
援助交際やパパ活に関与すると、援助交際中の行為態様や被害者の年齢、さらには、援助交際に至るやり取りの内容次第で逮捕される可能性があります。
特に近年、性犯罪厳罰化や未成年者保護の要請を踏まえて刑法改正や盗撮処罰法の制定などの動きが強まっているので、安易にSNS等で援助交際をもちかけただけでも厳しい刑事責任を追及されるでしょう。
たとえば、児童ポルノ禁止法違反や不同意性交等罪などの容疑で逮捕されると、長期に及ぶ身柄拘束を強いられる可能性が高いです。家族や会社からの信用を失いますし、起訴されて有罪判決が下されると一発実刑もあり得ます。また、実名報道されたり前科がついたりすると、刑事責任を果たした後の社会復帰が困難になりかねません。
そこで今回は、過去の援助交際やパパ活が原因で後日逮捕されるのではないかと不安を抱えている方や、ご家族が児童ポルノ禁止法違反等の容疑で逮捕された方のために、以下4点について分かりやすく解説します。
- 援助交際で逮捕されるときに問われる犯罪類型
- 援助交際で逮捕されたときの刑事手続きの流れ
- 援助交際で逮捕されたときに生じるデメリット
- 援助交際で逮捕されたときや刑事訴追されるか不安なときに弁護士へ相談するメリット
援助交際のような性犯罪に手を染めてしまった場合、できるだけ早いタイミングで防御活動を開始して社会生活に生じるデメリットを最大限回避・軽減しなければ、今後の人生を棒に振ることになってしまいます。
すみやかに性犯罪事件や示談実績豊富な弁護士へご相談のうえ、刑事事件の早期解決を実現しましょう。
目次
援助交際で逮捕されるときの犯罪類型と法定刑
援助交際で逮捕されるときには、以下の犯罪類型の容疑をかけられることが多いです。
- 児童ポルノ禁止法違反
- 不同意わいせつ罪・不同意性交等罪
- 青少年保護育成条例違反
- 出会い系サイト規制法違反
児童ポルノ禁止法違反
援助交際の相手が「児童(18歳に満たない者)」の場合には、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童ポルノ禁止法)」に違反することを理由に逮捕されます。
児童買春罪
18歳未満の児童と援助交際をしたときには「児童買春」に該当し、「児童買春罪」の容疑で逮捕される可能性があります。児童買春罪の法定刑は「5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金刑」です(児童ポルノ禁止法第4条)。
児童買春とは、「児童などに対して、対償を供与し、または、対償を供与する約束をして、児童に対して『性交等』をすること」を指します(同法第2条第2項)。児童買春罪の構成要件は以下4つに分類されます。
- 児童などに対して
- 対償を供与し、または、対償を供与する約束をして
- 児童に対して性交等をすること
- ①②③に対する故意
第1に、援助交際に対して児童買春罪が成立するには、「児童など」との間で対償を供与等する必要があります。ただし、金銭などを供与したり、供与する約束をする相手方は、児童本人だけに限られない点に注意が必要です。たとえば、児童に対する性交等の周旋をした者・児童の保護者・児童をその支配下に置いている者にお金を支払う約束をして児童と性交等をした場合にも、児童買春罪が成立します。
第2に、援助交際に対して児童買春罪が成立するには、児童などに「対償を供与し、または、対償を供与する約束をすること」が必要です。対償には現金だけではなく、高価なプレゼント、食事、債務の免脱なども含まれます。また、対償の金額は問われません。なお、対償の供与やその約束がなければ児童買春罪で逮捕されることはありませんが、青少年保護育成条例違反や不同意性交等罪で逮捕される可能性があります。
第3に、援助交際に対して児童買春罪が成立するのは、「児童に対して性交等をすること」が必要です。性交等には、性交だけではなく、性交類似行為や、自己の性的好奇心を満たす目的で児童の性器等を触ったり、児童に自己の性器等を触らせたりすることが含まれます。
第4に、児童買春罪は「故意犯」なので、援助交際が児童買春罪の容疑で逮捕されるには「故意」が必要です。児童買春罪における故意とは、「『18歳未満の児童と援助交際をすること』を認識・認容していたこと」を意味します。たとえば、援助交際の相手が明示的に18歳未満であることを示していなくても、援助交際前後の会話やメッセージのやり取りの雰囲気、相手の身体や所持品・着衣の様子などから、「18歳未満かもしれないし、18歳未満でも構わない」と認識・認容していた場合には、児童買春罪の故意が認定されるでしょう。これに対して、18歳未満であることを知りようもないようなケースでは本罪の故意は認められず不可罰です。
児童ポルノ製造罪
