが一般的であることから、より厳しい刑罰が下される可能性が高まります。
もし、示談交渉が成立していれば、被害者の処罰感情が気薄化していることが明らかです。そのため、減刑される可能性が高いです。一方で、処罰感情が厳しければ、被害者の処罰感情による減刑は見込めないため注意しましょう。
実刑判決が下される可能性
罪を犯した内容次第では、実刑判決が下される可能性が高まります。実刑判決とは、執行猶予が付かない判決のことを指します。
執行猶予とは、言い渡された刑罰を直ちに執行せずに一定期間猶予することです。たとえば、「懲役1年執行猶予3年」の判決が言い渡された場合、懲役1年の刑罰を直ちに執行しません。3年間猶予し、猶予期間中に罰金刑以上の刑罰が言い渡されなければ、懲役1年の判決が執行されることはありません。
しかし、執行猶予期間中に罰金刑以上の判決が言い渡された場合は、執行を猶予されていた懲役1年という刑罰も加算されるというものです。
実刑判決が言い渡された場合、刑務所に収監もしくは罰金等の金銭を即時支払わなければいけなくなります。罰金刑であれば金銭を支払って終了しますが、懲役刑等の自由刑の場合は、必ず刑務所へ収監されることとなるため注意しなければいけません。
示談を拒否された場合の対処法
被害者は示談の拒否権が当然ながら認められています。もし、被害者の処罰感情が強く、「示談を拒否する」といった姿勢を取られた場合、加害者として行えることはほとんどありません。
とはいえ、何もせずにいるよりも、以下のことを行うことによって示談交渉に変わる効果を受けられたり、示談交渉に応じてもらえたりする可能性が高まります。
被害者に対して誠心誠意謝罪する
- 可能な限りの譲歩を検討
- 供託を検討
- 贖罪寄付を検討
次に、示談を拒否された場合の対処法について詳しく解説します。
被害者に対して誠心誠意謝罪する
初めに被害者に対して誠心誠意謝罪をしましょう。気持ちが伝わることによって、被害者の処罰感情が気薄化する可能性が高まります。
ただし、罪を犯した人が被害者と直接やり取りをすることはおすすめできません。とくに被害者の処罰感情が厳しい場合は、加害者からの接触を避けてほしいと考えるのは当然です。
そのため、必ず弁護士を通して被害者との自分の気持ち(謝罪の気持ち)を進めるようにしましょう。
可能な限りの譲歩を検討
可能な限り譲歩を検討しましょう。示談交渉は加害者であるあなたと被害者の間で行われる交渉です。示談金には相場が決められているものの、その金額で被害者が応じなければ、示談交渉は成立しません。
もし、提示した示談金や示談内容で被害者が納得しない場合は、相手の言い分もある程度聞き入れ、譲歩を検討することも大切でしょう。とはいえ、あまりにも相場とかけ離れている金額等を提示された場合は、必ずしも応じるべきとは言い切れません。
まずは、担当している弁護士とよく話し合ったうえで、今後の方針を決定していくと良いでしょう。
供託を検討する
刑事事件における「供託」とは、被害者が示談を拒否した場合に検討すべき手続きの一つです。加害者側が法務局にお金を預け入れることを「供託」と言います。
そもそも、示談交渉は被害者と加害者側で行う交渉であるため、被害者側が受領を拒否した場合は示談が成立しません。しかし、供託であれば、一方的にお金を預け入れることができる点が大きなメリットです。
たとえば、被害弁済額に加えて慰謝料分(示談交渉で提示していた分程度)の供託を行うことによって、間接的に弁済を行えたことが認められます。
供託をしたところで被害者の処罰感情に変わりはないため、示談交渉が成立した場合ほどの効果に期待はできません。しかし、示談交渉を拒否された場合は、供託をしておくことによって、少なからず判決や処分へ影響を与える可能性があるため、検討したほうが良いでしょう。
贖罪寄付を検討する
贖罪寄付を検討してみても良いでしょう。贖罪寄付は、通常被害者がいない刑事事件にて行われるケースの多い寄付方法です。
贖罪寄付は、弁護士団体や被害者支援団体等に寄付をすることを指します。自分の事件の被害者に直接弁済等を行える制度ではないため、被害者の処罰感情気薄化に期待はできません。
そのため、被害者のいる事件である場合、通常は供託を検討すべきです。ただ、供託をしたうえで贖罪寄付を検討しても良いでしょう。贖罪寄付をした事実が少なからず判決や処分に良い影響を与える可能性もあります。
