飲酒運転は道路交通法違反の犯罪なので、警察に発覚すると逮捕されます。また、飲酒運転をしている途中に交通事故を起こして人を死傷させたときには、刑法違反や「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」違反を理由に逮捕される可能性も生じます。
つまり、「少しお酒を飲んだくらいだから大丈夫だろう」と安易な判断で飲酒運転に及んだだけで、今後の人生を棒に振るほどの重いペナルティを科されかねないということです。
そこで今回は、ご家族が飲酒運転の容疑で現行犯逮捕された方や、過去の飲酒運転について後日逮捕されるのではないかと不安を抱えている方のために、以下5点について分かりやすく解説します。
- 飲酒運転をしたときに問われる可能性がある犯罪類型
- 飲酒運転によって生じる民事責任と行政罰
- 飲酒運転の容疑で逮捕されるときの刑事手続きの流れ
- 飲酒運転の容疑で逮捕されたときに生じるデメリット
- 飲酒運転をしたときに弁護士へ相談するメリット
飲酒運転で捕まった後、すぐに刑事事件に強い弁護士へ相談すれば、長期の身柄拘束を回避したり不起訴処分・執行猶予付き判決獲得の可能性が高まります。
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目次
飲酒運転で逮捕されるときに問われる犯罪類型
飲酒運転が発覚したときのシチュエーション次第で問われる犯罪類型は異なります。
飲酒運転発覚時に問われる代表的な罪状は以下2つです。
- 酒気帯び運転の罪
- 酒酔い運転の罪
酒気帯び運転の罪
酒気帯び運転の罪とは、「酒気を帯びて運転をした者が、その運転をしたときに政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態にあったとき」に成立する犯罪類型のことです(道路交通法第65条第1項、同法第117条の2の2第1項第3号)。酒気帯び運転の罪の法定刑は、「3年以上の懲役刑または50万円以下の罰金刑」と定められています。
そして、「政令で定める程度以上のアルコール保有状態」とは、以下の数値基準を示します(道路交通法施行令第44条の3)。
- 血液1ミリリットルにつき0.3グラム以上のアルコール保有量(血中アルコール濃度0.03%)
- 呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコール保有量
飲酒運転をして「酒気帯び運転の罪」に問われるか否かは「基準を超えているか」がポイントです。
自動車検問で飲酒運転が発覚して呼気アルコール検査を求められたとしても、これらの数値基準を超過しない限りは「酒気帯び運転の罪」の容疑で逮捕されることはありません(ただし、酒気帯び運転の罪で設定された基準を超過しなくても、後述の「酒酔い運転の罪」で逮捕される危険性がある点に注意が必要です)。
酒酔い運転の罪
酒酔い運転の罪とは、「酒気を帯びて運転をした者が、その運転をしたときに酒に酔った状態(アルコールの影響によって正常な運転ができないおそれがある状態)にあったとき」に成立する犯罪類型のことです(道路交通法第65条第1項、同法第117条の2第1項第1号)。酒酔い運転の罪の法定刑は、「5年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑」と定められています。
酒気帯び運転の罪と違って、酒酔い運転の罪では呼気アルコール値・血中アルコール濃度について厳格な数値要件が掲げられているわけではありません。あくまでも、「アルコールの影響によって正常な運転ができないおそれがあるか否か」という個別具体的な事情に基づいて逮捕されるか否かが判断されます。
たとえば、飲酒検問では以下の事項が総合的に考慮されます。
- 顔面の紅潮・浮腫みはあるか
- 眼球の充血の有無、視線は定まっているか
- 呂律が回っているか
- 呼気は酒のにおいがするか
- 片足立ち、直線歩行の可否
- 日時、時間帯、場所などを正確に把握できているか
- 警察官の質問に対して正常な受け答えができるか
- 意識がしっかりしているか、朦朧としているか
飲酒運転時に問われる可能性があるその他の犯罪類型
飲酒運転が発覚したときの経緯やその時の対応によっては、酒気帯び運転の罪・酒酔い運転の罪以外の容疑で逮捕される可能性もあります。
飲酒運転時に想定される罪状は以下の通りです。
- 呼気アルコール検査を拒否した罪
- 緊急措置義務違反
- 報告義務違反
- 過失運転致死傷罪(自動車運転過失致死傷罪)
- 過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪
- 危険運転致死傷罪
- 運転手以外が問われる罪
呼気アルコール検査を拒否した罪
警察官は、車両の運転者が飲酒運転をするおそれがあると認められるときには、当該人物が身体に保有しているアルコールの程度について調査するために、風船またはアルコール検知機器に呼気を吹き込ませる方法によってアルコール保有量を検査することができます(道路交通法第67条第3項第4項、道路交通法施行令第26条の2の2)。
