押し付け痴漢とは、故意に異性の体に自分の体を密着させたり触れたりする行為を指します。直接手で触れるものではないため、被害者からすると「たまたま当たっただけなのかもしれない…」と感じ、泣き寝入りしてしまう人が多いです。
一方、そのつもりがないにも関わらず、押し付け痴漢を疑われて刑事罰に発展してしまうケースも珍しくはありません。
そこで今回は、押し付け痴漢となり得る行為の具体例や、疑われてしまった場合の対処法について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
目次
押し付け痴漢となり得る行為とは
押し付け痴漢とは、故意に体を密着させたり陰部を密着させたりする行為を指します。押し付け痴漢も当然痴漢行為とみなされ、最悪の場合は逮捕される可能性があるため注意しなければいけません。
まずは、押し付け痴漢とはどういった行為が該当するのか、誤って当たってしまった場合は痴漢に該当するのか?について、詳しく解説します。
故意に体を密着させる行為
押し付け痴漢とは、故意に体を密着させる行為を指します。たとえば、満員電車内で近くにいた異性に対して行為に体を押し付ける行為は、押し付け痴漢に該当します。
他にも、とくに密接していない状況下で明らかに近い距離に行き、実際に接触し、相手が不快に思った場合も押し付け痴漢に該当すると考えて良いでしょう。
「相手に触れよう」「相手の近くに行こう」など何らかの意識を持って寄ってしまうと、痴漢行為に該当するため注意しなければいけません。
故意に淫部を密着させる行為
故意に陰部を密着させる行為も押し付け痴漢に該当します。先に解説した「故意に体を密着させる行為」よりも悪質であり、痴漢として逮捕される可能性が高くなります。
故意に体を密着させる行為の場合、とくに満員電車等の場合であれば故意かどうかの判断が難しいです。そのため、痴漢として立証するのが難しいのが現実です。
しかし、陰部を押し付ける行為の場合は、加害者にならないように最低限の自衛ができるため、行った時点で故意があったと認められやすくなってしまいます。
手の甲や腕などを使って胸やお尻に触れる行為
手の甲や腕などが異性のお尻や胸等に触れてしまう行為も、押し付け痴漢に該当する可能性があります。当然、故意がなければ痴漢としては成立しないものの、相手が不快に思い痴漢行為と認識されてしまうこともあるでしょう。
その結果、痴漢行為と認識されて周囲の人に取り押さえられたり、そのまま逮捕されたりするといった可能性もあり得ます。たとえ故意がなかったとしても思わぬトラブルに巻き込まれてしまうため、十分に注意する必要があるでしょう。
押し付け痴漢で逮捕されるには「故意」が必要
押し付け痴漢であると認められるためには、「故意」が必要です。故意とは、その行為を行おうと考える意思のことです。つまり、「この人に体を密着させよう」「押し付け痴漢でさりげなく胸やお尻に触れよう」などと考えて行う行為を指します。
つまり、満員電車で電車が揺れて近くにいた異性に流れて体が触れてしまった、という状況であれば故意ではありません。あくまで不可抗力です。よって、押し付け痴漢に該当はしません。
しかし、電車が揺れる動作に合わせて、故意に腕や手、もしくは陰部を異性の体に押し付けたり触れたりした場合は押し付け痴漢に該当します。
故意の有無は行為を行った本人にしかわかりません。とはいえ、相手が不快に思えばトラブルになる可能性があるため、間違われないためには自衛がとても大切です。
押し付け痴漢で逮捕される可能性がある罪状
押し付け痴漢を行った場合、通常の痴漢と同様に逮捕されてしまう可能性があります。その際の罪状となるのは、以下の通りです。
- 迷惑防止条例違反
- 不同意わいせつ罪
基本的には、痴漢をした場合と同じです。それぞれの法定刑や成立要件について詳しく見ていきましょう。
