準強姦行為が不同意性交等罪の容疑で逮捕されるとどうなる?弁護士に示談交渉を依頼するメリットを解説

準強姦行為が不同意性交等罪の容疑で逮捕されるとどうなる?弁護士に示談交渉を依頼するメリットを解説
準強姦行為が不同意性交等罪の容疑で逮捕されるとどうなる?弁護士に示談交渉を依頼するメリットを解説

従来「準強姦罪」として逮捕・処罰されていた行為は、刑法改正によって「不同意性交等罪」の適用を受けることになりました。

そして、準強姦行為が不同意性交等罪の容疑で立件されると、逮捕・勾留によって長期間身柄拘束されたうえで、実刑判決などの厳しい刑事処罰が下される可能性が高いです。

そこで今回は、過去に起こした準強姦事件を理由に後日逮捕されるか不安を抱えている方や、ご家族が準強姦行為について現行犯逮捕された方のために、以下5点について分かりやすく解説します。

  1. 準強姦に関する刑法改正
  2. 不同意性交等罪の構成要件や法定刑
  3. 準強姦行為が不同意性交等罪の容疑で逮捕されたときの刑事手続きの流れ
  4. 準強姦行為が不同意性交等罪の容疑に問われたときに生じるデメリット
  5. 準強姦行為が不同意性交等罪で立件されたときに弁護士へ相談するメリット

不同意性交等罪は刑法典の中でも極めて重い犯罪類型に位置付けられるため、初犯でも逮捕処分が下される可能性が高いです。

その一方で、捜査機関が動き出す前に示談交渉に着手すれば、在宅事件化を実現できたり、刑事事件化自体を回避できる道も残されているので、出来るだけ早いタイミングで刑事弁護に強い専門家までご相談ください

目次

準強姦罪は刑法改正で不同意性交等罪に一本化された

準強姦行為が適用される罪状や性交同意年齢に対する考え方などが順次改正されて、性犯罪の厳罰化が進められています。

まずは、準強姦をめぐる法改正の流れや現行の不同意性交等罪の構成要件・法定刑について解説します。

刑法改正前の準強姦罪とは

まず、1908年~2017年まで準強姦行為に対して適用されていた「準強姦罪(改正前刑法第178条)」は以下の特徴を有する犯罪類型として規定されていました。

手段・状況 被害者を心神喪失・抗拒不能の状態にすること、その状態に乗じること
処罰対象の性行為等 姦淫(男性器を女性器に挿入すること)
被害者・加害者 被害者は女性のみ、加害者は男性のみ
性交同意年齢 13歳(13未満に対する姦淫は無条件で刑事処罰の対象)
公訴時効 10年
親告罪 親告罪
有期懲役の範囲 2年~15年(1908年~2004年)
3年~20年(2005年~2017年)

刑法改正前の準強制性交等罪とは

次に、2017年~2023年まで準強姦行為に対して適用されていた「準強制性交等罪(改正前刑法第178条第2項)」は以下の特徴を有する犯罪類型として規定されていました。

手段・状況 被害者を心神喪失・抗拒不能の状態にすること、その状態に乗じること
処罰対象の性行為等 性交・肛門性交・口腔性交(男性器を女性器・肛門・口腔内に挿入すること、させること)
被害者・加害者 性別を問わない(男性・女性ともに被害者・加害者になり得る)
性交同意年齢 13歳(13未満に対する性交・肛門性交・口腔性交は無条件で刑事処罰の対象)
公訴時効 10年
親告罪 非親告罪
有期懲役の範囲 5年~20年
その他特記事項 ・集団強姦罪、集団強姦致死傷罪の廃止
・監護者性交等罪、監護者わいせつ罪を新設

刑法改正後の不同意性交等罪とは

ここからは、最新の刑法改正によって2023年7月13日から施行された「不同意性交等罪刑法第177条第1項)」について解説します。

不同意性交等罪の構成要件

不同意性交等罪は、「以下に掲げる行為または事由によって、同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態にさせて、または、その状態にあることに乗じて、性交・肛門性交・口腔性交・膣や肛門に身体の一部や物を挿入した場合」に成立する犯罪類型のことです(刑法第177条第1項)。また、「行為がわいせつなものではないと誤信させたり、行為をする者について人違いをさせることによって性交等に及んだ場合」も不同意性交等罪として処罰されます(同法第177条第2項)。

  • 暴行・脅迫を用いること、または、それらを受けたこと
  • 心身の障害を生じさせること、または、それがあること
  • アルコールや薬物を摂取させること、または、それらの影響があること
  • 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること、またはその状態にあること
  • 同意しない意思を形成・表明・全うするいとまがないこと
  • 予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕させること、または、その恐怖・驚愕していること
  • 虐待に起因する心理的反応を生じさせること、または、それがあること
  • 経済的・社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること、またはそれを憂慮していること

たとえば、改正前は「アルコールによって酩酊状態になった被害者をそのまま姦淫する場合」などに準強姦罪や準強制性交等罪が成立するとされていましたが、改正刑法では、「アルコールによって性交等に対して同意しない意思を形成することが困難な状態にさせることにより、性交等に及んだこと(同法第177条第1項第3号)」を理由に、不同意性交等罪で処断されることになります。

