実刑判決とは?執行猶予付き判決との違いや実刑を回避するための対策を解説

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実刑判決とは「刑罰の執行を猶予されずに、直ちに刑罰が執行されること」を指します。実刑判決が下されると、直ちに罰金を支払わなければいけなくなったり、直ちに刑務所へ収容されてしまったりします。

罰金の実刑で済めば良いですが、刑務所へ収容されることが決まれば、さまざまな社会的影響も発生するでしょう。このことから「できれば実刑を回避したい」このように思っている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、実刑判決の仕組みや実刑判決を回避する方法、注意事項について詳しく解説しています。実刑判決を回避したいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

【予備知識】刑事事件の主な刑罰

実刑判決とは「直ちに刑罰が執行されること」を指します。何らかの刑罰に対して、執行猶予が付かなかった場合に実刑判決と言います。

実刑判決について解説する前に、刑事事件における主な刑罰の内容について把握しておかなければいけません。そのためまずは、刑事事件における主な刑罰の種類について詳しく解説します。

科料・罰金

刑事事件においてもっとも罪の軽い刑罰は「科料」です。科料は、1,000円以上1万円未満の金銭納付を行わせる刑罰です。

一方で、罰金刑とは1万円以上の金銭支払いを命じる刑罰を指します。つまり、科料と罰金刑の違いは、1万円未満・1万円以上どちらなのかといった違いです。

罰金刑は「1万円以上」であり、上限は定められていません。個人に対する罰金刑として最大は3,000万円、法人の場合は7億円ですが、その他の犯罪も成立していた場合は合計した金額の支払いを命ぜられることもあります。

ちなみに、科料に対しては執行猶予付判決が下されないため、必ず実刑判決となります。また、罰金刑の場合は50万円以下であれば執行猶予付判決が下されます。よって、50万円を超える罰金刑が言い渡された際は、実刑判決です。

【注意】
実刑判決は「執行猶予が付かなかった判決、つまり直ちに執行される刑罰」のことを指します。そのため、科料や罰金刑であっても執行猶予が付かなければ、実刑判決と呼びます。
ただ、一般的に使用される言葉としては「実刑判決=直ちに刑務所に収容」といった意味合いです。

拘留・禁錮・懲役・拘禁

刑事罰は大きく分けて「財産刑」「自由刑」「生命罰」の3種類です。科料や罰金刑は、金銭納付を行わせるものであり、財産刑に該当します。

一方で、身柄拘束を行う刑罰のことを「自由刑」と言い、拘留・禁錮・懲役・拘禁が該当します。

拘留は1日以上30日未満の短期間の間、刑務所へ収容される自由刑です。拘留には執行猶予を付けることができないため、拘留=実刑判決確定となります。ただ、期間は他の自由刑と比較して短いうえに刑務作業が義務付けられていません。

「拘留」に似た言葉で「勾留」があります。読み方は同じですが、意味はまったく異なります。拘留は刑事罰のひとつです。一方で、勾留は被疑者の身柄を一時的に拘束することを指します。

拘留の次に重い刑罰が禁錮刑です。禁錮刑は一定期間刑務所に収容されるものの、刑務作業が義務付けられていません。一方で、懲役刑は刑務作業が義務付けられている自由刑です。

つまり、禁錮刑と懲役刑の違いは「刑務作業が義務付けられているかどうか」です。禁錮刑および懲役刑の場合は、3年以下の場合に限って執行猶予を付けることができます。そのため、3年を超える刑罰が確定した場合は実刑判決確定となります。

拘禁刑とは?
拘禁刑は2025年6月に施行される新しい自由刑の一つです。刑務作業が義務付けられていない禁錮刑と刑務作業が義務付けられている懲役刑を併合させた自由刑となります。拘禁刑も同様に3年以下の場合にのみ執行猶予を付けられます。

死刑

死刑は生命刑であり、死をもって罪を償う刑罰です。当然、死刑判決には執行猶予が付くことはありません。死刑判決が下された時点で実刑判決が確定します。

なお、死刑は「死」が刑罰であるため、懲役刑とは異なり刑務作業が義務付けられていません。また、収容される施設も刑務所ではなく拘置所です。

実刑判決とは

実刑判決とは「直ちにその刑が執行されること」を指します。犯罪を犯して判決が言い渡されたとき、刑の執行を猶予することができる場合があります。これを「執行猶予付き判決」と言い、執行猶予付判決以外の判決が「実刑判決」です。

実刑判決が下されると、言い渡された刑罰が直ちに執行されます。罰金刑であれば、罰金の支払いをしなければいけません。禁固刑や懲役刑であれば、刑務所に収容されることになります。

