バイトテロをした本人にとってはちょっとした悪ふざけ・イタズラのつもりだったかもしれませんが、SNSなどで炎上して悪ふざけが世間の目に触れると、バイト先や企業に多大なる迷惑がかかってしまいます。
その結果、バイトテロ事件が警察に知られると、業務妨害罪や信用毀損罪などの容疑で逮捕される可能性があります。犯罪行為である以上、ただのイタズラであったとしても、有罪になって前科がつくこともあり得るでしょう。また、刑事責任だけではなく、休業損害や慰謝料などの高額な賠償責任を追求されかねません。
そこで、この記事では、バイトテロを起こしてしまった人や、子どもがバイトテロをして世間を騒がせてしまった人のために、以下の事項についてわかりやすく解説します。
- バイトテロの定義、適用される犯罪類型
- バイトテロに対して問われる法的責任の種類と実際に生じるデメリット
- バイトテロが原因で逮捕されたときの刑事手続きの流れ
- バイトテロ事件を起こしたときに弁護士に相談するメリット
目次
バイトテロは逮捕される?問われる法的責任について
まずは、バイトテロの定義、バイトテロが問われる法的責任について解説します。
そもそもバイトテロとは
バイトテロとは、アルバイトや従業員が職場で不適切な行為に及んだ様子をスマートフォンなどで撮影したものをインターネット上にアップロードして炎上する不祥事のことです。
たとえば、飲食店の従業員が店舗で扱っている食品を使ってイタズラをしている様子を動画撮影し、TikTokなどのSNSに投稿したところ、動画が拡散されて飲食店に苦情が殺到するようなケースが挙げられます。
SNSの普及によって、バイトテロ絡みのトラブルは増加傾向にあります。「仲間同士だけで楽しむつもりだった」「世間を騒がせるほどのことだとは思わなかった」などの言い訳は通用しません。
バイトテロが犯罪に該当すると刑事責任を問われる可能性がある
バイトテロ事件を起こすと刑事責任を問われる可能性があります。
ここでは、バイトテロに適用される可能性がある犯罪類型を具体的に解説します。
- 信用毀損罪・業務妨害罪
- 器物損壊罪
- 名誉毀損罪
信用毀損罪・業務妨害罪
バイトテロ事件を起こすと、信用毀損罪・威力業務妨害罪・偽計業務妨害罪の容疑で逮捕される可能性があります。
第二百三十三条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
(威力業務妨害)
第二百三十四条 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
引用:刑法|e-Gov法令検索
たとえば、客に提供する食材に口をつけて遊んでいる様子を動画撮影してSNSにアップロードした結果、店舗が特定されて迷惑電話が殺到し、通常営業が困難な状態に追い込まれたような事案や、店舗の評判が著しく低下して売り上げが低下したような事案では、信用毀損罪・威力業務妨害罪・偽計業務妨害罪のいずれかが成立します。
信用毀損罪・威力業務妨害罪・偽計業務妨害罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑」です。
器物損壊罪
バイトテロ事件の内容次第では、器物損壊罪の容疑で立件される可能性があります。
たとえば、店内の備品を使ってイタズラをしたため、店舗がその備品を廃棄せざるを得なくなったような事案などが挙げられます。
器物損壊罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金もしくは科料」です。
名誉毀損罪
不適切な動画をSNSに投稿するなどして、勤務先企業・店舗の名誉を毀損したときには、名誉毀損罪が成立します。
名誉毀損罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑」です。
バイトテロ事件を起こすと逮捕される可能性もある
バイトテロ事件を起こした本人は、ただの悪ふざけや仲間内の遊びのつもりだったかもしれません。
しかし、バイトテロが犯罪に該当するような事案では、バイトテロ事件を起こした本人の刑事責任が問われます。
そして、刑事責任を問われるということは、バイトテロ事件が原因で逮捕される可能性があるということです。
「ただのイタズラで逮捕されるわけではないだろう」と油断をしていると、ある日いきなり警察官が自宅にやってきて身柄を拘束される事態におちいりかねないません。ですから、バイトテロ事件が炎上して刑事訴追リスクに晒されたときには、できるだけ早いタイミングで刑事事件が得意な弁護士に相談をしてください。
バイトテロ事件が原因で前科持ちになる可能性がある
