逮捕された被疑者は、勾留が確定するまでは接見(面会)が許可されません。しかし、弁護士に限っては、接見が禁止されている機関であっても接見が可能です。
弁護人による初回接見を早期に行うことにより、安心して取り調べに応じられるようになります。また、早期に弁護人へ依頼をすることによって、早期に弁護活動を行うことができ、今後の処分や判決にも大きな影響を与える可能性があります。
この記事では、弁護人が行う初回接見の概要や一般人が行う接見との違い等について詳しく解説しています。家族が逮捕されてしまった人、何らかの犯罪の疑いをかけられていて不安がある人などは、本記事をぜひ参考にしてください。
弁護士の接見とは
弁護士の接見とは、逮捕された被疑者等に対して弁護士が面会に行くことです。刑事事件においては弁護士のことを「弁護人」と呼びます。
弁護人は被疑者を弁護する立場にある人であるため、接見禁止が出されている被疑者であっても接見が可能です。また、日時や時間制限、警察官の立ち合いなど通常の接見では制限されていることも無制限で接見が可能です。
まずは、弁護人が行う接見とはどういったものなのか?いついて詳しく解説します。
日時・時間制限・警察官の立ち合いなく弁護士と話をできる制度
弁護人が行う接見は通常の接見と異なり、ほとんど制限がありません。通常の接見は、平日のみ9時〜17時までで1回あたり15分程度という制限があります。
しかし、弁護人の場合は被疑者や被告人を守る立場の人です。また、犯罪の疑いをかけられている人であっても弁護を受けられる権利があります。そのため、通常の接見とは異なり、日時や時間制限、警察官等の立ち合いを行うことなく接見が可能です。
なお、一般人の接見は被疑者や被告人の状況を考慮して禁止する場合があります。また、逮捕されたあと最大72時間は一般人との面会は何人もできません。
しかし、弁護人であれば接見が可能です。これは、「接見交通権」という権利に基づいています。一般人との面会は証拠隠滅等の可能性も否定はできず、裁判所が接見禁止命令を下すこともあります。一方で、弁護人は立場があるうえに職務を全うする義務があり、証拠隠滅等に加担する可能性は低いです。
もっとも、被疑者である以上推定無罪の原則により、弁護人とは自由に接見をできる権利があります。よって、弁護人との面会に限っては日時・時間・警察官の立ち合いをなしに接見できるのです。
推定無罪の原則とは、有罪判決が下されて確定するまでは、無罪として扱わなければいけないという原則です。
「初回接見」は逮捕された被疑者と弁護士が初めて接見すること
初回接見とは、逮捕された被疑者と弁護士が初めて接見することを指します。初回接見は、刑事事件において非常に重要であり、可能な限り早期に行う必要があります。
逮捕された事件(身柄事件)の場合、逮捕から48時間以内に事件を検察官に送致しなければいけません。その後、24時間以内に検察官は勾留の必要性について判断をします。つまり、勾留を回避するためには逮捕から72時間以内に弁護人と接見を済ませ、弁護活動を開始してもらう必要があるのです。
また、逮捕されてしまった被疑者は「今後どうなるのだろうか」「どのような手続きで進んでいくのだろうか」といったさまざまな不安を抱えています。そういった不安をすぐにでも解消するために、初回接見は非常に重要であり早期に行うべきです。
なお、初回接見の主な方法は以下の2つです。
- 家族もしくは自分で弁護人を依頼する
- 当番弁護人制度を利用する
家族もしくは自分で弁護人を依頼する方法は、私選弁護人として選任する方法です。費用は実費となりますが、刑事事件であるため早期に活動を開始してくれる弁護人が多いです。
また、刑事事件に強い弁護士事務所の場合、夜間等でも対応してくれるケースがあります。そのため、まずは刑事事件に強い弁護人を探し、家族経由での依頼を検討します。
もし、被疑者本人が弁護人を呼ぶ場合は、「〇〇弁護士事務所の〇〇弁護士を呼んでください」と伝えれば呼んでもらえます。ただし、スマートフォン等を利用して自分で弁護人を探すことはできないため注意してください。
当番弁護人制度とは、逮捕された被疑者を対象に一度だけ無料で呼ぶことのできる制度です。警察官等に「当番弁護人を呼んでほしい」と伝えれば、弁護人を呼んでくれます。原則、24時間以内に当番弁護人が警察署に駆けつけてくれて初回接見を行えます。
ただし、当番弁護人は継続的な弁護活動を前提とはしていません。「逮捕後に一度だけ」であるため、あくまでも今後の流れや取り調べに対するアドバイスを受けられる制度であると考えておきましょう。
