返品詐欺は罪になる?詐欺との違いや逮捕・罰則について詳しく解説

NO IMAGE

返品詐欺は、商品の返品を悪用して不正に返金を受け取る犯罪行為で、近年ECサイトや実店舗で増加しています。たとえば、本物の商品を受け取りながら「偽物だ」と主張して偽物を返品したり、使用済みや破損した商品を新品のように見せかけて返品するケースが代表的です。

こうした手口は単なるモラル違反にとどまらず、刑法上の詐欺罪などの重大な犯罪に該当します。また、被害者となる販売者側は、返品詐欺による経済的損失だけでなく、営業上の信頼低下にも直面します。

本記事では、返品詐欺の具体的な手口や法的リスク、逮捕後の流れについて解説しています。返品トラブルを未然に防ぎ、もし被害に遭った場合の対処法を理解するために、ぜひ参考にください。

返品詐欺の定義とは

返品詐欺とは、「返品行為」を使用した詐欺であり、その手口はさまざまです。主に、商品説明欄に記載のある商品が届いているにも関わらず、返品を要求して返金を求める手口です。まずは、返品詐欺の定義について詳しく解説します。

「商品の返品」を利用した詐欺行為

返品詐欺の主な手口は、商品の返品を利用した詐欺行為であると考えておけば良いです。たとえば、オンラインショップで商品を購入し、商品欄に説明のあったとおりの物が届いているにも関わらず、返品や返金を求める手口です。

悪質な場合は、本物の商品が届いているにも関わらず「商品が偽物だった」と偽り、偽物を送り返して返金を求める手口が行われていることもあります。とくに、現在はフリマアプリなどを使用した詐欺被害も多く報告されており、問題となるケースが多いです。

実際に届いた商品以外の物を返品

返品詐欺の手口の一つとして、実際に届いた商品とは別の商品を返品するケースがあります。先ほども解説したとおり、たとえばブランド商品を購入し、本物の商品が手元に届いているにも関わらず、「偽物であった」と嘘を言い、偽物の商品を返品して返金を受ける手口です。

本物の商品は手元に残るため、結果的にはお金をかけずに商品を手に入れる手口です。この行為は、刑法の詐欺罪に該当する行為であり、刑事罰の対象となり得るため注意が必要です。

着用・汚した・壊した商品の返品

新品の商品が郵送されているにも関わらず、着用・汚損・損壊した商品を返品した場合も返品詐欺に該当する可能性があります。たとえば、衣類を購入して一度着用し、自分の不注意で汚損・損壊したにも関わらず、「到着時点で汚れていた」「到着時点で損壊していた」などと伝えて返品する行為です。

商品によっては、着用した後であってもサイズ違い等で返品できるケースもあります。しかし、一度着用した商品の返品は基本的に受け付けていないケースが多く、とくに汚損・損壊した商品については返品を断られるケースが大半です。

自分の不注意であるにも関わらず「商品到着時からその状態であった」と嘘を言い、販売者を騙す行為は犯罪になり得るため注意しましょう。

返品詐欺の主な手口とは

返品詐欺の主な手口は以下のとおりです。

  • ワードロービング詐欺
  • 盗難品の返品詐欺
  • 偽物返品詐欺
  • 空箱返品詐欺

返品詐欺の手口はさまざまです。主にどのような手口が存在しているのか?について、詳しく解説します。

ワードロービング詐欺

ワードロービング詐欺とは、商品を購入したのちに着用したり使用したりしてから返品をする行為です。「一時的に使用したい」と思い購入した商品を使用後に返品する行為を指します。または、着用した結果、汚損・損壊してしまった商品を返品する行為がワードロービング詐欺に該当します。

たとえば、入学式や卒業式など一時的な場面でしか使用しない、数年に一度しか使用しない衣類等を購入したとしましょう。「1回着用した」という事実があるにも関わらず、返品してしまう行為です。

中には「1回しか着用していない」と考える人がいるかもしれません。ましてや、数年に1度しか着用しないのに、数万円の支出が「もったいない」と感じる人もいるでしょう。

このように考えている人の中には「イベントが終了したら返品してしまおう」と考えている人がいます。確かに「もったいない」「一度しか着用していない」という気持ちもわかりますが、ワードロービング詐欺に該当するため刑事罰の対象となり得ます。

