ライブチャットで逮捕される可能性はある?成立する犯罪と法定刑を詳しく解説

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ライブチャット配信は、客とチャットで会話を楽しみながら配信ができるサービスです。客は、自分の要望を伝えたりチャットした内容に配信者が反応してくれることによって楽しめます。

しかし、中には過激な要求をしたり過激な映像を配信したりしてしまう人がいます。実は、ライブチャットでのわいせつな行為の撮影・配信は法律違反となり逮捕される可能性があるため注意しなければいけません。

本記事では、ライブチャット配信で逮捕される可能性について詳しく解説します。ライブチャットを始めようとしている人、現在実際に配信を行っている人はぜひ参考にしてください。

目次

ライブチャットで逮捕される行為例

ライブチャットで配信する行為自体に違法性はありません。しかし、公然とわいせつな行為をした場合やわいせつな動画・画像を頒布したことが認められた場合は罪に問われる可能性があるため注意しなければいけません。

まずは、ライブチャットで逮捕される行為例について詳しく解説します。

公然とわいせつな行為をした事実が認められた場合

ライブチャット配信の中でわいせつな行為をした場合は、公然わいせつ罪という罪に問われる可能性があります。公然わいせつ罪とは「公然とわいせつな行為が認められた場合」に成立する犯罪です。

公然とは「大っぴらなさま」や「広く知れ渡るさま」という意味です。また、わいせつな行為とは、性欲を刺激する行為を指します。たとえば、脱衣や局部の露出等がわいせつな行為に該当します。

つまり、不特定多数の人が閲覧できる状態(公然)でわいせつな行為をした場合に公然わいせつ罪が成立します。

また、「不特定多数の人が閲覧できる状態」であれば公然わいせつ罪が認められるため、必ずしも複数人の人が閲覧している状況じゃなくても同罪が成立し得ます。たとえば、1体1でライブチャットルームを開設していたとしても、その場でわいせつな行為をした場合は公然わいせつ罪が成立するため要注意です。

ライブチャットを行っている人の中には、いわゆる投げ銭を得るために過激な露出等をする人がいます。これらの行為は、すべて公然わいせつ罪に該当する可能性があると認識しておきましょう。

公然とわいせつな行為をした画像・動画を頒布した場合

公然とわいせつな行為をした画像・動画を頒布した場合は、「わいせつ物頒布(はんぷ)等罪」という罪に問われる可能性があります。

たとえば、ライブチャット配信の中で自他のわいせつな画像・動画を配信した場合に成立する犯罪です。必ずしも自分のわいせつな画像・動画でなくても、不特定多数の人が閲覧できる状態で公開する行為が処罰対象になり得ます。

また、わいせつ物頒布等罪や公然わいせつ罪は、ライブチャット配信者飲みが対象ではありません。閲覧している側の者も処罰される可能性があるため注意しなければいけません。

たとえば、ラブチャット配信者に対して自分の局部を露出して見せるような行為も公然わいせつ罪になり得ます。また、わいせつな画像・動画を見せる行為はわいせつ物頒布等罪に該当するため注意してください。

いかなる理由があったとしても、公然とわいせつな行為をしたりわいせつ物を頒布する行為は禁じられていることを覚えておきましょう。

風営法の許可を得ていなかった場合

ライブチャットにて配信をする内容次第では、風営法の許可を取る必要があります。具体的には「客の性的好奇心をそそるため」のライブチャット配信の場合は、風営法許可が必要です。

万が一、風営法許可を取らずに客の性的好奇心をそそるような行為が認められた場合は、風営法違反として処罰されるため注意しなければいけません。

具体的に「客の性的好奇心をそそるための行為」とは、「動画・画像もしくは自身の表現を用いて性的好奇心をそそること」です。たとえば、衣服を脱いだりライブチャット配信の中でわいせつな行為をしたりする場合です。

上記行為を行う場合は、風営法の定めにより「映像送信型性風俗特殊営業」の届出を行う必要があります。ライブチャットの運営元で上記届出を出して許可を得ている場合は良いですが、許可を得ていないにも関わらず性的好奇心をそそる行為は風営法違反となります。