初回接見では事件・今後の流れについて話を聞く
初回接見では、主に弁護人のほうから事件の内容等について確認されます。また、事件の進め方や今後の流れ等について詳しく説明を受けられます。被疑者自身も不安なことやわからないことがあれば、積極的に聞きましょう。
初回接見の中で取り調べに対する応じ方についてもアドバイスを受けられます。「黙秘するように」や「罪を認めて反省の態度を示す」もしくは「やっていないと一貫して主張すること」など、事件の内容に応じてアドバイスがあります。
弁護人の話をよく聞き、弁護方針を理解して納得した時点で初回接見は終了です。初回接見が終了したあとも、弁護人(当番弁護人を除く)はあなたの弁護活動を開始し、事件について証拠を集めたり、話を聞いたり、被害者と示談交渉を進めたりしてくれています。被疑者は、弁護人を信じて言われた通りに取り調べに応じれば良いです。
初回接見でやるべきこと
弁護人の初回接見では、主に弁護人が必要事項については説明をしてくれます。そのため、弁護人に聞かれたことに答える形で進めていって良いです。ただし、とくに当番弁護人を利用した初回接見の場合は、一度きりであるため聞きたいことを整理しておく必要があります。
そのため、初回接見でやるべきこととして、以下のことを覚えておくと良いでしょう。
- 事件について嘘偽りなく話す
- 気になることをまとめて確認する
- 今後の流れを確認する
- 取り調べの応じ方について確認をする
基本的に弁護人が必要事項を説明してくれる
初回接見時、基本的には弁護人のほうから必要事項を説明してくれます。今後の流れや取り調べに応じる際のアドバイスなど、必要事項をすべて説明してくれるため、その内容をよく聞き、理解できない部分は再度聞き直すだけで良いです。
被疑者の大半は法律知識のない一般の人です。そのため、そもそも初回接見時に何をすれば良いのか?何を聞けば良いのか?といった疑問や不安を抱えている人が大半です。
一方で弁護人は刑事弁護に慣れている人が大半であるため、被疑者が抱えているであろう疑問や不安についても把握しています。そのことについて説明をしてくれるため、弁護人にすべてを任せるという姿勢でも問題ありません。
事件について嘘偽りなく話をする
初回接見時、弁護人に対しては事件に関する内容を嘘偽りなくすべて話してください。弁護人との接見は、警察官等の立ち合いもありません。そのため、弁護人に話した内容で自分が不利になるようなことはないため安心してください。
弁護人は被疑者の弁護を担当する立場にある人であり、被疑者の利益を最優先に考えています。そのうえ、法律の専門家であるため、まずは弁護人に事件の概要を全て話したうえで、今後の弁護活動の方針等を決定していくことになります。
事件が進んでいく中で後から「実は〇〇です……」などと言うことにより、弁護活動に影響を与えてしまう恐れがあります。手遅れとなってしまう可能性もあるため注意してください。
また、事件に関する何らかのことを「絶対に言わない」と決めていても、事件が進んでいく過程で発覚する可能性もあります。そのため、弁護人にだけはすべてのことを正直に話しておいてください。そのうえで、自分の意思や意見を伝え、弁護活動の方針を決定していきます。
気になることをまとめて確認する
初回接見は逮捕直後に行われることが多いです。逮捕直後は、さまざまな不安や疑問を抱えていることでしょう。そのため、気になっていることを一度整理し、弁護人にすべて相談をするようにしてください。
とくに当番弁護人による初回接見の場合、逮捕後に一度だけしか呼ぶことはできません。その後、自分で私選弁護人を付けなければ次に弁護人(国選弁護人)が来るのは勾留後もしくは起訴後です。
また、逮捕後48時間以内に事件は検察官に送致されます。逮捕による身柄拘束の期間はとても短いため、この間に何度も何度も弁護人が接見に来るのは難しいです。そのため、逮捕による勾留期間中に聞きたいことがある場合は、聞き漏れのないように事前に準備しておきましょう。
今後の流れを確認する
弁護人からの説明はあるかと思いますが、一応、今後の流れについても確認しておきましょう。具体的にどういった流れで事件は進んでいくのか。自分の身柄拘束はいつまで続くのか。自分がすべき手続きはあるのか。等について確認しておきましょう。
初回接見は弁護人にとっても刑事事件の進め方を決定するうえで非常に重要です。また、被疑者にとっても不安を解消するために非常に重要な役割のある行為です。