対策としては「着用後の返品は受け付けない」「タグの付いていないものは返品できない」などと商品説明欄に記載しておくことでしょう。

盗難品の返品詐欺

盗難品の返品詐欺もよくある手口です。たとえば、高級腕時計をネットショップ等で購入したとしましょう。そして、「返品をしたい」と言い、返品する商品を盗難品にすり替える詐欺手口です。

販売者側には本物の高級腕時計が返品されるものの、返品された商品自体は盗難品です。盗難品であるため、再販売をして持ち主に発見された場合は、返還義務を負う可能性があります。つまり、販売元は高級腕時計一本分の損失を被る可能性があるということです。

対策としては、返品された商品を開封する前に動画や写真で撮影しておくことが大切です。「返品された商品が盗品である」という証明をする必要があります。また、梱包時にも写真や動画を撮影しておくことが大切です。

偽物返品詐欺

偽物の返品詐欺もよくある返品詐欺の手口です。たとえば、ブランドバッグをネットショップで購入し、返品をする際に偽物の商品を返品する手口です。返品時に「偽物が届いた」などと嘘を言い、返品するケースもあります。

元々偽物を返品しようと企てているため、当然刑法の詐欺罪が成立し得ます。また、元の販売者も偽物が返品されているため、商品代金分の損失を被ることになるでしょう。

対策としては、梱包時に商品の写真や動画を撮影しておく、本物の商品であることを証明しておくことなどが挙げられます。

空箱返品詐欺

空箱返品詐欺とは、返品をする際に中身の商品を入れずに空箱のみを返品する詐欺手口です。たとえば、フリマアプリ等でゲーム機を販売し、郵送したとしましょう。その後、「空箱しか入っていなかった」などと虚偽の報告を受け、返品を求められるケースです。

他にも、商品に何らかの問題があったと虚偽の報告を行ったうえで、空箱のみを返品する手法もあります。相手に確認をしても「中身を入れて郵送した」などと嘘を言い、中身のみを詐取する手法です。対策方法としては、梱包時に動画や写真を撮影しておくことが大切です。

返品詐欺で問われる罪

返品詐欺は犯罪行為です。主に、以下の刑法犯に該当する可能性があるため注意しましょう。

  • 詐欺罪
  • 窃盗罪
  • 占有離脱物横領罪
  • 偽計業務妨害罪

次に、返品詐欺で問われる可能性のある罪について詳しく解説します。

詐欺罪

返品詐欺は、刑法に定められている詐欺罪が成立する可能性があります。

詐欺罪は、相手を欺いて金銭等を不当に詐取する行為です。たとえば、初めから格安もしくは無料で商品を受け取る目的で返品詐欺を行った場合に成立する可能性があるでしょう。

詐欺罪が成立するためには、以下4つの要件を満たしている必要があります。

  • 欺罔(きもう)行為
  • 錯誤
  • 交付
  • 財産の移転

欺罔行為とは、「相手を騙そう」とする意思・行動を指します。錯誤とは、相手方が騙されてしまう状況です。そして、結果的に交付、財産の移転が発生している場合は詐欺罪が成立します。

たとえば、初めから相手を騙そうとして返品詐欺を企てた場合は、欺罔行為が成立します。そして、返品詐欺を行うにあたって相手を騙し、相手方が信用して実際に騙された場合は錯誤が認められます。

最終的に交付、財産の移転が発生することで詐欺罪に問われるということです。詐欺罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」であり、罰金刑の規定はありません。執行猶予がつかなければ、刑務所等に収監されることとなるため注意しなければいけません。

なお、詐欺罪は未遂罪でも法定刑が変わらず、10年以下の拘禁刑です。非常に厳しい刑罰であり、重大な犯罪であることを認識しておきましょう。

【執行猶予とは】
執行猶予とは、刑罰の執行を一定期間猶予することを指します。たとえば、「拘禁刑3年執行猶予5年」であれば、拘禁刑の刑罰は5年間猶予されます。猶予期間中は社会生活を送りながら更生を目指します。

窃盗罪

返品詐欺は基本的に詐欺罪が成立しますが、犯罪の内容次第では窃盗罪が成立するケースもあります。過去にあった事例として、「商品を万引き(窃盗)し、その商品を持って同店舗に行き、返品を申し出て金銭を詐取しようとした」というケースです。