なお、不同意性交等罪の成否について「婚姻関係の有無」は一切問題になりません。夫婦関係にある当事者間で、夫が妻を酩酊状態にして性交等に及んだ場合にも、不同意性交等罪は成立します。

不同意性交等罪の法定刑

不同意性交等罪の法定刑は、「5年以上の有期懲役刑」です(刑法第177条第1項第3号)。

後述のように、執行猶予付き判決を獲得するには、「3年以下の懲役刑・禁錮刑・50万円以下の罰金刑の言渡しを受けたとき」という要件を満たさなければいけません(刑法第25条第1項)。

つまり、自首減軽や酌量減軽などによって言渡し予定の判決内容を軽減しなければ、完全初犯の被疑者でも一発実刑を下される可能性が高いということです。

実刑判決を下されると刑期を満了するまで社会生活から断絶されて更生が困難になるので、可能であれば、被害申告によって捜査機関が動き出す前に弁護士へ相談をして示談交渉を開始するのが理想でしょう。

不同意性交等罪の改正ポイント

2023年の刑法改正では、不同意性交等罪の新設による犯罪の構成要件の見直しだけではなく、性犯罪について以下のような抜本的な変更が加えられました。

手段・状況 「法定された8類型の行為・状況」「わいせつな行為ではないと勘違いさせたり、人違いさせる」によって、被害者が同意しない意思を表すことが難しい状態にすること、または、その状態に乗じること
処罰対象の性行為等 性交・肛門性交・口腔性交・体の一部を膣や肛門に挿入すること、させること
被害者・加害者 性別を問わない(男性・女性ともに被害者・加害者になり得る)
性交同意年齢 16歳
※13未満に対する性交・肛門性交・口腔性交などは無条件で刑事処罰の対象
※被害者が13歳以上15歳以下の場合は、加害者が5歳以上年上の場合に限り、無条件で刑事処罰の対象
公訴時効 15年
親告罪 非親告罪
有期懲役の範囲 5年~20年
その他特記事項 ・性的面会要求罪、性的姿態撮影罪を新設
・強制性交等罪及び準強制性交等罪が同一犯罪類型に統合

以上のように、2023年の刑法改正によって、従来の準強姦罪によりも幅広い範囲の行為類型が処罰対象に含まれ、また、重い刑事責任を科されるようになりました。

性犯罪厳罰化の流れを酌むと、準強姦事件が警察に発覚した時点で本格的に捜査活動が展開されることが予測されます。

少しでも有利に刑事手続きを進めて、かつ、不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得を目指すなら、刑事事件に強い弁護士への相談は不可欠です。すみやかに示談交渉に着手するなどの防御活動に尽力してもらうべきでしょう。

準強姦事件を起こしたときに立件される可能性がある他の犯罪類型

不同意性交等罪は未遂犯も処罰対象です(刑法第180条)。不同意性交等未遂罪の法定刑は、既遂犯と同じく「5年以上の有期懲役刑」と扱われます。「強姦しようとしたが失敗に終わった」としても実行の着手が認められる時点で厳しい刑事責任を科される可能性があるので、迷うことなく弁護士までご相談ください。

また、準強姦事件を起こした過程で被害者に死傷結果が生じた場合には、不同意性交等致傷罪不同意性交等致死罪の容疑で逮捕されます(同法第181条第2項)。不同意性交等致死傷罪の法定刑は「無期懲役刑または6年以上の懲役刑」と定められていることを踏まえると、余程の事情がなければ実刑判決を回避するのは難しいでしょう。

さらに、被害者に対して性的な行為に及んだものの、実際に性交等をするのではなく「わいせつ行為」にとどまる場合には、「不同意わいせつ罪(同法第176条第1項)」「不同意わいせつ未遂罪(同法第180条)」「不同意わいせつ致死傷罪(同法第181条第1項)」の罪に問われることもあります。したがって、「強姦をしたわけではないから逮捕はされないだろう」と油断するのは厳禁です。

準強姦が不同意性交等罪の容疑で逮捕されたときの刑事手続きの流れ

準強姦行為が不同意性交等罪で逮捕されたときの刑事手続きは以下の流れをたどります。

  1. 警察に逮捕される
  2. 警察段階の取調べが実施される
  3. 検察段階の取調べが実施される
  4. 検察官が起訴・不起訴を決定する
  5. 公開の刑事裁判にかけられる

準強姦行為が原因で警察に逮捕される

準強姦事件が捜査機関に発覚すると、警察に逮捕されます。

逮捕手続きは「通常逮捕・現行犯逮捕・緊急逮捕」の3種類に分類され、準強姦事件と犯人が発覚したシチュエーションによってどの手続きが選択されるか異なります。

通常逮捕

通常逮捕とは、「裁判官の事前審査を経て発付される逮捕令状に基づいて実施される身柄拘束処分」のことです(刑事訴訟法第199条第1項)。

たとえば、準強姦事件についての容疑が固まったときには、平日早朝など被疑者が自宅などに所在することが明らかなタイミングを見計らって、逮捕状を所持した捜査員がやってきて身柄拘束されます。