映像送信型性風俗特殊営業は、「映像送信型性風俗特殊営業を運営しようとするもの」が届け出る必要があります。そのため、本来であれば運営者が許可を得なければいけません。

しかし、ライブチャットを配信する側にも許可の有無を確認する義務があり、映像送信型性風俗特殊営業の許可を得ていなければ違法となります。運営者だけではなく、実際にライブチャット配信を行っていた人も処罰の対象になるため注意してください。

ライブチャットで成立する犯罪

ライブチャット自体に違法性はありません。しかし、許可を取らずにわいせつな行為をしているとさまざまな犯罪が成立するため注意しなければいけません。

実際、ライブチャットで違法行為が認められた場合は、以下のような犯罪が成立し得ます。

  • 公然わいせつ罪
  • わいせつ物頒布等罪
  • 風営法違反
  • わいせつ電磁的記録記録媒体陳列罪

それぞれ詳しく解説します。

公然わいせつ罪

公然わいせつ罪は「公然とわいせつ行為をした場合」に成立する犯罪です。先ほども簡単に解説したとおり、ライブチャット上でわいせつな行為を見せた場合に成立する犯罪です。

ライブチャットは不特定多数の人がお金を支払って視聴できる状態となっているため、「公然性」が認められます。結果的に、公然とわいせつな行為を行っていると見なされて公然わいせつ罪が成立し得ます。

また、ライブチャットの中には1対1で楽しめるサービスもあります。中には、「1対1であれば、公然性はないためわいせつな行為をしても大丈夫ではないか?」と考える人がいるかもしれません。

確かに、公然性とは「おおっぴらなさま」や「広く知れ渡らせること」といった意味合いがあります。そのため、実際は1体1の場合は公然わいせつ罪が成立する可能性は低いと考えて良いです。

とはいえ、過去には1対1のライブチャット配信であっても公然わいせつ罪が成立した事例もあります。そのため、一概に「1対1なら問題ない」とは言い切れません。

とくに1対1であってもあとから不特定多数の人が閲覧できる状態であれば、公然性が認められて違法となる可能性が高いです。また、お金さえ払えば誰でも見れるような状態にある場合も同様です。

そのため、ライブチャットでわいせつな行為をするのは避けたほうが良いです。万が一にも公然わいせつ罪に問われる可能性があるため注意してください。

ライブチャットの配信者のみならず、視聴者もわいせつな行為をした場合は公然わいせつ罪として処罰の対象になり得るため注意してください。

わいせつ物等頒布罪

わいせつ物頒布等罪とは、わいせつな画像や動画等を広く配ることを指します。たとえば、ライブチャットで配信した映像を保存してネット上等で頒布した場合に成立する犯罪です。

とくに配信した映像を改めて視聴できるような仕組みになっているチャットサイトは要注意です。

わいせつ物頒布等罪は「わいせつ物を頒布した人」が処罰の対象になるため、通常は運営者のみが処罰されます。しかし、配信者としては1対1で見せていた映像が頒布されたことによる影響を受ける恐れがあります。

思わぬトラブルに発展する恐れもあるため、ライブチャット配信でのわいせつな行為は避けましょう。

風営法違反

風営法では「映像送信型性風俗特殊営業を営もうとする者は届出をしなければいけない」と定めています。ライブチャットによる配信は映像送信型性風俗特殊営業に該当しませんが、視聴者の性的興奮を誘う行為がある場合は届出が必要となります。

つまり、映像送信型性風俗特殊営業の届出を行うことなくわいせつな行為があった場合は、運営者が風営法違反として処罰されるため注意しなければいけません。

とくに運営側で「チャット内でのわいせつな行為を禁止」とされているにも関わらず、配信者が勝手にわいせつな映像を配信していた場合は要注意です。この場合、運営者は届出を行っていなかったことにより、何らかの処分が下されます。