もし、今後自分がどのようになるのか?について把握できていなければ、日々を不安な状況で過ごさなければいけません。落ち着いて取り調べに対応するためにも、今後の流れについてはしっかりと確認しておきましょう。
取り調べの応じ方について確認する
初回接見時には必ず、取り調べに対する応じ方についても確認しておきましょう。私選弁護人の場合は具体的な弁護活動の一環として、取り調べに対する方向性に対するアドバイスをくれるケースが大半です。
たとえば「今回の事件ではとりあえず黙秘でいきましょう」「今回の事件は、素直に罪を認めて反省している態度を示しましょう」などです。事件の概要を聞いたうえで継続的な弁護活動を行ってくれる私選弁護人は、この先を見据えたうえでのアドバイスをくれます。
一方で、当番弁護人による初回接見の場合は、継続的な弁護活動を前提としていないため、取り調べに応じる姿勢についてアドバイスをもらえないことが多いです。取り調べに応じる姿勢は今後の処分は判決に大きな影響を与えます。
そのため、当番弁護人であっても今後どのように取り調べに応じることが適切なのかを確認しておいたほうが良いでしょう。
弁護士の接見でできること
弁護人の接見でできることは、主に以下のとおりです。
- 今後のアドバイスを受けられる
- 刑事処分の見通しを確認できる
- 家族等への伝言を伝えたり伝えてもらったりできる
- 差し入れができる
次に、弁護人の接見でできることについて詳しく解説します。
今後のアドバイスを受けられる
弁護人の初回接見では、今後のアドバイスを受けられます。取り調べへの応じ方や今後の流れなど、被疑者の不安や疑問を解消してくれるでしょう。
また、弁護人という法律の専門家からアドバイスを受けられるため、今後、安心して取り調べ等に応じられるようになります。弁護人は被疑者の味方であるため、わからないことは何でも聞き、すべてのことについて正直に話をするようにしましょう。
刑事処分の見通しを確認できる
弁護人は今後の刑事事件の見通しについてもある程度の予測ができます。たとえば、「被害者との示談交渉が成立すれば、不起訴処分の可能性もある」や「実刑判決は免れないけど、勾留回避は目指せる」、「罰金刑相当だろう」などとある程度の予測が可能です。
事件の概要や被疑者の態度などを把握したうえで、被疑者本人に対して弁護方針を伝えます。弁護人は被疑者の利益を最優先に考えているため、見通しを立てたうえで無理のない範囲で弁護を目指します。
たとえば、懲役実刑不回避であるにも関わらず「不起訴を目指したい」というのは難しいです。上記の場合は、「実刑が相当であるため、執行猶予を目指しましょう」のように被疑者を促し、取り調べの応じ方についてもアドバイスします。
家族等への伝言が可能
逮捕後最長72時間は、弁護人以外との接見はできません。そのため、中には家族に自分の現状を伝えたい人や家族に対する不安を抱えている人も多いでしょう。そういった人は、弁護人に依頼をすることで家族に伝言をしてもらえます。
また、家族から伝言がある場合は、弁護人を介して被疑者に伝えることも可能です。
ただし、すべての伝言が可能とは限らないため注意してください。たとえば、事件の証拠隠滅に関することや逃亡に関することなど、事件に関連する伝言等は当然ながら禁止です。また、そういった話をすることによって処分や刑罰に影響を与える可能性もあるため注意してください。
差し入れができる
家族等との接見ができない以上、差し入れもできません。しかし、弁護人であれば差し入れが可能であるため、家族等が弁護人に対して差し入れを依頼することで被疑者の元に渡ります。
ただし、家族であっても弁護人であっても差し入れできるものには制限があるため注意してください。差し入れ可能なものについては、留置場の担当者もしくは弁護人に確認をしてください。
弁護士と一般人の接見の違い
接見は「被疑者もしくは被告人と面会をすること」という意味で使用される言葉です。しかし、一般人の接見はさまざまな制限がある一方で弁護人が行う接見には一般人と比較して制限が少ないです。たとえば、一般人と弁護人では以下のような制限の違いがあります。
- 弁護人は逮捕後すぐの接見が可能
- 弁護人は日時を問わず接見が可能
- 弁護人は時間制限なく接見が可能
- 弁護人は警察官の立ち合いなく接見が可能
- 弁護人は接見禁止の被疑者でも接見が可能
上記はいずれも一般人の場合に制限されていることです。次に、弁護人と一般人の接見の違いについても詳しく解説します。
逮捕後すぐの接見が可能
弁護人は逮捕後すぐの接見が可能です。通常、逮捕後72時間経過して勾留が確定しなければ、一般の人は接見できません。しかし、「弁護人は被疑者の弁護をする人」という立場にあるため、逮捕直後の接見が可能です。