通常逮捕手続きが実施されると、警察署への連行を拒絶することはできません。また、スマートフォンなどの所持品はその時点ですべて取り上げられるので、家族や会社に電話連絡を入れることも不可能です。

過去の準強姦事件が警察にバレる原因

過去に起こした準強姦事件は、被害者が強姦被害に遭った直後に110番通報したり、後日警察署に出頭して被害届・告訴状を提出することによって捜査機関に発覚します。

また、見ず知らずの被害者に対して準強姦事件を起こした場合、防犯カメラ映像や犯人の所持しているスマホに残っている映像データなどから犯行が露見することもあるでしょう。

さらに、逃走車両のナンバープレートや公共交通機関利用時のICカードの登録情報などから簡単に身元特定されます。

過去の準強姦事件が通常逮捕される具体例

逮捕状が発付されるのは、「逮捕の理由(被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること)」「逮捕の必要性=留置の必要性(被疑者の身柄を強制的に拘束した状態での取調べを実施する必要性)」という2つの要件を満たしたときです。

過去の準強姦事件が警察に発覚して通常逮捕手続きに移行するのは以下のようなケースです。

  • 住所不定・無職・職業不詳で逃亡するおそれがある場合
  • 性犯罪に関わらず何かしらの前科・前歴がある場合
  • 複数の準強姦事件への関与が疑われる場合
  • 準強姦事件の証拠物(犯行当時に着用していた衣服や犯行時に使用した薬品、スマホデータなど)を隠滅するおそれがある場合
  • 準強姦事件によって甚大な被害が生じた場合(被害者が怪我を負っているなど)
  • 準強姦事件の被害者の処罰感情が強い場合
  • 準強姦犯人に反省の態度が見られずに更に犯行を重ねる危険性がある場合
  • 準強姦事件について任意の出頭要請を拒絶した場合
  • 準強姦事件に関する任意の事情聴取で黙秘・否認をした場合や供述内容に矛盾点が存在する場合

ただし、性犯罪厳罰化の動きが強いこと、また、不同意性交等罪は重大犯罪に分類されることを踏まえると、準強姦事件が露見した場合にはほとんどのケースで逮捕状が請求されると覚悟しておきましょう。

身柄拘束処分の回避を目指すなら警察が捜査機関を実施する前から示談交渉などの防御活動をスタートする必要があるので、準強姦事件について見に覚えがあるなら、できるだけ早いタイミングで弁護士までご相談ください

不同意性交等罪の公訴時効

準強姦事件を起こしたとしても、将来にわたって逮捕されるリスクに晒され続けるわけではありません。

なぜなら、不同意性交等罪には公訴時効制度が適用されるからです。ただし、刑法改正で不同意性交等罪の公訴時効期間にも変更があった点に注意が必要です。

まず、従来の準強姦罪・準強制性交等罪の10年よりも延長されて、不同意性交等罪の公訴時効期間は15年です(刑事訴訟法第250条第3項第2号)。また、不同意性交等致傷罪の公訴時効期間も20年に延長されています。

次に、原則として不同意性交等罪の公訴時効は「犯罪行為が終わったとき(性交等が終了したとき)」を起算点としますが、不同意性交等罪の被害者が18歳未満の場合、例外的に「被害者が18歳に達する日」に公訴時効期間の起算点がズレらされる点にも特徴があります。

このように、過去の準強姦事件について”時効逃げ切り”を狙うのはかなり厳しいのが実情です。準強姦事件を起こしてから数年が経過していきなり被害申告がされると、それまで積み重ねた社会的地位などがある日いきなり崩れ去ってしまうということもあり得ます。

したがって、過去に準強姦事件を起こしたご記憶があるのなら、問題を先送りにするのではなく、出来るだけ早いタイミングで弁護士へ相談をして示談交渉をスタートしてもらったり、今後刑事事件化する可能性などについて検討してもらうべきでしょう。

現行犯逮捕

現行犯逮捕とは、「現に罪を行い、または、罪を行い終わった者(現行犯人)に対する身柄拘束処分」のことです(刑事訴訟法第212条第1項)。

通常逮捕とは異なり、現行犯逮捕では逮捕状は必要とされません(令状主義の例外)。また、警察官だけではなく一般私人にも現行犯逮捕をする権限が与えられています(同法第213条)。

たとえば、準強姦行為に及んでいる最中に意識を取り戻した被害者が抵抗をして、110番通報でかけつけた警察官に逮捕されるケースが挙げられます。

現行犯逮捕は「犯行現場」で行われるのが典型例ですが、「以下4つの要件のいずれかを満たす者が、罪を行い終わってから間がないと明らかに認められるとき」には「準現行犯人」として現行犯逮捕と同様の扱いを受けることになります(刑事訴訟法第212条第2項)。

  • 準強姦犯人として追呼されているとき
  • 贓物や明らかに準強姦行為の用に供したと思われる薬品などの証拠物を所持しているとき
  • 身体や被服に準強姦に及んだ顕著な証跡があるとき
  • 「レイプ犯だ!」と誰何されて逃走しようとするとき

