弁護士が動いてくれないときの対処法とは?刑事事件で後悔しないために知っておくべきこと

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刑事事件において、弁護人は被疑者や被告人にとってもっとも頼れる存在であり、取り調べや裁判において権利や利益を守るために欠かせない存在です。しかし、中には「弁護士が動いてくれない」と感じ、不安や不満を抱えている人も少なくありません。

この状況は、単純に弁護士の怠慢だけでなく、依頼者と弁護士との間にある期待値や認識のギャップが原因となることも多くあります。たとえば、依頼者は「無罪にしてほしい」「思い通りに動いてほしい」と考える一方で、弁護士は法律の範囲内で可能な限り最善の弁護活動を行っています。

そのため、目に見える成果がすぐに現れない場合、依頼者側から「動いてくれない」と感じてしまうのです。本記事では、弁護士が動かないと感じる原因やその背景、依頼者が直面するリスク、そして具体的な対処法について詳しく解説します。

弁護士との信頼関係を築き、より良い刑事弁護を受けるためのポイントも紹介しているため、現在弁護士の対応に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。

目次

弁護士が動いてくれないとはどういうことか

刑事事件において、弁護士は被疑者や被告人にとって唯一の味方です。警察や検察があなたに対して何らかの刑罰を与えようとしている状況下で、弁護士はあなたを守るために弁護活動を行ってくれます。

しかし、中には「弁護士が動いてくれない」と悩んでいる人も少なくありません。弁護士が動いてくれないと悩む主な原因は、「依頼者と弁護士の対応のギャップ」です。

弁護士は、法律の範囲内で可能な限り被疑者や被告人の利益を最優先に考え、適切な弁護活動を行ってくれます。しかし、依頼者は法律知識に乏しい人も多く、「自分の思うように動いてくれない」と思う人も少なくありません。

まずは、弁護士が動いてくれない状況とはどのような状況を指すのか?について詳しく解説します。「弁護士が動いてくれない」と悩まれている人は、ぜひ参考にしてください。

依頼者の期待と弁護士の対応のギャップ

依頼者の期待と弁護士の対応のギャップの結果、依頼者側は「弁護士が動いてくれない」と思い込んでしまうケースがあります。依頼者は弁護士に過度の期待をしてしまっている一方で、弁護士側は「できる限りのことを行っている」という状況です。この差から「弁護士が動いてくれない」と感じてしまうでしょう。

たとえば、依頼者は刑事事件において「本当に自分は罪を犯していない」と思い、その思いを弁護士に伝えていたとしましょう。しかし、本当に罪を犯していないかどうかは、本人にしかわかりません。

弁護士は、依頼者からの言葉を信じてできる限りの証拠を集めたり、刑事裁判で無罪を主張するための資料を整理したりします。弁護士の活動は依頼者側からは見えない部分が多く、依頼者からすると「結果」でしか物事を判断できません。

弁護士側は無罪を主張するうえで必要となる証拠や資料整理等を行っているものの、「現実的に無罪を主張するのが難しい……」となるケースも数多くあります。この場合、弁護士側から「罪を認めて減刑を目指しましょう」といった提案を受けることもあるでしょう。

その結果、依頼者側からすると「弁護士が動いてくれなかった」「自分の要望通りの働きをしてくれなかった」と感じてしまうことがあります。

刑事事件における弁護人制度は、「国選弁護人」と「私選弁護人」の2種類があります。前者は依頼者の一方的な感情のみで解任することはできません。しかし、私選弁護人であれば、自分の意思で解任が可能です。また、現在国選弁護人が選任されている被疑者や被告人であっても、私選弁護人を選任することができます。そのため、弁護人に対して不満がある場合は、私選弁護人の選任を検討されてみてはいかがでしょうか。

刑事事件における弁護士の義務と限界

刑事事件における弁護人の役割は、被疑者や被告人の刑事弁護です。刑事弁護とは、被疑者や被告人など何らかの罪の疑いをかけられている人の権利や利益を守ることを指します。

弁護士は法律の専門家であり、法律知識に乏しい被疑者や被告人が取り調べや刑事裁判において不利にならないように弁護活動を行います。また、被疑者や被告人の権利や利益を守るために支援を行います。

