金の密輸は何罪?金の密輸で成立する犯罪や刑罰について解説

NO IMAGE

金の密輸とは、消費税を納税せずに国内へ輸入し、買取店等で売却をして消費税分の利益を得る行為です。本来、消費税を納税しなければいけないにも関わらず、その義務を果たさず、さらに消費税を得ようとする行為は犯罪です。

この記事では、金の密輸とはどのような行為なのか?何罪が成立するのか?などについて詳しく解説しています。金の密輸について詳しく知りたい人は、本記事を参考にしてください。

金の密輸とは

金の密輸とは、消費税を納税せずに買取店へ売却をする行為です。金を売却した人は、消費税分の利益を得られる仕組みであり、違法行為となるため注意しなければいけません。

「金の輸入」と聞くと、一見何ら問題のないように考えている人も多いのではないでしょうか。そもそも、金の所持や輸出入は禁止されていません。

薬物の密輸のように輸出入や所持自体が禁止されているものであれば理解できる方も多いですが、禁止されていない金の密輸がなぜ違法なのか?を理解していない人も多いでしょう。そのためまずは、そもそもなぜ金の密輸が違法なのか?どういった仕組みで利益を得ているのか?について詳しく解説します。

消費税を納税せずに買取店に売却する行為

金の密輸は、消費税を納税せずに国内へ持ち込んで利益をあげる行為です。たとえば、1,000万円分の金を海外で購入し、日本へ持ち込む際は1,000万円に対する消費税(100万円)を支払う必要があります。

しかし、100万円を支払わずに国内へ持ち込み、日本の金買取業者等へ売却することにより、消費税分(100万円)の利益を得られるのです。なぜなら、金の買取業者はあなたに対して消費税を含めた費用を支払わなければいけず、売却価格は1,100万円となるためです。

購入金額1,000万円に対して売却価格が1,100万円となるため、差額である100万円があなたの利益になる仕組みです。

たとえば、シンガポールやドバイ、台湾など富裕層が多く集まる国々では、金に対して消費税の課税がありません。そのため、あなたが上記の国々に行って金を仕入れ、国内へ密輸して売却をすることによって、消費税分の利益をあげるということです。

しかし、金の密輸は禁止されている行為であり、国内へ持ち込む際は必ず消費税を納税する義務があります。この義務を怠った場合に金の密輸として処罰されることになります。

輸出免税利益が発生する仕組み

金の密輸は、消費税を納税しないことによって消費税分の利益をあげる仕組みです。そもそも、消費税という税金は国内で消費されるものに対して課税されます。そのため、海外で購入した金等は基本的には現地で消費税を納税する事はありません。

しかし、日本国内に戻ってきた際、日本国内で日本の消費税率に準じた金額を納税する義務があります。輸出免税利益を目的としている場合は、消費税を支払わずにその分の利益を得ようと考え、金を隠して日本国内に輸入します。

上記の行為が「金の密輸」に該当し、さまざまな法律によって処罰されてしまう可能性があります。

金の密輸によって成立する犯罪

金の密輸によって成立する可能性のある犯罪は、以下のとおりです。

  • 消費税法違反
  • 地方税法違反
  • 関税法違反

次に、金の密輸によって成立し得る犯罪について詳しく解説します。

消費税法違反

消費税は、商品・製品やサービスの提供を受けた際に支払い義務が発生する税金の一つです。金を海外から日本国内へ輸入した場合は、関税法に基づいて消費税を納税する義務があります。

もし、義務があるにも関わらず消費税の納税を免れた場合は、消費税法違反として処罰される可能性があるため注意しなければいけません。消費税法では、以下のとおり明記されています。

第六十四条

次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一偽りその他不正の行為により、消費税を免れ、又は保税地域から引き取られる課税貨物に対する消費税を免れようとしたとき。

引用:消費税法|第64条

つまり、本来は金の輸入をしたときは申告をして納税をしなければいけないにも関わらず、何らかの方法で免れようとした場合に消費税法違反に問われる可能性があります。消費税法違反に問われた場合の法定刑は「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金」です。