18歳未満の児童と援助交際をした際に動画・画像を撮影すると、「児童ポルノ製造罪」の容疑で逮捕される可能性が生じます。自動ポルノ製造罪の法定刑は、「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」です(児童ポルノ禁止法第7条各項)。
児童ポルノとは、「写真や電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、以下のいずれかに該当する児童の姿態を視覚によって認識できる方法によって描写したもの」を指します(同法第2条第3項)。
- 児童を相手方とする、または、児童による性交・性交類似行為に関する児童の姿態
- 他人が児童の性器等を触る行為や、児童が他人の性器等を触る行為に関する児童の姿態であって、性欲を興奮させたり刺激するもの
- 衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって、児童の性的な部位が露出・強調されているもののうち、性欲を興奮させたり刺激するもの
たとえば、援助交際相手の児童との性行為中の様子を撮影するケースが「児童ポルノ製造罪」の典型例として挙げられます。また、児童本人に自分の裸体を撮影させてLINEやDMなどで送信させたり、援助交際中の様子を隠し撮りしたりした場合にも、本罪が成立する可能性があります。
不同意わいせつ罪・不同意性交等罪
援助交際の相手の年齢次第では、金銭等の受け渡しがあったか否かにかかわらず、「不同意わいせつ罪」「不同意性交等罪」の容疑で逮捕される可能性があります。
まず、援助交際の相手が16歳未満のときは、わいせつな行為をしたことを理由に「不同意わいせつ罪」が成立します(刑法第176条第3項)。不同意わいせつ罪の法定刑は「6カ月以上10年以下の拘禁刑」です(同法第176条第1項)。
次に、援助交際の相手が16歳未満のときには、性交等をしたことを理由に「不同意性交罪」で逮捕されます(同法第177条第3項)。不同意性交等罪の法定刑は「5年以上の有期拘禁刑」です(同法第177条第1項)。
なお、援助交際の相手が13歳以上16歳未満のときには、不同意わいせつ罪・不同意性交等罪の容疑で逮捕されるのは「加害者が5歳以上年上の場合に限られます。
「援助交際はお金を支払うことを約束しているとはいえ、性交等について相手方の同意があるはず。それなのに『不同意』性交等罪や『不同意』わいせつ罪で逮捕されるのはおかしい」という理屈は通用しません。なぜなら、援助交際の相手が16歳未満の場合、自分の性的自由に対する考え方が未成熟だと考えられているからです。
したがって、16歳未満の相手と援助交際をしたときには、仮に相手方が同意をしていたとしても不同意わいせつ罪や不同意性交等罪という重い犯罪類型で逮捕されることになります。近年では、SNSなどを利用して小学生や中学生がパパ活や援助交際に手を染めているケースも少なくないので、安易な考えで援助交際をすると極めて厳しい刑事責任を追及されかねないでしょう。
青少年保護育成条例違反
18歳未満の相手と援助交際をした場合には、青少年保護育成条例(青少年保護条例・青少年健全育成条例・淫行条例)違反を理由に逮捕される可能性があります。
青少年保護育成条例とは、各自治体が青少年保護を目的として「青少年に対してしてはいけないこと・させてはいけないこと」などを定めている条例のことです。規定内容や罰則は自治体ごとに異なります。
たとえば、「東京都青少年の健全な育成に関する条例」では、「何人も、青少年とみだらな性交または性交類似行為を行ってはならない」として青少年に対する反倫理的な性交等を禁止しています(同条例第18条の6)。これに違反した場合には、「2年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑」の範囲で刑事罰が科されます(同条例第24条の3)。
出会い系サイト規制法違反
出会い系サイトなどを利用して援助交際相手を募集した場合には、「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(出会い系サイト規制法)」違反を理由に逮捕される可能性があります。
出会い系サイト規制法違反で逮捕されるのは、「18歳未満の児童を性交等の相手方になるように誘引したとき」です(同法第6条第1項第1号)。たとえば、「ホ別2、JCJK」などの書き込みをした場合には、実際に援助交際に至らなかったとしても本罪の処罰対象になります。
出会い系サイト規制法違反の法定刑は「100万円以下の罰金刑」です(同法第33条)。懲役刑がないので刑務所に服役することはありませんが、罰金刑でも前科扱いには変わらないので注意が必要です。
【注意!】援助交際は買春だからすべて逮捕される?パパ活はセーフ?