示談を拒否されやすいケースとは
示談を拒否されやすいケースとは以下のとおりです。
- 処罰感情が強い場合
- そもそも示談金を用意できない場合
- 示談の内容に納得ができない場合
次に、示談を拒否されやすいケースについて詳しく解説します。
処罰感情がとても強い
被害者の処罰感情が強い場合は、示談に応じてもらえない可能性が高いです。
まず、加害者目線で見る示談成立のメリットは、刑事罰や処分の軽減でしょう。一方で、被害者目線で見ると、事件の早期解決、被害弁済および慰謝料等の支払いを確実に受けられる点です。
事件が早期に解決することによって、切り替えられる被害者も多くいるでしょう。しかし、すべての人が「事件を早期に解決して切り替えたい」と思っているわけではありません。
「絶対に許せない」という気持ちがあれば、「厳しい刑事罰を受けてほしい」と考えるのも当然です。このように厳しい処罰感情を持っている被害者は、否が応でも厳しい刑事罰を受けてほしいと願っています。
示談交渉に応じることによって、加害者が比較的軽い刑罰もしくは処分で済まされることが許せないと考える人がいるのも当然です。
また、もうひとつ「経済的なメリット」があります。示談交渉を受け入れることによって、被害弁済や慰謝料等を合わせた金額を受け取れます。
しかし、示談交渉に応じなくても民事訴訟を提起することによって、強制的に金銭の弁済を受けられます。当然、判決が下されれば強制執行も可能であるため、処罰感情が強ければ強いほど、被害者側のメリットはなくなってしまうのです。
そもそも示談金を用意できない
そもそも示談金を用意できない場合は、示談交渉を進めることができません。もちろん、被害弁済金や慰謝料を「分割で支払います」という交渉内容で示談書を作成することも可能です。
しかし、支払いが長期に渡れば渡るほど、金銭の支払いを受けられる保証は少なくなってしまいます。仮に、長期にわたる支払い能力があったとしても、被害者からすると弁済が済むまでは「事件が終わらない」と感じる人も少なくありません。
もし、結果的に加害者が懲役刑や禁錮刑となった場合、その期間はわずか少額の弁済しか受けられません。そのため、そもそも支払い能力がない人と示談交渉を成立させるメリットがほとんどないのです。
示談の内容に納得ができない
示談に記載されている内容に納得ができない場合は、示談交渉に応じてもらえないでしょう。示談の内容は、被害者と加害者側で話し合って作成していくものです。
そのため、お互いに内容を納得できない場合は、示談交渉が成立しません。金銭面で相違が生まれる場合もあれば、記載されている条件面で折り合いがつかないこともあるでしょう。
可能な限り、加害者側が譲歩するべきであるとは考えられるものの、無謀な内容を提示された場合は加害者側が納得できずに、示談が成立しないケースもあります。
示談を拒否された場合のNG行動
示談は被害者に対して強制できるものではありません。そのため、示談を拒否されたからといって、以下のような行為をするのは絶対に避けましょう。
- 被害者を脅す
- 何もしない
次に、示談を拒否された場合のNG行動について詳しく解説します。
被害者を脅す行為
被害者が示談交渉に応じないからといって、無理に示談交渉を行わせようとするのは絶対に避けましょう。脅して示談交渉を成立した場合、別の罪が成立する可能性が高いです。
また、脅して示談交渉を成立させようとした事実が影響して、今回の刑事事件に大きな影響を与える恐れもあります。
示談交渉は、通常弁護士を通して行います。示談交渉については弁護士へ一任し、必ずしも応じてもらえるものではないことを覚えておきましょう。
何もしない
被害者が示談交渉に応じてくれないからといって、何もしないのは避けるべきです。先ほども解説したとおり、示談交渉に応じてくれなくても、供託という方法があります。
供託を行うことによって、交渉をした事実だけではなく、実際に金銭を支払っている事実と意思を反映できます。結果的に、判決や処分に良い影響を与える可能性が高まります。まずは、弁護士とよく話し合ったうえで今後の対応方法を検討するべきでしょう。
示談を拒否された場合によくある質問
示談を拒否された場合によくある質問を紹介します。
Q.示談を強制することはできますか?