そして、自動車検問や職務質問の際に警察官から呼気アルコール検査を求められたにもかかわらず、警察官の検査を拒絶したり妨害したときには、「呼気アルコール検査を拒否した罪」の容疑で逮捕されます(道路交通法第118条の2)。
「呼気アルコール検査を拒否した罪」の法定刑は、「3カ月以上の懲役刑または50万円以下の罰金刑」です。
緊急措置義務違反
飲酒運転をした結果、ひき逃げをしたときには、「緊急措置義務違反」の容疑で逮捕されます(道路交通法第72条1項前段)。
そもそも、交通事故を起こしたときには、運転者は直ちに車両等の運転を停止して負傷者を救護したうえで、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければいけません。
交通事故によって人の死傷があったにもかかわらず、これらの「救護義務」「危険防止措置義務」に違反したときには、緊急措置義務違反の容疑で逮捕されて、「5年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑」の範囲で処断されます(同法第117条第1項)。また、人の死傷が運転者の運転によって引き起こされたものであるときには、「10年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑」の範囲まで法定刑が引き上げられる点に注意が必要です(同法第117条第2項)。
「飲酒運転が原因で人身事故を起こしたことを知られたくない」「酒が抜けてから警察に出頭すれば飲酒運転の事実は隠せるはず」など、ひき逃げの誘惑にかられるケースは少なくありません。しかし、緊急措置義務違反だけでも厳しい法定刑が科される以上、結果として逃走する実益は少ないと考えられます。
したがって、飲酒運転が原因で人身事故を起こしたときには、決して逃げずに現場において必要な措置(救急車の手配・警察への通報など)を採ったうえで、飲酒運転事案の経験豊富な弁護士までお問い合わせください。
報告義務違反
飲酒運転をした結果、ひき逃げや当て逃げをしたときには、「報告義務違反」を理由に逮捕されます(道路交通法第72条1項後段)。
そもそも、交通事故を引き起こしたときには、交通事故発生日時等(交通事故が発生した日時・場所・死傷者の数・負傷者の負傷の程度・損壊した物・物の損壊の程度・車両等の積載物の有無・交通事故について講じた措置)について警察に報告しなければいけません。
この報告義務に違反した場合、「3カ月以下の懲役刑または5万円以下の罰金刑」の範囲で処罰されます(同法第119条第1項第17号)。
さらに、警察に通報した結果、「警察官が現場に到着するまで現場を去ってはいけない」と命令されたにもかかわらず、この指示に反して現場から逃走したときには、「5万円以下の罰金刑」の範囲で刑事罰が科されます(同法第72条第2項、同法第120条第1項第11号)。
飲酒運転をした結果、交通事故を引き起こしたときには、人身事故・物損事故のいずれであったとしてもかならず警察に通報をしたうえで、必要な措置を採ってください。
過失運転致死傷罪(自動車運転過失致死傷罪)
過失運転致死傷罪(自動車運転過失致死傷罪)とは、「自動車の運転上必要な注意を怠った結果、人を死傷させたとき」に成立する犯罪類型のことです(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条本文)。
そもそも、酒気帯びの状態で自動車を運転すること自体が「自動車の運転上必要な注意を怠ったこと」に該当します。また、信号無視や前方不注意、速度超過などの違反行為もこれに該当します。
たとえば、飲酒運転をして人をはねてしまったとき、飲酒運転で意識が朦朧としている状態で自動車を走行させて各種違反行為に及んだために人身事故を引き起こしてしまったときには、過失運転致死傷罪の容疑で逮捕されて、「7年以下の懲役刑・禁錮刑または100万円以下の罰金刑」の範囲で処断されます。
・酒気帯び運転の罪と過失運転致死傷罪の両罪が成立する場合:10年6カ月以下の懲役刑または150万円以下の罰金刑
・酒酔い運転の罪と過失運転致死傷罪の両罪が成立する場合:10年6カ月以下の懲役刑または200万円以下の罰金刑
飲酒運転が社会問題化して厳罰志向が強まっている以上、飲酒をしたうえで人身事故を引き起こしたときには重い刑事処罰が下される可能性が高いです。出来るだけ早いタイミングで刑事事件に強い弁護士に相談のうえ、示談交渉などの防御活動に専念してもらうべきでしょう。
過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪
過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪とは、「アルコールまたは薬物の影響によってその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠った結果、人を死傷させた場合において、運転時のアルコールまたは薬物の影響の有無・程度が発覚することを免れる目的で、『さらにアルコールや薬物を摂取すること』『現場を離れて身体に保有するアルコールまたは薬物の濃度を減少させること』などの発覚免脱行為に及んだとき」に成立する犯罪類型のことです(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第4条)。過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪の法定刑は、「12年以下の懲役刑」と定められています。
そもそも、過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪が定められているのは、飲酒運転で人身事故を起こした犯人の「逃げ得」を防止する目的からです。
たとえば、飲酒運転で人身事故を引き起こしたとき、そのまま現場にとどまって通報・事故処理をすれば、「過失運転致死傷罪と酒気帯び運転の罪・酒酔い運転の罪」で逮捕されます。これに対して、現場から逃走したうえで後日警察署に出頭したときには、「過失運転致死傷罪と報告義務違反・緊急措置義務違反」の嫌疑をかけられます。つまり、現場から逃走すれば刑事処分や判決の内容を決定するときに「飲酒運転」の事実が抜け落ちるため、飲酒運転の犯人にとってメリットが大きくなるということです。
そこで、「飲酒運転で人身事故を起こしたときにはいったん現場から逃走して後から出頭した方が得になる」という不条理を防ぐために規定されたのが「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」です。本罪によって、「飲酒の発覚を免脱するための行為」それ自体が刑法犯として処断されるため、「現場から逃げずに即時に通報した方がメリットが大きい」という事態が導かれます。
したがって、飲酒運転によって人身事故を引き起こしたときには、すぐに警察・消防に通報して必要な措置を採ったうえで、弁護士に連絡して軽い刑事処罰を獲得するための防御活動に専念するのが最適解と言えるでしょう。
危険運転致死傷罪
飲酒運転によって人身事故を引き起こしたときには、「危険運転致死傷罪」の容疑で逮捕される危険性もあります。
危険運転致死傷罪とは、「以下の行為類型によって人を負傷または死亡させたとき」に成立する犯罪類型のことです(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条各号)。
- アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
- その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
- その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
- 人または車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
- 車の通行を妨害する目的で、重大な交通の危険が生じることとなる速度で走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転する行為
- 高速自動車国道または自動車専用道路において、自動車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の前方で停止し、その他これに著しく接近することとなる方法で自動車を運転することにより、走行中の自動車に停止または徐行をさせる行為
- 赤色信号またはこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
- 通行禁止道路を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
危険運転致死傷罪は「故意犯」です。「アルコールの影響によって正常な運転が困難な状態であること」を認識・認容していたにもかかわらず自動車を走行させて人を死傷させた点に悪質性があると判断されます。
危険運転致死傷罪の法定刑は、「人を負傷させたときは15年以下の懲役刑」「人を死亡させたときは1年以上の有期懲役刑」です。危険運転致死傷罪で逮捕されると一発実刑のリスクに晒されるので、刑事裁判経験豊富な私選弁護人に相談のうえ、執行猶予獲得や刑期短縮を目指した防御活動を展開してもらうべきでしょう。
運転手以外が問われる罪
以下のように、飲酒運転が警察に発覚して逮捕されると、運転者以外も人物も刑事訴追の対象になります。
刑事訴追の対象者 | 運転者が「酒気帯び運転の罪」に問われるとき | 運転者が「酒酔い運転の罪」に問われるとき |
---|---|---|
