配偶者が逮捕されたらどうする?家族の対応・面会方法・離婚への影響を解説

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配偶者が突然逮捕されるという事態は、多くの人にとって想定外であり、強い不安や混乱を伴うものです。しかし、このような状況だからこそ、感情に流されるのではなく、冷静かつ適切な初動対応を取ることが重要となります。

本記事では、逮捕直後に確認すべき事実関係や拘束場所の把握、弁護士への早期相談の必要性といった基本的な対応から、その後の刑事手続の流れ。そして、家族としてできる具体的な支援までを体系的に解説しています。

また、面会や差し入れの可否、接見禁止の影響といった実務上の注意点に加え、離婚や慰謝料、親権といった将来に関わる重要な問題についても法的観点から整理。さらに、職場や周囲に知られるリスクやSNSによる情報拡散への対策など、現代特有の課題にも対応しています。

配偶者の逮捕は、本人だけでなく家族の生活にも大きな影響を及ぼしますが、正しい知識と適切な行動によって不利益を最小限に抑えることは可能です。本記事を通じて、今何をすべきか、どのように行動すべきかを具体的に理解し、落ち着いて対応できるようになることを目指しましょう。

目次

配偶者が逮捕されたらまず何をすべきか

配偶者が突然逮捕された場合、多くの人が混乱し、何から対応すべきか分からなくなります。しかし、初動対応を誤ると、その後の刑事手続や生活面に大きな影響が生じる可能性があります。重要なのは、感情的にならず、事実関係を整理しながら適切な手順で対応することです。ここでは、配偶者が逮捕された際に取るべき初動対応を具体的に解説します。

逮捕の事実確認と状況の把握

最初に行うべきは、逮捕の事実と具体的な状況の確認です。噂や断片的な情報だけで判断すると、誤った対応につながるおそれがあります。確認すべき主なポイントは以下のとおりです。

  • 逮捕された日時と場所
  • 容疑の内容(何の罪で逮捕されたのか)
  • 逮捕の種類(通常逮捕・現行犯逮捕など)
  • 現在の身柄状況(留置・移送の有無)

情報源としては、警察からの連絡、本人からの連絡、弁護士からの通知などが考えられます。とくに接見禁止が付されている場合、本人と直接連絡が取れないこともあるため注意が必要です。

警察署・拘置場所の確認方法

逮捕後、被疑者は通常、警察署の留置施設に収容されます。その後、勾留が決定されると拘置所へ移送されます。拘束場所の確認方法としては、以下の手段があります。

  • 警察署へ直接問い合わせる
  • 担当弁護士を通じて確認する
  • 本人からの連絡(接見禁止がない場合)

ただし、警察は捜査上の理由から詳細を開示しない場合もあります。そのため、確実に情報を得るためには弁護士を通じた確認が有効です。また、面会(接見)が可能かどうかも重要なポイントです。接見禁止が付されている場合、家族であっても面会できないため、対応が大きく変わります。

被疑者(逮捕された人)は、一度だけ無料で弁護人を呼ぶことができます。これを「当番弁護人制度」と呼びます。そして、勾留が確定した場合は、国選弁護人が選任されるため、必ずしも家族から弁護人を選任する必要はありません。

弁護士への早期相談の重要性

配偶者が逮捕された場合、できる限り早く弁護士に相談することが重要です。初動対応の良し悪しが、その後の処分や結果に大きく影響するためです。弁護士に依頼する主なメリットは以下のとおりです。

  • 本人と早期に接見し、状況を正確に把握できる
  • 取調べ対応について適切な助言が受けられる
  • 勾留阻止や早期釈放に向けた活動ができる
  • 家族への情報共有やサポートが受けられる

とくに逮捕直後は、本人が不利な供述をしてしまうリスクがあります。弁護士が早期に関与することで、こうしたリスクを軽減できます。

私選弁護人は、家族や本人の意思で自由に選任できます。私選弁護人が選任されていない場合は、国選弁護人が選任されますが、タイミングは「勾留確定後」となり、対応が遅れる可能性があるため注意が必要です。

今後の流れ(最大23日間の拘束)