そもそも、援助交際は金銭を対価として性を売買する「売春・買春」に該当するので違法です(売春防止法第3条)。
ただし、売春防止法では売春・買春自体に対する罰則を置いていないので、「売春・買春自体は違法だが、刑事罰が科されることはないグレーゾーン」という扱いになっているのが実情です。
つまり、援助交際をして逮捕されるのは、「買春をしたから」という理由ではなく、「『児童』を相手に性交等をしたから」という理由に基づくということです。言い換えると、売春防止法に規定されるさまざまな違反行為類型に該当しない限り、18歳以上の相手と援助交際をしたとしても逮捕されることはありません。
また、ここまで紹介した犯罪類型が処罰対象にするのは「性交等、わいせつ行為、撮影」などに限られるので、たとえば、「食事をするだけ」「腕を組んでデートをするだけ」のパパ活で逮捕されることもないでしょう。ただし、パパ活という名目で募集をかけて、実際に遭ったときに性交等をしたときには、相手が児童に該当する限りにおいて、児童買春罪などの容疑で逮捕される可能性が生じます。
以上を踏まえると、「援助交際をしたから逮捕される」「パパ活なら逮捕されない」という画一的なラインで犯罪か否かが決められるのではなく、「援助交際やパパ活をしたときに被害者と何をしたのか、被害者は何歳だったのか」が逮捕されるか否かを左右するポイントになる考えられます。援助交際のシチュエーションによって刑事訴追リスクや防御方法が変わってくるので、心当たりがある方は、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談をしてください。
援助交際の容疑で逮捕されるときの刑事手続きの流れ
児童との援助交際が警察に発覚すると、以下の流れで刑事手続きが進められます。
- 児童との援助交際について警察から接触がある
- 児童との援助交際の容疑で逮捕された後は警察段階の取調べが実施される
- 援助交際について警察段階の取調べが終了すると送検される
- 児童との援助交際について検察段階の取調べが実施される
- 検察官が児童との援助交際事件を公訴提起するか判断する
- 児童との援助交際事件が公開の刑事裁判にかけられる
援助交際について警察から接触がある
児童との援助交際事件に関する刑事手続きは警察による接触からスタートします。
警察からの接触方法は以下3種類に分類されます。
- 通常逮捕(後日逮捕)
- 任意の出頭要請・事情聴取
- 現行犯逮捕や緊急逮捕
援助交際について通常逮捕される
過去の児童との援助交際が警察にバレると、「通常逮捕手続き」によって身柄が押さえられることがあります。
通常逮捕とは、「裁判官の事前審査を経て発付される逮捕令状に基づいて実施される身柄拘束処分」のことです(刑事訴訟法第199条第1項)。
事案によって異なりますが、通常逮捕手続きでは、平日早朝など被疑者が所在する可能性が高いタイミングで逮捕状をもった捜査員が自宅などにやってくることが多いです。
捜査員に逮捕状を呈示されるとその時点で身体・行動の自由が制約されます。たとえば、「連行される前に会社に電話連絡を入れたい」「今日は忙しいので別の日に出頭したい」などの要望は一切聞き入れてもらえません。
そして、その場で手錠をかけられて警察に連行されて、過去の援助交際事件に関する取調べが実施されます。
援助交際で通常逮捕される場合(通常逮捕の要件)
過去の援助交際が警察に発覚したとしても、すべての事件で通常逮捕手続きが実施されるわけではありません。
なぜなら、捜査機関が通常逮捕手続きに着手するには「逮捕令状」が必要ですが、以下2つの要件を満たすときにしか裁判官は逮捕状を発付しないからです(犯罪捜査規範第122条)。
- 「逮捕の理由」があること
- 「逮捕の必要性」があること
第1に、逮捕の理由とは、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること」のことを意味します。被疑者が児童と援助交際をしたことを示す客観的な証拠や被害者等の供述内容によって証明されます。
第2に、逮捕の必要性とは、「留置の必要性(身柄拘束をして取調べをする必要性)」のことです。具体的には、「逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとき」に逮捕の必要性があると判断されます。
以上を踏まえると、児童との援助交際事件で逮捕状が請求されるのは以下のようなケースと言えるでしょう。
- 住所不定・無職・職業不詳で逃亡するおそれがある場合
- 児童買春や痴漢、下着泥棒などの性犯罪の前科・前歴がある場合
- 他の援助交際や児童ポルノの製造、執拗な面会要求など、余罪への関与が疑われる場合
- 援助交際等の証拠物(スマートフォンやPCデータなど)を破壊・隠滅するおそれがある場合
- 警察からの任意の出頭要請を拒絶したり、事情聴取で犯行を否認した場合
- 援助交際の被害者側の処罰感情が強い場合
過去の児童との援助交際が警察にバレる理由
援助交際事件では、加害者の個人情報を被害者が知らないケースが少なくありません。また、援助交際をした児童自身も後ろめたさがあるので、わざわざ警察に通報されることはないようにも思えます。