車両提供者 | 3年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑 | 5年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑 |
酒類提供者 | 2年以下の懲役刑または30万円以下の罰金刑 | 3年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑 |
同乗者 | 2年以下の懲役刑または30万円以下の罰金刑 | 3年以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑 |
飲酒運転をしたときに生じる刑事責任以外の法的責任
飲酒運転が警察に発覚したときには、刑事責任以外にも行政罰・民事責任を問われる可能性があります。
行政罰
飲酒運転で逮捕されると、以下の区分にしたがって違反点数が加算されます(交通違反の点数一覧表(警視庁HP))。
違反事項 | 行政処分の内容 |
---|---|
呼気1リットルにつき0.15ミリグラム未満 | 違反なし |
呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満(酒気帯び運転) | 違反点数13点 |
呼気1リットルにつき0.25ミリグラム以上(酒気帯び運転) | 違反点数25点 |
酒酔い運転 | 違反点数35点 |
運転殺人等 | 違反点数62点 |
運転傷害等 | 違反点数45~55点 |
危険運転致死 | 違反点数62点 |
危険運転致傷 | 違反点数45~55点 |
救護義務違反 | 35点 |
違反点数が加算された結果、一定の免許停止期間が生じたり運転免許証が取り消されることがあります。また、一定の欠格期間が生じることもあるのでご注意ください。
民事責任
自動車検問や職務質問などがきっかけで飲酒運転が発覚したときには、行政罰と刑事責任だけが問題となります。
これに対して、飲酒運転の結果、人身事故や物損事故を起こしたときには、被害者に対する賠償責任(民事責任)が生じる点に注意が必要です。
たとえば、物損事故を起こしたときには、車両の修理費用などを弁償しなければいけません。また、人に怪我をさせたときには、治療費・入院費・慰謝料・休業損害などの負担を強いられます。また、人を死亡させたときには、逸失利益だけで数千万円もの賠償を求められる可能性も否定できません。
なお、飲酒運転のように加害者に圧倒的な過失があるケースでも、「被害者に対する賠償分」については自賠責保険・対人賠償保険・対物賠償保険の対象として扱われます。これに対して、「加害者自身に生じた損害(怪我や車両代)」については、飲酒運転は「各保険契約における免責事由」に該当するため、全額自腹で捻出する必要があります。
ただし、飲酒運転で検挙される加害者のなかには任意保険に加入していないケースも少なくありません。自賠責だけで補填できない賠償責任については別途被害者との間で争訟が生じるため、弁護士のサポートを受けながら、示談交渉や民事訴訟にご対応ください。
飲酒運転で逮捕されたときの刑事責任の流れ
飲酒運転が警察に発覚したとき、刑事手続きは以下のプロセスを経るのが一般的です。
- 飲酒運転について警察から接触がある
- 飲酒運転について警察段階の取調べが実施される
- 飲酒運転事件が送検される
- 飲酒運転について検察段階の取調べが実施される
- 飲酒運転について検察官が公訴提起するか否かを判断する
- 飲酒運転について公開の刑事裁判にかけられる
飲酒運転の容疑で警察から接触がある
飲酒運転に関する刑事手続きは警察との接触でスタートします。
ただし、飲酒運転が発覚したときの状況次第で警察の対応は異なるので注意が必要です。
飲酒運転は現行犯逮捕が圧倒的多数
飲酒運転は、自動車検問や繁華街で実施される職務質問などをきっかけに判明するのが大半です。
そして、その場で実施される呼気アルコール検査などで飲酒運転が現認されると、その場で「現行犯逮捕」されます。
現行犯逮捕とは、「現行犯人(現に罪を行い、または、罪を行い終わった者)に対する身柄拘束処分」のことです(刑事訴訟法第212条第1項)。
現行犯逮捕は、通常逮捕のように逮捕状の発付手続きは省略されます(令状主義の例外、同法第213条)。
そして、飲酒運転がバレて現行犯逮捕されると、そのまま警察署に連行されます。警察署に連行する前に家族や会社に連絡を入れたり、警察に出頭するタイミングを別の日に変更したりすることはできません。
飲酒運転は後日逮捕の可能性もゼロではない
飲酒運転は現行犯逮捕がほとんどですが、過去の飲酒運転が後日発覚して通常逮捕される可能性も否定できません。
通常逮捕とは、「裁判官の事前審査を経て発付される逮捕令状に基づいて実施される身柄拘束処分」のことです(刑事訴訟法第199条第1項)。
そして、逮捕状が発付されるのは、「逮捕の理由」「逮捕の必要性」の2つの要件を満たすときです(犯罪捜査規範第118条、同規範第122条)。
たとえば、飲酒運転をして後日逮捕されるのは以下のような場面が挙げられます。