たとえば、準強姦事件を起こして数時間が経過して数キロメートル離れた状態であったとしても、犯行と時間的・場所的連続性があると認められる限りで、無令状の準現行犯逮捕が実施される可能性があります。「現場から逃走したからひとまず安心」というわけではないので、準強姦行為に及んでから間もない段階なら、捜査機関に強制的に身柄を拘束される前に、すみやかに弁護士へ連絡をすることを強くおすすめします。

緊急逮捕

現行犯逮捕や準現行犯逮捕が適用される以外の場面で、犯人であることが明らかなのに、常に事前の逮捕状発付手続きが必要であるとすると、被疑者が逃亡してしまい、その後の逮捕が極めて困難になるケースもあり得ます。

たとえば、準強姦行為に及んだことを理由に指名手配されていた人物が繁華街を歩いているところを捜査員が発見したとき、現行犯逮捕の要件を満たすわけではなく、また、通常逮捕のために逮捕状を請求する時間的な余裕もありません。

そこで、長期3年の自由刑にあたるか、それより重い罪に及んだことを疑うに足りる十分な理由がある場合で、かつ、急速を要し、逮捕状を求めるゆとりがないときには、その理由を告げるだけで被疑者を「緊急逮捕」できるとされています(刑事訴訟法第210条第1項前段)。なお、身柄拘束処分実施後に、逮捕状の請求手続きが行われます(同法第210条第1項中段)。

特に、不同意性交等罪のような重大犯罪が警察に発覚している場合、被疑者の容貌や個人情報などは全国の警察に共有されている可能性が高いです。「犯行に及んだ地域から離れて生活すれば逮捕されないだろう」と安易に考えても公訴時効完成まで逃げ切るのは現実的には難しいので、弁護士の協力を受けながら被害者との示談交渉を進めて刑事責任・民事責任の両面について早期解決を目指すのが適切でしょう。

【注意!】準強姦行為が警察にバレても常に逮捕されるわけではない

不同意性交等罪は刑法典のなかでも相当重罪に位置付けられるので、準強姦行為が警察に発覚したときには逮捕手続きが採られるのが一般的です。

ただし、すべての準強姦事件が常に強制処分の対象になるわけではありません。なぜなら、上述のように、逮捕状が発付されるには「逮捕の理由」「逮捕の必要性」の2要件を満たす必要があるところ、準強姦事件の状況次第では「逮捕の必要性」の要件を満たさない場合があり得るからです。

逮捕状の発付要件を満たさない場合、強姦事件の加害者の身柄は強制的に拘束されることはありません。あくまでも任意をベースに、警察や検察官から呼び出しがあったタイミングで出頭をして取調べを受け、事情聴取が終了すれば普段通りの生活に戻ることが許されます(「在宅事件」と呼ばれます)

たとえば、準強姦事件に以下のような事情が存在する場合には、逮捕手続きではなく在宅事件として刑事手続きが進められます。

  • 氏名・住所・職業が明らかで逃亡のおそれがない
  • 準強姦事件の被害者との間で示談成立済み(被害者に処罰感情がない)
  • 準強姦事件における被害が比較的軽微(致傷などが存在しない)
  • 準強姦やわいせつ関係の余罪に関与した疑いがない
  • 前科・前歴がない初犯
  • 準強姦行為について自供しており、真摯に反省している
  • 準強姦をめぐる任意の出頭要請に誠実に応じている
  • 準強姦に関する任意の事情聴取における供述内容に矛盾がない
  • 準強姦事件に関する証拠物を隠滅するおそれがなく、素直に捜査機関に提出している
「逮捕されずに在宅事件処理になったから安心」と油断してはいけません。なぜなら、強制処分である逮捕手続きと任意捜査とでは「身柄拘束の有無」という点で違いがあるに過ぎないからです。たとえば、任意捜査である在宅事件として扱われたとしても、捜査活動の結果、起訴処分(在宅起訴)が下されて実刑判決が確定することもあります。したがって、身柄拘束処分の有無にかかわらず、不同意性交等罪の容疑をかけられたときには、不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得を目指した防御活動が不可欠です。出来るだけ早いタイミングで弁護士に依頼をして、被害者との示談交渉などに尽力してもらいましょう。

準強姦行為について警察から取調べを受ける

準強姦行為が発覚して不同意性交等罪の容疑で逮捕されると、強制的に警察署に連行されます。警察署への連行は拒絶できません。

そして、警察署において取調べが実施されます。取調べ自体に対してどのような態度をとるかは自由です。たとえば、完全黙秘をする、弁護士が来るまでは供述を拒む、嘘の供述をする、素直に犯行を自供するなど、どのような態度をとってもペナルティが科されることはありません。ただし、取調べ自体を拒絶することはできません。

また、警察段階で身柄が押さえられている間、取調室で尋問等が行われる以外のときは留置場・拘置所に身柄が留められます。たとえば、取調べ以外のタイミングに帰宅したり出社することは禁止されています。さらに、逮捕された段階で所持品はすべて取り上げられるので、たとえば自分のスマートフォンを使って家族や会社に連絡することも不可能です。