とくに刑事事件においては早期の接見が重要であるため、可能な限り早めに弁護人を呼ぶようにしましょう。なお、私選弁護人および当番弁護人は、被疑者本人ではなくても家族が呼ぶこともできます。
日時問わず接見が可能
弁護人は、日時を問わずに接見が可能です。一般人の場合は、原則平日のみ9時〜17時の間でのみ接見が許されています。
逮捕という手続きは24時間365日いつでも行えるうえに、逮捕から48時間以内に事件を送致しなければいけないというルールがあります。そのため、弁護人は土日祝日関係なく、また時間帯も関係なく接見が可能です。
ちなみに、弁護人は接見の依頼があってから24時間以内に駆けつけてくれることが多いです。
時間制限がない
弁護人は接見に時間制限がありません。一般人の場合は、1回当たりの石鹸で15分程度までという制限があります。しかし、弁護人は被疑者を弁護する人であるという立場から、時間制限なく接見が可能です。
そのため、気になることは何でも聞き、時間を有意義に過ごして今後の取り調べに応じられるよう準備を進めておくと良いでしょう。
警察官の立ち合いがない
弁護人との接見は、警察官の立ち合いがありません。一般人との接見の場合、警察官が必ず立ち会いのうえ、相応しくない会話をしていると接見中止となったり接見禁止となったりする可能性があります。
しかし、弁護人は被疑者の弁護をする立場にある人であり、警察官に会話が知られてしまうことによって、今後の弁護に支障をきたす恐れもあります。そのため、弁護人との接見に関しては、警察官の立ち合いなくゆっくりと話をすることができるのです。
接見禁止の被疑者でも接見可能
弁護人は接見禁止となっている被疑者とも接見が可能です。主に以下に該当する場合は、接見禁止となることがあります。
- 逃亡の恐れがある場合
- 否認事件の場合
- 組織犯罪を疑われている場合
逃亡の恐れがある場合は、接見することによって逃亡ルートの確認や打ち合わせが行われる可能性もあるため接見禁止となります。否認事件の場合は、証拠隠滅等の可能性もあるため、接見が禁止されてしまうことがあります。
また、組織犯罪が疑われている場合も逃亡や証拠隠滅、その他犯罪の打ち合わせ等が行われる可能性があるため、原則接見は許可されません。
ただし、上記に該当する場合であっても弁護人であれば接見は許されます。何度もお伝えしているとおり、弁護人は被疑者の弁護をする立場にある人であるためです。何人も弁護人をつける権利があり、接見交通権を有している以上、弁護人と接見禁止されることはありません。
弁護士に接見を依頼する方法
弁護人へ初回接見を依頼する方法は以下のとおりです。
- 当番弁護人に依頼する
- 私選弁護人に依頼する
次に、弁護人に初回接見を依頼する方法について詳しく解説します。
当番弁護人を依頼する場合
当番弁護人制度は、逮捕された被疑者を対象に一度だけ弁護人を無料で呼べる制度です。警察官等に対して「当番弁護人を呼んでほしい」と伝えれば、原則24時間以内に弁護人が駆けつけてくれます。
ただし、当番弁護人は逮捕後に1度だけ呼べる制度であり、継続的な弁護活動を前提としていません。そのため、あくまでも今後の流れや弁護人制度、被疑者の不安や疑問に対して答えるのみです。
その後に弁護人が付くのは勾留確定後もしくは起訴後のいずれかであり、タイミングとしてはとても遅いです。当番弁護人を呼んだ時点で詳細の話はありますが、経済力がある人はできるだけ早めに私選弁護人を依頼してください。
当番弁護人に対してそのまま私選弁護人として依頼する方法もあります。詳しくは、初回接見に来てくれた弁護人に対して相談をしてみてください。
私選弁護人を依頼する場合
私選弁護人は自分のタイミングで自由に呼べる弁護人制度です。逮捕されていない事件(在宅事件)の場合であっても弁護してもらうことができます。私選弁護人は自分で報酬を支払わなければいけませんが、早期の弁護活動開始に期待できます。
なお、私選弁護人を呼ぶ方法は、警察官等に対して「〇〇法律事務所の〇〇弁護士を呼んでほしい」と伝えれば良いです。もしくは「〇〇弁護士会所属の〇〇弁護士を呼んでほしい」と伝えれば呼んでもらえます。
また、私選弁護人は被疑者本人だけでなく、家族経由で依頼をすることも可能です。知り合いの弁護士がいない場合は、家族が弁護士を探したうえで直接依頼をすれば良いでしょう。
初回接見に関するよくある質問
初回接見に関するよくある質問を紹介します。
Q.弁護士の初回接見は有料ですか?
