学校で発生した傷害事件は警察沙汰になる?被害者目線・加害者目線で詳しく解説

NO IMAGE

学校で発生した傷害事件は、発生場所を問わず刑法犯であることに変わりはありません。そのため、警察事案となるケースが大半です。

しかし、傷害とはいってもその程度や被害生徒・加害生徒の年齢によっては刑事罰に問えない等の問題が発生することもあります。本記事では、学校で発生した傷害事件について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

学校で発生した傷害事件の対応について

傷害事件は、発生場所を問わず「傷害罪」という犯罪が成立します。犯罪が発生している以上、学校関係者は警察へ通報しなければいけません。

また、傷害事件の発端がいじめ行為である可能性もあるため、いじめを調査するために第三者機関への相談も検討する必要があるでしょう。たとえば、教育委員会へ相談をしたうえでいじめがあったのかどうか、について調査をしなければいけません。

まずは、学校内で傷害事件が発生した場合の対応について、詳しく解説します。

【傷害事件とは】
傷害事件とは、暴行等の結果、人に傷害(怪我)をさせた場合に成立する犯罪・事件を指します。たとえば、「人を殴った」というケースでも傷害に至らなければ暴行罪という犯罪が成立します。今回は「傷害罪」を前提に解説していきます。

初めに学校で対応するケースが多い

傷害事件が発生した場合、まずは近くにいる教員が対応するケースが多いでしょう。怪我の程度にもよりますが、まずは被害生徒を治療するために保健室等へ連れて行き、加害生徒については別の教員が話を聞く流れになるのが一般的です。

その後の対応は学校や生徒の年齢、怪我の程度によって異なります。怪我の程度が大きい場合は、被害生徒の親に連絡をしたうえで迎えに来てもらったり、教員が病院へ連れて行く、もしくは救急車を呼ぶ流れが一般的です。

加害生徒についても同様で、まずは話を聞いたうえで冷静になり次第親に迎えに来てもらったり、授業に戻したりなどの対応を取るケースが多いです。また、傷害の程度が大きい場合は警察へ連絡をするケースもあるため注意しましょう。

たとえば「加害生徒が被害生徒のことをナイフで刺した」という状況の場合、ほとんどの学校で初めに警察へ連絡をしたうえで警察に対応を任せることになるでしょう。

学校内で発生した傷害事件の場合は、初めに学校内で対応し、その後の対応を協議するケースが大半です。年齢や加害生徒および被害生徒の状況等を総合的に考慮したうえでその後の対応は変わると思っておいたほうが良いです。

親への連絡・親からの通報の可能性

学校内で対応したあと、被害生徒および加害生徒それぞれの親に連絡をします。その後、親同士で話し合いをすることになるでしょう。被害生徒の状況が著しい場合は、学校から直接病院へ行くケースもあります。

被害程度が軽い場合で親が迎えに来られるような場合は、親の迎えを待ってその後は家庭に対応を任せることになります。とはいえ、学校が側でも傷害事件についても引き続き対応を行うのため安心してください。

加害生徒や被害生徒の年齢等によって対応は大きく異なるため、一概にはいえませんが、停学や自宅謹慎といった処分が加害生徒に与えられる可能性があります。

被害生徒について、まずは受診したあとに対応を検討するケースが多いです。被害生徒の状況等を考慮して、被害生徒の親と学校側で対応を協議していくことになるでしょう。

なお、学校側で警察へ通報をしなくても、被害を聞いた被害生徒の親から警察へ通報が入るケースもあります。この場合は、加害生徒および被害生徒、学校、それぞれが傷害事件に関する事情聴取を行い、警察側でその後の対応を検討します。

傷害の程度次第で警察へ通報するケースがある

傷害の程度次第では、学校側から連絡をするケースもあります。たとえば、明らかに学校では対応しきれないようなケースや明らかに事件として認識されるようなケースが該当します。