最悪の場合、チャットの運営ができなくなる恐れがあります。結果的に、わいせつな映像を配信していた人に対して損害賠償請求をする可能性があるため注意しましょう。

ライブチャットで逮捕された場合の流れ

ライブチャットで罪を犯した場合、逮捕されてしまう可能性があるため注意しなければいけません。万が一、逮捕されてしまった場合はどのような流れで事件は進んでいくのでしょうか。次に、ライブチャットで逮捕された場合の流れについて詳しく解説します。

逮捕

初めに逮捕される可能性があります。逮捕とは、罪を犯した疑いのある人の身柄を一時的に拘束するための手続きです。そのため、罪を犯したからといってすべての人が逮捕されるわけではありません。

とくにライブチャット配信者が犯す罪は比較的軽微な犯罪が多いため、逮捕をせずに捜査を行うケースもあります。逮捕せずに捜査を行うことを「在宅捜査」と呼びます。一方、逮捕して捜査を行うことを「身柄事件」と呼ぶのが一般的です。

逮捕には「通常逮捕」「現行犯逮捕」「緊急逮捕」の3種類があります。ライブチャット配信で逮捕される場合は、通常逮捕となるケースが多いです。

通常逮捕とは、警察官が内定捜査を行って裁判所へ逮捕状を請求して発布された令状を元に逮捕することを言います。ある日突然自宅に警察官が現れ、そのまま逮捕されて連れて行かれるのが一般的な流れです。

逮捕された場合は、最大48時間以内に次のステップ(勾留請求)に移行する必要があります。そのため、早ければ48時間以内に身柄を釈放されて自宅へ戻ることもできます。

逮捕された場合は、1度だけ当番弁護人を呼ぶことができます。当番弁護人とは、弁護人制度のひとつであり、刑事弁護に強い弁護士が接見に来てくれます。主に今後の流れについて詳しく説明してくれたり、アドバイスをしてくれたりする制度です。

勾留請求

警察官は、逮捕から48時間以内に検察官へ事件を送致しなければいけません。事件を引き継いだ検察官はさらに24時間以内に被疑者の身柄を引き続き勾留するかどうかを判断する必要があります。

勾留の必要がないと判断された場合は、そのまま身柄を釈放されて在宅事件に切り替わります。

一方で、「勾留の必要がある」と判断された場合は、裁判所へ行って勾留質問を行います。最終的には裁判官が交流の必要があるかどうかを判断し、決定を下す流れです。

勾留が認められた場合は、初めに10日間の身柄拘束が認められます。その後、さらに延長が認められるケースが多く、プラス10日間の合計20日間の身柄拘束となるケースが多いです。

この時点で最長23日間の身柄拘束が発生するため、社会的な影響も大きくなる点に注意しましょう。学生であれば学校へ行けない、社会人であれば会社へ出社できない、チャットレディで収入を得ていた人は、収入がないといった状態になります。

起訴・不起訴の判断

身柄事件の場合は、勾留期間中に被疑者を起訴するか不起訴とするかを判断します。罪を犯した事実があっても、不起訴となる可能性があります。とくに、比較的軽微な犯罪である場合は起訴猶予となることが多いです。

また、起訴された場合であっても略式起訴といって、刑事裁判を行わずに罰金刑の納付を行わせることによって事件を終了させるケースもあります。もし、正式起訴された場合は、そのまま刑事裁判を受けることになるため注意しましょう。

なお、在宅事件の場合は、通常書類送検から2カ月〜3カ月程度で起訴・不起訴の判断が行われます。在宅事件であっても起訴された場合は、刑事裁判を受けることになるため注意してください。

刑事裁判を受ける

正式起訴された場合は刑事裁判を受けることになります。刑事裁判では、あなたが犯した罪について審理し、有罪か無罪かを判断します。有罪である場合は、どの程度の刑罰に処するのが妥当かを判断し、判決として言い渡す流れです。

起訴された場合は、罪を犯していないことが明らかである場合を除いて、無罪となることはありません。実際、日本の刑事裁判においては起訴された事件の99.9%が有罪判決であると言われています。