- 住所不定・無職・職業不詳で「逃亡するおそれ」がある場合
- 前科・前歴がある場合
- 飲酒運転をしたときに、速度超過や信号無視などの悪質な違反行為を繰り返していた場合
- 飲酒運転をしたときに着用していた衣服や居酒屋のレシート、支払い時に使ったカードなどの「証拠を隠滅するおそれ」がある場合
- 飲酒運転に関する警察からの任意の出頭要請を拒絶した場合
- 飲酒運転に関する任意の事情聴取で黙秘・否認をした場合、供述内容に矛盾点や嘘が存在する場合
- 飲酒運転をした結果、交通事故を引き起こした場合
- 飲酒運転によって引き起こされた交通事故で甚大な被害が生じた場合(人身事故で被害者が死亡した、重い怪我を負った、物損事故によって高額な損害が生じたなど)
- 飲酒運転によって引き起こされた交通事故の被害者の処罰感情が強い場合
飲酒運転がバレても誠実に対応すれば逮捕処分を回避できる
検問や職務質問をきっかけに飲酒運転が発覚したときや、過去の飲酒運転について警察から疑いの目を向けられたときでも、被疑者側の対応次第では逮捕を回避できます。
なぜなら、現行犯逮捕・通常逮捕のどちらであったとしても、逮捕処分を行うためには「逮捕の必要性」を満たさなければいけないからです。
つまり、警察に飲酒運転がバレたとしても、「”逮捕の必要性”が存在しないこと」を捜査機関側に理解してもらえれば、現行犯逮捕・通常逮捕は回避できるということです。
ただし、逮捕処分を免れることができたとしても、飲酒運転について警察から見逃してもらえるというわけではありません。逮捕処分に基づく身柄拘束処分は回避できるものの、飲酒運転事件が任意捜査の対象になるからです。
飲酒運転事件が在宅事件として扱われると、警察から出頭要請がかかったタイミングで事情聴取に応じる必要があるものの、取調べが終了すれば自宅に戻ることが許されます。また、事情聴取の日程などについても警察と相談することも可能です。
飲酒運転が在宅事件の対象になるのは以下のようなケースです。弁護士に相談のうえ、逮捕処分回避を目指した防御活動を展開してもらいましょう。
- 氏名・住所・職業が明らかで「逃亡のおそれ」がない場合
- 飲酒運転をしただけで交通事故は起こしていない場合
- 前科・前歴のない完全初犯の場合
- 飲酒運転発覚時のアルコール含有量が低い場合、基準値を下回っている場合
- 飲酒運転の結果、交通事故は起こしたものの、生じた損害の程度が極めて軽微な場合
- 飲酒運転で引き起こされた交通事故被害者との間で示談成立済みの場合
- 飲酒運転に関する事情聴取に対して誠実に対応している場合
- 同乗者や車両提供者との間で口裏を合わせる心配がない場合
過去の飲酒運転はいつまで逮捕リスクを抱えているのか
酒気帯び運転の罪・酒酔い運転の罪にはそれぞれ公訴時効制度が適用されます。
そのため、過去に飲酒運転をしたとしても、公訴時効期間の経過によって起訴リスクが消滅するので、逮捕されることもなくなります。
酒気帯び運転の罪の公訴時効は「3年」、酒酔い運転の罪の公訴時効は「5年」です(刑事訴訟法第250条第2項各号)。
飲酒運転の容疑について警察が取調べを実施する
飲酒運転が警察に発覚して逮捕されると、警察段階の取調べが実施されます。警察段階の取調べの制限時間は「48時間以内」です(刑事訴訟法第203条第1項)。
逮捕処分に基づく警察段階の取調べは受忍義務があるので、事情聴取を拒否することはできません。取調べでどのような態度をとるかは自由ですが、証拠が揃っている状況で黙秘をしても捜査機関の印象を悪くするだけです。
また、逮捕処分が実施された以上、被疑者の身体・行動の自由はすべて制約されるので、取調べがない時間帯は留置施設に身柄が留められます。接見禁止処分が下されるのが大半なので弁護士以外の第三者とは一切面会できませんし、自宅に戻ることも許されません。
飲酒運転事件が検察官に送致される
警察段階の取調べが終了すると、検察官に事件・身柄・証拠が送致されます(刑事訴訟法第246条本文)。
ただし、酒酔い運転の罪・酒気帯び運転の罪で逮捕されたケースでは、例外的に「微罪処分」獲得の余地が残されています(同法第246条但書)。
刑事手続きの早期終結をご希望なら、刑事事件に強い弁護士にご依頼のうえ、微罪処分獲得に役立つ防御活動を展開してもらいましょう。
飲酒運転の容疑について検察官が取調べを実施する
飲酒運転が発覚して逮捕・送検されると、検察段階の取調べが実施されます。
検察段階の取調べの制限時間は「24時間以内」が原則です(刑事訴訟法第205条第1項)。警察段階の48時間以内の取調べと合計して「72時間以内」に得られた証拠を前提に、飲酒運転事件を公訴提起するか否かが判断されます。
ただし、過去の飲酒運転事件に対して後日通常逮捕手続きが採られたようなケースでは、被疑者の犯行を立証するだけの証拠を収集するには原則的な72時間だけでは足りないことも少なくありません。