バイトテロ事件が原因で刑事訴追されて有罪になると、刑罰が科されるだけではなく、前科によるデメリットにも悩まされます。
前科とは、有罪判決を下された経歴のことです。実刑判決だけではなく、執行猶予付き判決や罰金刑が確定した場合も、前科として扱われます。
前科者になると、今後の社会生活に以下のデメリットが生じます。
- 履歴書の賞罰欄への記載義務、採用面接で質問されたときの回答義務が発生するので、前科を隠して就職活動・転職活動を進めるのが難しい
- 前科の事実を隠して内定を獲得したり就職をしたりしても、前科がバレると、経歴詐称を理由に内定が取り消されたり懲戒解雇処分が下されたりしかねない
- 前科が原因で就業できない仕事・資格がある(士業、警備員、金融関係の業種など)
- 前科を理由にビザ・パスポートの発給が制限されると、海外旅行や海外出張、留学に支障が生じる
- 前科は法定離婚事由に該当する可能性が高いので、配偶者から離婚を求められると拒絶できない
- 前科がある状態で再犯に及ぶと、刑事処分や量刑判断が厳しくなる可能性が高い など
バイトテロは民事の賠償責任も負担しなければいけない
バイトテロ事件を起こしたときに問われる法的責任として忘れてはいけないのが民事責任です。
バイトテロ行為と因果関係がある企業側に生じた損害(休業損害、食材費、清掃費、買い替え費用、慰謝料)について金銭的な賠償責任を負担する必要があります。
たとえば、バイトテロ事件の損害賠償額は事案によって異なりますが、数百万円以上の賠償負担を強いられる可能性も低くはありません。
バイトテロ事件を起こすと懲戒処分が下される可能性が高い
アルバイトであったとしても、労働者である以上、勤務先の企業が定めている就業規則が適用されます。
ですから、バイトテロ事件を起こした場合には、就業規則の懲戒規程に基づいて、何かしらの懲戒処分を下されます。
そして、世間を騒がせるようなバイトテロ事件を起こして企業の社会的信用を低下させてしまったケースでは、懲戒解雇処分が下される可能性が高いでしょう。
バイトテロ事件が原因で社会的制裁を加えられる
バイトテロ事件を起こしてSNSなどで炎上してしまった場合、問題の動画や画像が半永久的にインターネット上に残りつづけます。炎上したタイミングで身元が特定されると、氏名や出身学校、卒業アルバムの顔写真、電話番号、SNSアカウントなどの個人情報も流出しかねません。場合によっては、テレビのニュース番組やネットニュースでも大々的に報道される可能性もあります。
このような状況におちいると、たとえば、今後の就職活動や転職活動は極めて困難になります。また、結婚も難しくなるでしょう。さらに、現在通っている学校からも何かしらの処分を下されるリスクに晒されます。
バイトテロが逮捕されるときの刑事手続きの流れ
バイトテロが原因で逮捕されるときの刑事手続きの流れについて解説します。
- 警察に逮捕される
- 警察段階の取り調べが実施される
- 検察官に送致される
- 検察段階の取り調べが実施される
- 検察官が起訴・不起訴を判断する
- 刑事裁判にかけられる
バイトテロ事件が原因で警察に逮捕される
バイトテロ事件を起こすと、警察に通常逮捕(後日逮捕)される可能性があります。
通常逮捕とは、裁判所が事前に発付した逮捕状に基づいて実施される身柄拘束処分のことです。逮捕状が執行されると、その場で身柄が押さえられて、警察署に連行されます。
バイトテロが通常逮捕される代表的なケースは以下2つです。
- ある日いきなり警察官が自宅にやってきて逮捕状が執行される
- 任意の事情聴取を受けている過程で、途中で逮捕状が請求されて、そのまま強制的な身柄拘束手続きに移行する
いずれの場合であったとしても、逮捕状が執行された以上、被疑者の身体・行動の自由は大幅に制約されます。
たとえば、仕事や家庭の都合を理由に逮捕されるスケジュールを調整することはできません。身柄拘束される前に家族・知人に電話などで連絡することも許可されないです。
バイトテロが警察にバレるきっかけ
警察がバイトテロ事件を把握する代表的なきっかけとして以下のものが挙げられます。
- SNSなどの炎上を見たユーザーからの通報
- バイトテロの被害を受けた店舗からの相談
- サイバーパトロール中の捜査員がSNSなどの情報を発見 など
バイトテロ事件と直接関係のない第三者からの情報提供であったとしても、犯罪の可能性があると判断されると、警察が捜査活動を開始する可能性があります。
バイトテロが原因で警察に逮捕される要件
バイトテロに対して業務妨害罪などの容疑がかけられたとしても、常に通常逮捕されるわけではありません。