そのため、自分に前科を付けないためには早期に弁護士をつけて適切な弁護活動を行ってもらうことがとても大切です。

判決に従って刑に服する

最終的に下された判決に従って刑に服します。罰金刑であれば罰金を納付して事件は終了しますが、罰金を支払えなければ1日5,000円程度で労役場留置となります。

懲役刑であれば、執行猶予がついた場合を除いて一定期間刑務所へ収容されて刑務作業を行わなければいけません。

【執行猶予とは】
執行猶予とは、下された刑罰を直ちに執行せずに一定期間猶予することを言います。たとえば、「懲役1年執行猶予3年」であれば、直ちに刑務所へ収容せずに3年間の猶予期間が与えられます。この間は社会に戻って生活を送れるので安心してください。執行猶予期間中に罰金刑以上の刑罰が確定しなければ、「懲役1年」という刑罰は執行されません。逆に、罰金刑以上の刑罰が確定した場合は、懲役1年という刑罰が執行される恐れがあるため注意しましょう。

ライブチャットで逮捕された場合の刑罰

ラブチャットでの違法行為は、「公然わいせつ罪」「わいせつ物頒布等罪」「風営法違反」になり得ると解説しました。次に、それぞれの罪に問われた場合の法定刑と判決傾向について詳しく解説します。

公然わいせつ罪「6カ月月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」

公然わいせつ罪の法定刑は「6カ月月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」です。まず、それぞれの刑罰について簡単に解説します。

【懲役刑・拘留とは】

懲役刑とは、一定期間刑務所に収容されて刑務作業が義務付けられる刑罰です。拘留とは、1日以上30日未満の期間、刑務所へ収容されて刑務作業が義務付けられる刑罰です。つまり、懲役刑と拘留の違いは「刑務所へ収容される期間」です。
なお、拘留(こうりゅう)と同じ読み方で勾留というものがあります。勾留は、身柄の拘束をするための刑事手続きであり、刑罰である拘留とはまったく異なります。

【罰金刑・科料とは】
罰金刑とは、金銭を納付させる刑罰です。一方、科料も金銭を納付させる刑罰です。それぞれの違いは「納付を命じられる金額」の違いです。罰金刑は1万円以上の金銭納付を命じられますが、科料は1,000円以上1万円未満の金銭納付で済みます。

公然わいせつ罪は最大でも6カ月以下の懲役と比較的軽い犯罪です。また、拘留や科料といった刑罰が定められていることからもわかるように、大半のケースで軽微な処分で済みます。

とくにチャットレディのように誰にも迷惑をかけていない(実害を受けている被害者がいない)ため、その他事情を考慮したうえで比較的軽い刑罰が下される傾向です。ただし、悪質性が高い場合や常習性が認められる場合は厳しい処分が下される可能性があるため注意してください。

わいせつ物等頒布罪「2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料」

わいせつ物頒布等罪の法定刑は「2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料」です。公然わいせつ罪よりも重い刑罰が定められています。

わいせつ物頒布等罪はわいせつ物を頒布した場合に成立する犯罪です。最高で2年以下の懲役に処される恐れがあるため、執行猶予がつかなければ長期間刑務所に収監されることになります。

また、公然わいせつ罪と異なり拘留の刑罰がありません。よって、懲役刑の実刑判決が下された時点で1カ月以上の収監が確定することになります。

また、罰金は250万円以下の罰金もしくは科料の規定があります。科料は1,000円以上1万円未満の金銭納付を命じる刑罰です。わいせつ物頒布等罪の中ではもっとも軽い刑罰になります。とくに比較的軽微な場合は科料もしくは微罪処分で終了する可能性があるでしょう。

風営法違反「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」

風営法による必要な許可を取らずにライブチャットでわいせつな姿を撮影していた場合は、風営法違反になります。同法の法定刑は「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」であり、公然わいせつ罪やわいせつ物頒布等罪と比較するともっとも厳しいです。