このことから、被疑者や被告人は弁護人に対して過度な期待をしてしまうケースが多くあります。たとえば、罪を犯しているにも関わらず「執行猶予付きの判決が欲しい」「無罪にしてほしい」といった内容を主張するケースがあります。

現実的にさまざまな状況を考慮して、「執行猶予付き判決を得られる可能性がある」となれば、執行猶予を目指して弁護活動を行います。しかし、現実的には執行猶予が認められにくい犯罪も多くあります。

この場合、弁護人は被疑者や被告人の利益を最優先に考え、「罪を認めて減刑を目指しましょう」といった提案をするケースもあるのです。

弁護士は法律の専門家であり、数多くの弁護活動を行ってきている人です。そのため、依頼者と弁護人との認識のギャップが、結果的に「弁護士が動いてくれない」といった思いに変わってしまうのでしょう。

刑事事件においては、弁護士のことを「弁護人」と呼びます。

弁護士が動かない理由

弁護士が動いてくれないと感じる主な理由は、以下のとおりです。

  • 国選弁護人である場合
  • 案件が重複している場合
  • 依頼内容が不十分または不明確な場合
  • 費用や契約条件に問題がある場合
  • 依頼者との信頼関係の問題

次に、弁護士が動いてくれない原因について詳しく解説します。

国選弁護人である場合

刑事弁護において、とくに「弁護士が動いてくれない」と感じる理由は、国選弁護人であるケースが多いです。国選弁護人は、弁護士費用を国で負担するため、被疑者や被告人にとっては経済的メリットが大きいです。

一方で、弁護人へ支払われる報酬は私選弁護人と比較すると安価であり、優先順位が低くなってしまうケースもあります。

また、国選弁護人として選ばれる弁護人はランダムです。そのため、必ずしも刑事弁護に強い(慣れている)弁護人が弁護活動を行ってくれるとは限りません。

上記のことから、弁護人本人は全力で依頼者を守ろうと尽力しているものの、依頼者側から見ると「全然動いてくれない」と感じてしまうかもしれません。なお、この場合は、私選弁護人の選任を検討しましょう。

私選弁護人は実費ではあるものの、自分で選んだ弁護人に弁護活動を行ってもらえます。そのため、刑事弁護に強く信頼できる弁護人を選任できる点が大きなメリットです。

案件が重複している場合

弁護士は常に多くの案件を抱えています。あなた1人のみの弁護活動を行っているわけではないため、あなたに割ける時間も限定的です。

結果的に、「あなたが満足できる働きをしてくれない」と思ったり不満を抱えたりするケースもあるでしょう。弁護士は、弁護士なりに自分が対応できる範囲内で業務を行っているため、優先度が低い案件は後回しになってしまうケースもあります。

先ほども解説したとおり、とくに国選弁護人の場合は費用が安いため優先度が下がってしまう傾向にあります。

依頼内容が不十分または不明確な場合

依頼内容不十分または不明確である場合は、弁護人としてもどう弁護活動を行っていけば良いかわかりません。そのため、対応が後回しになってしまうケースがあります。

たとえば、「私は罪を犯していない」という主張なのか「罪は認めるけど、一部内容に誤りがある」という主張なのかによって弁護活動の方針が異なります。そのため、まずは自分の主張を明確にしたうえで正確な依頼をすることが大切です。

費用や契約条件に問題がある場合

弁護人へ依頼をする場合は、費用と契約条件について話し合いをする必要があります。まずは、被疑者や被告人となっている者が何を目指し、何を求めているのかを明確にしなければいけません。

たとえば、あなたが「無罪にしてほしい」という依頼をした場合、弁護人は現実的に見て無罪を得られるかどうかの判断をします。そして、無罪にできる可能性があるものの、相当難しいと判断されれば、費用面で折り合いをつける必要があります。

一度、費用面で折り合いがついたとしても、費用が支払われなければ無罪を主張するための証拠を集めるための経費を捻出できません。結果的に「弁護人は動けない」という状況にもなり得るのです。

依頼者との信頼関係の問題

依頼者と弁護人は信頼関係のもとで成り立ちます。たとえば、依頼者が弁護人に対して協力的でなければ、弁護人としてもあなたからの依頼を後回しにせざるを得ません。

たとえば、実際に罪を犯しているにも関わらず、「罪を犯していない」と主張していたとしましょう。弁護人に対しても同じく「罪を犯していない」と主張した場合、弁護士としてもできる弁護活動が限定的になってしまいます。