というのも、逮捕状が発付されるのは、以下2つの要件を満たしたときに限られます。
- 逮捕の理由:被疑者が特定の罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること
- 逮捕の必要性:逃亡または証拠隠滅のおそれがあること
つまり、実際にバイトテロを起こした事実に間違いがなく「逮捕の理由」要件を満たす場合であったとしても、「逃亡または証拠隠滅のおそれがない」と判断される状況なら、逮捕されずに在宅事件として刑事手続機が進められるということです。
たとえば、任意の事情聴取に誠実に対応して犯行を認めている場合、捜査機関から求められた証拠物を素直に提出した場合、真摯に反省の態度を示しており家族などの監督が期待できる場合などでは、逃亡または証拠隠滅のおそれがない(逮捕の理由がない)と判断されて、在宅事件として処理される可能性が高いでしょう。
これに対して、警察からの出頭要請を何度も拒否した場合、事情聴取で明らかに客観的証拠に反する証言をした場合、共犯者と口裏合わせをするおそれがある場合、証拠物の提出を拒否している場合などでは、逃亡または証拠隠滅のおそれがある(逮捕の理由がある)と判断された結果、通常逮捕されるリスクが高まります。
バイトテロ行為について警察段階の取り調べが実施される
バイトテロ事件を起こして警察に逮捕されると、警察段階の取り調べが実施されます。
逮捕後に実施される警察段階の取り調べには「48時間以内」の制限時間が設けられています。
逮捕段階の取り調べを拒否することはできません。また、取り調べが実施される時間以外は留置場に身柄を押さえられるので、帰宅も不可能です。さらに、スマートフォンなどの所持品はすべて取り上げられるため、家族や知人などと連絡をとることも許されないです。
バイトテロ事件が検察官に送致される
バイトテロ事件について警察段階の取り調べが終了すると、検察官に送致(送検)されます。
どのような刑事処分を下すかを決定する権限は原則として検察官に与えられているからです。
ただし、バイトテロ事件の事情次第では、微罪処分に付されて、送検を回避し、警察段階で刑事手続きが終了する可能性もあります。
バイトテロ行為について検察段階の取り調べが実施される
送検されたあとは、検察段階の取り調べが実施されます。
逮捕後、検察段階でおこなわれる取り調べには「24時間以内」の制限時間が設けられています。
つまり、警察段階の48時間以内、検察段階の24時間以内、合計72時間以内の強制的な取り調べを受けたあと、検察官がバイトテロ事件を起訴するかどうかが決定されるということです。
警察段階の取り調べと同じように、検察段階の取り調べも拒絶できません。
バイトテロ事件の事情次第では勾留請求によって最長23日間身柄拘束される
検察段階の取り調べの制限時間は原則として24時間以内ですが、バイトテロ事件が有する事情次第では、原則的な制限時間内だけでは公訴提起判断に必要な証拠を収集できない可能性があります。
そこで、以下のような「やむを得ない理由」が存在するケースでは、検察官による勾留請求が認められています。
- バイトテロの関係者や目撃者が多く、参考人聴取に時間を要する場合
- 防犯カメラの映像やSNSなどに投稿された動画・画像のチェック、解析に時間を要する場合
- 被疑者が犯行を否認していたり黙秘をしているために供述を得られない場合 など
検察官の勾留請求が認められて勾留状が発付された場合、被疑者の身柄拘束期間は10日間の範囲内で延長されます。また、勾留再請求が認められると、さらに10日間の範囲で身柄拘束期間が伸びます。
ですから、バイトテロ事件を起こして逮捕・勾留されると、検察官の公訴提起判断までに最長23日間の身柄拘束期間が生じる可能性があるのが実情です。
バイトテロ事件について検察官が起訴・不起訴を判断する
逮捕期限・勾留期限が到来するまでに、検察官がバイトテロ事件を起訴するかどうかを判断します。
起訴処分とは、バイトテロ事件を公開の刑事裁判にかける旨の判断のことです。これに対して、不起訴処分とは、バイトテロ事件を刑事裁判にかけることなく検察段階で刑事手続きを終了させる判断を意味します。
日本の刑事裁判の有罪率は非常に高いので、起訴処分が下された時点で実質的に有罪判決が確定します。「有罪になりたくない」「前科持ちになるのは避けたい」と希望するのなら、不起訴処分獲得を目指した防御活動が不可欠だと考えられます。
バイトテロ事件が公開の刑事裁判にかけられる
バイトテロ事件を起こして起訴処分が下されると、公開の刑事裁判にかけられます。