逮捕後の刑事手続は、法律により厳格な時間制限が設けられています。最大で23日間の身柄拘束が可能とされています。基本的な流れは以下のとおりです。

期間 内容
逮捕後〜48時間以内 警察による取調べ・検察への送致
送致後24時間以内 検察官が勾留請求の判断
勾留10日間(延長可) 裁判官の判断により勾留決定
延長最大10日間 合計最大23日間の拘束

この期間中に、起訴するか不起訴とするかが決定されます。長期間の拘束は、本人だけでなく家族の生活にも大きな影響を及ぼします。そのため、早期段階から適切な対応を取ることが極めて重要です。

逮捕後の流れと家族ができること

配偶者が逮捕された後は、刑事手続に沿って段階的に進行しますが、その間に家族が取れる行動には一定の限界があります。もっとも、適切なタイミングで必要な対応を行うことで、処分結果や生活への影響を軽減できる可能性があります。次に、逮捕後の基本的な流れと、家族としてできる対応を整理します。

逮捕から勾留・起訴までの流れ

逮捕後の刑事手続は、法律により厳格な時間制限のもとで進行します。流れを正確に理解することで、適切な対応のタイミングを把握できます。基本的な手続の流れは以下のとおりです。

段階 内容
逮捕(〜48時間) 警察が取調べを行い、検察へ送致する
送致後(〜24時間) 検察官が勾留請求するか判断する
勾留(原則10日) 裁判官の判断で身柄拘束が継続される
勾留延長(最大10日) 必要に応じて延長される
最終判断 起訴または不起訴が決定される

このように、最大で23日間の拘束が可能です。家族としては、この期間中に弁護士と連携し、事実関係の整理や情状面の資料準備(身元引受書など)を行うことが重要です。

接見禁止とは何か

接見禁止とは、被疑者と外部との接触を制限する裁判所の決定です。証拠隠滅や口裏合わせを防ぐ目的で行われます。刑事訴訟法では、勾留に際して接見等の制限が認められています。

裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第三十九条第一項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。
引用元:刑事訴訟法|第81条

接見禁止が付されると、家族であっても面会や手紙のやり取りができません。そのため、本人の状況を直接把握することが難しくなります。

弁護士だけが面会できるケース

接見禁止が付されている場合でも、弁護士との面会は制限されません。これは、防御権の保障という重要な原則に基づくものです。そのため、家族が本人の状況を把握するには、弁護士を通じた情報共有が事実上唯一の手段となります。弁護士は以下の役割を担います。

  • 本人と直接面会し、状況を確認する
  • 取調べに関する助言を行う
  • 家族へ状況を説明する

とくに接見禁止が長期化する場合、弁護士の存在が家族と本人をつなぐ重要な役割を果たします。

釈放・不起訴の可能性

逮捕された場合でも、必ずしも起訴されるとは限りません。証拠関係や情状により、釈放や不起訴となる可能性があります。主な分岐は以下のとおりです。

  • 勾留請求が却下→早期釈放(在宅捜査)
  • 勾留中に釈放→在宅捜査へ移行
  • 不起訴処分→刑事責任を問われない
  • 起訴→刑事裁判へ進行

不起訴となるかどうかは、証拠の有無だけでなく、示談の成立や反省状況なども重要な判断要素となります。そのため、家族としては、被害者との示談交渉のサポートや、生活環境の整備など、情状面の準備を行うことが重要です。適切な対応を取ることで、早期釈放や不起訴の可能性を高めることができます。

面会や差し入れはできるのか

配偶者が逮捕された場合、面会や差し入れが可能かどうかは家族にとって重要な関心事ですが、実際には刑事手続上の制限により自由に行えるわけではありません。とくに、勾留の有無や接見禁止の有無によって取扱いが大きく異なるため、事前にルールを正確に理解しておく必要があります。

次に、面会や差し入れに関する基本的なルールと実務上の注意点を解説します。

一般面会のルールと制限

接見禁止が付されていない場合、家族は一般面会(一般接見)を行うことが可能です。ただし、面会には施設ごとの厳格なルールが設けられており、自由に行えるものではありません。主な制限は以下のとおりです。