非常に重い刑罰が科される可能性がある犯罪であることを認識し、金の密輸は絶対にやめましょう。

地方税法違反

現在日本の消費税率は10%(軽減税率8%)ですが、この内訳は7.8%(軽減税率は6.3%)が国税、2.2%(軽減税率は1.7%)が地方税です。つまり、消費税を納める義務がある人が納めなかった場合は、地方税法違反に問われる可能性もあります。

地方税法では、金の密輸(脱税)について以下のとおり明記されています。

(貨物割の脱税に関する罪)
第七十二条の百九 偽りその他不正の行為により貨物割の全部又は一部を免れ、又は免れようとしたときは、その違反行為をした者は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

引用:地方税法|第72条の109

貨物割とは輸入取引のことです。金の密輸は海外から輸入して日本国内で売却し、消費税相当額で利益を出す仕組みです。よって、「貨物割の脱税に関する罪」に問われることになります。

地方税法違反に問われた場合の法定刑は、消費税法同様に「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金」です。脱税行為は非常に厳しく処分荒れるケースが多いため、くれぐれも注意しましょう。

関税法違反

関税法とは、関税(賦課・徴収、貨物の輸出入)の税関手続きについて定められている法律です。金の輸入は関税法という法律によっても定められており、密輸を行った場合には関税法によって処罰される可能性もあるため注意しなければいけません。

関税法では金の密輸について以下のとおり明記しています。

第百十一条次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。ただし、当該犯罪に係る貨物の価格の五倍が千万円を超えるときは、罰金は、当該価格の五倍以下とする。

一第六十七条(輸出又は輸入の許可)(第七十五条(外国貨物の積戻し)において準用する場合を含む。次号及び次項において同じ。)の許可を受けるべき貨物について当該許可を受けないで当該貨物を輸出(本邦から外国に向けて行う外国貨物(仮に陸揚げされた貨物を除く。)の積戻しを含む。次号及び次項において同じ。)し、又は輸入した者

引用元:関税法|第111条

つまり、本来許可を得たり申告をしたりすべき「金」を許可を得ずに輸入した場合に関税法違反となります。関税法違反に問われた場合は、「5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金」に処される可能性があります。

金の密輸の現状

金の密輸は後を絶たず、現在も多く発生しています。とくに日本は「金の密輸大国」とも言われています。このように言われてしまっている要因は日本の法律や日本の税率です。

日本の法律では、金の密輸が万が一発覚してしまったとしても罰金を支払えば、金を没収されることはありません。つまり、万が一金の密輸がバレてしまった場合のリスクを最小に抑えられます。

また、日本の金に対する税率は10%であるため、単純計算で10%分の利益を得られます。そのため、とくに地金は日本への密輸が多く発生しているのです。

次に、実際どの程度の金の密輸が行われているのか、押収量や摘発件数についても詳しく解説します。金の密輸について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

金密輸の摘発件数推移

金地金の摘発件数は以下のとおりです。

平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和1年 令和2年 令和3年 令和4年
摘発件数 119件 465件 811件 1347件 1086件 61件 51件 5件 9件

参考:財務省|令和5年上半期の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況(令和5年9月27日)資料

上記のとおり、平成時代の金密輸件数は多く、令和に移行してからは摘発件数が減り、令和3年〜4年はわずか5件〜9件となっています。

金密輸の押収量推移

金密輸の押収量推移は以下のとおりです。

平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和1年 令和2年 令和3年 令和4年
押収量 449kg 2,032kg 2,802kg 6,277kg 2,054kg 319kg 150kg 27kg 135kg

参考:財務省|令和5年上半期の全国の税関における関税法違反事件の取締り状況(令和5年9月27日)資料

金密輸の押収量推移は上記のとおりとなっています。平成29年は摘発件数に比例して金の押収量も多くなっています。

金密輸のよくある手口

金密輸は巧妙化し、税関も常に目を光らせています。とはいえ、金を密輸して利益を上げたいと考えている人もあの手この手でいかにして金を密輸するかを考えていることでしょう。

次に、過去に摘発された金密輸の手口についても詳しく解説していきます。

身辺隠匿

身辺隠匿とは、体につけているアクセサリーに見せて金を密輸する方法です。アクセサリーとして金を身につけている人も多くいますが、海外で購入した金のアクセサリーを身につけ、日本に輸入します。