なお、警察段階で実施される取調べの制限時間は「48時間以内」です(刑事訴訟法第203条第1項)。

なお、準強姦行為について不同意性交等罪の容疑をかけられた場合、いわゆる「微罪処分」を獲得するのは不可能です。微罪処分とは「捜査活動を実施した事件を送検することなく警察限りの判断で刑事手続きを終結させる事件処理類型」のことです(刑事訴訟法第246条但書、犯罪捜査規範第198条)。微罪処分の対象は極めて軽微な犯罪(窃盗罪など)に限られるため、不同意性交等罪のような重大犯罪は微罪処分の対象外です。したがって、準強姦行為について捜査活動がスタートされた以上、検察段階の取調べまではかならず覚悟しなければいけません。刑事手続きの負担軽減を目指すなら早期の示談成立が不可欠なので、刑事弁護の実績豊富な専門家までご相談ください

準強姦行為について検察官から取調べを受ける

準強姦について警察段階の取調べが終了すると、事件・証拠物・身柄が検察官に送致されます(刑事訴訟法第246条本文)。

警察段階と同じく、逮捕処分に基づく検察官段階の取調べも拒絶することはできません。身柄拘束期間中に身体・行動の自由が制限される点も同様です。

検察段階で実施される取調べの制限時間は「原則24時間以内です(同法第205条第1項)。警察段階48時間と検察段階24時間の「合計72時間以内」に得られた証拠・供述を前提に、検察官が準強姦事件を公訴提起するか否かを判断します。

ただし、「やむを得ない事由」によって72時間の制限時間を遵守できないときには、検察官の勾留請求によって身柄拘束期間を延長することが認められています(同法第206条第1項)。裁判所が勾留状の発付を認めた場合、身柄拘束期間は「例外的に10日間~20日間」の範囲で延長されます(同法第208条各項)。

準強姦事件の捜査活動における「やむを得ない事由」として、以下の項目が挙げられます。

  • 同種手口の準強姦事件や他の性犯罪(児童ポルノ製造・盗撮・痴漢・わいせつ系の犯罪)など、余罪への関与が疑われる場合
  • 準強姦事件に関連する防犯カメラ映像などの解析に時間を要する場合
  • 参考人聴取や実況見分に時間を要する場合
  • 準強姦事件について被疑者が黙秘・否認をしている場合
  • 準強姦事件に関する供述内容に矛盾点や疑問が残る場合

以上を踏まえると、準強姦行為が不同意性交等罪の容疑で逮捕・勾留された場合、最長23日間身柄拘束されるリスクに晒されると考えられます。

仮に不起訴処分を獲得できたとしても、身柄拘束期間が長期化するだけで日常生活にさまざまな支障が生じかねません。

「不起訴処分や執行猶予判決の獲得」だけではなく「身柄拘束の回避・期間の短縮化」も重要な防御目標になるので、準強姦事件が刑事事件化した場合には、出来るだけ早いタイミングで優秀な私選弁護人に相談することを強くおすすめします

警察段階・検察段階の取調べについての制限時間は「刑事事件単位」でカウントされます。つまり、複数の準強姦事件が立件された場合、それぞれの事件ごとに再逮捕・再勾留が繰り返されるので、最終的な起訴・不起訴が判断されるまでに数カ月もの期間を要することもあり得るということです。身柄を押さえられる期間を少しでも短くするには、示談交渉だけではなく供述方針などについても工夫が必要なので、捜査実務に詳しい私選弁護人のアドバイスを参考にしてください

準強姦事件ついて検察官が起訴・不起訴を判断する

検察段階の取調べが終了すると、検察官が準強姦事件を公訴提起するか否か(起訴処分か不起訴処分か)を決定します。

  • 起訴処分:準強姦事件を公開の刑事裁判にかける旨の訴訟行為
  • 不起訴処分:準強姦事件を公開の刑事裁判にかけることなく検察限りの判断で刑事手続きを終結させる旨の意思表示

日本の刑事裁判の有罪率は99%を超えると言われています。つまり、刑事裁判にかけられた時点で有罪判決が確定するということです。

したがって、有罪判決や前科を回避するには「起訴処分を避けること」が重要な防御目標になると考えられます。

準強姦事件が公開の刑事裁判にかけられる

検察官が準強姦事件について起訴処分を下した場合、公開の刑事裁判を受けなけばいけません。

公開の刑事裁判が開廷されるタイミングは、起訴処分から1カ月~2カ月後です。公訴事実に争いがなければ第1回公判期日で結審して後日判決が言い渡されます。これに対して、被害者の同意があったと争うタイプの否認事件では、複数の公判期日をかけて弁論手続き・証拠調べ手続きが行われます。

不同意性交等罪の容疑で起訴されると、一発実刑の可能性も否定できません。実刑判決が確定すると刑期を満了するまで刑務所への服役を強いられるので、社会復帰のハードルがますます高まります。

したがって、準強姦行為が原因で起訴されたときには、「執行猶予付き判決」獲得が重要な防御目標になると考えられます。刑事裁判経験豊富な私選弁護人のサポートを受けながら、実刑判決回避を目指してください。