上記の場合、「商品を万引きした」という事実によって窃盗罪が成立します。そして、窃取した商品を返品することによって不当に金銭を得ようとしていることで詐欺未遂罪もしくは詐欺罪が成立します。

なお、上記の場合は牽連犯とはならず、併合罪として窃盗罪および詐欺罪の2つの犯罪が成立する可能性もあるため注意しなければいけません。

【牽連犯とは】
牽連犯とは、目的の犯罪を達成するために犯した犯罪を指します。たとえば、空き巣を行った場合、住居侵入等罪および窃盗罪が成立します。しかし、窃盗(目的)を達成するために住居へ侵入しているため、牽連犯となり窃盗罪のみが成立します。
【併合罪とは】
併合罪とは2つ以上の罪が成立することを言います。

なお、窃盗罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」です。被害額や常習性などを考慮して刑罰が確定するため、初犯で軽微である場合は罰金刑で済む可能性もあります。

占有離脱物横領罪

返品詐欺行為で占有離脱物横領罪が成立するケースは稀ですがあり得ます。占有離脱物横領罪とは、「占有を離れた他人の物を横領した場合」に成立するケースです。

たとえば、他人が購入した商品を拾い、あたかも自分が購入した商品かのように見せかけて店舗へ返品を依頼する行為です。ただし、この場合も詐欺罪が成立するケースもあるため、ケースバイケースです。

占有離脱物横領罪の法定刑は「1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金」です。詐欺罪と比較すると軽微な犯罪ではあるものの、状況次第で詐欺罪が成立するため注意しましょう。

偽計業務妨害罪

偽計業務妨害罪が成立するケースは、相手方(販売元)を騙そうとして業務を妨害した場合です。たとえば、偽装したレシートを元に返品を依頼したり、商品をすり替えて返品したりした場合に成立すると考えておきましょう。

偽計業務妨害罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」です。

返品詐欺で逮捕された場合の流れ

返品詐欺で逮捕された場合、長期間勾留されて刑事裁判を受ける可能性があります。具体的にどのような流れで事件が進んでいくのか?と不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。

次に、返品詐欺で逮捕された場合の流れについても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

逮捕

返品詐欺等の犯罪行為を行った場合、逮捕される可能性があります。逮捕とは、犯罪を犯した疑いのある人の身柄を一時的に拘束するために行われる手続きです。

逮捕するためには、「証拠隠滅もしくは逃亡の恐れがある」と判断される必要があります。つまり、証拠隠滅や逃亡の可能性が低いと判断されれば、逮捕されることはありません。

ただし、逮捕されなかったからといって、無罪となるわけではないため注意しましょう。逮捕せずに在宅捜査として捜査を進め、容疑が固まり次第起訴されて刑事裁判を受けます。最終的には何らかの刑事罰が言い渡される可能性もあるため注意しましょう。

そして、逮捕された場合は逮捕から48時間以内の身柄拘束が可能となります。警察署内にある留置所と呼ばれる場所に収監され、1日8時間を超えない範囲で取り調べを受けます。たとえ軽微な犯罪であっても罪を犯した以上、逮捕される可能性があるため注意しましょう。

勾留請求

逮捕された被疑者は、逮捕から48時間以内に検察官へ事件を送致します。その後、さらに24時間以内に検察官が引き続き勾留(身柄拘束)する必要があるかどうかを判断し、必要があると判断されれば勾留請求が行われます。

勾留請求が認められれば、初めに10日間の身柄拘束となり、さらに勾留延長が認められればプラス10日間。合計で20日間の勾留が認められることになる流れです。

逮捕から勾留期間を合計すると23日間となり、この間は当然社会へ戻ることができません。会社へ行けない、学校へ行けないといった弊害が発生するため注意しましょう。

なお、勾留が認められなければ在宅捜査に切り替わります。在宅捜査となった場合でも、逃亡や証拠隠滅の可能性が高まった場合は勾留される可能性があります。また、仮に在宅捜査となった場合でも、刑事罰に問われる可能性があるため注意しましょう。「勾留されていない=罪に問われない」ではないことを覚えておきましょう。