金を身につけて帰国することに問題はありませんが、海外で購入した場合は申告をして消費税を納税する義務があります。しかし、申告をせずにあたかも「元から身につけていました」といった態度で帰国して密輸しようとすると違反になります。

金を身につけて出国したり金を身につけて帰国すること自体に違法性はありません。ただ、帰国時に疑われないよう、出国時に税関で「金の持ち出し申告」をしておく必要があります。申告をせずに持ち出し、そのまま帰国をしてしまうと密輸を疑われてしまうため注意しましょう。

金の持ち出しを申告する条件は「純度90%以上」と「1kg以上」である金を持ち出す場合です。つまり、逆に言えば上記条件以下の金であれば「元々身につけていたものである」と嘘をついて密輸をすることは可能です。とはいえ、密輸が発覚すると処罰されるためリスクのほうが大きいでしょう。

体腔内隠匿

体腔内隠匿とは、体内に金を隠して密輸する方法です。たとえば、肛門に隠したり口腔内に隠したりして金の密輸をする方法です。他にも、足の裏に粘着テープで金を貼り付けて密輸した事例や股間に隠していた事例などさまざまな事例があります。

いずれにせよ、金の密輸が発覚してしまえば処罰の対象となるため注意してください。とくに金を隠して密輸しようとしていることが明らかな場合、悪質と見なされて厳しく処罰されるため注意しましょう。

スーツケースキャスター内に隠す

過去には、スーツケースのキャスター内に金を隠して密輸しようとした事例がありました。結果的に金の密輸が発覚してしまったものの、このように巧妙化した手口も多く発生しています。

また、中には知らずに密輸をさせられているケースもあるため注意してください。たとえば現地で「この荷物を日本人に届けてほしい」と言われ、何も知らずに善意で荷物を持って帰国し、密輸が発覚するケースです。この場合であっても、密輸をした人が処罰の対象になるため注意してください。

ショルダーバック肩紐部分に隠匿

巧妙化する手口の中で過去には、ショルダーバックの肩紐部分に金を隠して密輸した事例もあります。どのように発覚したか定かではありませんが、税関も常に目を光らせて密輸を防止しようとしています。

金の密輸が発覚してしまえば厳しく処罰されることになるため、絶対にやめましょう。

金の密輸で逮捕された場合の流れ

金の密輸はさまざまな犯罪が成立し得ます。万が一、金の密輸が発覚した場合、逮捕されてそのまま処罰されてしまう可能性もあるため注意しなければいけません。

次に、金の密輸で逮捕されてしまった場合の流れについて、詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

逮捕

金の密輸は犯罪であるため、行った場合は逮捕されてしまう可能性があります。逮捕とは、罪を犯した疑いのある人の身柄を拘束し、取り調べを行うための手続きです。

罪を犯したからといってすべての人が逮捕されるわけではなく、重大な犯罪を犯した人や証拠隠滅もしくは逃亡の恐れがある場合に逮捕されます。つまり、金の密輸をしたからといって必ずしも逮捕されるとは限りません。

たとえば、金の量が多い場合や組織的な犯罪が疑われる場合、悪質性が高い場合などさまざまな事情を考慮して逮捕するかどうかを決定します。ちなみに、金の密輸は現行犯逮捕となるケースが多いです。

逮捕された場合は、逮捕された時から48時間以内に検察官へ事件を送致しなければいけません。身柄付きで送致することを「身柄付送致」と言います。一方で逮捕をせずに送致することを「書類送検」と言います。

身柄付送致の場合は「逮捕から48時間以内」という時間制限があります。一方で、書類送検の場合は、期限に定めがありません。

勾留請求

身柄付送致された場合は、送致された時から24時間以内に引き続き被疑者の身柄を拘束する必要があるかどうか?を判断します。勾留の要件は逮捕時と同様であり、証拠隠滅や逃亡の恐れがあるかどうかが判断基準となります。

検察官が「勾留の必要がある」と判断した場合は、裁判所へ勾留請求を行い、最終的に裁判官が勾留の有無を判断する流れです。

もし、検察官もしくは裁判官が「勾留の必要はない」と判断した場合は、即時釈放されて在宅捜査に切り替わります。金の密輸であっても比較的軽微である場合は、在宅捜査に切り替わる可能性もあるでしょう。

