警察から尾行されていることを判断する方法はある?捜査手法について解説

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警察は、捜査の一環として尾行捜査を行うことがあります。しかし、警察が行う尾行捜査は、パトカーのような捜査車両ではなく、一般車両で行われることが一般的です。

また、制服を着て尾行するわけではなく、私服で行われることから、一般の人が尾行を判断することは難しいです。この記事では、警察が行う尾行捜査の判断方法について詳しく解説します。警察の尾行判断について知りたい人は、ぜひ本記事を参考にしてください。

目次

警察の尾行を判断する方法

警察の尾行を判断する方法はありません。通常、警察官が行う尾行は、対象者にバレないように行われるためです。

また、明らかに警察官であるとわかるような格好で行われることはなく、基本的には私服で尾行されます。そのため、一般の人が警察の尾行に気付ける可能性は限りなくゼロに近いでしょう。まずは、警察の尾行を判断する方法について詳しく解説します。

警察の尾行を判断する方法はない

警察の尾行を判断する方法はありません。尾行の対象となっている理由は、何らかの犯罪の嫌疑をかけられており、家宅捜索(ガサ入れ)もしくは逮捕のタイミングを確認するためである可能性が高いです。また、監視を行うことによって犯罪の証拠を集めることも目的としています。

万が一、対象者に尾行が知られてしまった場合、逃亡されたり証拠隠滅をされてしまったりなど、捜査に大きな支障が出てしまいます。そのため、絶対に対象者に知られないように尾行を行わなければいけません。

また、あなたが何らかの罪を犯しており、警察に尾行されているのではないか?と疑いを持っていたとしても、それを判断する方法はありません。警察署に問い合わせたとしても、教えてもらえないため、判断は不可能です。

尾行は気付きにくい

そもそも、警察が行う尾行に気付かれてしまった場合、捜査に大きな支障をきたす恐れがあります。そのため、絶対に対象者に知られないように尾行をしなければいけません。

警察官が尾行を行う場合は、私服で行い、夫婦やカップル、会社員などさまざまな風貌を装って気付かれないように行います。そのため、一個人が警察の尾行を判断し、気付くことは相当難しいでしょう。

尾行者が警察であるとは限らない

「尾行されているかもしれない」と感じている場合、警察ではない人に尾行されている可能性も疑ったほうが良いでしょう。

たとえば、ストーカーや探偵による尾行が行われている可能性があるかもしれません。とはいえ、探偵が行う尾行調査は、プロが行っているため、気付くことは相当難しいです。

そのため、一般の人が尾行に気付いたということは、ストーカー等を疑ったほうが良いかもしれません。何ら罪を犯していないにも関わらず、尾行されている場合は、早期に警察への相談を検討したほうが良いでしょう。

警察の尾行手順

警察の尾行は複数人で行われます。そして、対象者に気付かれないように行います。また、尾行の期間に定めはないため、いつまで尾行が継続するかはわかりません。次に、警察が行う尾行の手順について詳しく解説します。

原則複数名で行う

警察官が行う尾行は、複数人で行われます。基本的には複数人で尾行を行います。そのため、警察からの尾行かどうかを判断するうえで、何人から尾行を受けているか?を確認することで、確認できることがあるかもしれません。

ただし、警察が行う尾行も対象者に気付かれないことが必須条件です。そのため、対象者に気付かれる可能性がある場合は、1人で行動しているかのように見せる場合もあります。

そのため、単独行動であることを理由に必ずしも警察官の尾行ではないと判断することはできません。あくまでも、可能性の判断材料として参考にしてください。

対象者に気付かれないように尾行する

警察が行う尾行は、絶対に対象者に知られないように行う必要があります。これまでに何度も警察に逮捕されている人の場合、顔見知りの警察官がいるかもしれません。

基本的には、顔見知りで対象者に知られてしまう可能性がある警察官は、尾行捜査を行わないことのほうが多いです。警察は捜査のプロであり、尾行のプロでもあります。いかにして対象者に気付かれないように尾行するかがポイントであるため、一般人が気付くことは難しいでしょう。

尾行の期間に定めはない

尾行期間に定めはありません。そのため、長期間にわたって尾行が行われている可能性もあります。逆に、短期間で尾行が終了するケースもあります。

あくまでも、犯罪の証拠集めや逮捕・家宅捜索のタイミングを確認する目的で行われることの多い捜査であるため、必要な期間行われます。

警察に尾行される要因

警察に尾行される要因は、主に以下のとおりです。

  • 何らかの罪を犯したと疑われている
  • 参考人として話を聞きたい

上記のいずれかの要因で尾行されている可能性が高いです。次に、警察に尾行される要因について詳しく解説します。

何らかの罪を犯したと疑われている

何らかの罪を犯したと疑われている場合は、尾行の対象となる可能性があります。そもそも、尾行を行う理由は、犯罪の証拠を見つけたい、もしくは何らかのタイミングを狙っているのいずれかである可能性が高いです。