次に実刑判決とはどういったものなのか?について詳しく解説します。

実刑判決=直ちに刑務所へ収容される

実刑判決とは「直ちにその刑罰が執行されること」を指し、執行猶予付き判決に対する言葉として利用されます。

「実刑判決=刑罰が直ちに執行されること」であるため、拘留や科料といった執行猶予を付けることができない刑事罰の場合は、実刑判決が確定します。また、罰金刑の場合も50万円を超える罰金の場合は執行猶予をつけられません。そのため、実刑判決となります。

ただ、世間一般的には「実刑判決=直ちに刑務所へ収容される状態」を指します。そのため、科料や拘留、罰金刑に対して「実刑判決が下された」とはあまり言いません。

実刑判決は「直ちに刑が執行されること」であるため、当然科料や拘留、罰金刑でも「実刑判決が下された」と言っても間違いではありません。しかし、一般的には「実刑判決=刑務所への収容が確定した」という意味合いで利用されています。

ここでは「実刑判決=刑務所へ直ちに収容されること」と覚えておけば良いでしょう。

刑事事件では「執行猶予付きの判決」が下されることもある

刑事事件においては、一定の条件で「執行猶予付きの判決」が下されることもあります。

【執行猶予が付く条件】

  • 50万円以下の罰金
  • 3年以下の禁錮・懲役刑

執行猶予とは、直ちにその刑罰を執行せずに一定期間猶予することを言います。たとえば、傷害事件を犯した被疑者に対して、「懲役3年執行猶予5年」の判決が言い渡されたとしましょう。

上記の場合、被疑者に対して下された判決は「懲役3年」です。しかし、この刑罰を直ちに執行せずに、5年間の猶予を与えます。猶予期間中は社会に戻り、日常生活を送ります。

執行猶予付き判決が下された場合、裁判官の裁量で保護観察が付される場合もあります。この場合、定期的に保護司と面談をしたり指導を受けたりしなければいけません。

執行猶予期間中に罰金刑以上の刑が確定しなければ、「懲役3年」という刑罰は消滅します。つまり、刑務所へ収容されずに済みます。

実刑判決が下されるまでの流れ

実刑判決が下されるまでには、様々な手続きが必要となります。事件発生から始まり、取り調べ、起訴を経て刑事裁判を行い、最終的に判決が下される流れです。

次に、実際に実刑判決が下されるまでの流れについて詳しく解説します。

逮捕・取り調べ

事件発生後に被疑者を特定し、逮捕もしくは任意同行にて取り調べを行います。

犯罪を起こしたとしても、必ず逮捕されるわけではありません。逮捕は、被疑者の身柄を拘束するため、慎重に判断をする必要があります。とくに逃亡の恐れや証拠隠滅の恐れがない場合は、逮捕をせずに捜査を行います。

逮捕された場合は、逮捕から48時間以内に検察官へ事件を送致しなければいけません。逮捕されていない場合は、期限に定めがなく、通常は2カ月〜3カ月程度で送致(書類送検)されます。

ちなみに、逮捕した被疑者を送致することを「身柄付送致」と呼びます。一方で、逮捕せずに送致することを「書類送検」と呼ぶのが一般的です。

勾留請求の必要性を判断

事件を送致された場合は、被疑者を引き続き勾留するかどうかを判断します。身柄付送致の場合は、送致から24時間以内に勾留請求を行うかどうか判断し、行う場合は手続きをしなければいけません。

勾留が必要であると判断された場合は、被疑者を連れて裁判所へ行き、裁判官からの勾留質問を行って最終的に裁判官が決定します。

勾留が認められた場合は、さらに10日間の身柄拘束が行われます。その後、さらに10日間の身柄拘束が継続されることが多く、合計すると20日間の身柄拘束が行われることになるでしょう。

起訴・不起訴の判断

勾留されている被疑者の場合、勾留期間中に起訴するか不起訴とするかを決定しなければいけません。勾留されていない在宅事件の場合は、期限に定めがないものの、おおよそ2カ月〜3カ月程度で起訴もしくは不起訴が決定します。

ちなみに、起訴には「正式起訴」と「略式起訴」の2種類があります。正式起訴は、通常通り刑事裁判を行い、最終的に判決が下される流れです。

一方、略式起訴とは100万円以下の罰金もしくは科料に対して認められている起訴方法であり、刑事裁判を行わずに判決が確定します。被疑者は、刑事裁判を受けない分、早期に釈放される点がメリットです。