起訴・不起訴の判断

勾留されている被疑者の場合、勾留期間中に被疑者を起訴するか不起訴とするかを判断します。起訴された場合は、引き続き身柄拘束が続いて刑事裁判が行われます。不起訴となった場合は、その事件については終了します。

なお、起訴後は保釈請求が可能です。保釈請求は、保釈保証金を支払って一時的に社会へ戻れる制度です。万が一、保釈中に逃亡したり約束を破ったりした場合は、保釈金が没収されるため注意しましょう。

そして、起訴された場合は正式起訴もしくは略式起訴のいずれかが選択されます。正式起訴された場合は、刑事裁判を行いますが、略式起訴された場合は刑事裁判が行われません。

判決に変わる略式命令が言い渡されて、罰金刑が確定します。略式起訴の場合は、罰金刑であるうえに早期に身柄釈放される点が大きなメリットです。しかし、詐欺罪が成立した場合は、罰金刑の規定がないため略式起訴が選択されることはありません。

刑事裁判を受ける

正式起訴された場合は、刑事裁判を受けます。刑事裁判では、あなたの犯した罪について審理し、有罪か無罪かを判断します。罪を犯した事実がある以上、無罪判決が言い渡される可能性はゼロに近いでしょう。

有罪である場合は、どの程度の刑罰を言い渡すか量刑を判断して判決として言い渡します。判決が確定した場合は、その判決に従って刑に服します。

判決に従って刑に服する

判決が確定した場合は、その判決に従って刑に服します。罰金刑であれば、罰金を支払って終了しますが、罰金を支払えなければ1日5,000円程度で労役場留置となります。

拘禁刑が確定した場合は、刑務所等に収監されて一定期間過ごさなければいけません。執行猶予付きの判決が下された場合は、直ちに刑罰が執行されることはありません。

たとえば「拘禁刑3年執行猶予5年」の場合、3年の拘禁刑が直ちに執行されることはありません。5年間、刑の執行を猶予し、罰金刑以上の刑罰が確定せずに過ごした場合は、刑が失効します。

ただ、執行猶予期間中に罰金刑以上の刑罰が確定した場合は、執行を猶予されていた拘禁刑3年の刑罰が加算されるため注意しなければいけません。

返品詐欺の具体的な事例

返品詐欺は、Amazonや楽天などのECサイトと呼ばれるネットショッピングや家電量販店、アパレルなどで行われるケースが多いです。具体的にどのような返品詐欺が発生しているのか?について、詳しく解説します。

返品詐欺の事例について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

Amazon・楽天などECサイトでの返品詐欺例

ECサイトを利用した返品詐欺としてよく行われる事例は、以下のとおりです。

  • すり替え返品詐欺
  • 空箱返品詐欺
  • 使い倒して返品詐欺
  • 返品済みと偽る詐欺

すり替え詐欺とは、実際に購入した商品と偽物の商品をすり替えて返品する詐欺手法です。たとえば、ECサイトでブランド品を購入し、偽物のブランド商品を返品する手法であり、ECサイトでも横行している手口です。

空箱返品詐欺は、空箱のみを返品する詐欺手口です。ECサイトで販売されている商品の中には、箱に梱包されて商品が送られてくる物があります。その仕組みを利用した手口です。たとえば、ゲームソフトの場合はパッケージのみを返品する行為が該当します。

ECサイトの場合は、返品に関する規定がある程度ゆる目に設定されているケースもあります。このことを良いことに、使い倒してから「返品したい」と申し出るケースもよくある手口です。

「月日は経過したものの、届いてから使用していなかった」などと虚偽の報告をして返品する手口です。

実際には返品していないにも関わらず、「返品済み」と虚偽の報告をしてお金を返金してもらう手口も横行しています。ECサイトによっては、返品報告をしてから一定期間経過した時点で自動的に返金される仕組みになっているサイトもあります。

このような仕組みを悪用した返品詐欺も横行しているため、ECサイトの販売者になる場合は注意が必要です。

家電量販店・アパレルでの不正返品事例

家電量販店やアパレルで頻発している不正返品事例のケースは、主に以下のとおりです。

  • 中古品のすり替え詐欺
  • 購入履歴の偽装詐欺
  • 着用後の返品詐欺
  • 買っていないのに返品詐欺

とくに家電量販店で頻発している返品詐欺の手口が、中古品のすり替え詐欺です。たとえば、新品のPCを家電量販店で購入し、中古の同型PCも購入、その後中古のPCを返品します。すると、購入者は中古価格で新品のPCを手に入れられる仕組みです。