迷惑防止条例違反
迷惑防止条例とは、各都道府県で定められている条例です。そのため、細かい部分が各都道府県によって異なる可能性があるため注意してください。
東京都の場合、以下のように定められています。
第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
つまり、押し付け痴漢含むすべての痴漢行為が迷惑防止条例違反に該当します。もし、本条例で逮捕されてしまった場合は、6カ月以下の懲役もしくは50万円位かの罰金を科されます。
不同意わいせつ罪
不同意わいせつ罪は、刑法によって定められている法律であり、以下の通り定められています。
第百七十六条 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
引用:刑法|第176条
不同意わいせつ罪は、同じ痴漢行為であってもより悪質な行為に対して適用されます。たとえば、押し付け痴漢であっても陰部を露出し、被害者の体に無理やり押し付ける行為は悪質であると判断される可能性があります。
とくに悪質であると判断された場合は、同罪が適用されるため6カ月以上10年以下の懲役と非常に重たい刑罰を科される可能性があるため注意してください。
押し付け痴漢で逮捕された場合の流れ
押し付け痴漢を行った場合、その場で逮捕されてしまう可能性もあります。万が一、逮捕されてしまった場合の流れについても見ていきましょう。
逮捕後48時間以内に事件を送致
押し付け痴漢を行った場合に起こり得る逮捕の種類は、以下の通りです。
- 現行犯逮捕
- 通常逮捕(後日逮捕)
痴漢行為の場合、その場で逮捕されてしまうケースが多いです。この場合、現行犯逮捕になります。現行犯逮捕は一般人でも行うことができ、これを「私人逮捕」と言います。
たとえば、押し付け痴漢の被害者の人が「この人痴漢です!」と大きな声を出し、周りの人とみんなで加害者のことを取り押さえて警察に引き渡したとしましょう。この場合、取り押さえられた時点で私人逮捕が成立しています。
なお、私人逮捕が成立するためには以下の要件を満たしていなければいけません。
- 現行犯もしくは準現行犯であること
- 軽度の犯罪の場合は、住所や氏名などの個人情報が明らかではなく、逃亡の恐れがあること
逆にいえば、上記を満たしていない場合は私人逮捕が認められません。よって、会社の名刺や身分証明書を提示してその場を離れても良いです。もし、身分を明かしているにもかかわらず拘束しようとする場合は、相手が監禁罪等に問われる可能性があります。
とりあえず、その場をやり過ごせたとしましょう。その日は、日常生活に戻れるかもしれませんが、後日、逮捕状を持った警察官があなたの前に現れて逮捕されるかもしれません。これを通常逮捕と言います。
いずれかの方法で逮捕された場合は、そのまま警察署へ連行されて取り調べを受けます。その後、48時間以内に検察官へ事件を送致しなければいけません。取り調べを受けている48時間以内は、基本的に留置所に収容されます。
つまり、逮捕後最初に起こるのは48時間の身柄拘束と取り調べ、事件の送致です。
痴漢後に逃亡した場合は後日逮捕の可能性
押し付け痴漢を行い、誰にも知られることなくその場を離れられたとしても、後日逮捕状を持った警察官が通常逮捕しに来るかもしれません。その場を離れられたから安心、といった認識は持たないほうが良いでしょう。
送致後24時間以内に勾留の有無を判断
事件を受け取った検察官は、さらに24時間以内に勾留の有無を判断しなければいけません。勾留とは、身柄を拘束したまま取り調べを続ける必要があるかどうかの判断です。
勾留請求が認められるためには、以下の要件を満たしている必要があります。
- 住所が定まっていない
- 証拠隠滅の可能性がある
- 逃亡の恐れがある