刑事裁判が開廷されるタイミングは、起訴処分から1ヶ月〜2ヶ月後です。公訴事実に争いがなければ第1回公判期日で決心しますが、公訴事実を争う場合には複数の公判期日をかけて証拠調べなどがおこなわれます。
実刑判決が確定すると刑期を満了するまで社会生活から隔離されますし、出所後の社会復帰が極めて困難になってしまいます。
ですから、バイトテロ事件を起こして刑事裁判にかけられる事態におちいったときには、執行猶予付き判決や罰金刑獲得を目指すべきだと考えられます。
バイトテロ事件を起こしたときに弁護士に相談するメリット4つ
バイトテロ事件を起こしてしまったときには、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談・依頼をしてください。
というのも、刑事事件への対応が得意な弁護士に相談・依頼をすることで以下4つのメリットを得られるからです。
- バイト先との間で示談交渉を進めてくれる
- インターネット上で繰り返される誹謗中傷などに対応してくれる
- 少しでも有利な刑事処分獲得を目指してくれる
- 学校への説明方法などについてアドバイスを期待できる
すぐにバイト先との間で示談交渉を進めてくれる
バイトテロ事件を起こしたときには、できるだけ早いタイミングで店舗側との間で示談交渉を開始する必要があります。
示談交渉とは、刑事事件の加害者・被害者の間で民事的な解決方法について話し合いをすることです。慰謝料額などについて合意が形成された場合には、和解契約(示談契約)を締結します。
バイトテロ事件を起こして早期の示談成立を目指すメリット4つ
バイトテロ事件を起こしたあとに示談を成立させることで、以下4つのメリットを得られます。
- バイト先が警察に相談する前に示談が成立すれば、刑事責任を問われる事態を回避しやすくなる
- 警察に相談されたあとでも、示談成立によって被害届・告訴状を取り下げてもらえる
- 検察官の公訴提起判断までに示談が成立すれば、起訴猶予処分獲得の可能性が高まる
- 検察官に起訴されて刑事裁判にかけられたとしても、示談成立によって執行猶予付き判決獲得の可能性が高まる
バイトテロ事件の示談交渉を弁護士に依頼するメリット4つ
示談交渉は、加害者本人やその家族が直接おこなうことも可能です。
しかし、バイトテロ事件を起こしたあとの示談交渉は弁護士に任せるのがおすすめです。
というのも、示談交渉経験豊富な弁護士に代理してもらうことで、以下4つのメリットを得られるからです。
- 弁護士が代理人として就任することで、バイト先が冷静に話し合いに応じてくれやすくなる
- バイト先から法外な損害賠償を請求されたとしても、相場どおりの示談条件で和解契約を締結できる
- 宥恕条項や債務不存在条項など、示談書に盛り込むべき内容を漏れなく記載した契約を締結してくれる
- 検察官の公訴提起判断や刑事裁判の判決言い渡しなどに間に合うように示談契約を締結してくれる
示談交渉を弁護士に依頼すると所定の弁護士費用を負担しなければいけませんが、刑事手続きにおいて有利な解決を期待しやすくなるでしょう。
SNSや匿名掲示板の誹謗中傷に対処してくれる
バイトテロ事件を起こしてしまうと、SNSや匿名掲示板などで個人情報が拡散されるなどの被害が生じる可能性が高いです。
インターネット上にバイトテロ事件に関する情報が残ると、今後の社会生活に大きな支障が生じかねません。
刑事事件の対応が得意な弁護士に相談・依頼をすれば、以下のような法的措置などを駆使して、SNS上での名誉毀損・誹謗中傷などに対して厳粛な対応を期待できるでしょう。
- バイトテロ事件に関するネットニュースなどの報道媒体や誹謗中傷をしている個人、プラットフォームの運営会社などに対して削除請求をしてくれる
- 発信者情報開示手続きをおこなって、誹謗中傷などをしている個人を特定したうえで、慰謝料請求や損害賠償請求をしてくれる
- バイトテロ事件に関する報道記事がインターネット検索上位に表示されないように、逆SEO対策を講じてくれる など
少しでも有利な刑事処分獲得を目指した防御活動を展開してくれる
バイトテロ事件を起こして弁護士に依頼をすれば、少しでも刑事手続きが有利になるように尽力してくれます。
身柄拘束処分によるデメリットの回避・軽減を目指してくれる
バイトテロ事件を起こして逮捕・勾留されると、捜査機関に一定期間強制的に身柄を拘束されてしまいます。
逮捕・勾留による身柄拘束を強いられると、それだけで被疑者の社会生活にはさまざまな支障が生じかねません。
弁護士は、以下のような防御活動をつうじて、身柄拘束によるデメリットの軽減・回避を目指してくれるでしょう。
- 任意の事情聴取での供述内容・供述方針を明確化して、逃亡または証拠隠滅のおそれがないと判断されやすい状況を作り出してくれる