例を挙げるとすれば「生徒がナイフを持ち出して他の生徒を刺した」というようなケースです。取り急ぎ対応できる教員で取り押さえたとしても、興奮している加害生徒をそのまま取り押さえておけば、さらなる被害拡大が起こり得ます。

そのため、他の教員が直ちに警察へ通報をして駆けつけてもらうケースもあるでしょう。このように、加害生徒がとくに興奮している状態であり、教員のみでの対応が難しい場合は警察への通報が行われるケースが多いです。

加害生徒の年齢にもよりますが、警察へ通報してしまうと、その後の進路等にも大きな影響を与える原因になり得ます。そのため、本来であれば慎重に判断をしたうえで学校や児童相談所、警察等と連携をして対応をするのが一般的です。

しかし、被害程度が著しい場合や対応しきれない場合は、警察へ直接通報されるケースもあるため覚えておくと良いでしょう。

程度次第で警察へ通報する必要がある

行われた行為が犯罪行為である場合、学校は警察へ通報しなければいけません。「義務」ではないものの、求められています。傷害行為は刑法で定められている「傷害罪」という立派な犯罪です。よって、傷害の程度次第では警察への通報が求められます。

なお、学校が警察へ通報をしなければいけないのは、いわゆる「いじめ」として行われることの多い行為のうち、犯罪として成立するものです。

たとえば、殴る蹴るといった暴行は暴行罪が該当します。傷害を負った場合は、傷害罪が成立する犯罪です。他にも、ものを壊したり隠したりした場合は、器物損壊罪が成立するなど、「いじめ」であったとしても犯罪行為として認定されるケースは多くあります。

傷害罪は、被害生徒の身体のみならず精神にも大きな影響を与えることとなるため、基本的には警察へ通報をしたうえで対応されることが多いと思っておきましょう。

受診した場合は通報される可能性がある

学校内で発生した傷害事件が原因で受診した場合、警察へ通報される可能性があります。医療機関は「虐待が疑われる場合は、通報しなければいけない」と定められています。

仮に、「学校で殴る・蹴るなどの暴行を受けた」といって受診をした場合は通報されることはありません。しかし、穏便に済ませようと上記内容を隠して受診した場合は通報の義務が発生し、警察や児童相談所へ連絡されてしまう恐れがあります。

そのため、事件を穏便に済ませようと考えている場合は、初めに事情を説明したうえで受診をしたほうがトラブルを少なく終わらせられるでしょう。

傷害事件の定義とは

そもそも、傷害とは「暴行の結果傷害を負わせた場合」に成立する犯罪です。そのため、たとえば「殴られた・蹴られた」という事実だけで直ちに、傷害罪が成立するとは限りません。

次に、そもそも「傷害事件」とはどのような事件を指すのか?について詳しく解説します。

暴行の結果、傷害を負わせた場合に「傷害罪」成立

傷害罪とは、暴行の結果人に傷害を負わせた場合に成立する犯罪です。たとえば、「殴る・蹴る」といった暴行を加えただけであり、相手に怪我を負わせなかった場合は暴行罪です。一方で、怪我をした場合は傷害罪が成立します。

傷害とは「怪我をさせること」という意味があります。そのため、怪我をして初めて傷害罪という犯罪が成立することを覚えておきましょう。

また、「包丁で人を刺した」という状況であっても、加害者に殺意がなければ殺人罪や殺人未遂罪は成立せず、傷害罪もしくは傷害致死罪という犯罪が成立します。

傷害に至らなかった場合は「暴行罪」が成立

傷害まで至らなかった場合は、暴行罪という犯罪が成立します。暴行罪は、人に対して不法行為を行ったものの、傷害に至らせなかった場合に成立する犯罪です。

たとえば「殴る・蹴るの暴行を加えた」としても、相手に怪我がなければ暴行罪です。また、殴る蹴るなどの暴力行為のみならず、たとえば、唾を吐きかける、胸ぐらを掴むといった行為も暴行罪に該当します。