しかし、児童と援助交際をした場合には、後日警察に犯行がバレて刑事訴追される可能性が高いです。なぜなら、以下のようなきっかけで警察が児童との援助交際事件を知ることになるからです。
- 繁華街などで補導・職務質問された児童が警察に援助交際の事実を白状する
- 児童のスマートフォン等を確認した保護者が援助交際の事実を知って警察に相談する
- 警察のサイバーパトロールがSNS上で援助交際をうかがわせる書き込みを見つける
- 児童ポルノの販売業者やサイト運営者が摘発された影響で動画像の投稿者まで捜査対象になる
- ホテル街やカラオケなどに設置された防犯カメラ映像から身元が特定される
特に、児童が援助交際やパパ活をしている場合には、お小遣いやアルバイトの範囲では到底購入できないような高価ブランド品などを所持していることが多いです。保護者や警邏・巡回中の捜査員が不信感を抱くポイントは意外と多いので、児童との援助交際事件は簡単に発覚します。
過去の児童との援助交際はいつまで通常逮捕されるリスクに晒されるのか
児童と援助交際をした場合、容疑をかけられている罪状に関する「公訴時効が完成」するまでは常に後日逮捕されるリスクを抱えたままです。
公訴時効とは、「犯罪行為から一定期間が経過することによって検察官の公訴提起権を消滅させる制度」のことです。児童と援助交際をしてから一定期間が経過すれば検察官に起訴処分を下される心配がなくなるので、逮捕されることもなくなります(ただし、任意ベースで事情聴取が実施される可能性は否定できません)。
問題は、「児童と援助交際をしてから何年経過すれば公訴時効が完成するのか」という点です。公訴時効期間は犯罪類型ごとに異なる期間が定められているため、また、2023年7月の刑法改正の関係で不同意性交等罪・不同意わいせつ罪の公訴時効も改正されたため、注意を要します(刑事訴訟法第250条各項)。
容疑をかけられている犯罪類型 | 公訴時効期間 |
---|---|
児童買春罪 | 5年 |
児童ポルノ公然陳列罪 | 5年 |
児童ポルノ所持罪 | 3年 |
児童ポルノ所持罪 | 3年 |
性的姿態撮影罪 | 3年 |
性的面会要求罪 | 3年 |
不同意性交等罪 | 15年 |
不同意わいせつ罪 | 12年 |
さらに、援助交際の相手が18歳未満の場合には、公訴時効の起算点が「援助交際の被害者が18歳に達する日」に後ろ倒しされるので、公訴時効完成による刑事責任の消滅を主張するには更に長期間を要することになります。
そもそも、捜査機関がどのような罪状で援助交際事件の捜査を進めているかを事前に知るのは不可能です。そして、援助交際被害者が18歳未満のケースでは、公訴時効完成まで最悪20年以上の期間を要する可能性も否定できません。これだけ長期間、警察から逃げ切るのは簡単ではないでしょう。逃亡生活中のどこかのタイミングで検挙されるに至ると、それまで築いた社会的地位や人間関係が一瞬で崩れ去ってしまいます。
したがって、過去に児童と援助交際をした心当たりがあるなら、現段階で性犯罪弁護に強い専門家に相談することを強くおすすめします。すみやかに示談交渉を開始すれば刑事事件化自体を回避できますし、自首や酌量減軽などの防御方法を駆使すれば刑事手続きを有利に進行できるでしょう。
援助交際について任意の出頭要請をかけられる
児童との援助交際が警察に発覚したとしても、事件の状況次第では、警察から任意の出頭要請や事情聴取を求められることがあります。
任意の出頭要請・事情聴取とは、「捜査対象者の同意を前提に実施される任意捜査」のことです(刑事訴訟法第197条第1項、同法第198条第1項)。
逮捕状に基づく取調べとは違って強制力がないので、「出頭要請に応じたくない」「取調べを受ける日程をスケジューリングしたい」「事情聴取を途中で切り上げて帰宅したい」などの要望はすべて通ります。
援助交際で任意の出頭要請がかけられる場合
児童との援助交際が警察に発覚したときに任意の出頭要請がかけられるのは「逮捕する必要がないとき」です。
具体的には、以下のようなケースで任意ベースでの捜査活動が選択されるでしょう。
- 氏名・住所・職業が明らかで逃亡のおそれがない場合
- 過去の援助交際について素直に自供して真摯に反省している場合
- 児童ポルノ製造や性的面会要求罪などの余罪に関与した疑いがない場合
- 援助交際の被害者側の処罰感情が強くない場合
- スマートフォンデータなどの証拠物を素直に提出して証拠隠滅のおそれがない場合
- 前科・前歴がない場合
- 警察からの連絡を無視していない場合
警察による任意の出頭要請には素直に応じた方が良い
建前上、任意の出頭要請や事情聴取に応じるかは「捜査対象者側の自由」です。「過去の援助交際について警察にいろいろと聞かれるのは怖い」「仕事が忙しいので出頭したくない」という理由から、出頭要請や事情聴取を拒否しても、それ自体にペナルティが与えられることはありません。
ただ、捜査機関から任意の出頭・事情聴取の要請がかかったときには素直に応じた方が良いでしょう。なぜなら、任意の出頭要請や事情聴取に応じない姿勢によって「逃亡・証拠隠滅のおそれがある」と判断されて通常逮捕手続きに移行する危険性が高いからです。