なお、不同意性交等罪の法定刑は「5年以上の有期懲役刑」だけなので、いわゆる「略式手続き(略s気裁判・略式起訴・略式命令)」で簡易簡便に刑事手続きを終結させることはできません。なぜなら、略式手続きは「簡易裁判所の管轄に属する刑事事件について100万円以下の罰金刑が想定されるとき」を対象とする刑事手続きだからです(刑事訴訟法第461条)。

準強姦罪(不同意性交等罪)で逮捕されたときのデメリット6つ

準強姦行為について不同意性交等罪の容疑をかけられたときに生じるデメリット以下6点です。

  1. 逮捕・勾留によって長期間身柄拘束される可能性が高い
  2. 起訴後勾留が続く可能性が高い
  3. 実名報道のリスクに晒される
  4. 会社にバレる懲戒処分を下される可能性が高い
  5. 学校にバレると退職処分等を下される可能性が高い
  6. 実刑判決が下されて刑務所への服役を強いられる
  7. 刑事責任を果たした後も「前科」によるデメリットに悩まされ続ける

逮捕・勾留によって長期間身柄拘束される可能性が高い

準強姦行為(不同意性交等罪)の容疑で逮捕されると、長期間にわたって身柄拘束される危険性があります。

そもそも、準強姦事件のような重大犯罪の場合、逮捕されても72時間以内での公訴提起判断は期待しにくいのが実情です。特別な防御活動を展開しなければ、勾留請求によって最低でも10日間の延長は覚悟しなければいけません

また、起訴されてすぐ保釈請求が通るとは限らず、起訴後勾留により「公訴提起から2カ月(その後1カ月ずつ更新可能)」は身柄拘束され続ける可能性もあります(刑事訴訟法第60条第1項、第2項)。

逮捕・起訴前勾留・起訴後勾留によって隔離される期間が伸びるほど、実生活に生じる悪影響が大きくなります。たとえば、会社バレ・学校バレのリスクは高まりますし、数カ月出社しないだけで懲戒処分・退学処分の対象になりかねません。また、数カ月履歴書に空白期間が生じるだけで、転職活動の難易度が高まってしまうでしょう。

実名報道のリスクに晒される

準強姦事件を起こして逮捕された場合、実名報道のリスクに晒されます。

報道番組やネットニュースは、「有罪判決が下されたタイミング」ではなく、「逮捕されたとき」に事件を報道するのが一般的です。つまり、示談交渉などの防御活動を尽くして不起訴処分を獲得できたとしても、逮捕された以上は常に報道リスクが生じるということです。また、準強姦事件のような性犯罪は社会的関心が高いトピックなので、他の犯罪に比べると報道される危険性は高いと言えるでしょう。

準強姦事件の詳細が顔写真や氏名付きで報道されると、身の回りの人たちに刑事事件を起こしたことがバレます。また、今後就職活動や転職活動を行うときに、氏名をネット検索されただけで過去の性犯罪が明るみに出てしまいます

会社にバレると懲戒処分を下される可能性が高い

準強姦事件を起こしたことが会社にバレると、懲戒処分の対象になります。

懲戒処分の種類は「戒告、譴責、減給、出勤停止、降格(降職)、諭旨解雇、懲戒解雇」に大別され、どの処分内容になるかは就業規則の懲戒規定に則って決定されますが、不同意性交等罪のような重大犯罪を起こした場合には、懲戒解雇処分が下されても文句は言えないでしょう。

学校にバレると退学処分等を下される可能性が高い

準強姦事件が原因で逮捕されたことが学校にバレると、学則・校則にしたがって何かしらの処分が下されます

どのような処分が下されるかは学校サイドの考え方次第ですが、刑事事件に対して比較的寛容で学生の更生をサポートする意向が強い学校なら「停学処分、出席停止、戒告」などの軽い処分で済むこともあるでしょう。

これに対して、不同意性交等罪という犯罪の悪質性を重く捉える学校の場合には、「退学処分」が下される可能性も否定できません。

実刑判決が下されて刑務所への服役を強いられる

不同意性交等罪の容疑で逮捕・起訴されると、実刑判決によって服役を強いられる可能性が高いです。

不同意性交等罪の法定刑は「5年以上の有期懲役刑」なので、実刑判決が確定すると向こう数年間社会生活から完全に隔離されます。会社生活・学校生活だけではなく、家族関係や恋人・友人との関係性にも大きな変化が生じるでしょう。また、刑務所の生活自体がかなり過酷なので、心身への甚大なストレスを避けられません。

刑事責任を果たした後も「前科」によるデメリットに悩まされ続ける

不同意性交等罪の容疑で有罪になると、刑事罰を科されるだけではなく、将来にわたって「前科」によるデメリットが付きまといます。

前科とは、「有罪判決を下された経歴」のことです。実刑判決だけではなく、執行猶予付き判決が確定したときにも、前科がつきます

前科者になると、今後の生活に以下の支障が生じます。

  • 前科の有無は履歴書の賞罰欄に記載しなければいけないので、就職活動や転職活動が不利になる
  • 前科があるだけで就けない仕事・資格がある(金融業、士業、警備員など)
  • 前科は「法定離婚事由」に該当するので、配偶者が離婚を申し出ると拒絶できない
  • 不同意性交等罪のような性犯罪の前科が身辺調査で発覚すると、結婚しにくくなる
  • 前科を理由にビザ・パスポートが発給制限されると、海外渡航や海外旅行をしにくくなる
  • 前科者が再犯に及ぶと刑事処罰の内容が重くなる可能性が高い