略式起訴であっても50万円以下の罰金刑の場合は、執行猶予を付けることができます。しかし、50万円を超える場合は、執行猶予が付かずに実刑となるため注意しましょう。

刑事裁判を受ける

正式起訴された場合は、刑事裁判を受けます。刑事裁判では、検察と弁護人がそれぞれ証拠等を開示し、被疑者は有罪か無罪かを判断します。有罪の場合は、どの程度の刑罰に処するのかを話し合い、最終的に裁判官が決定する流れです。

判決に従って刑に服する

すべての公判が終了すると、裁判官は判決を言い渡します。このとき、執行猶予付き判決が下されなければ、実刑判決となります。

その後、一審の判決後14日以内に控訴しなければ、実刑判決が確定する流れです。公訴した場合は、二審裁判が開かれ、判決が言い渡されます。その後、さらに14日以内に上告が可能です。

最終的に上告による判決が確定した時点で、実刑判決が確定する流れです。刑が確定するまでは、推定無罪として扱われ、基本的には拘置所にて生活を送ることになります。また、保釈が認められた場合は、実刑判決が確定するまでは社会で生活を送ることができます。

つまり、実刑判決が下されたからといって、直ちに刑務所へ収容されるわけではありません。あくまでも、最終的に「実刑判決が確定した時点」で刑務所へ収容される流れです。

実刑判決を回避するための対策

実刑判決を回避するためには、以下の対策を事前に行っておく必要があります。

  • 刑事弁護に強い弁護人を選任する
  • 被害者と示談交渉を進めておく
  • 被害弁済を行っておく
  • 反省している態度を示す
  • 身元引受人を探しておく

上記対策を行ったとしても、絶対に実刑を回避できるとは限りません。たとえば、殺人罪の法定刑は5年以上の懲役または無期もしくは死刑です。つまり、執行猶予をつけられる条件を満たしていないため、殺人罪による実刑判決回避は相当難しいです(情状酌量等による減刑が認められた場合は可能)。

このように、そもそも実刑判決を回避することが難しい犯罪も多くあります。ここでは、執行猶予付き判決が下される可能性のある犯罪について、解説しています。そのことを前提に参考にしていただければ幸いです。

刑事弁護に強い弁護人を選任する

犯罪を起こしてしまった場合、初めに刑事弁護に強い弁護人へ相談をしましょう。

事件発生後、被疑者が弁護人を呼べるタイミングは大きく分けて以下の3通りです。

  • いつでも呼べる
  • 逮捕後
  • 勾留確定後

逮捕前や任意同行による取り調べ時、または逮捕後など自分の好きなタイミングで自分の好きな弁護人を呼ぶことができるのは「私選弁護人制度」です。費用は自分で支払わなければいけないものの、刑事弁護に強い弁護人を選任できるのがメリットです。

次に、逮捕後に一度だけ無料で呼べる弁護人として「当番弁護人制度」というものがあります。当番弁護人経由で私選弁護人を選任することも可能ですが、あくまでも当番弁護人が来る制度であるため、刑事弁護に強い弁護人とは限りません。

そして、最後に勾留が確定もしくは起訴された時点で私選弁護人が付いていない、付けることができない被疑者については、国選弁護人が選任されます。費用はかかりませんが、刑事弁護に強いとは限らないため注意しなければいけません。

実刑判決を回避するためには、できるだけ早めに刑事弁護に強い弁護人を選任する必要があります。そのため、経済的に余裕がある場合は、刑事弁護に強い弁護人を私選で選任しましょう。

適切な弁護活動を行ってくれることによって、実刑を回避できる可能性が格段に高まります。

私選弁護人は被疑者本人のほか、家族や友人等から依頼することも可能です。被疑者が呼ぶ場合は、警察官等に対して「〇〇弁護士事務所の〇〇弁護士を呼んでほしい」と伝えれば良いです。

被害者と示談交渉を進めておく

実刑判決を回避するためには、被害者の処罰感情がとても重要です。被害者の処罰感情が強ければ強いほど、刑罰は厳しくなるでしょう。

そのため、被害者と示談交渉を進め、処罰感情を弱くしておくことによって実刑を回避できる可能性が高まります。とくに、示談交渉が成立している場合は、弁護士経由で嘆願書(たんがんしょ)というものを検察官へ提出されます。

たとえば、示談交渉が完了して被害者が「私は加害者と示談交渉が完了しています。私は、厳しい処罰を望まないため、寛大な処分をお願いします」といった内容の書面です。

被害者に処罰感情がない、もしくは弱いことが明らかであるため、検察や裁判官も刑罰を軽くしたり寛大な処分を下したりすることがあります。

被害弁済を行っておく

被害弁済を行っているかどうか、についても刑事裁判においては非常に重要です。たとえば、人の物を壊してしまったような場合は、その物の弁済が行われているかどうか、もしくは弁済する意思があるかどうかで実刑判決の回避有無が変わります。