本記事で解説しているとおり、弁護人は被疑者や被告人の唯一の味方です。弁護士に対してはすべて本当のことを話しても問題ありません。そのため、信頼関係を構築するためにも、弁護士に対しては嘘偽りなくすべて正直に話すようにしましょう。

弁護士が動かない場合の被害者・依頼者のリスク

弁護士が自分の意思でなかなか動いてくれない場合、以下のようなリスクが発生する可能性があります。

  • 刑事手続きが遅れるリスク
  • 証拠確保や対応の不備による不利な状況
  • 精神的負担や不安の増大

次に、弁護士が動いてくれない場合のリスクについて詳しく解説します。

刑事手続きが遅れるリスク

弁護人が動いてくれない場合、刑事手続きに遅れが発生する可能性があります。

そもそも、逮捕された被疑者や勾留されている被告人の場合は、逮捕から48時間以内、勾留期間は20日以内と期間が定められています。そのため、この期間における刑事手続きの遅れリスクはありません。

しかし、勾留中に起訴された場合、弁護人・検察官・裁判官の三社で公判前整理手続きというものが行われます。この公判前整理手続き等で弁護人の準備不足が発生すると、公判(裁判)期日が伸びたり公判期間が長期化したりする可能性があるのです。

被告人次第では、判決が言い渡されるまで身柄拘束が継続するため、弁護人が動いてくれないことによって身柄拘束が長期化する可能性もあるでしょう。

証拠確保や対応の不備による不利な状況

弁護人は、被疑者や被告人の味方であり、無罪を主張したり減刑されたりするように証拠を集めて主張します。そのため、弁護人の準備不足、動いてくれないという状況が発生すると、証拠の確保ができずに不利な状況になり得ます。

たとえば、しっかり動いてくれるA弁護人であれば執行猶予付きの判決の可能性もあった。しかし、B弁護人に依頼をしたことによって、実刑判決が言い渡されたという状況も起こり得ます。

そのため、弁護人を選任する際は刑事弁護に強く、適切な弁護活動を行ってくれる弁護人への依頼が必要不可欠でしょう。

精神的負担や不安の増大

弁護人が動いてくれないことによって、精神的な負担や不安の増大が懸念されます。たとえば、被疑者や被告人は身柄を拘束されることがあります。そのため、自分自身で動くことはできず、代理人でもある弁護人を頼ることしかできません。

その弁護人があなたの要望を聞いてくれず、まったく動いてくれなければ「頼んでいたことどうなっているのだろう?」などと、不安を感じるでしょう。自分で動くことができないもどかしさから、弁護人に対する苛立ち、腹立たしさの気持ちがが発生するのも当然です。

弁護士が動かない場合の対処法

弁護士が動いてくれない場合は、以下の対処法を検討しましょう。

  • まずは連絡をとって理由を確認する
  • 他の弁護士への相談やセカンドオピニオンの検討
  • 弁護士会や相談窓口を活用する
  • 依頼内容や証拠を整理して再依頼をする

次に、弁護士が動いてくれないときの対処法についても詳しく解説します。

まずは連絡を取り理由を確認する

初めに、弁護人へ連絡を取ったうえで「なぜ動いてくれないのか?」と理由を尋ねてみましょう。弁護人なりに何らかの事情がある可能性もあります。その事情を聞いたうえであなたにできることがあるのであれば、その要望を聞いたうえで適切に対応することで問題が解決するかもしれません。

案件過多で対応が遅れているなど、あなたの事情に帰さない場合は弁護人を変えるなどの対応を検討してみてはいかがでしょうか。

国選弁護人の場合は「弁護人が動いてくれない」という理由で弁護人を変更することはできません。納得ができない場合は、自分で費用を支払って私選弁護人を選任する必要があります。

他の弁護士への相談やセカンドオピニオン

他の弁護士への相談やセカンドオピニオンの検討もしてみましょう。他の弁護士への相談は、依頼をするのではなく、あくまでも「〇〇の状況で不満を抱えているけど、この対応は当たり前なのか?」といった形で、第三者の意見を聞くというつもりで相談をしてみましょう。