そのため、尾行対象となっている人は、何らかの罪を犯していると疑われている可能性が高いです。対象者が罪を犯していると仮定しているため、家庭に基づいて証拠を集めたり、何らかのタイミングを見計らっています。

そのため、罪を犯した心当たりがある場合は、近いうちに逮捕されたり家宅捜索に入られたりするでしょう。不安がある場合は、早めに弁護士への相談を検討しておいてください。

参考人として話を聞きたい

罪を犯したと疑われているわけではないものの、事件について何らかのことを知っている可能性があると判断されている人に対して尾行を行います。参考人ではあるものの、犯人である可能性も否定できないため、尾行をしたうえで犯罪の証拠を集めます。

なお、犯罪について心当たりがない場合は、参考人として尾行対象となっている可能性が高いです。

警察が尾行をする目的

本記事内で簡単に解説していますが、改めて警察が尾行を行う目的について、詳しく解説します。主な目的は以下のとおりです。

  • 罪を犯したと疑わしい人の監視
  • 行動パターンの把握
  • 事件関与の把握・証拠集め

次に、警察が尾行をする目的について詳しく解説します。

罪を犯したと疑わしい人の監視

罪を犯したと疑わしい人の監視を行う場合があります。正確には、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由がある場合に尾行される可能性があるでしょう。罪を犯したと疑わしい人を尾行する目的は、家宅捜索や逮捕のタイミングを伺うためです。

たとえば、逮捕できるまでの証拠が揃っており、現時点で逮捕状の発付が可能な状況であるとしましょう。この段階まで至った場合、確実に被疑者を逮捕する必要があります。

行き当たりばったりでいると、いざ、被疑者宅に捜査官が行ったものの、被疑者が家にいなかったということもあり得ます。そのため、逮捕する場合は、確実に被疑者を逮捕できるタイミングを見計らって行う必要があるのです。

そのため、尾行や張り込み捜査を行って、確実に被疑者がいることを確認したうえで逮捕するのが一般的な流れです。

また、家宅捜索も同様です。いざ、家宅捜索を行おうとした際に、被疑者が家宅捜索の対象となっている場所にいなければ、家宅捜索を行うことができません。正確には、家宅捜索は行うことができるものの、捜査対象になっていることが明らかとなり、逃亡や証拠隠滅の可能性が高まります。

被疑者に「逮捕や家宅捜索の対象になっている」ということが知られてしまった場合、証拠を消したり逃亡したりする可能性が高まるのは当然です。

たとえば、児童ポルノの動画等を自分で制作し、自分の趣味としてパソコンにデータを入れていたとしましょう。この被疑者は、自分自身が捜査対象になっていることを知った時点で、パソコンのデータを復元できない状態にして、削除するでしょう。

上記のように、被疑者に捜査対象になっていることを知られないよう、確実に逮捕・家宅捜索を行うために、事前に尾行等の捜査を行っています。

行動パターンの把握

被疑者となっている場合、被疑者の行動パターンを把握するために尾行をする可能性があります。行動パターンを把握する目的は、先ほども解説したとおり、逮捕や家宅捜索を行うためのタイミングを見計らうためです。

他にも、行動パターンを把握することによって、誰と会っているのか、どのように事件に関与したのかについて知ることができます。たとえば、組織犯罪である場合は、組織関与の可能性を確認できたり、被疑者の役割を確認できたりします。

事件関与の把握・証拠集め

事件関与の把握や証拠集めといった目的もあります。たとえば、尾行をすることによって、被疑者のDNAが付いた物を捨てることがあるかもしれません。これらの物を集め、DNAを採取して証拠として扱うケースもあります。

尾行されている可能性があるときの対処法

尾行されている可能性があるときの対処法は、自分自身に尾行されることに心当たりがあるかどうかで判断をします。心当たりがある場合は、弁護士へ相談をしたほうが良いでしょう。心当たりがない場合は、警察への相談を検討したほうが良いです。

次に、尾行されている可能性があるときの対処法について解説しますので、ぜひ参考にしてください。

心当たりがある場合は弁護士へ相談をする

心当たりがある場合は、捜査対象となっている可能性が高いです。近いうちに逮捕もしくは家宅捜索が行われる可能性が高いでしょう。

そのため、早めに弁護士への相談を検討しておいたほうが良いです。逮捕された場合は、当番弁護人や国選弁護人など、無料で弁護人を付けられる制度もありますが、タイミングとしてはとても遅いです。

そのため、逮捕される前に早めに弁護士へ相談をしておいたほうが良いです。弁護士へ相談をしたとしても、弁護士は守秘義務があるため、弁護士から通報することはありません。早めに相談をしたうえで対応を検討したほうが良いでしょう。

ただし、犯罪の防止として尾行を行う可能性もあります。警察官に尾行されていることをあえて把握させたうえで、対象者に「警察に尾行されているから、悪いことはできない」と思わせ、予防する目的もあります。