もし、勾留の必要があると判断された場合は、初めに10日間の勾留が認められます。その後、勾留延長が認められるケースが大半であり、この場合はさらに10日合計20日間の身柄拘束が発生することになるため注意してください。

起訴・不起訴の判断

勾留されている被疑者の場合は、勾留期間中に被疑者を起訴するか不起訴とするかを判断します。起訴された場合は、そのまま刑事裁判に移行して裁判の判決を持って刑に服します。

不起訴処分となった場合は、その事件について何らかの刑罰が下されることはありません。たとえ金の密輸を行った事実があったとしても、軽微である場合や罪に問う必要がないと判断された場合は、不起訴処分となる可能性もあります。

なお、起訴には大きく分けて正式起訴と略式起訴の2種類があります。前者は刑事裁判によって判決が確定します。後者は、刑事裁判を行わずに刑罰が確定しますが、100万円未満の罰金刑に対してしか略式起訴は選択されません。

刑事裁判を受ける

正式起訴された場合は、刑事裁判を受けて判決を受けます。刑事裁判では、金の密輸について確認し、有罪か無罪かを決定します。金の密輸を行った事実がある以上、無罪判決が確定することはあり得ません。

有罪判決となった場合はどの程度の刑罰に処するかを決定し、判決として言い渡します。

判決に従って刑に服する

刑事裁判で確定した判決に従って刑に服します。懲役刑であれば、一定期間刑務所へ収監されて刑務作業を行わなければいけません。

金の密輸の場合は罰金刑の定めもあるため、罰金を支払って終了するケースもあるでしょう。もし、確定した罰金を支払えない場合は、労役場留置となり、1日5,000円程度で罰金を支払い終わるまで刑務所へ収監されます。

密輸された金の行く末とは

密輸された金は、違法性が疑われる場合は一時的に税関によって押収されます。しかし、金は高価であり、数キロ程度であっても数千万円程度になることもあります。

そのため、万が一密輸を試みてバレてしまった場合、持ち込んだ金はどうなるのだろうか?と不安や疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。次に、万が一金の密輸がバレてしまった場合、金はどこに行ってしまうのか?について詳しく解説をします。

罰金と税金を支払って輸入

金の密輸が発覚した場合、金は一時的に税関によって押収されます。しかし、押収されたままとなるわけではなく、大半は罰金と税金を支払うことによって返還されます。

密輸を試みなければ消費税のみを支払って輸入できます。しかし、密輸が発覚することによって、消費税に加えて罰金を支払う必要があるため注意しなければいけません。

逆に言えば、万が一密輸が発覚しても消費税と税金を支払えば金は返してもらうことができるため、リスクが少ないです。このことが日本への金密輸が後を絶たない理由の一つであると考えられています。

裁判所に没収

金の密輸が悪質な場合や組織的な犯行である場合などは、捜査機関へ告発して金を没収されてしまうケースもあります。金が没収されるケースはごく稀ではあるものの、可能性はゼロではないため注意が必要です。

金の密輸で逮捕された場合の対処法

金の密輸で逮捕されてしまった場合、悪質であると判断されてしまっている可能性が高いです。逮捕をされてしまうと、処罰を受けるだけではなく、大切な金を没収されてしまう可能性もあるため注意しなければいけません。

次に、金の密輸で逮捕された場合の対処法について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。

反省している態度を示す

税関で金の密輸が発覚した場合、反省している態度を示しましょう。反省し、2度と同じことを繰り返さない(今後は輸出入する場合、必ず申告をする)ことを伝えましょう。

また、組織的犯行ではないことなどをしっかりと伝えておくと良いでしょう。悪質性が低いと判断された場合は、罰金等で済む可能性もあるため、まずは反省をし、その態度を示すことが大切です。

弁護士へ相談をして方向性を決定する

逮捕されてしまった場合、刑事事件として密輸事件の捜査が開始されます。その後、一度だけ当番弁護人を付けることができます。当番弁護人は、今後の弁護人制度や刑事事件の流れについて説明を受けられますが、弁護活動を行うための制度ではありません。

そのため、経済的に余裕がある場合は、私選弁護人を選任したうえで今後の方向性等について相談をし、決めておきましょう。

金の密輸に関するよくある質問

金の密輸に関するよくある質問を紹介します。

Q.金の輸入自体が禁止されているのですか?