上記いずれかの理由に加え、罪を犯したと疑う相当な理由があることが条件です。この条件を満たしていなければ、勾留請求を行っても認められません。
ちなみに、この時点で弁護士等に相談をしておけば、勾留の必要性がないことを説明して早期釈放に向けて動いてくれます。そのため、できるだけ早く弁護士へ相談したほうが良いです。
なお、勾留請求の有無判断までで72時間(3日間)身柄を拘束されていることになります。会社や学校等に影響がで始めるため、早期の釈放を目指して動いたほうが良いでしょう。
勾留されずに釈放された場合は、在宅捜査へ切り替わります。日常生活に戻りながら検察等から呼び出しがあった際には行き、取り調べを受ける流れです。
最長20日間の勾留
勾留請求が認められた場合は、10日間身柄を拘束されます。また、必要であると判断された場合は、さらに10日間の延長が可能です。
よって、勾留請求が認められると、最大で20日間勾留される可能性があります。この時点で合計23日間は留置所内で過ごすことになり、勤務先等にも多大な影響を与えることになり得るでしょう。
起訴・不起訴の判断
勾留されている場合は、勾留期間中に起訴・不起訴の判断をします。在宅捜査の場合は、必要な捜査が終了した時点までに起訴・不起訴の判断をする流れです。
もし、被害者との示談が成立している等の理由から不起訴となった場合は、即時釈放されてそのまま日常生活に戻れます。今後、同じ事件で罪に問われることはなくなります。無罪放免とは異なりますが、同じようなものであると考えておけば良いでしょう。
起訴された場合は被疑者から被告人に変わります。そして、留置所から拘置所へ移動することになります。在宅起訴の場合は、身柄を拘束されることは原則ありません。また、略式起訴となった場合は、罰金等を支払って事件は終了します。
起訴された場合は刑事裁判を受ける
起訴された場合は、そのまま刑事裁判を受けます。勾留されたまま起訴された場合は、拘置所から地方裁判所へ出向いて公判を行います。在宅起訴された場合は、在宅のまま公判日に裁判所へ行って公判を受けなければいけません。
判決に応じて罰則を受ける
刑事裁判を受けて最終的には判決を受けます。刑事罰には以下の種類があります。
- 科料
- 罰金
- 拘留
- 拘禁刑(※)
- 死刑
法改正により懲役刑と禁固刑が廃止され、拘禁刑に変わりました。拘禁刑は、刑務作業を行わせることもできますし、更生教育を受けさせることもできます。よって、懲役刑と禁固刑両方の意味合いを持つ刑罰であると考えれば良いです。
押し付け痴漢の場合は科料〜拘禁刑の間で刑罰を受けることになるでしょう。拘禁刑となった場合は、そのまま刑務所へ移送されて刑罰を受けます。
科料や罰金刑等の場合は、お金を支払って事件が終了します。もし、罰金等を支払えない場合は、1日5,000円程度で労役場留置されることになるでしょう。
押し付け痴漢で逮捕された場合に早期釈放を目指す方法
押し付け痴漢で逮捕されてしまった場合、可能な限り早く釈放されるためにはポイントを押さえて正しく行動する必要があります。次に、押し付け痴漢で逮捕された場合に、早期釈放を目指す方法を解説します。
弁護士へ相談をする
押し付け痴漢で逮捕されてしまった場合、すぐにでも弁護士へ相談しましょう。現行犯で逮捕された場合は、すぐその場で相談をします。後日逮捕の場合は、逮捕された時点で相談をします。
とくに現行犯逮捕の場合は、すぐに弁護士へ連絡をすることで身柄を拘束されることなくそのまま解放される可能性があります。実際に犯行を行っているかどうかは関係ありません。
ちなみに、弁護士を呼ぶ際は痴漢に強い弁護士を呼びましょう。検索をかけるとすぐに見つかります。緊急であれば時間や曜日に関係なく駆けつけてくれることが多いです。
後日逮捕(通常逮捕)の場合に弁護士を呼ぶ方法は、以下の通りです。
- 当番弁護士を呼ぶ
- 国選弁護人へ依頼する