そこで、「やむを得ない理由」によって取調べの制限時間を遵守できないときには、検察官による勾留請求が認められています(同法第206条第1項)。裁判所が勾留状を発付すると、飲酒運転の容疑をかけられている被疑者の身柄拘束期間が「10日間~20日間」の範囲で例外的に延長されます(同法第208条各項)。
つまり、飲酒運転事件について検察官が勾留請求をしたときには、被疑者の身柄拘束期間は「最長23日間」に及ぶということです。
仮に不起訴処分を獲得できたとしても、身柄拘束期間が数週間に及んだだけで社会生活に生じるデメリットは相当なものになってしまいます。身柄拘束期間の短縮化を目指すには「勾留阻止」に向けた防御活動が不可欠なので、警察に逮捕された段階ですみやかに刑事事件経験豊富な弁護士までご相談ください。
飲酒運転事件について検察官が公訴提起するか否かを判断する
飲酒運転をして逮捕・勾留された後、取調べの制限時間が到来するまでに、検察官が公訴提起するか否か(起訴か不起訴か)を判断します。
起訴処分とは、「飲酒運転事件を公開の刑事裁判にかける旨の訴訟行為」のことです。日本の刑事裁判の有罪率は約99%以上なので、起訴処分によって刑事裁判にかけられることが決まった時点で有罪が事実上確定的になります。
不起訴処分は、「飲酒運転事件を公開の刑事裁判にかけずに、検察官限りの判断で刑事手続きを終結させる旨の意思表示」を意味します。不起訴処分を獲得できた時点で有罪・前科のリスクは消滅します。
今後の社会生活への影響を考えると、「不起訴処分を獲得できるか」が最大の防御目標になります。逮捕されたときには公訴提起判断までの時間が限られているので、刑事事件実績豊富な私選弁護人に効率的な防御活動を任せましょう。
飲酒運転事件が公開の刑事裁判にかけられる
飲酒運転を起こして逮捕・起訴されると、公開の刑事裁判にかけられます。
刑事裁判が開廷されるタイミングは「起訴処分から1カ月~2カ月後」が目安です。起訴処分後の保釈請求が通らなければ、刑事裁判期日・判決確定日まで起訴後勾留が続く危険性があります。
検察官の公訴事実を受け入れるかどうかで刑事裁判の日程は大きく変わるのが実務です。たとえば、公訴事実を全面的に受け入れるケースなら、第1回公判期日ですべての手続きが終結します。これに対して、否認事件では、複数の公判期日をかけて弁論手続き・証拠調べ手続きが行われます。
酒気帯び運転の罪や酒酔い運転の罪で逮捕・起訴されたケースでも、反省の態度を示さずに犯行を否認し続けてしまうと、初犯でも実刑判決が下されかねません。かならず刑事裁判経験豊富な私選弁護人にご依頼のうえ、執行猶予付き判決や罰金刑獲得を目指した防御活動を展開してもらいましょう。
飲酒運転の容疑で警察に逮捕されたときに生じるデメリット5つ
飲酒運転が警察に発覚して逮捕されたときに生じるデメリットは以下5点です。
- 飲酒運転の容疑で逮捕されると実名報道のリスクに晒される
- 飲酒運転で逮捕されたとしても長期間身柄拘束される可能性がある
- 飲酒運転が勤務先にバレると懲戒処分の対象になりかねない
- 飲酒運転が学校にバレると何かしらの処分が下されかねない
- 飲酒運転で逮捕・起訴されると前科によるデメリットに苛まれる
「たかが飲酒運転」という認識は間違いです。
確かに、殺人罪や強盗罪などの凶悪犯罪と比較すると飲酒運転は軽微な犯罪に思えるかもしれませんが、飲酒運転で捕まると今後の人生を棒に振ることになりかねません。
飲酒運転によって生じるデメリットをご理解のうえ、適宜必要な対策について弁護士までご相談ください。
飲酒運転の容疑で逮捕されると実名報道される可能性がある
飲酒運転が警察にバレて逮捕されると、顔写真付きで実名報道される危険性が生じます。
近年、飲酒運転などの交通犯罪に対する世間の関心は高まっていますし、危険運転などは厳罰化の傾向にあります。
そのため、飲酒運転をして交通事故を起こしたときには、報道番組やネットニュースなどで配信される可能性が高いです。
そして、一度でも実名報道されると、インターネット上に飲酒運転をした事実が永遠に残ります。家族や親族だけではなく、知人などにも知られかねません。また、今後の転職活動にも影響が出るでしょう。
飲酒運転でも逮捕されると長期間身柄拘束される可能性がある
飲酒運転で逮捕されただけでも長期間身柄拘束される危険性があります。
たとえば、飲酒運転で現行犯逮捕されたにもかかわらず、弁護士に相談することなく飲酒した事実を否認し続けてしまうと、逮捕・勾留によって最長23日間身柄拘束されかねません。
身柄拘束期間が長期化すると、勤務先や会社に逮捕された事実を隠しにくくなります。また、日常生活から断絶される期間が長引くほど心身の負担も重くなるでしょう。
飲酒運転をしたことが会社にバレると懲戒処分の対象になる
飲酒運転をしたことが現在の勤務先にバレると、何かしらの懲戒処分が下される可能性が高いです。
一般的には、「戒告・譴責・減給・出勤停止・降格・諭旨解雇・懲戒解雇」に分類されますが、どのような懲戒処分が下されるかは各社が定める就業規則の懲戒規定次第です。
たとえば、飲酒運転に及んだ経緯や行為の悪質性、交通事故の態様などが重く捉えられると、懲戒解雇処分が下される可能性も否定できません。