  • 面会時間は平日の日中に限定されることが多い
  • 1回あたりの面会時間は15分〜20分程度に制限される
  • 1日の面会回数や人数に上限がある
  • 警察官の立会いのもとで実施される

また、面会内容は監視されており、不適切と判断される場合には中断されることもあります。そのため、事件に関する詳細なやり取りは控える必要があります。

接見禁止中の対応

接見禁止が付されている場合、家族であっても面会は一切できません。これは、証拠隠滅や関係者との口裏合わせを防ぐための措置です。刑事訴訟法上、接見禁止は以下のように規定されています。

裁判所は、逃亡し又は罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるときは、検察官の請求により又は職権で、勾留されている被告人と第三十九条第一項に規定する者以外の者との接見を禁じ、又はこれと授受すべき書類その他の物を検閲し、その授受を禁じ、若しくはこれを差し押えることができる。但し、糧食の授受を禁じ、又はこれを差し押えることはできない。
引用元:刑事訴訟法|第81条

この場合、本人と直接連絡を取る手段は基本的に遮断されます。そのため、弁護士を通じて状況を把握することが極めて重要になります。

差し入れできるもの・できないもの

差し入れについては、一定の範囲で認められていますが、内容には制限があります。施設ごとに細かなルールが異なるため、事前確認が必要です。一般的に差し入れ可能なものは以下のとおりです。

  • 衣類(紐や装飾が少ないもの)
  • 現金(留置金として管理される)
  • 書籍(内容によって制限あり)

一方で、以下のものは制限または禁止されることが多いです。

  • 食品(腐敗や安全面の問題があるため)
  • 危険物や金属製品
  • 通信機器や電子機器

また、接見禁止が付されている場合は、差し入れ自体が制限されることもあります。

手紙のやり取りの注意点

手紙についても、一定条件のもとでやり取りが可能です。ただし、面会と同様に内容は検閲の対象となります。主な注意点は以下のとおりです。

  • 事件内容に関する詳細な記載は避ける
  • 証拠隠滅や口裏合わせと疑われる内容を書かない
  • 第三者への伝言を含めない

不適切と判断された場合、手紙は本人に渡されない可能性があります。

配偶者の逮捕と離婚の関係

配偶者が逮捕された場合、「離婚できるのか」「離婚すべきか」と悩む人は少なくありませんが、逮捕されたという事実だけで直ちに離婚が認められるわけではありません。離婚の可否は、民法に定められた法定離婚事由に該当するかどうかを基準に判断されます。次に、逮捕と離婚の関係について、法的観点から整理します。

離婚が認められる法的理由(民法770条)

裁判で離婚が認められるためには、民法770条に定められた離婚事由に該当する必要があります。

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
引用元:民法|第770条第1項

配偶者の逮捕は、上記のうち「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかが問題となります。たとえば、重大犯罪で有罪判決が見込まれる場合や、長期の服役が予想される場合には、婚姻関係の維持が困難と評価される可能性があります。

一方で、軽微な事件や不起訴となる可能性が高い場合には、直ちに離婚理由と認められないケースもあります。

有責配偶者と離婚請求の関係

離婚においては、「有責配偶者」という考え方も重要です。有責配偶者とは、婚姻関係を破綻させた責任がある側の配偶者を指します。一般に、有責配偶者からの離婚請求は認められにくいとされています。これは、自己の責任で関係を破綻させた者が離婚を請求することは不公平と考えられるためです。

たとえば、犯罪行為により家庭生活が維持できなくなった場合、その原因を作った配偶者は有責と評価される可能性があります。ただし、別居期間が長期に及ぶ場合や、未成熟子がいない場合など、一定の条件下では例外的に離婚請求が認められることもあります。