- 私選弁護人へ依頼する
逮捕された場合はそのまま留置されますが、その際に警察官へ「当番弁護士を呼んでほしい」と伝えてください。もしくは、逮捕された家族の人から「当番弁護士を付けて欲しい」と相談することも可能です。
当番弁護士を呼んで欲しいと伝えれば、警察から弁護士会へ連絡を行ってくれます。
国選弁護人は勾留請求が認められた場合に付けられます。勾留質問時に私選弁護人がいない場合は、裁判官から「国選弁護人を付けますか?」と聞かれるので「はい」と答えれば良いです。
ただし、国選弁護人は勾留請求時に初めて付けてもらえます。よって、逮捕〜勾留が行われることが前提であり、長期間釈放されない可能性があります。そのため、私選弁護人への相談や当番弁護士への早期相談を行ったほうが良いです。
私選弁護人はいつでも自分のタイミングでいつでも付けることができます。私選弁護人を選ぶ際は、可能な限り早い段階で相談しておくことで早期の釈放が可能となるでしょう。
被害者と示談交渉を進めておく
早期釈放を目指すために、被害者との示談交渉を進めておきましょう。示談交渉が成立していて、被害者の処罰感情がないもしくは低い場合は、不起訴処分となる可能性もあります。そのため、仮に勾留されていても刑事裁判へ移行することなく釈放されるかもしれません。
なお、示談交渉は被害者対加害者で行うものですが、基本的には弁護士へ依頼をして行います。被害者側は加害者に会いたくない、顔を合わせたくないと考えているケースが多いため、第三者が話を進めていくのが理想であるためです。
そのため、自分に付いてくれている弁護士へ相談をして示談交渉を進めてもらうと良いでしょう。
反省している態度を示す
実際に押し付け痴漢を行ってしまったのであれば、素直に罪を認めて反省している態度を示しましょう。その上で、逃亡の恐れがない、証拠隠滅の可能性がないということを感じてもらう必要があります。そうすることで早期釈放も目指せるでしょう。
故意ではないのに押し付け痴漢で逮捕!どう対応する?
押し付け痴漢の場合、「当たってしまった」という事態も起こり得ます。故意ではなく、あくまでも不可抗力で当たってしまった。しかし、相手は「痴漢をされた」と認識してしまうケースがあります。
この場合、どのように対応すれば良いのか悩まれる人も多いでしょう。次に、押し付け痴漢を疑われてしまった場合の対処法について解説します。
「痴漢をしていない」と告げる
まず、押し付け痴漢を疑われた場合、絶対に「痴漢をしていない」「故意ではない」とはっきり伝えましょう。
ここで触れてしまったことについては、あえて認める必要はないでしょう。たとえば相手に「私の足に下半身を押し付けましたよね?」などと聞かれた場合、そういった認識がなければ、「意識的にそのようなことは行っていない」とはっきり伝えるべきです。
「当たったかもしれないが、それは故意ではない」などと言ってしまうと、加害者側が故意ではないことを証明しなければいけません。実は、故意ではないことを証明するのは非常に困難であるため、発言には十分注意するべきです。
とにかく「痴漢はしていない」「故意に押し付けるような行為は行っていない」とはっきり伝えることが大切です。
可能な限り証人を集める
押し付け痴漢を疑われた場合、周囲にいた人など可能な限り証人を集めましょう。そして、疑われている際に「この人は、そのような行為を行っていない」と証言してもらいましょう。
また、押し付け痴漢の場合は満員電車の揺れによって、不可抗力で当たってしまう可能性も否定できません。そのような状況下であった場合も、周囲の人に「混雑がひどく、当たってしまうのも致し方ない状況であった」などと証言をしてもらいましょう。
周りからの証言によって、「故意はなかった」と認識されます。結果的に、逮捕されたり拘束されたりする可能性が低くなります。
駅員室へは行かずにその場で弁護士を呼ぶ