暴行罪は傷害罪と比較して軽微な犯罪です。学校内で行われた行為であり、たとえば当事者同士の口論が原因でつかみ合いになった、という程度であれば警察に通報されるケースは稀でしょう。仮に、警察へ通報されても事件化されることなく終了するケースが大半です。

事件化されてから処罰対象となる

犯罪として成立してもすべての行為で事件化されるわけではありません。そもそも、事件化とは、警察等の捜査機関が正式に事件として扱うことを指します。

事件化されなければ、警察で捜査をしたりその後に起訴したりすることはありません。事件化するか否かの判断は、各事件ごとに判断されます。さまざまな状況を考慮したうえで判断されます。

なお、比較的軽微な状況であり、被害者が処罰を望まない場合などは事件化せずに終了するケースが多いです。

未成年者が暴行・傷害を犯した場合

未成年者が学校内で暴行や傷害といった犯罪を犯した場合、年齢によってその後の処罰は異なります。まず、14歳未満の場合は刑事罰が処されることはありません。14歳以上の場合は、刑事罰に処される可能性はあるものの、直ちに逮捕されるとは限りません。

次に、未成年者が暴行罪や傷害罪といった犯罪を犯した場合、どのような流れで事件は進んでいくのか?について詳しく解説します。

18歳および19歳は特定少年として扱われます。20歳以上は大人と同じ扱いを受けるため、即時逮捕となる可能性が高いため注意しましょう。

14歳未満の場合

14歳未満の者については「触法少年」と呼ばれ、刑事責任を問われることはありません。つまり、逮捕されることもなければ、何らかの刑事罰が下されることもありません。

たとえば、14歳未満の中学生が学校内で他生徒をナイフで切り付けた、という傷害事件を起こしたとしても、逮捕されたり刑事罰を問われたりすることはないのです。

ただし、14歳未満だからと言って、何ら処分が下されないわけではありません。14歳未満の者が傷害等の犯罪を犯した場合は、以下の流れで事件は進んでいきます。

  1. 警察・一般人
  2. 児童相談所へ通告・送致
  3. 家庭裁判所送致
  4. 少年鑑別所
  5. 審判
  6. 処分決定

一般的には上記の流れで事件は進んでいきます。ただし、必ずしも上記の流れに準じているとは限りません。それぞれの流れについて詳しく見ていきましょう。

まず、校内で発生した事件の場合、警察もしくは教職員が加害生徒の話を聞くことになるでしょう。被害程度が著しい場合は、すぐに警察へ連絡をして対応を求める可能性があります。

ただし、先ほども解説したとおり14歳未満の少年は刑事責任を問えないため、警察へ通報をしても逮捕されることはありません。まずは、警察で任意聴取(事情聴取)を行った後に児童相談所に通告・送致されます。

  • 警察で調査した結果、以下に該当する場合は児童相談所へ通告されます。
  • 触法少年に保護者がいないと判断された場合
  • 保護者に監護させることが不適切であると判断された場合

児童相談所へ通告された場合、その生徒は基本的に児童相談所で一時保護される可能性があります。つまり、警察にて逮捕・勾留されることはないものの、児童相談所で身柄を拘束される可能性がある点に注意してください。

そして、警察が触法少年を調査した結果、以下に該当する場合は「児童相談所長送致」となります。

  • 犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係る刑罰法令に触れる行為をした
  • 死刑・無期・短期2年以上の懲役または禁錮にあたる罪に係る刑罰法令に触れる行為をした
  • 少年を家庭裁判所の審判に付するのが適当であると判断した

傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」であるため、児童相談所長送致となる可能性があります。もし、児童相談所長送致となった場合は、初めに児童相談所内で調査を行って、家庭裁判所へ送致される可能性があります。

家庭裁判所へ送致された場合、初めに家庭裁判所の裁判官が触法少年を鑑別所に入所させるかどうかを判断する流れです。鑑別所への入所が決定した場合、一般的には4週間程度の間少年鑑別所施設内で生活をしなければいけません。