つまり、被害弁済を行ったうえで被害者と示談交渉を進めておくことこそが、実刑判決を回避するための得策であることは間違いありません。

これらは、すべて弁護人経由で行うのが一般的です。そのため、刑事事件が発生した場合は、直ちに私選弁護人を選任したうえで早期に対応してもらうことが実刑判決回避のためにとても大切です。

反省している態度を示す

実刑判決を回避するためには、本人の反省度もとても重要です。反省していなければ、再犯の可能性が高いと判断され、当然ながら厳しい判決が下されます。

そのため、嘘でも「反省している態度・雰囲気」を出しておくことが重要です。反省し、二度と同じ過ちを繰り返さないことを誓いましょう。

身元引受人を探しておくこと

執行猶予付き判決を受けるためには、身元引受人がいなければいけません。

身元引受人として認められている人は、主に家族(両親・兄弟姉妹など)や会社の上司です。また、彼氏・彼女もしくは友人であっても認められる可能性がありますが、絶対にm認められるわけではないため注意しなければいけません。

身元引受人がいなければ、釈放が認められなかったり執行猶予が付かなかったりします。そのため、最終的に実刑判決が下されてしまう可能性が高まります。

友人等でも身元引受人として相談できるため、信用できる人に相談をしてみましょう。

実刑判決回避に関する注意事項

実刑判決を回避するための対策を行ったとしても、絶対に回避できるわけではありません。これから紹介する注意事項を踏まえ、今後の対応方法を検討しましょう。

対策を行っても絶対に実刑を回避できるわけではない

実刑判決を回避するための方法について解説しましたが、そのすべてを行ったとしても確実に実刑を回避できる保証はありません。実刑判決を下すかどうかは、最終的に裁判官が決めることです。

さまざまな情状等を考慮したうえで、執行猶予を付けることが妥当なのか、実刑判決を言い渡すことが妥当なのかを決めます。そのため、すべての対策を行ったとしても、最終的には実刑判決が下される可能性もあることを頭に入れておきましょう。

とくに、法定刑が重い犯罪の場合は、実刑判決となる可能性が高いです。たとえば、殺人罪の場合は「5年以上の懲役または無期もしくは死刑」です。最低でも5年以上の懲役であるため、そもそも執行猶予を付けることができません。

そのため、たとえば殺人罪で執行猶予付き判決を受けるためには、心神耗弱が認められる場合や情状酌量が認められる場合です。相当稀なケースではあり、現実的に相当難しいです。

また、強盗殺人罪のように「無期または死刑」しかないような犯罪の場合は、そもそも執行猶予付き判決が言い渡されることはありません。

再犯の場合は軽微な犯罪でも実刑判決の可能性が高くなる

再犯の場合は、たとえ軽微な犯罪であったとしても実刑判決の可能性が高くなります。たとえば、覚せい剤取締法違反(所持・使用)の場合、初犯であれば大半のケースで執行猶予が付きます。しかし、2回目以降であればほぼ確実に実刑判決が下されます。

窃盗罪も同じであり、初犯であれば執行猶予付き判決や罰金の実刑となるケースが多いです。しかし、2回目以降の再犯の場合は、懲役刑の実刑判決が下される可能性が高くなるため注意しましょう。

実刑判決回避に関するよくある質問

実刑判決回避に関するよくある質問を紹介します。

Q.控訴審で執行猶予付き判決に覆されることはありますか?

A.控訴審で執行猶予付き判決に覆される可能性はあります。

日本は三審制であり、当事者が望めば最大3回まで同じ内容で裁判を開くことができます。一審判決で実刑判決が下され、判決に不服がある場合は二審(控訴)にて裁判を行えます。

一審で実刑判決が下された場合であっても、二審もしくは三審で執行猶予付き判決に覆ることはあるため、諦めずに弁護士へ相談をしましょう。

なお、一審で実刑判決が下された場合であっても、判決が確定するまでは推定無罪です。そのため当然、保釈請求が認められれば刑罰が確定するまでは、社会に戻って日常生活を送ることもできます。

二審で執行猶予付き判決が下されれば、一度も刑務所に収容されることはないため、安心してください。

Q.実刑判決が下されるとどうなりますか?