離婚を判断する際のポイント

配偶者の逮捕を理由に離婚を検討する際は、感情だけでなく、法的・実務的観点から慎重に判断する必要があります。主な判断ポイントは以下のとおりです。

  • 犯罪の内容や重大性
  • 有罪判決や服役の可能性
  • 今後の生活への影響(収入・子育てなど)
  • 配偶者の反省状況や更生可能性

また、離婚には財産分与や養育費などの問題も伴います。そのため、総合的な視点で判断することが重要です。とくに、早期に判断を下すと不利な結果となる可能性もあるため、必要に応じて弁護士に相談しながら慎重に検討することが推奨されます。

慰謝料・財産分与・親権への影響

配偶者が逮捕された場合、離婚を検討する中で「慰謝料は請求できるのか」「財産分与や親権に影響はあるのか」といった点が問題となります。これらはそれぞれ法的な判断基準が異なるため、個別に整理して理解することが重要です。次に、犯罪行為が離婚に伴う各種請求にどのような影響を与えるのかを解説します。

犯罪行為と慰謝料請求の関係

慰謝料は、配偶者の不法行為により精神的苦痛を受けた場合に請求できるものです。民法上、不法行為に基づく損害賠償請求として認められています。

故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
引用元:民法|第709条

ただし、すべての犯罪行為が直ちに慰謝料請求の対象となるわけではありません。婚姻関係に対する侵害が認められるかどうかが重要な判断ポイントとなります。たとえば、以下のようなケースでは慰謝料が認められる可能性があります。

  • 配偶者が重大犯罪を犯し、家庭生活が破綻した場合
  • 不貞行為やDVなど婚姻関係に直接影響する行為
  • 社会的信用の失墜により生活に重大な支障が生じた場合

一方で、婚姻関係に直接影響しない軽微な犯罪であれば、慰謝料請求が認められない可能性もあります。

財産分与への影響はあるか

財産分与は、夫婦が婚姻中に形成した共有財産を清算する制度です。そのため、原則として有責性とは切り離して判断されます。民法では以下のように規定されています。

協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
引用元:民法|第768条第1項

そのため、配偶者が逮捕されたとしても、基本的には財産分与の割合に直接影響はありません。もっとも、例外的に以下の事情が考慮される場合があります。

  • 犯罪行為により財産が減少した場合
  • 財産形成への寄与度に大きな差がある場合

ただし、慰謝料とは異なり、「制裁」として分与割合が大きく変わることは通常ありません。

親権・監護権への影響

未成年の子どもがいる場合、親権や監護権の帰属が大きな問題となります。判断基準は「子の利益(福祉)」が最優先とされます。配偶者の逮捕は、以下の点で影響を及ぼす可能性があります。

  • 身柄拘束により養育が困難である
  • 犯罪内容が子の福祉に悪影響を及ぼす
  • 生活環境の安定性に欠ける

とくに、長期の勾留や服役が見込まれる場合、現実的に子の監護ができないため、親権取得は困難となります。一方で、軽微な事案や早期釈放が見込まれる場合には、個別事情に応じて判断されることになります。

子どもへの配慮と対応

配偶者の逮捕は、子どもにとっても大きな心理的負担となります。そのため、法的問題だけでなく、精神面への配慮が不可欠です。対応としては、以下の点が重要です。

  • 年齢に応じた適切な説明を行う
  • 不安やストレスに配慮する
  • 学校や周囲との関係に注意する

また、必要に応じて専門家(カウンセラー等)への相談も検討すべきです。親権や監護権の判断においても、こうした養育環境の安定性や配慮状況が重要な要素となります。したがって、子どもの利益を最優先に考えた対応が求められます。

会社や周囲に知られるリスクと対応

配偶者の逮捕は本人だけでなく、家族にも影響を及ぼし、会社や学校、近隣など周囲に知られるリスクが現実的に存在します。現代では、報道やインターネットを通じて情報が拡散しやすく、一度広まった情報を完全にコントロールすることは困難です。

そのため、どのような経路で発覚するのかを理解し、適切な対応を取ることが重要です。次に、会社や周囲に知られるリスクと対応について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

実名報道された場合の影響

事件の内容や社会的関心の高さによっては、実名報道が行われる場合があります。実名が公表されると、本人だけでなく配偶者や家族の特定につながる可能性があります。主な影響としては、以下が挙げられます。