とくに風営法違反は組織的に罪を犯しているケースが多いため、より厳しく処分される傾向です。

ライブチャットの配信元で「映像送信型性風俗特殊営業」の届出を行っていない場合、わいせつな行為を映像で流すことは禁止しています。もし、わいせつな行為を撮影して売り上げを上げたいと考えているのであれば、「映像送信型性風俗特殊営業」の許可を得ているかどうかを必ず確認しましょう。

ライブチャットで逮捕されないためにできること

ライブチャットでの配信は、違法なことを行った配信者も逮捕されてしまう可能性があります。「ただライブ配信をしていただけなのに……」と思うかもしれませんが、違法であれば「知らなかった」では済みません。

また、「みんなやってるから大丈夫だと思った」という勝手な勘違いも通用しません。罪を犯せば逮捕される可能性があります。そのため、逮捕されないためには自分で知識を付けて対策することがとても大切です。

次に、ライブチャットで逮捕されないためにできる5つのことについて以下のとおり解説します。

  • 性器等の露出をしない
  • 18歳未満で利用をしない
  • その他法律違反を犯さない
  • 著作権法に抵触する写真・動画等を利用しない
  • 規約を確認して違反しない範囲で利用する

それぞれ詳しく解説します。

性器の露出をしない

ライブチャットでの正規露出は、公然わいせつ罪に問われる可能性があるため絶対にやめましょう。また、わいせつ物頒布等罪に問われる可能性や風営法(映像送信型性風俗特殊営業)違反になる可能性もあります。

性的な露出を提供するサービスを検討している場合、ライブチャット運営元側で「映像送信型性風俗特殊営業」の許可を得ていることを確認してください。ただし、映像送信型性風俗特殊営業の届出をしていたとしても、必ず犯罪にならない保証はありません。

そのため、ライブチャット配信での正規の露出は絶対にやめましょう。

18歳未満で利用をしない

ライブチャットは18歳未満の未成年者の利用は禁止されています。そのため、18歳未満の利用は絶対にやめましょう。

ライブチャット登録時に必ず18歳以上であることを証明しなければいけず、偽造した身分証を使用したり他人の身分証明書を使用したりすると罪に問われます。前者の場合は公文書偽造罪、後者の場合は詐欺罪が成立し得ます。

また、未成年者が性的姿態を撮影した場合は児童ポルノ法違反に問われる恐れもあるため注意してください。

その他法律違反を犯さない

その他犯罪行為となるようなことをしないように注意しましょう。不安な場合は運営に確認をしたり自分で調べたりして自衛を行うことがとても大切です。

ライブチャット配信の場合、何らかの行為が直ちに違法になるケースは稀です。しかし、法律は「知らなかった」では済まされません。誤って犯罪を犯してしまう恐れもあるためくれぐれも注意しましょう。

著作権法に抵触する写真・動画等を利用しない

著作権者の許可を得ずに著作物を撮影した場合は、著作権法違反に問われる恐れがあるため注意してください。とくに人気なキャラクターをアイコンに設定してしまうと著作権法違反に問われる恐れがあります。

ただし、著作権法は親告罪であり、著作権者からの申告がなければ犯罪は成立しません。そのため、過度に不安を感じる必要はないものの、一応頭の中に「著作権法」のことを入れておくと良いでしょう。

規約を確認し、違反しない範囲で利用する

ライブチャットで配信を行う際は、利用規約をよく読み理解したうえで楽しみましょう。規約に違反してしまった場合は、ライブチャットのアカウント停止になるだけではなく、何らかの刑事罰を受けたり損害賠償請求を受けたりする可能性があります。

たとえば、わいせつな行為の配信を禁止しているにも関わらず、わいせつな行為を撮影して配信した場合は利用規約違反でアカウント停止になる恐れがあります。また、公然わいせつ罪等の罪に問われる可能性もあるでしょう。

さらに、あなたが行ったことによりライブチャットの運営元が処分された場合、損害賠償請求を受ける可能性もあるため注意してください。

ライブチャットの逮捕でよくある質問

ライブチャットの逮捕でよくある質問を紹介します。

Q.誰にも迷惑をかけていないのに逮捕されるのはなぜですか?