同じように援助交際について事情聴取をされる以上、刑務所に収監されて外部と連絡が取れない状況で実施される通常逮捕手続きよりも、好きなタイミングで帰宅できて社会生活への影響をある程度回避できる任意捜査手続きの方がメリットが大きいのは言うまでもありません。
任意の出頭要請に応じる前に弁護士へ相談をして、供述内容や取調べへの対応方法についてアドバイスをもらいましょう。
援助交際の容疑で現行犯逮捕・緊急逮捕される
児童と援助交際をしたときには、現行犯逮捕や緊急逮捕によって身柄が拘束される可能性もゼロではありません。
第1に、現行犯逮捕とは、「現行犯人(現に罪を行い、または、現に罪を行い終わった者)に対する身柄拘束処分」のことです(刑事訴訟法第212条第1項)。たとえば、明らかに児童と思われる学生服を着用した女性とスーツ姿のサラリーマンがラブホテルから出てきたところを検挙されるケースが挙げられます。
また、現行犯逮捕は無令状で誰でも行うことができるので(私人逮捕)、たとえば、援助交際の現場を撮影しているユーチューバーにホテル街で取り押さえられた場合にも、児童買春罪の容疑での現行犯逮捕が成立する可能性があります(同法第213条)。
第2に、緊急逮捕とは、「一定の重大犯罪の容疑がかかっている被疑者に対して、令状発付手続きを履践する時間的余裕がない緊急を要する場合に、先に身柄拘束を行って事後的に逮捕状の発付請求をする逮捕処分」のことです(同法第210条第1項)。たとえば、ホテル街をひとりで徘徊している人物を職務質問したところ、当該人物に対して児童買春に関する被害届が多数出されていることが判明したようなケースでは、緊急逮捕によって身柄が拘束される可能性があります。
援助交際で逮捕されると警察段階の取調べが実施される
援助交際で逮捕されると、警察段階の取調べが実施されます。
警察段階で実施される強制的な取調べには「48時間以内」という時間制限が設けられています(刑事訴訟法第203条第1項)。この身柄拘束期限が到来する前に、警察は被疑者から供述を引き出して、他の証拠書類と合わせて検察官に送致します。
警察段階で身柄拘束付きの取調べが実施されている間は、帰宅することは許されず留置場・拘置所に身柄が留められます。また、接見禁止処分が付されることが多いので、弁護士以外の第三者は家族であっても面会することができません。さらに、逮捕された段階でスマートフォンなどの所持品はすべて取り上げられるので、家族や会社に電話連絡を入れることも不可能です。
援助交際事件が送検される
警察段階の取調べが終了すると、児童との援助交際事件が検察官に送致されます(刑事訴訟法第246条本文)。
なお、児童との援助交際事件について「微罪処分」を期待するのは難しいでしょう。
微罪処分とは、「捜査活動を実施した刑事事件について警察限りの判断で手続きを終結させる刑事処分」のことです。「被害者との示談交渉が済んでいる」「検察官があらかじめ指定した極めて軽微な犯罪類型に該当すること」などの諸条件を満たす場合には微罪処分扱いになりますが、児童買春罪や不同意性交等罪は微罪処分の対象にはなりません。
したがって、児童との援助交際事件が児童買春罪などの容疑で逮捕された場合には、「送検後に不起訴処分を獲得すること」「『留置の必要性がないこと』を示して早期の身柄釈放を目指すこと」を防御活動の目標にするべきでしょう。
援助交際について検察段階の取調べが実施される
児童との援助交際事件が送検された後は、検察段階の取調べが実施されます。
検察段階の取調べは、原則として「24時間以内」です(刑事訴訟法第205条第1項)。事件を引き継いだ検察官は、「警察段階48時間と検察段階24時間の合計72時間」の取調べで得られた証拠・供述を前提に、援助交際事件を公訴提起するか否かを判断します。
ただし、児童との援助交際事件の事情次第では、原則的な「72時間以内」の取調べでは公訴提起判断に必要な証拠を充分に収集できないケースも少なくありません。
そこで、「やむを得ない理由」によって「72時間以内」という時間制限を遵守できない場合には、検察官による勾留請求が認められています(同法第206条第1項)。検察官による勾留請求が認められた場合には、援助交際の犯人の身柄拘束期間は「10日間~20日間」の範囲で延長されます(同法第208条各項)。
児童との援助交際事件について勾留請求が認められる「やむを得ない理由」として、以下のものが挙げられます。
- 本罪以外にも他にも児童との援助交際をした疑いがある場合
- 児童ポルノの製造や公然陳列などの余罪への関与が疑われる場合
- ホテル街の防犯カメラ映像やスマートフォンのデータ解析に相当の時間を要する場合
- 児童との援助交際事件について被疑者が黙秘・否認している場合
- 被害児童の参考人供述に時間を要する場合
- 児童との援助交際事件に関する供述内容に矛盾点や疑問が残る場合
- 衣服についた体液や皮膚片などのDNA鑑定や現場の実況見分に相当の時間を要する場合
つまり、児童との援助交際事件について勾留請求されると、公訴提起までに最大23日間身柄拘束される可能性があるということです。
身柄拘束期間が長期化すると、不起訴処分を獲得できたとしても日常生活にかなりの悪影響が生じるので、援助交際事件で逮捕された場合には、「早期の身柄釈放」「不起訴処分獲得」を目指して防御活動をするべきでしょう。