A.金の輸入自体に違法性はありません。

金の輸入や輸出自体に違法性はありません。そもそも、金は違法薬物等と異なり、所持していても罪に問われることはありません。しかし、先ほども解説したとおり、金の輸入をする際は消費税を支払わなければいけず、消費税を納めれば何ら問題なく輸入が可能です。

あくまでも、消費税を納税しなければいけないという義務を怠り、本来支払うべきものを支払わなかったことによって初めて違法となります。

Q.なぜ金の密輸がバレるのですか?

A.税関が輸出入について管理を行っているためです。

税関は国内からの輸出や国外への輸入を管理する場所です。日本に持ち込めないものを持ち込もうとしていないか?輸出が制限されているものを輸出しようとしていないか?について、確認を行います。

確認を行う過程で、輸入をしようとしている人に対して「申告すべき物はありませんか?」といった内容を聞きます。このとき、金を輸入しようとしている人は「金を持っています」と申告をしたうえで消費税を納税する義務があります。

仮に「何もありません」と伝えても、「はい、そうですか」では終了しません。持ち物を確認したり話を聞いたりしたうえで金やその他輸入品がないかどうかをすべてチェックします。

怪しいと思われた場合は、厳しくチェックされてバレてしまうケースが多いです。また、金は身辺隠匿による輸入が多いため、話の辻褄が合わなくなることによって密輸が発覚するケースも多いです。

Q.なぜ金の密輸が禁止されているのですか?

A.金の輸入自体は制限されていませんが、密輸は納税すべき税金を納めずに輸入する行為であるため禁止されています。

密輸は、本来納めるべき税金を支払わずに日本国内に金を輸入し、消費税の差益分を不当に得る目的で行われます。国民の義務である納税を行わずに不当に税金を詐取しようとする行為であり、当然に禁止行為です。

そもそも、日本国内に輸入する際に消費税を支払った場合であっても、売却時に消費税分を合わせて支払われます。そのため、金を所持している本人は損をすることはない仕組みとなっています。それにもかかわらず、不当に消費税の差益分を得るということは、消費税が不当に支払われていることになります。

すべての人が支払うべき消費税を不当に得る行為は、当然に禁止行為であり絶対に許されるべきではありません。このことから、金の密輸は厳しく処罰される仕組みとなっています。

Q.押収された金は最終的に誰のものになるのですか?

A.原則返還されますが、没収された場合は国庫に帰属します。

押収された金は、原則罰金と消費税を支払うことによって持ち主に返還されます。しかし、悪質な場合や組織的犯行である場合などは、最終的に裁判の判決を持って没収される可能性があります。没収された金については、国庫に帰属します。つまり、国の物となります。

Q.アクセサリーとして金をつけている分には問題ありませんか?

A.問題ありません。

そもそも金の輸出や輸入自体は何ら違法性はありません。そのため、金を身につけて国外にでたり、帰国したりしても問題はありません。

ただし、金を身につけて帰国した場合、金の密輸を疑われてしまう可能性があります。元々身につけていた物であることを証明するために、国外へ出る際に金の持ち出し申告をしておく必要があります。

持ち出しの申告は一定の条件を満たしている場合に限って、義務化されています。基準未満の金を持ち出す場合は、申告の必要はありません。

まとめ

今回は、金の密輸について解説しました。

金の所持や輸出入自体に違法性はないものの、不当に日本へ輸入する行為が禁止されています。懲役刑や罰金刑など厳しい処分が下される可能性が高いため、絶対にやめましょう。

金の密輸は消費税を不当に得る行為であり、絶対に許されるべきではありません。金の密輸によって利益を上げようとする行為は犯罪です。万が一、金の密輸が発覚した場合は消費税だけではなく、罰金の支払いも必要となります。

さまざまなリスクがあるため、金の密輸は絶対にやめましょう。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

刑事事件コラムカテゴリの最新記事

PAGE TOP