痴漢冤罪において、駅員室にいってしまうと負け、私人逮捕(現行犯逮捕)が成立したものと思ってください。そのため、誰に何を言われようと、絶対に駅員室にはいかないでください。
「私は駅員室には行きません!」と宣言をした上で、すぐに弁護士を呼んでください。その後の対処法について具体的なアドバイスをしてくれます。
また、私人逮捕は「身分が明らかではなく、逃亡や証拠隠滅の可能性がある場合のみ」認められるものです。よって、駅員室には行かずに名刺や身分証明書を提示した上でその場を離れるのも有効です。ただし、すぐに弁護士へ相談しておくのが得策でしょう。
もし、無理やり駅員室に連れて行かれそうになったり、その場を離れようとしているのに無闇に拘束しようとすると、相手に監禁罪等が適用される可能性があります。その旨を伝えてその場を収めるようにしてください。
【前提】痴漢に間違われないように対策を行うことが大切
押し付け痴漢に間違われてしまった場合、たとえ「故意」がなくても刑事事件に発展してしまう可能性があります。また、刑事事件に発展してもなお、「故意ではない!」と主張していると、反省していないとみなされます。
結果的に釈放されることなく裁判まで進んだり、より重い刑罰を受けたりするなど、自分自身が不利になるでしょう。
そのため、大前提として押し付け痴漢冤罪に巻き込まれないよう、自分自身で対策しておく必要があります。最後に、具体的な対策方法についても解説します。ぜひ参考にしてください。
不必要に異性の近くに寄らない
不必要に異性の近くによらないことが、押し付け痴漢冤罪に巻き込まれない対策も有効策です。仕方なく異性の近くによらざるを得ない場合は、背中をむける、カバンを挟むなどできるだけ接触をしないように努力するべきです。
自分にそのつもりがなくても、誤って触れてしまうことによってトラブルに発展する可能性があります。とくに、押し付け痴漢の場合は故意ではないにも関わらず、刑事事件へ発展するケースがとても多いです。
そのため、痴漢が起こり得る環境を可能な限り作らないように努力すると良いでしょう。
できるだけ両手を顔より高い位置に置く
できるだけ両手を自分の顔よりも高い位置におくようにすると良いでしょう。また、手荷物はリュックにするなど工夫をして電車に乗るようにしましょう。
仮に、両手を上に挙げている状態で押し付け痴漢に間違われてしまった場合、周囲の人に「この人は両手を上に挙げていたため、痴漢はできません」と証言してもらえます。また、異性との間にカバンやリュック等を挟んでおけば、物理的に押し付け痴漢はできません。
万が一疑われた場合、上記のような証言があれば自分が有利になります。まずは持ち物を工夫し、両手を上に上げるようにしましょう。
人が密着するような車両等には乗らない
押し付け痴漢冤罪に巻き込まれないためには、人が密着するような車両には乗らないなど、根本的な部分の解決が必要です。たとえば、電車の時間をずらしたり、通勤方法をその他の公共交通機関に変える、自転車や自家用車に変えるなどの工夫です。
どうしても密着する電車に乗らなければ難しい場合は、先に解説した対策方法を実行するべきでしょう。
まとめ
今回は、押し付け痴漢について解説しました。
押し付け痴漢も立派な痴漢行為であり、故意的に行っているのであれば刑事罰を受ける対象になり得ます。しかし、故意ではなく無意識もしくは不可抗力によって、当たってしまったというケースも珍しくはありません。
そういった場合は、もちろん犯罪行為ではなく刑事罰を受けることはないでしょう。しかし、「故意ではない証明」は非常に難しく、間違われてしまうととても不利になってしまいます。
そのため、そもそも押し付け痴漢に間違われないように工夫をする必要があります。自分自身で必要な対策を行い、万が一疑われてしまった場合は、すぐに弁護士へ相談をしましょう。