大麻グミは違法?罪に問われた場合のリスクについて詳しく解説

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大麻グミは、日本国内では禁止されている「大麻(大麻草)」に似た成分を利用して作られたグミであり、違法成分を使用している場合は違法です。そのため、刑事罰を受ける可能性があるため注意しなければいけません。

他にも、大麻グミには多くの健康被害が報告されています。そのため、使用した場合のリスクは甚大です。

この記事では、大麻グミの違法性や使用した場合のリスクについて詳しく解説しています。大麻グミの違法性について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

大麻グミとは

大麻グミとは、日本国内で禁止されている大麻に似た成分を利用して作られたグミです。大麻はゲートウェイドラッグとも呼ばれる薬物です。さらにグミであることから親しみやすく、大麻よりも犯罪意識が薄く、手を出しやすいという特徴があります。

しかし、大麻グミは現在は法律で禁止されているうえに健康被害も多く報告されています。このことから、まずは大麻グミに関する正しい知識を身につけたうえで、絶対に手を出さないようにしなければいけません。

まずは、大麻グミとは何か?について詳しく解説します。

大麻に含まれる成分に似た成分を使用したグミ

大麻グミは、日本国内では所持や栽培、輸入等が禁止されている「大麻」に似た成分を用いて作られたグミのことを指します。大麻には「カンナビノイド」という成分が含まれており、この成分を利用して作られたグミが大麻グミであると考えておけば良いでしょう。

カンナビノイドは100以上の種類があります。中でも植物性カンナビノイドは、食品や化粧品、嗜好品等に広く使用されています。

植物性カンナビノイドの中でもTHC(テトラヒドロカンナビノール)は、違法薬物として使用される大麻樹脂に数%程度含まれており、向精神薬としての作用があります。このTHCににせて作られたグミを主に「大麻グミ」と呼びます。

大麻グミは、THCに似た成分で作られていることから、大麻草同様に向精神薬としての作用があります。たとえば、多幸感を得られたり、痛みの緩和、食欲増進などの作用があり、海外では嗜好品として嗜む人も多くいるのが特徴です。

ストレス軽減・嗜好品として人気を集めている

大麻グミは大麻の成分であるカンナビノイドが含まれています。とくに、向精神薬としての作用が大きいTHCが含まれていることから、ストレス軽減や嗜好品として人気を集めているのが実情です。

日本国内では現在禁止されている成分ではあるものの、国外に目を向けると禁止されていない国が多いため、実際に多くの人がストレス軽減や嗜好品として利用しています。

日本国内では過去に店頭販売されていたケースもあり、とくに若者の間で人気を集め、多くの人が食していたことがあります。その後、違法となってからは堂々と販売することができなくなったため、表立って取引が行われることは少なくなっています。

大麻グミの違法性について

「大麻グミ」という名称のものが禁止されているわけではありません。大麻グミに含まれている成分が禁止されているため、一概に「大麻グミ=禁止」というわけではありません。

次に、大麻グミの違法性について詳しく解説します。

指定薬物が含まれる大麻グミは違法

大麻グミという名称のものが禁止されているわけではなく、大麻グミ等に含まれている成分が禁止されています。たとえば、大麻の形をしたグミの名称が「大麻グミ」であった場合、違法成分が含まれていなければ、違法ではありません。

大麻に似た成分を含んで作られた大麻グミのうち、違法薬物が含まれている場合は、禁止であるため注意しなければいけません。具体的には、以下のような成分が含まれている場合は、指定薬物となるため処罰対象になり得ます。

    • HHCH
    • THC
    • THCH

上記成分が含まれている大麻グミは、すべて違法となるため購入したり所持したり、実際に食したりするのは絶対にやめてください。万が一食してしまった場合は、健康被害を及ぼす可能性もあるため注意しなければいけません。

令和5年12月以降、製造・輸入・販売・所持・使用が禁止

大麻グミに含まれている成分のほとんどは、指定薬物として製造・輸入・販売・所持・使用がすべて禁止されました。

大麻に似た成分はすべて、違法となったため、たとえ販売されていたとしても購入して所持したり使用したりした場合は処罰の対象になり得ます。当然販売も禁止されているため、販売している人や店を発見した場合は、購入せずに通報してください。

なお、大麻グミに含まれている成分が指定薬物に指定された原因は、大麻グミを食したことによる健康被害が多く報告されたためです。そのため、大麻グミを食べてしまうことによって、著しい健康被害が発生する可能性があるため絶対に食べないようにしてください。

「懲役3年もしくは罰金300万円またはその両方」が科される可能性

大麻に似た成分を含む大麻グミのうち、指定薬物に指定されているものは、「製造・輸入・販売・所持・使用」のすべてが違法です。もし、いずれかの行為に抵触した場合は、「懲役3年もしくは罰金300万円またはその両方」が科されます。

ちなみに、大麻グミに含まれる成分はいずれも大麻ではないため、大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法(大麻取締法)違反ではありません。