援助交際について公訴提起するか検察官が判断する
逮捕・勾留による身柄拘束期限が到来するまでに、検察官が児童との援助交際事件について起訴・不起訴を決定します。
起訴処分とは「児童との援助交際事件を公開の刑事裁判にかける旨の訴訟行為」のことです。これに対して、不起訴処分とは「児童との援助交際事件を公開の刑事裁判にかけず、検察限りの判断で刑事手続きを終結させる旨の意思表示」を意味します。
注意を要するのは、日本の刑事裁判の有罪率が99%以上であるという点です。つまり、刑事裁判にかけられた時点(検察官が起訴処分を下した時点)で有罪になることがほぼ確定的になるということです。有罪判決や前科を回避するには、検察官による公訴提起判断の際に、なんとしても不起訴処分を獲得する必要があります。
検察官による不起訴処分を獲得するには、被害者との間での示談成立は不可欠です。できるだけ早いタイミングで性犯罪弁護や示談実績豊富な私選弁護人に依頼をして、不起訴処分獲得を目指してもらうべきでしょう。
- 嫌疑なし:児童と援助交際をしていない誤認逮捕のケース
- 嫌疑不十分:児童との援助交際を立証する充分な証拠が存在しないケース
- 起訴猶予:児童との援助交際を立証する証拠は揃っているが、示談成立や反省の態度等の諸般の事情を総合的に考慮すると、刑事裁判にかける必要はないケース
したがって、冤罪事件以外のケースで不起訴処分獲得を目指すなら、「起訴猶予処分」獲得を目指した防御活動が不可欠だと考えられます。
援助交際事件が公開の刑事裁判にかけられる
検察官が起訴処分を下すと、児童との援助交際事件が公開の刑事裁判にかけられます。
公開の刑事裁判が開廷される時期は、「起訴処分から1カ月~2カ月後」のタイミングです。起訴後勾留が続くと日常生活に復帰できないままなので、起訴処分が下された時点ですみやかに保釈請求手続きを行いましょう(保釈されるには保釈金の納付が必要です。日本保釈支援協会の借入制度を利用できるので、詳しくは弁護士までご相談ください)。
公訴事実に争いがなければ第1回の公判期日で結審し、後日判決が言い渡されます。これに対して、冤罪を主張する場合や、「18歳未満だとは知らなかった」などの錯誤主張をする場合などでは、複数の公判期日を経て弁論手続き・証拠調べ手続きが行われることになります。
児童買春罪や不同意性交等罪で逮捕・起訴された場合には、一発実刑の可能性も否定できません。執行猶予付き判決を獲得するには、「3年以下の懲役刑・禁錮刑・50万円以下の罰金刑の言渡しを受けたとき」という要件を満たす必要があるので(刑法第25条第1項)、刑事裁判経験豊富な私選弁護人の協力のもと、酌量減軽や自首減軽などの防御活動を展開してもらいましょう。
援助交際で逮捕されたときに生じるデメリット6つ
児童との援助交際で逮捕されたときには、以下6点のデメリットに晒されます。
- 児童に対する性犯罪の容疑で逮捕されると長期間身柄拘束される可能性が高い
- 児童との援助交際が会社にバレると懲戒処分を下される
- 児童との援助交際が学校にバレると退学処分等を下される
- 児童との援助交際が配偶者にバレると離婚問題に発展しかねない
- 児童との援助交際で逮捕・起訴されると前科がつく
- 児童との援助交際事件が実名報道されると社会的制裁が加えられる
長期間身柄拘束される
児童との援助交際が警察に発覚して逮捕された場合、長時間の身柄拘束を強いられる可能性が高いです。
たとえば、児童買春罪の1罪だけで逮捕・勾留されたとしても、捜査段階だけで最大23日間の身柄拘束が生じます。また、起訴後勾留されると、最終的な判決が確定するまで数カ月に及ぶ拘置所生活が続きます。さらに、実刑判決が確定すると、そのまま刑務所に収監されるので、刑期を満了するまでの数年間日常生活に復帰することができません。
捜査手続き段階で数週間の身柄拘束を強いられると、勤務先や学校にバレるリスクが高まります。特に、会社には自分の口で直接欠勤の旨を伝えることができないですし、数週間に及ぶ欠勤が続くと不信感を抱かれざるを得ないでしょう。これでは、不起訴処分を獲得できたとしても日常生活に支障が生じかねません。
以上を踏まえると、児童との援助交際で逮捕された場合には、「勾留を回避すること」が何より重要だと考えられます。「留置の必要性がないこと」をアピールするには早期の示談成立が不可欠なので、示談実績豊富な私選弁護人にすみやかに交渉に着手してもらいましょう。
会社にバレると懲戒処分の対象になる
児童との援助交際の容疑で逮捕されると、会社から懲戒処分を下される可能性が高いです。
懲戒処分の内容は「就業規則」に規定されている懲戒事由によって決定されます。性犯罪に対しては厳しい目を向けられることが多いので、「戒告・譴責・減給・出勤停止・降格・諭旨戒告・懲戒解雇」のなかでも重い処分を覚悟しなければいけません。
「どうしても会社からの懲戒処分を回避したい」と希望するなら、「会社にバレずに刑事手続きを終結させること」を目標に防御活動を展開する必要があるでしょう。「在宅事件処理」「勾留回避」によって身柄拘束期間を短縮化することで会社バレのリスクは最大限軽減できるので、早期の示談成立を目指しましょう。
学校にバレると退学処分等の対象になる