  • 勤務先や家族構成が推測されるリスク
  • インターネット上に情報が長期間残る可能性
  • 取引先や知人に情報が伝わるリスク

とくにインターネット記事は検索可能な状態で残ることが多く、時間が経過しても影響が続く点に注意が必要です。

職場・学校への対応

配偶者の逮捕が職場や学校に知られた場合、対応を誤ると不利益が拡大する可能性があります。まず重要なのは、事実関係が確定していない段階で過度な説明をしないことです。基本的な対応としては、以下が考えられます。

  • 必要最小限の範囲で説明する
  • 憶測や未確認情報を伝えない
  • 業務や学業への影響を最小限に抑える

また、会社によっては就業規則や社内規定に基づく報告義務がある場合もあります。そのため、自身の立場や規定を確認したうえで対応することが重要です。

SNSや噂による拡散リスク

近年は、SNSやインターネット上での情報拡散が大きなリスクとなっています。個人の投稿や噂が短時間で広がり、事実以上に情報が拡大することもあります。主なリスクは以下のとおりです。

  • 第三者による目撃情報の投稿
  • 報道記事の共有・拡散
  • 匿名掲示板での書き込み

一度拡散された情報は完全な削除が難しく、長期的に影響を及ぼす可能性があります。そのため、家族自身もSNSでの発信には十分注意する必要があります。

プライバシーを守るための対策

配偶者の逮捕に伴う不利益を最小限に抑えるためには、プライバシー保護の観点からの対策が重要です。実務上有効な対策は以下のとおりです。

  • 情報共有を必要最小限に限定する
  • SNSやインターネットでの発信を控える
  • ネット上の情報について削除対応を検討する
  • 必要に応じて弁護士に相談する

また、名誉毀損やプライバシー侵害が生じている場合には、法的手段による対応も視野に入れる必要があります。配偶者の逮捕はコントロールできない事象ですが、その後の情報管理と対応次第で影響の大きさは大きく変わります。適切な対応を取ることで、不要な不利益を防ぐことが可能です。

弁護士に相談すべきタイミングとメリット

配偶者が逮捕された場合、弁護士への相談はできるだけ早い段階で行うことが重要です。刑事手続は時間制限の中で急速に進むため、初動対応の遅れが結果に大きく影響する可能性があります。

また、家族だけでは対応が難しい場面も多く、専門家の関与により適切な判断と行動が可能になります。次に、弁護士へ相談すべきタイミングについて詳しく解説します。

早期相談の重要性

逮捕直後は、被疑者がもっとも不安定な状況に置かれ、取調べも集中的に行われる重要な局面です。この段階での対応が、その後の勾留や起訴の判断に影響を及ぼすことがあります。弁護士に早期相談することで、以下のような効果が期待できます。

  • 不利な供述を避けるための適切な助言が受けられる
  • 取調べに対する対応方針を明確にできる
  • 勾留請求に対する防御活動が可能となる

とくに、逮捕から勾留決定までの短期間は、結果を左右する重要な時間帯です。この段階で弁護士が関与しているかどうかが、処分の分かれ目となることもあります。

接見・釈放に向けたサポート

弁護士は、接見や釈放に向けた具体的な活動を行うことができます。接見禁止が付されている場合でも、弁護士は本人と面会することが可能です。主なサポート内容は以下のとおりです。

  • 本人との接見による状況把握
  • 勾留請求に対する意見書の提出
  • 準抗告などによる釈放請求
  • 示談交渉の実施

これらの活動により、早期釈放や不起訴の可能性を高めることが期待できます。とくに被害者がいる事件では、示談の成立が重要な要素となります。

家族として受けられる支援

弁護士は被疑者本人だけでなく、家族に対してもさまざまな支援を行います。突然の逮捕により混乱している家族にとって、法的な指針を得ることは大きな安心材料となります。

具体的な支援内容は以下のとおりです。

  • 手続の流れや今後の見通しの説明
  • 面会や差し入れに関するアドバイス
  • 職場や学校への対応に関する助言
  • 示談や生活面に関するサポート

また、家族が誤った対応を取ることで不利な状況が生じるリスクもあるため、専門家の助言を受けながら行動することが重要です。配偶者の逮捕は精神的・実務的に大きな負担を伴いますが、弁護士に早期相談することで、その負担を軽減しつつ適切な対応が可能となります。

よくある質問

配偶者が逮捕された場合によくある質問を紹介します。

Q.配偶者が逮捕されたらすぐ連絡は来ますか?