そもそも、大麻に似た成分はいずれも大麻取締法やその他の法律で規制することが難しい状況でした。現在は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(通称:薬機法)」という法律によって規制されています。

法律では「知らなかった」は通用しないため、誤って所持・使用してしまった場合であっても処罰の対象になり得ます。最大で懲役3年罰金300万円となるため、絶対にしようするのは避けましょう。

本当に指定薬物であることを知らなかった場合や、知る由もなかった場合は罪に問われません。ただし、「まったく知らなかった」となるケースはごく稀です。ほとんどの場合、「なんとなく大麻かもしれない……」などと気付いています。この場合は、当然罪に問われるため注意してください。

中には「合法大麻グミ」として販売されている商品があるかもしれません。大麻に似た成分は多く存在するため、実際に規制されていない大麻に似た成分もあります。

ただし、規制されていなくても健康被害が発生する可能性もあるため、たとえ「合法だから大丈夫」と言われても絶対にしようしないでください。また、大麻はゲートウェイドラッグと言われています。

中には、大麻グミをきっかけに覚せい剤等の薬物に手を出してしまう人も少なくありません。大麻グミはさまざまなリスクがあるため、絶対に手を出さないようにしてください。

大麻グミ使用のリスク

大麻グミの使用によるリスクには以下のようなものが挙げられます。

  • 健康被害リスク
  • 刑事処分を受けるリスク
  • 社会的なリスク

次に、大麻グミによるリスクについて詳しく解説します。

健康被害リスク

大麻グミを実際に食べた人は、以下のような健康被害を訴えています。

  • 嘔吐
  • 吐き気
  • めまい
  • 手足の痺れ
  • 精神毒性(興奮・抑制・幻覚)

大麻グミを食べてしまった人が上記症状により、緊急搬送されてしまうケースが多くあります。中には、「大麻グミは安全」という人がいますが、安全性は担保されていません。海外では、子どもが大麻グミを誤って食べてしまい、死亡した事例もあります。

中には、大麻グミであることを知らずに食べてしまい、上記のような症状によって緊急搬送されてしまう人もいます。さまざまなリスクがあるため、絶対に使用するのはやめましょう。

刑事処分を受けるリスク

先ほども解説したとおり、大麻に似た成分が含まれている大麻グミは違法です。そのため、万が一、大麻グミの使用等によって薬機法違反に問われた場合、刑事処分を受ける可能性があるため注意しなければいけません。

罪の問われた場合の法定刑は、「懲役3年もしくは罰金300万円またはその両方」です。健康被害を考慮しても割りに合いません。大麻グミによって今後の長い人生を棒に振ってしまう若者も多いため、絶対に購入したり使用したりするのは避けましょう。

社会的なリスク

大麻グミによって罪に問われた場合、長期間の勾留リスクがあります。さらに、有罪判決が下された場合は、「前科」として残ってしまうため、今後さまざまな弊害が発生してしまう恐れもあるでしょう。

まず、大麻グミの使用等によって逮捕された場合は、72時間の身柄拘束が発生します。その後、勾留請求が認められればプラス20日、起訴された場合で保釈請求が認められなければ、さらに数カ月程度の期間は身柄拘束が続くでしょう。

その後、懲役刑が確定してしまえば、さらに長期間の身柄拘束が続くことになります。この間は、当然社会に戻ることはできないため、会社に行けない、学校に行けないといったことになります。

最悪の場合は解雇されたり退学処分となったりして、今後の人生すらも狂わせてしまう恐れがあるでしょう。軽い気持ちで手を出してしまったとしても失うものは大きいです。十分に注意し、絶対に手を出さないようにしましょう。

大麻グミの違法性が問われた場合の流れ

大麻グミは違法です。そのため、使用や所持、販売等をした場合は薬機法違反として逮捕されたり刑事処分を受けたりする可能性があります。次に、大麻グミで罪に問われた場合の流れについても詳しく解説します。

逮捕

逮捕された場合は、初めに最大48時間以内の身柄拘束が可能となります。その後、48時間以内に検察官へ事件を送致しなければいけません。事件を送致された場合、さらに24時間以内に勾留請求の有無を判断する流れとなります。

よって、この時点で最長72時間(3日間)の身柄拘束が行われることになります。土日等は関係ないものの、平日であれば会社や学校へ行くことができないことによる影響が発生し始めるでしょう。

なお、大麻グミによって薬機法違反に問われた場合であっても、必ず逮捕されるとは限りません。逮捕されるためには「逃亡の恐れ」や「証拠隠滅の恐れ」があることなど、一定の条件を満たしている必要があります。

とくに大麻グミを輸入・販売していたような場合は、組織的な犯罪を疑われる可能性があり、逮捕されてしまうことになるでしょう。一方で、実際に違法であることを知らなかったようなケースであれば、逮捕せずに在宅捜査となるケースもあります。