児童との援助交際で逮捕されたことが学校にバレると、学則・校則の規定にしたがって何かしらの処分が下される可能性が高いです。
たとえば、訓告・停学・出勤停止などの処分でとどまることもあれば、退学処分が下されることもあるでしょう。
会社員が援助交際で逮捕されたケースと同じように、学校からの処分を回避するには「学校バレ」を防ぐしかありません。早期の示談交渉や誠実な取調べ対応によって、逮捕・勾留という身柄拘束処分を回避することが重要です。
配偶者にバレると家族関係が壊れる
児童との援助交際で逮捕されたことを同居家族に隠し通すのは不可能に近いです。
特に、配偶者や子どもに性犯罪の事実を知られると、家族関係は崩れ去ってしまいます。逮捕歴や前科は「法定離婚事由」に該当するので、配偶者から離婚を申し入れられると離婚を回避することはできません。また、親権や慰謝料などの面でも不利な条件を突き付けられるでしょう。
現在の家族関係を守りたいのなら、「逮捕」という身柄拘束処分を受けることなく援助交際事件を終結させるしか方法は残されていません。捜査機関が逮捕手続きに着手する前に被害者との示談成立を実現できれば在宅事件処理の可能性がかなり高まる(場合によっては刑事事件化自体を回避できる)ので、できるだけ早いタイミングで弁護士へ相談をして示談交渉を開始してもらいましょう。
援助交際で逮捕・起訴されると前科がつく
児童との援助交際を理由に逮捕・起訴されると、ほとんどのケースで有罪判決が言い渡されて前科がつきます。
前科とは、「有罪判決を受けた経歴」のことです。実刑判決だけではなく、執行猶予付き判決や罰金刑も前科の対象です。
前科がつくと、今後の社会生活に以下のデメリットが生じます。
- 前科情報は履歴書の賞罰欄に記載しなければいけないので、就職活動・転職活動が困難になる
- 前科がつくと就業制限が生じる資格・職種がある(士業・警備員・金融業など)
- 前科歴は「法定離婚事由」に該当する
- 前科の内容次第ではビザやパスポートの制限がかかるので、海外渡航が禁止される
- 前科者が再犯に及ぶと、刑事手続きや判決内容が重くなる可能性が高い
これらのデメリットを避けるには、「刑事裁判で無罪を獲得すること」ではなく、「検察官の公訴提起判断時に不起訴処分を獲得すること」が防御活動の目標になります。
なお、「前科情報は戸籍や住民票に記載される」「”前科名簿”はインターネットで検索できる」「前科がつくと住宅ローンを組めなくなる」と噂されることもありますが、これらはすべて間違いです。
援助交際事件が報道されると社会的制裁が加えられる
児童との援助交際は話題性を集める事件なので、ニュース番組で実名報道される可能性も否定できません。
そして、一度でもニュース報道されてしまうと、SNSやネット記事で身元が特定されるので、顔写真などの個人情報が未来永劫残り続けてしまいます。もちろん、弁護士に依頼することで名誉棄損記事に対して削除申請手続きを進めることは可能ですが、Web上のすべての情報を抹消するのは簡単ではないでしょう。
実名報道のリスクを回避するには、援助交際をした事実が警察に発覚する前に示談交渉を進めて被害申告自体を予防するしか方法は残されていません。加害者本人が示談交渉を申し入れても交渉が決裂するのは目に見えているので、示談実績豊富な弁護士に示談交渉を代理してもらいましょう。
援助交際で逮捕されるか不安なときに弁護士へ相談するメリット5つ
児童との援助交際で逮捕されるか不安なときや、ご家族が援助交際で逮捕されてしまったときには、できるだけ早いタイミングで弁護士まで相談することを強くおすすめします。
なぜなら、性犯罪弁護や刑事事件を専門に扱っている弁護士に相談することで、以下5点のメリットが得られるからです。
- 援助交際の被害者と早期に示談交渉を開始してくれる
- 児童との援助交際について自首するべきか判断してくれる
- 児童との援助交際で逮捕された後、少しでも軽い刑事処分獲得を目指してくれる
- 身柄拘束された被疑者と密に接見機会をもって防御活動を支えてくれる
- 被疑者の境遇を踏まえた弁護活動を期待できる
援助交際の被害者と早期に示談交渉を進めてくれる
児童と援助交際をしたときには、捜査状況の如何にかかわらず、できるだけ早期に被害者本人や被害者家族との間で示談交渉を進めるのが重要です。
示談とは、「援助交際事件の加害者・被害者(家族)との間で示談条件について話し合い、民事的解決を図るために和解契約を締結すること」を意味します。
どのような内容の示談条件を設定するかは当事者が自由に決定できますが、一般的な援助交際事件の示談条件では以下の項目が掲げられることが多いです。
- 加害者が被害者に対して示談金を支払う(支払い方法、支払い期日は交渉可能)
- 被害者は提出済みの被害届・告訴状を取り下げる(被害申告済みのケース)
- 被害者は被害届・告訴状を提出せずに示談契約締結を終局的解決にする(被害申告していないケース)
- 被害者は捜査機関や裁判所に「処罰感情がない」旨を伝える
たとえば、被害申告前に示談成立に成功すれば、警察に知られずに援助交際事件を解決済みにできます。逮捕・勾留による身柄拘束を受けることも有罪判決が下されることもないので、学校・会社・家族に隠し通すことも可能でしょう。