その後、審判が行われて処分が決定する流れです。審判とは、大人で言うところの裁判に似ています。しかし、触法少年は刑事責任に問われることはないため、下される処分は大人とは異なります。

具体的には、「保護処分」と呼ばれるいずれかの処分が下されます。たとえば、少年院送致、児童自立支援施設送致、保護観察処分、試験観察処分といったさまざまな処分の中から、少年の更生に必要となる何らかの処分が下されることになるでしょう。

14歳以上18歳未満の場合

14歳以上の場合は警察で逮捕される可能性があります。14歳以上20歳未満の少年は「犯罪少年」と呼ばれます。このうち、18歳および19歳の少年は特定少年と呼ばれ、犯罪少年とは少し異なる境遇となります。

14歳以上の少年が犯罪を犯した場合は刑事責任を問うことができるため、逮捕することが可能です。ただし、逮捕された場合も大人と同じ流れで事件が進むわけではありません。以下の流れに従って事件は進んでいきます。

  1. 逮捕
  2. 送致
  3. 家庭裁判所送致
  4. 処分決定・逆送致
  5. 刑事裁判
  6. 刑罰

まず、14歳以上の少年は逮捕される可能性があります。逮捕された場合は、検察官へ事件を送致されます。ただし、犯罪少年の場合は必ずしも検察官へ送致されるわけではありません。まずは、家庭裁判所へ送致したうえで鑑別所へ入所します。

鑑別所では触法少年同様に一般的に4週間程度の期間入所してさまざまな検査や調査を行うのが一般的な流れです。

その後、家庭裁判所で処分が決定されます。処分の内容は触法少年同様に少年院送致や児童自立支援施設送致、保護観察処分あるいは試験観察処分等です。ただし、非行事実の内容次第では、逆送致される場合があります。

逆送致された場合は、大人と同様に刑事裁判を受けて刑事罰が下されます。14歳以上は刑事罰を科すことができるため、大人同様の処分が下される可能性がある点に注意しましょう。

なお、少年の場合は「少年刑務所」と呼ばれる場所に収監されます。16歳以上20歳未満の者が入所するところです。よって、16歳未満の者が犯罪を犯した場合は、少年刑務所ではなく少年院に入院しなければいけません。

【被害者目線】学校で暴行・傷害を受けた場合の対処法

学校で暴行や傷害を受けた場合、どのように対処・対応すれば良いのかわからない人も多いのではないでしょうか。まずは、被害者目線で学校で暴行・傷害を受けた場合の対処法について詳しく解説します。

親・学校と話し合いを行う

初めに、被害に遭った事実を担任教諭等へ相談しましょう。そのうえで対応を検討してください。次に、自宅に帰ってから被害に遭ったことを親にも話し、親同意あるいは親と学校で話し合いをしてもらうようにしましょう。

もちろん、被害に遭ったあなた自身の感情も大切ですが、法律上はあなたの親が代理人になります。そのため、どういった処罰を望んでいたとしても、まずは親や教諭へ相談しましょう。

受診して診断書を受け取る

親や学校へ話をしたうえで受診をして診断書をもらっておきましょう。どのような処罰を望む場合であっても、診断書があればあなたにとって有利に働きます。

客観的に「被害に遭った事実」を証明する書類となるため、程度に関わらず必ず受診しておくことをお勧めします。そのうえで相手の加害生徒の親等に治療費を求めるなどの対応を検討していくと良いでしょう。

警察に被害届を提出する

被害程度が著しく、処罰感情が厳しい場合は、警察に被害届を提出することも検討してください。学校側で必ずしも警察へ連絡するとは限らないため、まずはあなたの親と話し合ったうえで警察への通報を検討します。

警察へ通報をしても必ずしも事件化されるとは限りませんが、警察へ相談をすることによって学校や加害生徒、加害生徒の親は危機感を持って対応してくれる可能性が高まります。

弁護士へ相談をする

弁護士への相談を検討しても良いでしょう。示談を検討する、相手に対する厳しい処罰を検討する、穏便に済ませる、いずれの場合であっても弁護士へ相談をしたほうが良いです。