在宅捜査となった場合は、家へ帰ることができます。ただし、警察や検察等の呼び出しに応じなければいけません。何度も応じなかった場合は、逮捕されてしまう恐れがあるため注意してください。

勾留請求

身柄事件(逮捕された事件)事件を送致された場合は、さらに24時間以内に検察官は引き続き身柄拘束するかどうかを判断します。身柄拘束の必要があると判断された場合は、初めに10日間の勾留が可能です。さらに10日間の勾留延長が認められるケースが多いため、合計で20日間の勾留となることが多いです。

逮捕から勾留までで23日間となるため、長期間にわたって社会に戻ることができなくなってしまいます。その影響は甚大であり、今後の人生にも大きな影響を与えることになります。

大麻グミは軽い気持ちで手を出してしまう人も多いですが、絶対にやめましょう。

起訴・不起訴の判断

勾留された事件(身柄事件)の場合は、勾留期間中に被疑者を起訴するか不起訴とするかを判断します。不起訴となった場合は、この事件については終了して社会に戻ることができます。

起訴された場合は、「正式起訴」と「略式起訴」のどちらで起訴されることになるかを確認します。正式起訴の場合は、通常通り刑事裁判を行って刑罰が確定する流れです。

略式起訴の場合は、刑事裁判を行わずに略式命令が下されて、罰金を支払えば事件は終了です。万が一罰金を支払えなければ、労役場留置となり、1日5,000円程度で働かされて罰金を支払い終えるまで社会に戻ることはできません。

なお、略式起訴は100万円以下の罰金に対してしか選択されません。そのため、大麻グミによる犯罪であっても、刑罰が100万円以下になる必要があります。弁護士とよく話し合いをしたうえで、刑罰をいかに軽くするか、略式起訴を選択するかどうかについて検討しましょう。

刑事裁判を受ける

正式起訴された場合は、あなたの犯した罪についてついて審理します。有罪か無罪かを判断し、有罪である場合はどの程度の刑罰に処するかを決定し、判決を言い渡します。

判決に従って刑に服する

判決が確定した場合は、その刑に従って刑に服します。懲役刑であれば一定期間刑務所に収監されて刑務作業を行います。罰金刑で済めば、罰金を支払って終了しますが、支払えなければ労役場留置となるため注意しなければいけません。

大麻グミの違法性に関するよくある質問

大麻グミの違法性に関するよくある質問を紹介します。

Q.合法な大麻グミもあるのですか?

A.そもそも大麻グミの明確な定義は存在しないため、合法な大麻グミが存在していてもおかしくありません。

大麻に似た成分は多く存在し、その成分を使用したグミを「大麻グミ」と呼ぶことを前提に考えると、合法である大麻グミが存在し得ます。たとえば、CBD(カンナビジオール)は大麻草の成熟した茎や種子から取れる成分です。

しかし、CBDという成分は指定薬物に指定されていないため、違法性はありません。よって、CBDのような成分を含む大麻グミであれば合法であると言えるでしょう。

Q.大麻グミを食べて健康被害が出た場合、販売元を訴えることはできますか?

A.訴えることは可能ですが、賠償されるとは限りません。

そもそも、健康被害を及ぼすような大麻グミは違法であると考えておいたほうが良いです。違法な成分を自ら摂取している以上、自己責任、自業自得と考えるのが一般的です。

販売元に騙されて大麻グミを食べ、健康被害が発生した場合は別ですが、健康被害が発生するリスクを知っていながら食べた場合は賠償されるのは難しいでしょう。とはいえ、訴えることは可能です。

日本では、すべての人に賠償請求を行う権利があります。そのため、販売元を訴えることはできます。そのうえであなたの主張が認められるかどうかは別です。

Q.CBDグミも大麻グミの一種ですか?

A.CBDグミが必ずしも大麻グミであるとは限りません。

CBDと言っても「大麻」に該当する場合は違法であり、大麻グミに分類されると考えて良いでしょう。しかし、「大麻」に該当しない場合は、違法性はなく大麻グミであるとはいえません。

とはいえ、大麻グミに明確な基準はないため、大麻の茎や種子から取ることのできるCBDが入ったグミを「大麻グミ」として販売している人がいるかもしれません。この場合は違法性はありません。

なお、CBDの違法・合法の違いはTHC(テトラヒドロカンナビノール)を含有しているかどうかです。微量であっても含まれている場合は違法であるため注意してください。

まとめ

今回は、大麻グミの違法性について解説しました。

大麻グミは、大麻に似た成分を使用して作られたグミであり、違法成分が含まれている場合は違法です。とはいえ、合成成分によって作られているため、指定薬物の隙間を潜り抜けた新しい大麻グミができる可能性もあるでしょう。

大麻グミの中には合法なものも今後出てくるかもしれません。しかし、たとえ刑事処分の対象にならないとしても、重大な健康被害を及ぼす可能性があるため絶対に使用すべきではありません。

今回解説した内容を踏まえ、絶対に大麻グミを食べたり所持したり販売したりしないようにしましょう。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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