- 警察が捜査活動を開始する前に自首をする有用性を判断してくれる
- 根拠のない逮捕・勾留に対しては、取り消し請求や準抗告などの法的措置を講じてくれる
微罪処分獲得による早期の刑事手続き終了を目指してくれる
微罪処分とは、警察限りの判断で刑事手続きを終了させることです。
微罪処分の獲得に成功すれば送検されずに済むので、刑事手続きを早期に終結させられます。
微罪処分を獲得するには、バイトテロ事件が以下の要素を備えている必要があります。
- 犯罪事実が極めて軽微であること
- 被害が少ないこと
- 前科・前歴がないこと
- 示談が成立しており、被害者の処罰感情がないこと
- 被害弁償が済んでいること
- 被疑者が罪を認めて真摯に反省の態度を示していること
- 被疑者を監督する家族や上司などがいること
刑事事件に強い弁護士は、早期に示談を成立させたり監督人を用意したりすることで、微罪処分獲得の可能性を高めてくれるでしょう。
起訴猶予処分獲得を目指してくれる
バイトテロ事件を起こして警察に捕まったとしても、必ずしも起訴されるわけではありません。
というのも、不起訴処分は以下3種類に区別されており、実際に刑事事件を起こした事実に間違いがなかったとしても、起訴猶予処分獲得の余地は残されているからです。
- 嫌疑なし:バイトテロ事件を起こした客観的証拠が存在しない場合。冤罪、誤認逮捕など。
- 嫌疑不十分:バイトテロ事件に関する客観的証拠が不足している場合。
- 起訴猶予処分:バイトテロ事件を起こした事実に間違いはないが、諸般の事情を総合的に考慮すると、刑事裁判にかける必要がないと判断される場合。
起訴猶予処分を下すかどうかを判断するときには、犯人の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の情況などの諸般の事情が総合的に考慮されます(刑事訴訟法第248条)。
刑事事件への対応が得意な弁護士に相談・依頼をすれば、検察官から起訴猶予処分の判断を引き出すのに役立つ証拠などを揃えてくれるでしょう。
実刑回避を目指してくれる
バイトテロ事件を起こして実刑判決が下されると、刑期を満了するまで服役を強いられます。たとえば、履歴書の空白期間が原因で就職活動・転職活動が困難になるなど、出所後の生活が困難になりかねません。
ですから、バイトテロのせいで刑事裁判にかけられた場合には、実刑判決を回避できるかがポイントになります。
刑事裁判に強い弁護士は、執行猶予付き判決などの有利な量刑判断を引き出すために、被告人にとって有利な情状証拠を用意してくれるでしょう。
略式手続きを選択するべきか判断してくれる
バイトテロ事件を起こして刑事訴追されると、検察官から略式起訴されることがあります。
略式起訴(略式命令・略式裁判)とは、被疑者の同意があるときに限って正式な刑事裁判手続きを省略して、検察官から提出された書面だけで審理される簡易・簡便な刑事手続きのことです。100万円以下の罰金刑もしくは科料を確定させるために活用されます。
略式起訴に同意をすれば、公開の裁判手続きに対応する時間や労力を節約できます。また、罰金刑が確定するため、実刑判決を下されるリスクがゼロになります。ただし、公開の刑事裁判でバイトテロ事件について反論する機会を失う点に注意が必要です。
弁護士に相談・依頼をすれば、略式手続きに同意するべきか否かを慎重に判断してくれるでしょう。
学校への説明方法などについてアドバイスを期待できる
バイトテロ事件を起こした事実が学校にバレると、退学や停学、出席停止、訓告などの処分を下される可能性が高いです。
学校から下される処分が重いと、留年を強いられたり単位取得に支障が出たりして、今後の就職活動に支障が生じかねません。
刑事事件に強い弁護士に相談をすれば、学校への説明方法についてアドバイスをもらえたり、学校で実施される事情聴取に同席してもらえたりするでしょう。
バイトテロ事件を起こしたときはすぐに弁護士に相談しよう
バイトテロ事件を起こしてしまったときには、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談・依頼をしてください。
本人にとってはちょっとしたイタズラのつもりだったとしても、警察に通報されると刑事責任を問われる可能性がありますし、高額の賠償負担も強いられかねないからです。
刑事事件相談弁護士ほっとラインでは、バイトテロ事件などの刑事事件への対応が得意な弁護士を多数紹介中です。弁護士に相談するタイミングが早いほど問われる法的責任の程度を軽減しやすくなるので、できるだけ早いタイミングで信頼できる弁護士までお問い合わせください。