A.必ずしも警察から家族へ直ちに連絡が来るとは限りません。

法律上、家族への通知義務は明確に定められていません。もっとも、実務上は身元確認や生活上の配慮から、警察が家族に連絡するケースもあります。一方で、事件の性質や捜査状況によっては連絡が行われない場合もあるため注意が必要です。そのため、連絡がない場合でも、無断欠勤や音信不通などの状況から発覚することがあります。

Q.接見禁止でも会う方法はありますか?

A.接見禁止が付されている場合、家族であっても面会することはできません。

接見禁止は、証拠隠滅や関係者との口裏合わせを防ぐための措置です。ただし、弁護士との接見は制限されません。そのため、弁護士を通じて本人の状況を把握したり、伝言を依頼したりすることは可能です。家族が直接会うことはできませんが、弁護士が重要な橋渡し役となります。

Q.逮捕された配偶者の借金は支払う必要がありますか?

A.原則として、配偶者の借金を自動的に支払う義務はありません。

日本の法律では、夫婦であっても財産や債務は基本的に別個に扱われます。ただし、日常家事に関する債務については例外があります。

夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、
他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う。
引用元:民法|第761条

したがって、生活費や日用品購入などの「日常家事債務」に該当する場合には、支払義務が生じる可能性があります。一方で、個人的な借入や事業上の負債については、原則として責任を負いません。

Q.離婚しない場合のデメリットはありますか?

A.離婚しない場合、法的に配偶者としての関係は継続するため、一定の影響が残ります。

主なデメリットとしては以下が考えられます。

  • 社会的信用への影響(事件内容による)
  • 経済的負担(生活費や支援の必要性)
  • 精神的ストレスの継続

また、将来的に損害賠償や支払い問題が発生した場合、間接的に影響を受ける可能性もあります。もっとも、家族関係や子どもの事情などを踏まえ、離婚しない選択が適切な場合もあります。状況に応じて慎重に判断することが重要です。

Q.子どもにどのように説明すべきですか?

A.子どもへの説明は、その年齢や理解度に応じて慎重に行う必要があります。

事実を隠しすぎると不安を助長する一方で、過度に詳細な説明は混乱を招くおそれがあります。基本的なポイントは以下のとおりです。

  • 年齢に応じた簡潔で正確な説明を行う
  • 子どもの不安や疑問に丁寧に対応する
  • 必要以上に相手を否定する表現を避ける

また、子どもが学校や周囲で影響を受ける可能性もあるため、状況に応じて学校側と連携することも検討すべきです。子どもの心理的安定を最優先に考えた対応が求められます。

まとめ

配偶者が逮捕された場合、最も重要なのは初動対応を誤らないことです。まずは逮捕の事実や容疑内容、拘束場所といった基本情報を正確に把握し、そのうえで早期に弁護士へ相談することが不可欠です。

刑事手続は逮捕から最大23日間の身柄拘束の中で急速に進むため、この期間の対応が結果を大きく左右します。とくに接見禁止が付された場合は、弁護士のみが本人と接触できるため、情報共有や対応方針の決定において重要な役割を果たします。

また、家族としては示談のサポートや生活環境の整備など、情状面での支援を行うことも重要です。さらに、面会や差し入れには制限があるためルールを正しく理解する必要があります。

加えて、逮捕の事実が職場や周囲に知られるリスクや、SNSによる情報拡散にも注意が必要です。離婚や慰謝料、財産分与、親権といった問題については、感情的に判断するのではなく、法的基準と将来への影響を踏まえて慎重に検討することが求められます。

配偶者の逮捕は重大な出来事ですが、正しい知識と専門家の支援を活用することで、家族として取るべき最適な対応を選択することができます。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、勾留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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