また、警察に被害申告された後でも、示談成立によって刑事手続きを有利に進めることも期待できます。たとえば、逮捕されずに在宅事件として処理されたり、すぐに逮捕処分が解かれたり、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得しやすくなったりします。
- 弁護士が就任していなければ警察経由で被害者側の連絡先を入手しにくい
- 性犯罪被害者側は感情的になっていることが多いので加害者本人では交渉のテーブルさえ設けてもらえない
- 被害者側から示談相場と乖離した示談条件を提示されて合意形成に至らない
- 仕事や日常生活と並行しながら被害者と示談交渉をするのは労力がかかる
特に、不同意性交等罪などの重罪の嫌疑がかかると、厳格な制限時間のなかで粛々と刑事手続きが進行してしまいます。悠長に示談交渉を進めている間に、逮捕・勾留・起訴とステージが進んでしまうので、示談交渉は「早期の合意形成」を意識しましょう。
援助交際について自首するべきか判断してくれる
児童との援助交際について警察が捜査を開始していない段階なら「自首」という選択肢も有効です。
自首とは、「まだ捜査機関に発覚しない前に、犯人自ら進んで援助交際に及んだ事実を申告し、刑事処罰を求める意思表示」のことです(刑法第42条第1項)。自ら犯罪事実を申告した点が好意的に捉えられて、刑事裁判で任意的減軽を受けられたり、重い刑事処分を回避できたりします。
ただし、警察がすでに捜査活動を開始している状況なら「自首」による恩恵は受けられません。また、公訴時効完成間近なら、わざわざ数年前の援助交際事件について警察に自首するメリットは少ないでしょう。
捜査実務に詳しい弁護士へ相談すれば、援助交際事件の詳細を丁寧に聴き取ったうえで、現段階で自首するべきか否か冷静に判断してくれるでしょう。
援助交際事件について少しでも軽い処分獲得を目指してくれる
以下のように、性犯罪弁護や刑事事件の実績豊富な弁護士に依頼すれば、刑事手続きの各段階に応じて少しでも有利な処分獲得を目指して尽力してくれるでしょう。
- 逮捕前なら「刑事事件化自体の回避」「在宅事件処理」
- 逮捕後なら「早期の身柄釈放」「勾留回避」
- 逮捕・勾留後なら「不起訴処分の獲得」「略式手続き利用による早期終結」
- 起訴後なら「罰金刑・執行猶予付き判決の獲得」
以上を踏まえると、刑事手続きの初期段階から弁護士に相談をしておいた方が防御活動の選択肢が広がることが分かります。
少なくとも、「過去の援助交際事件なんて今さら立件されるわけないだろう」と油断をするのではなく、念のために弁護士へ問い合わせをして今後想定される刑事手続きや防御方法について確認をしておくべきでしょう。
弁護士接見の機会を通じた熱心なサポートを期待できる
刑事事件に強い「私選弁護人」に依頼すれば、逮捕された後すぐに接見機会を作ってくれるので、想定される取調べに対する供述方針を明確化できるでしょう。また、厳しい取調べが続くなか、自分の味方になってくれるのは弁護士だけなので、励みにもなるはずです。
もちろん、逮捕された被疑者には「当番弁護士」を利用する権利が与えられているので、わざわざ個別に私選弁護人を選任する必要もないように思えます。
ただ、当番弁護士制度を利用しても援助交際事件に強い弁護士がやってくるとは限りませんし、弁護士の年齢・性別・性格なども選べない点に注意が必要です。相性が悪い弁護士が当番弁護士制度でやってきても交代を求めることはできません。
どのような弁護士を選任するかによって被疑者の今後が決定付けられます。示談交渉や援助交際事件の経験豊富な信頼できる私選弁護人にご依頼のうえ、厳しい刑事手続きを懸命にサポートしてもらいましょう。
被疑者の境遇を踏まえた弁護活動を期待できる
刑事事件に強い弁護士は、犯罪加害者が抱える個別事情を踏まえて社会復帰の後押しをしてくれます。
たとえば、不起訴処分や執行猶予付き判決などの有利な刑事処分を獲得するには、「更生を目指す環境」を整備する必要があります。被疑者の関係者に連絡をして身元引受人を探してくれたり、生活費支援に向けたアドバイスを提供してくれたりするでしょう。また、援助交際加害者のなかには性依存症などの精神疾患を抱えている場合があるので、カウンセリング施設やNPO法人を紹介してくれたりします。
性犯罪からの本当の意味での更生を目指すなら、刑事手続き以外の面にも配慮したケアが不可欠です。刑事事件や性犯罪弁護などを通じて生活支援を含むノウハウを有する弁護士を頼って、社会復帰を目指しましょう。
援助交際はバレると逮捕される可能性が高い!早期に弁護士へ相談しよう
未成年との援助交際は警察に発覚すると逮捕される可能性が高い犯罪です。特に、刑法改正などもあって未成年者に対する犯罪には厳しい目が向けられる傾向が強いので、初犯でも一発実刑があり得る状況だということをご理解ください。
この実情を踏まえると、過去に児童と援助交際をした経験があるのなら、「できるだけ早いタイミングで示談交渉に着手すること」が何より重要だと考えられます。弁護士への依頼によって示談交渉の早期成立を期待できるので、警察から連絡があるか否かにかかわらず、すみやかに示談実績豊富な弁護士までご相談ください。