飲酒運転をしたことが学校にバレると何かしらの処分が下される
学生が飲酒運転に及んだことを学校に知られると、学則・校則のルールにしたがって何かしらの処分が下されます。
たとえば、刑事事件に対して厳しい考え方の学校で、かつ、当該学生が普段の学校生活で何かしらの問題行動をした履歴があるなら、退学処分が選択されることもあるでしょう。これに対して、飲酒運転に及んだ経緯に斟酌の余地があり、学生の更生支援の意向が強い学校なら、厳重注意や一時的な出席停止・停学処分などで済む可能性もあります。
飲酒運転の容疑で逮捕・起訴されると有罪判決だけではなく前科もつく
飲酒運転をして逮捕・起訴されたときには、有罪判決が確定する可能性が高いです。
そして、実刑判決・執行猶予付き判決・罰金刑のどれが言い渡されたとしても、確定した以上は、前科がつきます。
前科とは、「有罪判決を受けた経歴」のことです。前科者になると、今後の社会生活に以下のデメリットが生じます。
- 前科情報は履歴書の賞罰欄への記載義務が生じる(就職活動・転職活動の難易度が高くなる)
- 前科を理由に就業が制限される職業・資格がある(士業、警備員、金融業など)
- 飲酒運転の逮捕歴・前科は「法定離婚事由」に該当するので、配偶者からの離婚申し出を拒絶できない
- 前科を理由にパスポート・ビザ発給が制限されると、自由に海外旅行・海外出張できない
- 前科者が再犯に及ぶと、厳しい刑事処分や事情聴取が予想される
飲酒運転が立件されるか不安なときに弁護士へ相談するメリット3つ
飲酒運転が警察にバレたときや、ご家族が飲酒運転で捕まったときには、弁護士の力を借りることをおすすめします。
なぜなら、飲酒運転事案に詳しい弁護士に相談することで以下3点のメリットを得られるからです。
- 飲酒運転で逮捕されても軽い刑事処分獲得を目指してくれる
- 飲酒運転で被害者が発生したときにはすみやかに示談交渉を開始してくれる
- アルコール依存症など、飲酒運転の犯人自身が抱えている問題にも目を向けてくれる
「たかが飲酒運転」という甘い認識でいると、不利な状況で刑事手続きが進められて人生を棒に振ることになりかねません。
当番弁護士制度を利用して安価にサポートを受けるのも間違いではありませんが、飲酒運転事件や刑事事件実績豊富な私選弁護人を頼ることを強くおすすめします。
飲酒運転で逮捕されても軽い刑事処分獲得を目指してくれる
弁護士に相談すれば、飲酒運転が発覚しても軽い刑事処分獲得を目指して尽力してくれます。
以下のように、刑事手続きのステージごとに目指すべき防御目標は異なります。
- 刑事事件化する前:自首、在宅事件
- 逮捕された後の警察の取調べ段階:微罪処分
- 送検された後の検察の取調べ段階:不起訴処分、略式手続き
- 起訴された後:保釈手続き、執行猶予付き判決
自首
飲酒運転が警察にバレていない段階なら「自首」するのも選択肢のひとつです。
自首とは、「まだ捜査機関に発覚しない前に、犯人自ら進んで飲酒運転をした事実を申告し、刑事処罰を求める意思表示」のことです(刑法第42条第1項)。自首に成功すれば、「刑の任意的減軽」というメリットを得られます。
ただし、そもそもアルコールが抜けた後に飲酒運転を立証するのは簡単ではないので、自首をしたところで捜査機関側から注意を受ける程度で済むことが大半でしょう。このようなケースでは、わざわざ過去の飲酒運転について警察に出頭する実益は乏しいと考えられます。
これに対して、飲酒運転をした結果、交通事故を起こしたのに現場から逃走したような悪質な事案では、被害者からの通報などによって本格的な捜査活動が展開されるので、公訴時効完成まで逃げ続けるのは困難です。この場合、「自首減軽」という防御活動によって執行猶予付き判決獲得の可能性を高めることにメリットを見出すことができます。
このように、飲酒運転をしたときには、状況次第で「自首をするべきか否か」の判断が分かれるのが実情です。現段階で自首をするべきかについて刑事事件実績豊富な弁護士のアドバイスを参考にしてください。
微罪処分
飲酒運転が警察にバレた後の防御目標は「微罪処分の獲得」です。微罪処分の獲得によって警察段階で刑事手続きが終了するので、社会生活に生じる悪影響を大幅に軽減できます。
一般的に、微罪処分の対象になるには以下の要素を満たす必要があると言われています。
- 検察官があらかじめ指定した極めて軽微な犯罪類型に該当すること
- 犯情が軽微であること(計画性がない、避けがたい理由があって飲酒運転をしたなど)
- 飲酒運転による被害が軽微であること(交通事故を起こしていないこと、事故を起こしたとしても物損被害額2万円以内・人身被害全治1週間程度の怪我など)
- 飲酒運転による交通事故被害者との間で示談が成立していること、被害弁償済みであること
- 素行不良者ではないこと(前科・前歴がないこと)
- 親・兄弟・親族・上司など、身元引受人がいること