心当たりがなければ気にしない・警察への相談を検討

警察から尾行されることに一切の心当たりがない場合は、勘違いである可能性があります。そのため、基本的には気にしないで良いでしょう。

もし、明らかに尾行されている場合は、警察ではなくストーカー等の可能性もあります。警察は、基本的に単独行動はしないため、単独である場合はストーカーである可能性も疑わなければいけません。

不安な場合は、警察への相談を検討しましょう。ストーカーである場合は、パトロールを強化したり、相手に対して注意したりしてくれます。

張り込み捜査と尾行捜査の違いとは

被疑者等を対象とした警察が行う捜査には、大きく分けると「張り込み捜査」と「尾行捜査」というものがあります。それぞれの捜査の違いや目的の違いについて、詳しく解説します。

張り込み捜査「張り込み」がメイン

張り込み捜査とは、張り込みをメインで行う捜査です。張り込みとは、対象者の家の近くに張り込み、家を出る時間や帰宅する時間などを把握するために行われます。また、対象者が確実にその場所にいるかどうかを確認するためにも行われる捜査です。

張り込みが行われている場合は、逮捕や家宅捜索の可能性が高いと思っておいたほうが良いでしょう。

尾行捜査とは「尾行」がメイン

尾行捜査とは、尾行を行う捜査を指します。本記事でも解説しているとおり、対象者を尾行して行動パターンを把握したり、証拠を集めたりするために行われるのが一般的です。

警察の尾行判断に関するよくある質問

警察の尾行判断に関するよくある質問を紹介します。

Q.何もしていないのですが、尾行されている気がします。どうすれば良いですか?

A.確証を得られないのであれば、何もできることはないでしょう。

まず、心当たりがある場合は、あえて尾行を気付かせて犯罪を防止する目的があるかもしれません。しかし、何も罪を犯していないのであれば、警察による尾行の可能性は低いです。

ストーカーや探偵である可能性を疑ったほうが良いでしょう。もし、これらの心当たりもない場合は、統合失調症等の精神障害を患っている可能性も否定できません。

精神障害を患っている場合は、不安障害が併発することも多いです。そのため、病院への受診も検討してみたほうが良いかもしれません。

Q.尾行されているということは、いずれ逮捕されるのですか?

A.必ずしも逮捕されるとは限りません。

尾行されているということは、何らかの犯罪の容疑をかけられている可能性は否定できません。しかし、罪を犯したからといって必ずしも逮捕されるわけではありません。

在宅捜査で事件を進めようと考えられている場合、任意同行を求めたり家宅捜索したりするために尾行している可能性もあるでしょう。そのため、必ずしも逮捕されるわけではないことを覚えておきましょう。もし不安がある場合は、弁護士への相談を検討しておくと安心です。

Q.警察が行う尾行は違法ではないのですか?

A.警察が行う尾行は違法ではありません。

警察が行っている尾行は、あくまでも捜査の一環として行われている行為であるため、違法ではありません。

たとえば、探偵を生業としている人が対象者に尾行をしていたとしても違法ではありません。なぜなら、「探偵の仕事」として行われている行為であり、探偵業法でも認められています。ストーカー行為等とはまったく異なるため、違法ではありません。

Q.通報した場合、対応してくれますか?または、尾行を教えてくれますか?

A.対応してくれる可能性はありますが、警察の尾行について教えてくれることはないでしょう。

まず、誰が尾行をしているのかによって対応可否は異なります。警察が尾行を行っていた場合は、とくに対応されることはないでしょう。ストーカー等による尾行であれば、当然、対応してくれます。

また、警察からの尾行の可能性を疑い、警察へ通報をしたとしても、尾行の事実を教えてもらえることはないでしょう。

Q.尾行中はGPSが仕掛けられている可能性はありますか?

A.GPSが使用されることはないでしょう。

たとえ尾行中であっても、車両等にGPSを仕掛けることはありません。そもそも、GPSを仕掛ける行為は憲法違反に該当すると考えられているためです。

Q.尾行中は盗聴もしているのでしょうか?

A.可能性はありますが、条件が厳しいため、限りなくゼロに近いでしょう。

警察官は、捜査の一環として通信傍受(盗聴)は認められています。しかし、通信傍受するための条件が厳しく定められているため、現実的には難しいです。

たとえば、通信傍受が認められている犯罪は、主に以下のとおりです。

  • 薬物
  • 組織的な殺人事件

基本的には組織的犯罪であり、重大性が高い犯罪にのみ許可されている行為です。また、通信傍受するためには、裁判所が発付する令状がなければいけません。そのため、一個人を対象に通信傍受を行う可能性はゼロに近いでしょう。

まとめ

今回は、警察が行う尾行捜査について解説しました。

警察は、捜査の一環として対象者に対して尾行捜査を行うことがあります。しかし、警察からの尾行について判断をする方法はなく、当然、警察に相談をしたところで教えてもらえることもありません。

もし、警察等からの尾行が疑わしく、自分自身にも心当たりがある場合は、早めに弁護士へ相談をしておきましょう。早めに対応しておくことで、逮捕回避や早期の釈放を目指せる可能性もあります。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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