もし、他の弁護士からみても「なかなか動いてくれない」「対応が不十分である」と判断された場合は、別の弁護士への再依頼等を検討してみると良いです。また、弁護士が明らかに怠慢である場合は、弁護士会への相談等も検討してみると良いでしょう。

弁護士会や相談窓口を活用する

弁護人の対応に納得できない場合は、弁護士会やその他相談窓口への相談を検討してみると良いでしょう。弁護士会への相談は、担当弁護人が所属している弁護士会です。各都道府県にあり、また、各地域を管轄する弁護士会があります。

その他、弁護士の対応に関する相談窓口として法テラスや日本弁護士連合会(日弁連)、等への相談も有効です。相談をすることで、担当弁護人の対応が改まったり、他の弁護人を紹介してくれたりなど、依頼者にとって有利となる働きをしてくれる可能性が高まります。

ただし、適切な弁護活動を行っていると認められた場合は、相談をしても意味がありません。たとえば、弁護人は適切に動いているにも関わらず、依頼者側の一方的な思いで「動いてくれない」と感じている場合は、相談をしてもあまり意味がありません。

依頼内容や証拠を整理して再依頼する

依頼内容や証拠を整理して、改めて依頼を検討してみても良いでしょう。弁護人は、被疑者や被告人のために一生懸命弁護活動を行うことが責務ではあるものの、依頼内容等が曖昧である場合は、動けない状況になるケースもあります。

まずは、弁護人とよく話し合ったうえで「自分は何をするべきなのか?」「どのように弁護人に協力をすべきなのか?」を明確にする必要があります。

弁護士との信頼関係を保つための注意点

弁護人との信頼関係はとても大切です。信頼関係が成立していなければ、お互いに不信感が募って「動いてくれない」と感じてしまう原因になり得ます。そのため、信頼関係を保つためにも、以下の注意点を覚えておきましょう。

  • 連絡手段や対応期限を明確にする
  • 依頼範囲や費用の確認を事前に行う
  • 対応に期待しすぎず、現実的な判断を行う

次に、弁護士と信頼関係を保つための注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

連絡手段や対応期限を明確にする

連絡手段や対応期限を明確にしておくことで、お互いに信頼関係を築けるでしょう。たとえば「連絡手段は基本的に電話、メールで行う」といった取り決めをしておくと安心です。

そのうえで「〇〇については、◯月◯日までに対応する。遅れる場合は、事前に連絡をする」といった内容をお互いに決めておくと安心です。もし、これらの約束が守られなかった場合は、弁護人の解任等を検討すると良いでしょう。

お互いに期日等を守っていれば、お互いにとって安心材料となるため、信頼関係が構築されていくこととなります。お互いに連絡がなくても「◯月◯日までに連絡があるだろう」といった安心ができます。

依頼範囲や費用の確認を事前に行う

依頼する範囲や依頼に伴う費用面を初めに明確にしておくことが大切です。たとえば、刑事弁護を行ううえで証拠を集める必要があります。証拠を集めるためには弁護人が自らどこかへ足を運ぶ必要があるかもしれません。

もちろん、弁護士費用に含まれてはいるものの、「〇〇を超えた場合は実費清算」などあらかじめ費用面の話し合いをしておくことが信頼関係構築の鍵です。

また、依頼範囲についてもどこまでの範囲を担当するのかを明確にしておくことが大切です。曖昧なままだと、とくに依頼者側から「弁護人が動いてくれない」といった不平不満が出やすくなるでしょう。

対応に期待しすぎず現実的な判断をする

弁護人はできる範囲が限られています。たとえば、証拠が揃っていれ罪を認めているにも関わらず、「私を無罪にしてください」とお願いしても不可能に近いです。

そのため、過度な期待をせずに現実的に見てどの程度の依頼をするのかを明確にして心の準備をしておくことが大切です。「弁護士なら何でもできる」というものではありません。限界を把握し、可能な範囲での弁護活動を依頼するよう心がけましょう。

よくある質問

弁護人が動いてくれない場合によくある質問を紹介します。

Q.弁護士が動かない場合、契約解除は可能ですか?