A.実刑判決が下されると刑務所へ収容されてしまうため、自分自身で家や携帯、クレジットカードや免許証の更新等はできなくなります。

自宅や携帯料金、クレジットカード等の支払いは、家族経由で行いましょう。もし、頼れる人がいなければ、滞納状態となってしまうため注意が必要です。

ただ、一般的には口座振替にしていることが多いため、口座内に預貯金が残っていれば特に問題はないでしょう。

自宅の家賃や荷物については、支払えなければ保証人へ連絡が行きます。荷物を代わりに処分してもらうか、物件オーナーと話をして支払いを待ってもらうなどの対策を検討しましょう。

刑務所へ収容されているときに運転免許の更新が訪れた場合、刑務所へいるため基本的に更新手続きは行えません。

免許の更新時期から3年以内に出所して手続きを行える場合は「やむを得ない事由」として更新手続きが可能です。このとき、必ず「在監証明書」というものを発行してもらいましょう。3年を超える場合は刑務所内で免許の更新手続きが可能です。

Q.実刑判決が下された後の流れを教えてください

A.「実刑判決=直ちに刑の執行」を意味しますが、裁判後に刑務所に収容されるわけではありません。一度、拘置所へ移送されます。

保釈されていた人や勾留されていた人は、実刑判決が下されたあとに拘置所へ戻ります。なぜなら、判決を受けた時点ではまだ実刑判決が確定しているわけではないためです。

被告人は判決から14日以内に控訴・上告を行うことができるため、控訴期日を迎える、もしくは最高裁で判決を受けるまでは刑が確定しません。あくまでも、刑が確定した時点で実刑判決が確定するため、直ちに刑務所へ収容されることになります。

拘置所へ移送されたあとは、刑が確定するまで拘置所にいる、もしくは保釈請求を行って認められれば社会に戻って日常生活を送る、のどちらかです。

実刑判決が確定したあとも、一旦は拘置所に収容され、受刑者の調査を行います。調査の結果、どこの刑務所へ収容するか決定し、刑務所へ収容される流れとなります。

Q.刑務所の中では何を行うのでしょうか?主なスケジュールを知りたいです。

A.刑務所に収容される刑罰は「懲役」もしくは「禁錮」であり、それぞれスケジュールが異なります。

まず、懲役囚の場合は刑務作業が義務付けられています。一方で、禁錮刑の場合は刑務作業が定められていません。そのため、それぞれのおおよそのスケジュールについて解説します。

【懲役の場合】
6時45分:起床
部屋の掃除・点検等を行う
7時05分:朝食
朝食をとり、更衣室にて着替えて刑務作業の準備を始める
8時00分:刑務作業開始
運動や面会、診察等もこの時間帯に行われる
16時40分:刑務作業終了
17時00分:夕食
夕食後は自由時間となり、室内で本を読んだり手紙を書いたりできます。
21時00分:消灯・就寝

平日は上記のとおりのスケジュールで規則正しく生活を送ります。また、平日の間で犯罪者に合った指導等が行われる施設もあります。たとえば、薬物乱用者であれば薬物に関する指導等が行われることになるでしょう。

【禁錮の場合】

禁錮刑の場合は、刑務作業が義務付けられていません。そのため、懲役囚が刑務作業を行っている間は、室内で読書をしたり手紙を書いたりして過ごします。また、面会や運動等は定期的に行える点は懲役囚と同じです。

Q.確実に実刑判決を回避できる方法はないのでしょうか?

A.確実に実刑判決を回避できる方法はありません。

犯罪を起こし、罰則規定がある以上は何らかの実刑判決が下されてしまう可能性を100%回避することはできません。

最終的に執行猶予付きの判決を下すのか、実刑判決を下すのかの判断をするのは裁判官です。最終的に判決が確定するまでに、さまざまな対策を行うことはできますが、「絶対に回避できる保証」はありません。

また、担当弁護士から「執行猶予が付く可能性が高い」と言われても、実際に判決が下されるまではわからないため注意しましょう。一般的に見ると執行猶予が下されるような犯罪であっても、さまざまな事情を考慮したうえで判決が下されるためです。

まとめ

今回は、実刑判決の回避について解説しました。

実刑判決とは、刑の執行を猶予されることなく直ちに執行されることを指します。そのため、刑務所への収容を免れる罰金刑にも使われる言葉です。ただ、一般的には「実刑判決=刑務所へ収容されること」を指すとのことでした。

実刑判決を回避するためには、執行猶予判決を受けるしかありません。執行猶予は3年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金の場合のみ適用されます。

そのため、法定刑がそもそも上記を超えるような場合は、執行猶予がつかないため注意しなければいけません。

また、今回は執行猶予を回避する方法についても解説しました。今回解説した対策を行ったとしても、確実に実刑を回避できるわけではありません。あくまでも、判決を下すのは裁判官である点は覚えておきましょう。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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