A.無料の場合と有料の場合があります。
まず、当番弁護人制度を利用する場合の初回接見は、費用が発生しません。ただし、逮捕後に1度だけという制限があるため、そもそも逮捕されていない被疑者は呼ぶことができないうえ、継続的な弁護活動ができない点に注意してください。
私選弁護人の場合、弁護人に対して報酬を支払う必要があります。初回接見のみで依頼をする人は少ないため、数十万円〜数百万円程度の費用がかかると思っておきましょう。
Q.弁護士の初回接見が可能なタイミングはいつですか?
A.弁護人による初回接見のタイミングは決められていません。
私選弁護人の場合、自分のタイミングで自由に呼ぶことができます。逮捕される前に一度面談をして打ち合わせをしておいても良いでしょう。逮捕後であっても日時を問われることなく、いつでも接見が可能です。
当番弁護人の場合は「逮捕後」です。逮捕されていない事件(在宅事件)の場合は、当番弁護人制度を利用することはできません。ただし、在宅事件であってもその後に逮捕された場合は、当番弁護人制度を利用して初回接見が可能です。
Q.当番弁護人を呼ぶための条件はありますか?
A.逮捕されていること、起訴前であることです。
当番弁護人は逮捕されていることと起訴前であることが条件です。この条件を満たしていない場合は、当番弁護人制度を利用できません。
刑事事件における弁護人制度はいくつかあり、その中の「国選弁護人制度」は資力条件が定められています。一定以上の資力がある人は原則私選弁護人を選任しなければいけません。
しかし、当番弁護人制度に限っては、資力条件が定められていません。そのため、資力に余裕がある人であっても当番弁護人を呼ぶことができます。
Q.当番弁護人はいつでも駆けつけてくれるのですか?
A.当番弁護人は、要請から24時間以内に駆けつけてくれます。
刑事事件において、初回接見はスピードがとても大切です。被疑者の大半は法律に関する知識が少ないため、できるだけ早めに駆けつけてあげることがとても大切です。早めに駆けつけることによって、早期の弁護活動開始を目指せるのがメリットです。
また、逮捕された被疑者はさまざまな不安や疑問を抱えています。そういった不安や疑問を解消し、落ち着いて取り調べに応じられる準備をすることが大切です。
上記のことから、当番弁護人は要請から24時間以内に駆けつけるような仕組みになっています。夜間や土日祝日であっても、24時間以内に駆けつけてくれるため安心してください。
Q.一般人が初回接見できるタイミングはいつですか?
A.一般人の接見は勾留確定後です。
一般人の接見は勾留が確定した後から可能です。勾留確定は、逮捕後最長72時間経過した後になります。ただし、接見禁止となっている被疑者に対しては、勾留後も接見はできないため注意してください。
まとめ
今回は弁護人の初回接見について解説しました。
刑事事件において、弁護人の初回接見は非常に重要です。今後の流れや取り調べの応じ方などさまざまなアドバイスを受けておくことによって、安心して取り調べに応じられるようになるためです。
また、間違えた取り調べの対応をしてしまうことによって、今後の処分や判決にも大きな影響を与える可能性があります。そのため、できるだけ早めに初回接見を行っておくことが大切です。
今回解説した内容を踏まえ、初回接見について理解を深めて安心して取り調べに応じられるよう進めていけると良いでしょう。