A.可能ですが、国選弁護人の場合は難しいです。

刑事弁護では、原則自分自身で弁護人を選任して依頼をしなければいけません。これを「私選弁護人」と呼びます。しかし、経済的な事情で私選弁護人を選任することができない人に対しては、国が費用を負担して弁護人を選任する「国選弁護人」という制度があります。

私選弁護人の場合は、自分の意思で自由に弁護人を解任したり弁護人側から辞任を申し出たりできます。

一方で、国選弁護人の場合は国で費用を負担しているから、相当な理由がなければ解任できません。弁護人の怠慢が明らかである場合は解任できる可能性はありますが、相当難しいと思っておいたほうが良いでしょう。

Q.依頼内容が複雑でも動いてくれない場合はどうすればいいですか?

A.依頼できる弁護人への再依頼を検討しましょう。

依頼内容が複雑である場合、弁護人によっては「どうすれば良いかわからない」という状況が起こり得るかもしれません。そもそも、日本国内には1,000種類以上の法律があり、弁護士ごとに得意分野があります。

そのため、すべての弁護人が必ずしも刑事弁護に強いわけではありません。もし、依頼した弁護人で対応できない、もしくは対応不足を感じるのであれば、刑事弁護に強い弁護人への再依頼を検討されると良いでしょう。

Q.弁護士会に相談すると何ができるのですか?

A.話を聞き、指導等を行う場合があります。

弁護士会に相談をし、担当弁護人の怠惰等が認められる場合はその弁護人に対して指導等を行い、改善を求めます。また、他の弁護人を紹介するなど、依頼者にとって有利となる働きをしてくれる可能性が高いです。

弁護人に対して不満がある場合は、まずは弁護人が所属する弁護士会への相談を検討されてみてはいかがでしょうか。

Q.弁護士の対応が遅れた場合、損害賠償は請求できますか?

A.できます。

弁護士の対応が遅れ、実際に損害が発生している場合は弁護士に対して損害賠償請求を行うことができます。ただし、損害賠償請求が認められるかどうかは各状況によって異なります。

損害賠償が認められるケースは「弁護過誤」と呼ばれ、明らかに弁護士に過失がある場合のみです。これが認められなければ、損害賠償請求をしても賠償が認められる可能性は低いでしょう。

Q.複数の弁護人に依頼することは可能ですか?

A.同じ事件で複数の弁護人へ依頼することはできません。

刑事事件においては、同じ事件で複数人の弁護人へ依頼することはできません。弁護人の変更をしたい場合は、弁護人を解任をしたうえで次の弁護人へ依頼する必要があります。

ただし、依頼前に相談をすることは可能であるため、現在の弁護人に不満がある場合はセカンドオピニオンとして、他の弁護士へ相談をしてみても良いでしょう。そのうえで、弁護人を変える必要がある場合は、解任→依頼の手順を踏む必要があります。

なお、私選弁護人の場合はいつでも自由に弁護人を解任できます。ただ、できるだけ弁護人がいない期間を減らすために、前もって別の弁護士へ相談しておくことがとても大切です。

まとめ

刑事事件において弁護士が十分に動いてくれないと感じる場合、その原因は多岐にわたります。依頼者と弁護士の期待値の差、国選弁護人や案件過多による対応の遅れ、依頼内容の不明確さ、費用や契約条件の問題、そして依頼者との信頼関係の不足などが代表的です。

弁護士が動かないことによって、刑事手続きが遅れたり、証拠の確保が不十分になり不利な状況を招いたり、精神的な負担が増大したりするリスクがあります。しかし、状況を改善するための方法も存在します。

まずは弁護士に直接連絡して理由を確認すること、他の弁護士によるセカンドオピニオンを求めること、弁護士会や相談窓口を活用すること、そして依頼内容や証拠を整理して再依頼することが有効です。

また、日頃から連絡手段や対応期限を明確にし、依頼範囲や費用を事前に確認し、現実的な判断を行うことで、弁護士との信頼関係を維持することが重要です。弁護士は被疑者や被告人の権利を守る専門家であり、過度な期待ではなく、現実的な範囲で協力することが、円滑で効果的な弁護活動につながります。本記事の内容を理解することで、弁護士との関係を見直し、適切な対応を得るための一助となるでしょう。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、勾留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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