A.犯罪として成立するためです。

法律で定められている内容には、さまざまな背景があります。たとえば、公然わいせつ罪は「公然とわいせつな行為をした場合に処罰」される犯罪です。具体的には路上で局部を露出したような場合は公然わいせつ罪によって処罰されます。

理由は、突然人の局部を見せつけられることにより、不快に思う人が多いためです。

では、なぜライブチャットでのわいせつ行為が処罰されるのか?確かに、視聴者は配信者のわいせつな姿を見たいと思ってお金を支払っているかもしれません。しかし、中には不快に思う人がいるかもしれません。

そのため、「公然とわいせつな行為が認められた場合」に犯罪が成立するのです。

また、わいせつな行為を前提としているライブチャットであれば、映像送信型性風俗特殊営業の届出を行い適切に営業しているため違法性はありません。よって、あなたがわいせつな姿を配信して利益をあげたいと考えるのであれば、そういったライブチャット配信元を選ぶと良いでしょう。

Q.ライブチャットに出演していただけでは逮捕されませんか?

A.ライブチャットに出演していることに違法性はありません。

ライブチャットで配信を行っているだけであれば何ら違法性はありません。違法となるのは、公然とわいせつな行為をしていたことが認められた場合などです。ただライブチャット配信を行っている人であれば、とくに問題はないため安心してください。

ただし、ライブチャット配信を行っていると客側から露出をお願いされる場合があります。この場合、露出してしまうとやはり公然わいせつ罪等になる可能性があるため注意しましょう。

Q.2人きりのライブチャットであれば処罰されませんか?

A.公然性が認められるかどうかです。

1対1でのやり取りであっても、公然性が認められる場合は公然わいせつ罪やわいせつ物頒布等罪に問われる可能性があるため注意してください。

たとえば、1対1で配信をしていた映像を不特定多数の人が閲覧できる状態になっている場合は、公然わいせつ罪もしくはわいせつ物頒布等罪が成立する可能性があるでしょう。

一方で、誰にも見せることなく1対1で完結する場合は、直ちに違法性があるとは考えにくいです。とはいえ、過去には1対1の配信で逮捕された事例もあるためくれぐれも注意してください。

Q.相手に頼まれて性器等を露出した場合は処罰されますか?

A.罪に問われる可能性があります。

たとえ、相手に依頼されて行ったことであっても、あなたが性器等を露出した場合は、公然わいせつ罪もしくはわいせつ物頒布等罪に問われる可能性があります。相手に強要されたわけではなく、最終的には配信者本人の意思で配信を行っているためです。

仮に、相手から「〇〇しなければ〇〇する」と脅迫されていた場合は、相手方に対して強要罪が成立する可能性もあります。

しかし、ライブチャット配信で上記状況は考えにくいため、結果的に配信者本人が公然わいせつ罪等に問われる可能性が高いでしょう。

Q.みんなやっていることなのに自分だけ逮捕されることはありますか?

A.あります。

同じライブチャット配信でわいせつな行為を配信している人が複数いたとしても、まったく同じ状況となることはありません。そのため、あなただけが違法性ありと判断される可能性があります。

とはいえ、同じように不特定多数の人を対象に局部等を露出しているにも関わらず、あなただけが処罰されるといったことは考えにくいです。この場合は、内定捜査が完了次第順次逮捕を進めていくでしょう。

まとめ

今回は、ライブチャット配信で逮捕される可能性について解説しました。

ライブチャット配信そのものに違法性はないものの、わいせつな行為が認められた場合は、公然わいせつ罪等の罪に問われる可能性があるため注意してください。

公然わいせつ罪やわいせつ物頒布等罪などの犯罪はとても厳しく処罰されます。最悪の場合は懲役刑の規定もある犯罪であるため、くれぐれも注意しましょう。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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