ここまで紹介したデメリットを回避・軽減するには、「出来るだけ早いタイミングで弁護士に依頼をすること」「性犯罪弁護に強い弁護士の支援を受けること」の2点が重要です。

当サイトでは刑事事件に強い弁護士を多数掲載中ですので、アクセスの良い信頼できそうな法律事務所までお問い合わせください

準強姦罪(不同意性交等罪)で逮捕されるか不安なときに弁護士へ相談するメリット6つ

準強姦罪(不同意性交等罪)で逮捕されるか不安なときに弁護士へ相談するメリットは以下6点です。

  1. 準強姦事件の被害者との間で示談交渉を進めてくれる
  2. 準強姦事件について自首するべきか判断してくれる
  3. 身柄拘束期間の短縮化に向けた弁護活動を期待できる
  4. 少しでも有利な刑事処分獲得に向けて尽力してくれる
  5. 接見機会を利用してさまざまなアドバイスを提供してくれる
  6. 被疑者が抱える性依存症などの問題にも目を向けてくれる

なお、準強姦事件を起こしたときには、「私選弁護人」と契約することを強くおすすめします。

確かに、すべての被疑者が利用可能な「当番弁護士制度」を頼れば、初回無料で弁護士と接見機会を設けることができます。しかし、当番弁護士制度を利用しても、どのようなキャリア・性別・年齢の弁護士がやってくるか分かりません。場合によっては、コミュニケーションを取りにくく信頼できない弁護士がやってくる可能性もあります。

私選弁護人を選任するにはある程度の費用負担を強いられますが、他方で、実績や相性などを総合的に考慮して頼りになる弁護士を被疑者本人で選ぶことができます

刑事処分や判決内容の軽重は今後の社会復帰の難易度を左右する重要事項です。今後の人生を少しでも有利な環境でリスタートするためには、不同意性交等罪の不起訴処分獲得実績・執行猶予獲得実績豊富な私選弁護人への依頼が不可欠でしょう。

準強姦事件の被害者との間で示談交渉を進めてくれる

刑事事件に強い弁護士に相談すれば、準強姦事件の被害者との間で早期の示談成立を目指してくれます

示談とは、「準強姦事件の当事者同士で解決策・諸条件について直接話し合いを行い和解契約を締結すること」です。

示談によってもたらされるメリット

本来、示談(和解契約)は民事事件に関する出来事なので、刑事事件とは別物です。

しかし、実際の刑事手続きでは「示談が成立しているか否か」が刑事処分の内容を決める要素に含まれます

以上を踏まえると、準強姦事件の被害者との間で示談が成立することによって、以下のメリットを得られると考えられます。

  • 不起訴処分を獲得しやすくなる
  • 執行猶予付き判決を獲得しやすくなる
  • 早期の身柄釈放を期待しやすくなる
  • 慰謝料などの民事的問題を解決できる

示談条件に掲げられる内容

準強姦事件の示談では、以下の項目が和解条件に掲げられるのが一般的です。

加害者側の条件 ・準強姦事件の被害者に対して示談金を支払う(慰謝料、治療費など)
・準強姦事件の被害者と一切連絡をとらない、近付かない
被害者側の条件 ・既に提出済みの被害届や告訴状を取り下げる
・加害者に対する処罰感情がない旨を捜査機関や裁判所に伝える(宥恕条項)
・示談金を受け取る代わりに被害申告をしない
・示談金以外の金銭賠償を求めない
・準強姦事件事件について今後一切口にしない(守秘義務条項)

弁護士に示談交渉を依頼するメリット

示談交渉は弁護士に依頼しなくても加害者本人や加害者家族が行うことも可能です。弁護士の力を頼らなければ費用面は大幅に節約できるでしょう。

しかし、実際に準強姦事件の被害者との示談成立を目指すなら、弁護士に依頼をした方が賢明です。

なぜなら、弁護士への依頼によって以下のメリットを得られるからです。

  • 弁護士が着任しなければ警察から被害者の連絡先を入手しにくい
  • 弁護士は示談交渉・契約書の準備などのすべての作業を代理してくれる
  • 恐怖や怒りの強い感情的な被害者との間でも、弁護士は冷静に話し合いの場を設けてくれる
  • 守秘義務条項・宥恕条項などの諸条件を盛り込むことによって紛争の終局的解決を実現できる
  • 逮捕・勾留・起訴・判決など、タイムリミットがある刑事手続きに間に合うように示談成立を目指してくれる
  • 相場通りの示談金条件での合意形成を目指してくれる