弁護士は法律の専門家であるため、さまざまな面でサポートをしてくれるでしょう。あなた自身の処罰感情等も鑑みたうえで適切に対応してくれます。

また、示談を検討する場合はお互いの弁護士同士で話し合い、適切な金額等で和解が成立できます。どのような結果を求めているにせよ、まずは弁護士へ相談を検討すると良いでしょう。

処罰感情次第でその他の対応を検討

処罰感情を考慮したうえでその他の対応を検討するべきでしょう。「絶対に許せない」と言う気持ちがあるのであれば、警察に対して被害届を提出したり告訴して処罰を求めたりするべきでしょう。

相手のことを考え、穏便に済ませようと考えているのであれば、相手に対して誓約書を書かせる等の検討が必要です。この場合も、弁護士へ相談をしたうえで内容の有効性等を考慮したほうが良いです。

【加害者目線】学校で暴行・傷害を行った場合の対処法

加害者側の生徒が他の生徒に暴行もしくは傷害を行ってしまった場合、どのように対応すべきか悩まれている人も多いのではないでしょうか。とくに、中学生以上になると受験や将来のことについても不安があるでしょう。

また、「逮捕されてしまうのではないか?」といった不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。次に、加害者目線で校内暴力を行ってしまった場合の対処法について詳しく解説します。

親・学校と話し合う

通常、学校内で傷害事件が発生した場合は、当事者の親に連絡が入ります。そのうえで、学校と親、加害生徒で対応を検討します。当然、被害生徒に対して謝罪をしなければいけませんが、現在は個人情報保護の観点から連絡先等を教えてもらえない可能性が高いです。

そのため、学校を通して謝罪する意思があること、治療費の支払いをする意思があることを伝達してもらいましょう。

また、加害生徒については自宅でも親からしっかりと指導することが大切です。場合によっては、加害生徒は自宅に帰れない可能性もあります。逮捕されたり児童相談所長送致となっている場合などです。この場合であっても、面会等で会えた際には、事件についてしっかりと話し合いましょう。

被害者への謝罪・治療費の支払い

まずは、被害者に対して親と加害生徒で揃って謝罪に行きましょう。そのうえで治療費等の支払いする旨を提案してください。

相手の生徒および親からは会うことを拒否されたり治療費の受け取りを拒否されたりする可能性もあります。この場合であっても、まずは誠心誠意謝罪をしたうえで治療費の支払いをする意思がある事実を見せることが大切です。

後になって治療費等を請求される可能性は否定できないため、まずは自分から支払う意思を見せ、「後からでも請求してください」と伝えておきましょう。

弁護士へ相談をする

弁護士への相談を検討しましょう。加害者側となってしまった場合、「逮捕されないだろうか?」「将来に影響は出ないだろうか?」などと不安を抱えていることでしょう。

そういった不安を少しでも解消するためにまずは、弁護士へ相談することを検討しましょう。弁護士へ相談をすることによって、今後起こり得る可能性のあること、示談交渉等などさまざまな不安についてアドバイスをしてくれます。

もし、家庭裁判所へ送致されたり逮捕されたりするようなことがあっても、弁護人として対応してくれます。少年であっても、鑑別所等に入所させられた場合は国選弁護人が付きますが、タイミングとしてはとても遅いです。

学生にとっての1日、学生にとっての逮捕等の影響はとても大きいです。そのため、早め早めに行動することを心がけましょう。

示談交渉を検討する

示談交渉を検討しましょう。示談交渉とは、謝罪をして金銭等を支払う代わりに、今回の事件については許してほしいと相談をする交渉です。示談交渉が成立することによって、被害者側の処罰感情が気薄化していることが明らかとなります。