A.被害者、加害者ともに示談を強制することはできません。
示談交渉は、被害者と加害者の間で行われる交渉手続きです。そのため、どちらかが示談を強制することはできません。
通常は、加害者側から被害者に対して示談の提案を行います。その後、被害者が示談に応じる姿勢を見せた場合は、示談内容で折り合いをつけて成立を目指す流れです。
しかし、被害者が「絶対に示談交渉には応じない」という姿勢を示した場合、強制的に応じさせる方法はありません。そのため、誠心誠意謝罪をしたうえで被害者に応じてもらうようにお願いするしかないでしょう。
一方で、被害者側から示談交渉を提案することもできます。しかし、加害者側が必ずしも示談に応じるとは限りません。そもそも、示談に応じられるだけの金銭を用意できる見込みがなければ、示談交渉は成立しません。
また、加害者側が否認している事件である場合や加害者側が「許せない」という気持ちを持っているケースも少なからずあります。示談は、自分の罪を認めて金銭等の補償を行う制度であるため、加害者側の感情による部分もあります。
たとえば、Aという事件が発生したとしましょう。この事件における関係性が被害者・加害者であったとしても、実は、Bという事件では逆の立場であったというケースも考えられます。
上記の場合、Aという事件では被害者であってもBという事件では加害者であるため、今回の事件の加害者も被害者に対して「許せない」という感情を持っている可能性もあります。この場合は、加害者側から示談交渉を拒否される可能性もあるでしょう。
Q.示談を拒否された場合、どうすれば良いですか?
A.示談を拒否された場合、相手に対して示談を強制することはできません。
被害者が示談を断固として拒否した場合は、示談を強制することはできません。そのため、その他の方法を検討するしかないでしょう。まずは、被害者に対してしっかり謝罪をしたうえで、示談に応じてもらえるよう交渉を行います。
それでも難しい場合は、供託を検討する流れが一番良いでしょう。まずは、担当している弁護士とよく話し合ったうえで今後の方針を決定しましょう。
Q.弁護人を変えることで示談交渉がうまくいく可能性はありますか?
A.可能性はゼロではありませんが、結局は被害者の処罰感情によるため、一概には言えません。
示談交渉が成立するか否かについて、大きなポイントとなるのは「被害者の処罰感情」と「弁護士の交渉」です。前者である場合は、弁護士を変えても示談交渉がうまくいく可能性は低いでしょう。
なぜなら、被害者の処罰感情が著しく強いためです。処罰感情が強い人は「誰に何を言われても応じない」といった姿勢を取っているケースが大半です。そのため、弁護士を変えても示談交渉が上手くいくとは限りません。
一方で、弁護士が本来の職務を全うしてくれない場合は、弁護士を変えることによって示談交渉がうまくいくケースもあります。たとえば、「被害者と連絡をとってくれない」「交渉を行ってくれない」といった場合は、早急に弁護士を変えたほうが良いでしょう。
ただし、国選弁護人の場合は自由に解任したり選任したりできないため、注意しましょう。たとえば、「適切な弁護活動(示談交渉)を行ってくれない」という理由だけでは解任できません。私選弁護人であれば、自由に解任することができます。
Q.未成年者である被害者の両親が示談を拒否している場合はどうすれば良いですか?
A.親が拒否している場合は、示談は成立しません。
未成年者の場合、親が法定代理人となります。そのため、未成年者が示談に応じる姿勢を示していたとしても、法定代理人である親が示談を拒否していた場合、示談は成立しません。
また、仮に未成年者の意思で示談交渉が成立していたとしても、親の同意を得られていない場合は、示談自体を取り消されてしまう可能性があるため注意しましょう。
被害者が未成年である場合、当事者である未成年と示談交渉を行うことはもちろんですが、法定代理人である親が同意しなければ成立しない点には注意が必要です。
Q.交渉に応じてもらえない場合はどうすれば良いですか?
A.基本的にはどうすることもできません。
示談交渉は、交渉手続きであるため相手が応じない姿勢を見せている以上、どうすることもできません。あなたができることとすれば、誠心誠意謝罪をしたうえで示談交渉に応じてもらうことでしょう。
どうしても難しい場合は、供託を検討すると良いでしょう。示談成立時ほどの効果は得られないものの、少なからず判決や処分へ良い影響を与える可能性があります。
まとめ
今回は、示談交渉を拒否された場合について解説しました。
示談交渉は、被害者の処罰感情が気薄化している証拠となるため、成立した場合には大きな効果に期待が持てます。しかし、被害者の処罰感情が厳しければ厳しいほど、示談交渉を拒否されてしまう可能性が高まります。
もし、交渉がうまくいかなければ、示談が成立した場合と比較して厳しい処罰を受けることになるでしょう。少しでも良い方向に向くためには、供託等を検討するしかありません。
まずは弁護士へ相談をしたうえで示談交渉を開始し、交渉がうまくいかない場合はさまざまな方法を検討してみると良いでしょう。