準強姦事件について自首するべきか判断してくれる

警察に被害申告される前なら、「自首」が有効な防御活動になります。

自首とは、「まだ捜査機関に発覚しない前に、犯人自ら進んで準強姦行為に及んだ事実を申告し、刑事処罰を求める意思表示」のことです(刑法第42条第1項)。

自首が有効に成立すれば、「刑の任意的減軽」という法的効果を得られます。

たとえば、警察に被害申告される前に示談をスタートしたものの交渉が難航して和解契約締結を見込めないとき、先回りして自首をすれば、仮に不起訴処分が下されて刑事裁判にかけられたとしても、「5年以上の有期懲役」が減軽された結果、執行猶予付き判決を獲得しやすくなるでしょう。

刑事事件や示談実績豊富な弁護士は、自首をするタイミングを見極めたり、自首した後に実施される取調べを想定して供述方針を明確化してくれるでしょう。

身柄拘束期間の短縮化に向けた弁護活動を期待できる

刑事事件に強い弁護士に依頼すれば、身柄拘束期間の短縮化をめざした防御活動を期待できます。

具体的な防御方針は以下の通りです。

  • 早期の示談成立によって逮捕自体を回避、在宅事件処理を目指してくれる
  • 仮に逮捕されても早期の身柄釈放を目指してくれる
  • 勾留阻止によって早期の公訴提起判断を目指してくれる
  • 公訴提起後すぐに保釈請求手続きを履践してくれる

少しでも有利な刑事処分獲得に向けて尽力してくれる

刑事事件に強い弁護士に依頼すれば、少しでも有利な刑事処分獲得に向けた防御活動を期待できます。

準強姦事件を起こして不同意性交等罪の容疑で逮捕された場合に目指すべき刑事処分は「不起訴処分」「執行猶予」です。

不起訴処分

不同意性交等罪の容疑で逮捕されたとしても、不起訴処分を獲得すれば、刑事裁判を受けることなく早期に刑事手続きを終了させることができます。また、前科がつくこともないので、社会復帰を目指しやすくなるでしょう。

不起訴処分は以下3種類に大別されます。「準強姦事件を起こした以上は刑事裁判は避けられないだろう」と諦める必要はありません。

  • 嫌疑なし:準強姦事件の犯人である証拠が一切存在しない場合
  • 嫌疑不十分:準強姦事件について公判を維持するだけの証拠が存在しない場合
  • 起訴猶予:準強姦事件を起こしたことに間違いはなく客観的な証拠も揃っているが、諸般の事情を総合的に考慮すると、刑事裁判にかける必要はないと判断される場合

特に、起訴猶予処分を下すか否かを判断するときには、「犯人の性格・年齢・境遇・犯罪の軽重・情状・犯罪後の情況」など、準強姦事件に関するすべての事情が考慮されます(刑事訴訟法第248条)。

刑事事件に強い弁護士に相談すれば、起訴猶予処分獲得に役立つ証拠を揃えて捜査機関に働きかけてくれるでしょう。

執行猶予

執行猶予とは「被告人の犯情や事件の諸般の事情を考慮して刑の執行を一定期間猶予できる制度」のことです。

執行猶予期間中は今まで通りの日常生活を送ることができます。また、無事に執行猶予期間を満了できれば刑が執行されることもありません。

ただし、執行猶予付き判決を獲得するには、「3年以下の懲役刑・禁錮刑・50万円以下の罰金刑の言渡しを受けたとき」という要件を満たす必要があります(刑法第25条第1項)。不同意性交等罪の法定刑は「5年以上の有期懲役刑」なので、そのままでは執行猶予の対象になりません

したがって、準強姦事件が起訴された場合には、自首減軽や酌量減軽などの防御活動が不可欠だと考えられます。かならず執行猶予付き判決獲得実績豊富な私選弁護人をご選任ください。

接見機会を利用してさまざまなアドバイスを提供してくれる

準強姦事件を起こして不同意性交等罪の容疑で逮捕されると、接見禁止処分が下されるため、弁護士以外の第三者とは一切面会できません。

弁護士は接見交通権をフル活用して、身柄拘束中の被疑者との面談機会を通じて以下のメリットをもたらしてくれるでしょう。

  • 厳しい取調べが続く中、心身に負担を感じている被疑者を励ましてくれる
  • 「被疑者ノート」を手渡して捜査活動状況をチェックしてくれる
  • 時々刻々と変化する取調べに対応するため、供述方針を明確化してくれる
  • 供述調書へのサイン方法、署名・押印時にチェックするべき項目についてアドバイスをくれる

被疑者が抱える性依存症などの問題にも目を向けてくれる

刑事事件に強い弁護士は被疑者が抱える問題や環境自体にもテコ入れをしてくれます。

たとえば、準強姦事件のような性犯罪に及んだ被疑者の中には、性依存症などの疾患を抱えていることもあるでしょう。

弁護士は、提携しているNPO法人や専用の治療機関を紹介してくれるので、加害者は本当の意味での社会復帰を目指すことができます。

準強姦事件で逮捕されたときはすみやかに弁護士へ相談しよう

不同意性交等罪をめぐる一連の法改正により、今後は性犯罪に対する捜査活動の激化が予想されます。

そのため、準強姦事件を起こした経験があるなら弁護士への相談が不可欠です。

自首や示談交渉の展望、捜査機関に対する対抗策などを検討してくれるでしょう。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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