結果的に、刑事処分等を免れる可能性が高まります。示談交渉は、一般的に弁護士を介して行います。そのためまずは、弁護士への相談を検討しましょう。

その他必要事項の検討

被害者の処罰感情を鑑みて、その他必要事項の検討をしたほうが良いでしょう。たとえば、何らかの支援を受けたり加害者側であるあなたが転校をして被害者が改めて学校生活を送れるようにするなどの検討が必要となる場合があります。

とくに継続的ないじめ行為等を行っていた場合は、適切な治療や支援が必要であると判断されるケースが多いです。学校や家庭内での更生を見込めない場合は、第三者機関による支援も検討したほうが良いでしょう。

学校の傷害事件に関するよくある質問

学校の傷害事件でよくある質問について紹介します。

Q.学校での傷害事件で警察沙汰になった場合、どのような影響が考えられますか?

A.全校生徒にさまざまな影響を与える可能性が考えられます。

たとえば、重大な傷害事件が発生して学校に多くの警察が来たとしましょう。多くの生徒は不安に感じ、結果的に精神的な影響を受ける可能性が懸念されます。

また、被害生徒自身も傷害の程度によっては、精神的・身体的に大きな影響を受けることが考えられます。もちろん、加害生徒についても将来的な影響は免れません。関与するすべての人に相当な影響があることが考えられるため、校内での傷害事件には注意が必要です。

Q.学校内で発生した喧嘩は警察沙汰になりますか?

A.喧嘩の程度や教職員の判断によるでしょう。

同じ年代の子ども同士が集まる環境では、ときに暴力の伴う喧嘩が発生することもあるでしょう。しかし、喧嘩が発生したからといって直ちに警察沙汰になるとは考えられません。

その程度や教職員の判断によるため、一概には言えません。たとえば、誰も手につけられないような大きな喧嘩に発展してしまった場合は、警察に連絡をする可能性が考えられます。

Q.体罰を通報した場合、傷害事件になり得ますか?

A.体罰の程度によります。

体罰の程度によっては、傷害事件に発展する可能性があります。そもそも、傷害とは「傷害を負っていること」が前提です。つまり、暴行があった事実のみでは傷害罪での立件は不可能です。

仮に傷害を負っていたとしても、その状況によるでしょう。たとえば、「生徒間での喧嘩で止めに入った教職員が加害生徒を突き飛ばしてしまい、結果的に傷害を負った」という場合は、傷害罪に問うことはできません。当然、体罰にも該当しません。

しかし、「部活動で成績の悪かった生徒に対して暴行を加え、傷害を負わせてしまった」というような場合は、当然傷害罪になり得ます。まずは、弁護士への相談を検討されてみてはいかがでしょうか。

Q.未成年でも逮捕される可能性はありますか?

A.あります。

未成年であっても14歳以上であれば、刑事責任に問うことができます。つまり、逮捕される可能性があります。ただし、成人していても20歳未満の人の場合は、少年法の適用を受けるため、大人とは違う順番で事件は進んでいきます。

Q.部活動等で怪我をさせてしまった場合、傷害事件等になり得ますか?

A.故意がなければ傷害事件にはなりません。

とくに運動部等は怪我をしてしまうことの多い部活動です。そのため、部活動中に怪我をさせてしまったからといって、傷害罪に問われることはありません。

ただし、怪我をした被害生徒が学校側を訴えたり、顧問に対して責任を問うたりすることはできます。過失がなければ、生徒に対して賠償金等を請求できないうえに傷害事件として立件できないため注意しましょう。

まとめ

今回は、学校内で発生した傷害事件について解説しました。

発生場所を問わず、傷害罪は傷害罪です。刑法犯であり、当然刑事罰に問われます。しかし、加害生徒の年齢次第では刑事責任を問うことはできません。

学生であれば、相手のことや自分のことなどさまざまなことを懸念しなければいけません。そのため、「どう対応すれば良いかわからない」と悩まれている人も多いのではないでしょうか。本記事で解説した内容を参考にしていただき、今後の対応方法を検討されてみてはいかがでしょうか。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

刑事事件コラムカテゴリの最新記事

PAGE TOP