このように、微罪処分を獲得するためには、身元引受人の打診や示談交渉など、限られた時間内にさまざまな防御活動を展開する必要があります。微罪処分獲得経験豊富な弁護士に尽力してもらいましょう。
不起訴処分
飲酒運転が発覚して送検されたときには「不起訴処分の獲得」が防御目標になります。
なぜなら、不起訴処分によって刑事裁判・有罪・前科すべてのリスクを回避できるからです。
不起訴処分は以下3種類に分類されます。実際に飲酒運転をしたことに間違いがないのなら、「起訴猶予処分の獲得」がターゲットになるでしょう。
- 嫌疑なし:飲酒運転をした証拠がない、冤罪・誤認逮捕のケース
- 嫌疑不十分:飲酒運転を立証する証拠が不十分なケース
- 起訴猶予:飲酒運転の証拠は揃っているが、諸般の事情を総合的に考慮すると刑事裁判にかける必要がないケース
起訴猶予処分にするか否かの判断では、「犯人の性格・年齢・境遇・犯罪の軽重・情状・犯罪後の情況」などの諸般の事情が総合的に考慮されます(刑事訴訟法第248条)。
弁護士のサポートを受けながら、検察官の不起訴判断を引き出すための情状要素を丁寧に準備しましょう。
略式手続き
飲酒運転がバレて逮捕されたときには「略式手続き(略式起訴・略式裁判・略式命令)」が重要な選択肢になります。
略式手続きとは、「簡易裁判所の管轄に属する刑事事件について100万円以下の罰金刑が想定される場合に、被疑者側の同意がある場合に限って、公開の刑事裁判を省略して簡易・簡便な形で罰金刑を確定させる裁判手続き」のことです(刑事訴訟法第461条)。酒酔い運転の罪・酒気帯び運転の罪の法定刑には罰金刑が掲げられているので、略式手続きによる早期解決を選択できます。
ただし、略式手続きを選択すると公開の刑事裁判で反論を展開する機会(無罪主張する機会)が失われるので、「罰金刑=有罪判決=前科」を避けることはできません。
「罰金刑を妥協点にするのか、確率は低いものの無罪主張をするのか」については慎重な判断を要するので、かならず刑事裁判経験豊富な弁護士の意見を参考にしてください。
保釈手続き
飲酒運転が発覚して逮捕・起訴されたときには「早期の保釈手続き」が必須です。
なぜなら、起訴後勾留が継続すると刑事裁判までの数カ月の間、日常生活に復帰することができないからです。たとえば、仮に無罪判決が確定したとしても、会社の欠勤が数カ月に及んだ時点でキャリアへの支障は避けられません。
保釈手続きは以下3種類に分類されます。弁護士に適宜適切な手続きを履践してもらいましょう。
- 権利保釈(保釈除外事由に該当しない限り認められる保釈)
- 裁量保釈(裁判官の裁量によって認められる保釈)
- 義務的保釈(身柄拘束期間が不当に長期化している場合に認められる保釈)
執行猶予付き判決
飲酒運転が発覚して逮捕・起訴されたときには「執行猶予付き判決の獲得」が最大の防御目標になります。
執行猶予とは、「被告人の犯情や事件の諸般の事情を考慮して刑の執行を一定期間猶予する制度」のことです。何のトラブルもなく猶予期間が経過すれば、刑罰が執行されることなく刑事責任を果たしたと扱われます。
なお、執行猶予付き判決の対象になるには「3年以下の懲役刑・禁錮刑・50万円以下の罰金刑の言渡しを受けたとき」という要件を満たさなければいけません(刑法第25条第1項)。
弁護士に酌量減軽・自首減軽などの防御活動を尽くしてもらって執行猶予付き判決獲得を目指しましょう。
飲酒運転で事件・事故を起こしたときには速やかに示談交渉を実施してくれる
飲酒運転をしたことで交通事故を引き起こした場合、弁護士は被害者との間で早期の示談成立を目指してくれます。
示談とは、「犯罪被害者と加害者の間でトラブルの解決策について話し合い、諸条件について和解契約を締結すること」です。
本来、示談は民事事件に関するものですが、刑事手続きの各段階において「示談が成立して民事的解決が済んでいること」が重要視されるのが実務的運用です。
そして、弁護士に示談交渉を依頼すると、以下のメリットを得られます。
- 相場通りの示談金額で合意を形成しやすい
- 感情的になっている被害者との間でも冷静に話し合いを進めやすい
- 書類の準備や示談交渉の労力負担をすべて弁護士に任せることができる
- 微罪処分・不起訴処分・執行猶予付き判決などの軽い刑事処分を獲得しやすくなる
アルコール依存症治療に必要な施策についてアドバイスを提供してくれる
飲酒運転をした人のなかには、アルコール依存症などの疾患を抱えている場合があります。
刑事事件に力を入れている弁護士は、被疑者が本当の意味で更生の道を歩めるように、依存症対策に必要なケアについてもアドバイスを提供してくれるでしょう。
飲酒運転で逮捕されたときは弁護士への早期相談が不可欠
飲酒運転が警察に発覚して捜査対象になったときや、ご家族が飲酒運転で逮捕されたときには、出来るだけ早いタイミングで刑事事件に強い弁護士までご相談ください。
弁護士への早期相談によって、微罪処分や不起訴処分を獲得できる可能性が高まるからです。
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