そして、購入履歴の偽装詐欺は、他人が落としたり捨てたりしたレシートを拾って同型の家電等を購入して返品する手口です。結果的に詐欺を働いた者が差額分の利益を上げられる仕組みです。

また、アパレル店舗では、着用後の返品や買っていないのにレシート等を元に中古品を購入して返品を求める詐欺が横行しています。いずれの場合も詐欺罪という刑法犯罪が成立し得ます。

返品詐欺に関するよくある質問

返品詐欺に関するよくある質問を紹介します。

Q.商品を使った後で返品したら詐欺になりますか?

A.状況次第で詐欺に該当する可能性があります。

「商品を使用後に返品した」という状況下であっても、詐欺罪に該当するケースと該当しないケースがあります。たとえば、「使用後の返品不可」とされている商品に対して、「一度も使用していません」と偽って返品した場合は詐欺罪や何らかの罪に問われる可能性があるでしょう。

一方で、「まずはお使いください!」や「納得できなければ使用後でも◯日以内なら返品OK」などと謳っている商品であれば問題ありません。このように、必ずしも使用後の返品が詐欺罪やその他犯罪に抵触するとは限りません。

Q.間違えて返品しただけでも捕まることはありますか?

A.間違えて購入した商品を返品する場合、逮捕される可能性は低いです。

間違えて購入した商品の返品を申し出て、店側が返品を承諾した場合は何らかの犯罪が成立する可能性は低いです。ただし、本記事で解説しているとおり、商品のすり替えやわざと空箱のみを返品するような行為は詐欺罪等に該当する可能性があるため注意しましょう。

Q.中身を入れ替えて返品した場合はどうなりますか?

A.詐欺罪が成立する可能性があります。

たとえば、ブランド品を購入して偽物を梱包して返品した場合は、詐欺罪やその他犯罪に抵触する可能性があります。中身のすり替えは、故意に行われた行為であると認識される可能性が高いため、悪質性が高いと判断され、逮捕されたり刑事罰を受けたりする可能性が高いでしょう。

Q.返品を断ったら罪に問われますか?

A.刑事罰に問われる可能性はありません。

返品を断ったとしても何らかの刑法犯に抵触することはありません。ただし、民法上の責任を負う可能性があるため注意が必要です。

たとえば、発送した商品に欠損や欠陥がある場合、商品説明と異なる商品であった場合や説明不足で誤解を与えた場合などです。これらに該当しているにも関わらず、返品を拒否した場合は民事上の責任を負う可能性があるため注意しましょう。

Q.届いた物が壊れていた場合は罪に問えますか?

A.届いた商品が壊れていたことを理由に罪を問うことはできません。

たとえば、実際に壊れていると認識していながら「動作確認正常」などと謳って販売し、返品にも応じないケースであれば、詐欺罪が成立する可能性があります。しかし、販売者側の故意が認められなければ、罪を問うことは難しいでしょう。

ただし、届いた商品が壊れていた場合は、民事として契約の解除や返金の請求が可能です。相手方を刑事罰に処することはできませんが、返品・返金による対応は可能であるため、まずは販売元へ相談をしてみましょう。

まとめ

返品詐欺は商品の返品制度を悪用した犯罪であり、さまざまな手口が存在します。購入した商品とは異なるものを返品したり、盗難品や偽物を返したりする行為は、詐欺罪などの刑事罰の対象です。

とくにワードロービング詐欺や空箱返品詐欺などは手口として多く報告されており、販売者は返品商品の管理や証拠保全が重要となります。逮捕された場合は、逮捕・勾留・起訴といった刑事手続きが進み、正式起訴されれば裁判を経て判決が下されます。

執行猶予付き判決の場合もあるものの、再犯すると厳罰化のリスクもあるでしょう。返品詐欺に関しては誤解や無知からのトラブルも少なくないため、商品の状態や返品規定を正しく理解し、違法行為に関わらないことが大切です。返品詐欺を疑われた際は速やかに専門家に相談し、適切な対応を心がけましょう。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、勾留されそうな場合はすぐにご相談ください。

刑事事件コラムカテゴリの最新記事

PAGE TOP