偽装結婚は公正証書原本等不実記載罪に該当する犯罪です。
在留ビザを取得する目的、税制上の優遇措置を受ける目的、有利な相続を実現する目的など、婚姻制度を悪用する目的で婚姻届が提出された場合には、偽装結婚を理由にさまざまな法律上のペナルティが科されます。
たとえば、偽装結婚が警察にバレたときには、逮捕・勾留によって長期間身柄拘束される可能性があります。また、悪質な偽装結婚事案の場合には、初犯でも実刑判決が下されかねません。さらに、税制上のペナルティ、相続制度上のデメリットのリスクにも晒されます。
そこで、この記事では、偽装結婚について捜査当局から事情聴取を受けた人や、国際結婚をする際に偽装結婚の疑いをもたれるか不安を抱えている人のために、以下の事項についてわかりやすく解説します。
- 偽装結婚をしたときに問われる公正証書原本等不実記載罪の構成要件・法定刑
- 偽装結婚を理由に逮捕されたときの刑事手続きの流れ
- 偽装結婚がバレたときに生じるデメリット
- 偽装結婚がバレたときや刑事訴追リスクに晒されたときに弁護士に相談・依頼するメリット
目次
偽装結婚は公正証書原本等不実記載罪に当たる犯罪行為
偽装結婚をすると、公正証書原本等不実記載罪の容疑で刑事訴追される可能性があります。
まずは、偽装結婚の定義、公正証書原本等不実記載罪の構成要件や法定刑などの基本事項について解説します。
そもそも偽装結婚とは
偽装結婚とは、結婚届を提出して婚姻を偽装することです。
偽装結婚は、さまざまな目的でおこなわれます。
たとえば、外国人が日本での在留資格獲得や就労を目的として偽装結婚するケースが代表例として挙げられます。また、ブラックリストの人が短期的に結婚をして、形式的な婚姻期間中に携帯契約やローン契約を締結するというケースも存在します。さらに、扶養控除枠の悪用、贈与税などの脱税などの手段として偽装結婚が悪用される可能性もあります。
婚姻届の提出だけでは法的に正式な婚姻とは認められない
婚姻とは、男女が法律上の夫婦になることです。一般的には、結婚と呼ばれます。
有効な婚姻と認められるには、以下の要件を満たす必要があります。
- 婚姻意思が合致していること
- 婚姻障害事由が存在しないこと(婚姻適齢に達していること、重婚ではないこと、近新婚ではないこと)
- 婚姻の届出をすること(戸籍法の規定に基づき婚姻届を提出すること)
「婚姻意思が合致していること」とは、社会通念上夫婦であると認められる関係性を形成する意思のことです。これは、実質的意思説と呼ばれており、婚姻をする際には、単に婚姻届を提出する意思だけではなく、真に夫婦になろうとする意思までが必要とされています。
たとえば、子どもに嫡出子の身分を与えるためなど、他の目的を達するための便法として仮託されたものに過ぎないときには、婚姻意思がないと判断されるため、婚姻は無効であると扱われます(最判昭和44年10月31日)。
したがって、偽装結婚は、婚姻以外の目的で婚姻届を提出しているわけですから、「婚姻意思が合致していること」という婚姻の実質的要件を欠くことを理由に、無効な婚姻であるといえるでしょう。
公正証書原本等不実記載罪の構成要件
偽装結婚をした場合、公正証書原本等不実記載罪が成立する可能性があります。
第百五十七条 公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
2 公務員に対し虚偽の申立てをして、免状、鑑札若しくは旅券に不実の記載をさせ、又は電磁的記録文書等その他の電磁的記録であって、免状、鑑札若しくは旅券の全部若しくは一部として用いられるものに不実の記録をさせた者は、一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
引用:刑法|e-Gov法令検索
公正証書原本等不実記載罪の実行行為は、公務員に虚偽の申し立てをして、公文書に不実の記載をさせることです。
たとえば、離婚の意思がないのに外形上離婚を装って離婚届を提出して戸籍簿の原本にその旨を記載させる偽装離婚、婚姻の意思がないのに婚姻届を提出して戸籍簿の原本にその旨を記載させる偽装結婚、不動産の所有者が登記名義を有する者の承諾なく売り渡しを受けた事実が存在しないにもかかわらずその旨の登記申請をおこない登記簿原本に記載させた場合などが挙げられます。
公正証書原本等不実記載罪の法定刑
公正証書原本等不実記載罪の法定刑は、「5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑」です。
公正証書原本等不実記載罪は未遂犯も処罰対象とされています。
執行猶予付き判決を獲得するには、「3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の言渡しを受けたとき」という要件を満たさなければいけません。公正証書原本等不実記載罪の法定刑は「5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑」と定められているので、初犯でも執行猶予がつかない危険性があります。
ですから、偽装結婚が発覚して公正証書原本等不実記載罪の容疑で刑事裁判にかけられたときには、執行猶予付き判決や罰金刑の獲得を目指した防御活動が不可欠だと考えられます。
公正証書原本等不実記載罪の公訴時効
公訴時効とは、犯罪行為が終了してから所定の公訴時効期間が経過することによって刑事責任を問われなくなる制度のことです。
偽装結婚をしたとしても、婚姻届を提出した日から公訴時効期間である5年が経過すれば、公正証書原本等不実記載罪の容疑で刑事責任を問われることはなくなります(刑事訴訟法第250条第2項第5号)。
偽装結婚をしたときに問われる可能性がある犯罪類型
偽装結婚をした場合には、公正証書原本等不実記載罪以外の法規範にも抵触する可能性があります。
たとえば、偽装結婚によって日本人の配偶者として在留資格を得たことがバレた場合、入国審査時に虚偽の内容を申請したと判断されるため、在留資格が取り消されて強制送還されます。
また、偽装結婚によって扶養控除枠を悪用したり脱税をしたりした場合、追徴課税などの税制上のペナルティを科されかねません。
偽装結婚の容疑で刑事訴追されたときの手続きの流れ
偽装結婚が発覚して刑事訴追されたときの刑事手続きの流れについて解説します。
- 警察に逮捕される
- 警察段階の取り調べが実施される
- 検察段階の取り調べが実施される
- 検察官が起訴・不起訴を決定する
- 刑事裁判にかけられる
公正証書原本等不実記載罪の容疑で逮捕される
偽装結婚がバレると、公正証書原本等不実記載罪の容疑で警察に逮捕される可能性があります。
偽装結婚事犯は、通常逮捕によって身柄拘束されるのが一般的です。
通常逮捕とは、裁判所が事前に発付する逮捕状に基づく強制的な身柄拘束処分のことです(刑事訴訟法第199条第1項)。
たとえば、平日早朝の自宅など、被害者がいると思われる可能性が高い場所にいきなり捜査員がやってきて、その場で身柄が取り押さえられて、警察署に連行されます。
逮捕状が提示されて通常逮捕処分が実施された時点で身体・行動の自由が大幅に制限されるので、逮捕される日時の変更してもらったり、警察に連行される前に会社や家族などに電話連絡をさせてもらったりすることはできません。
偽装結婚が警察に発覚する代表的なきっかけ
偽装結婚が警察にバレる代表的なきっかけは、外国人のパートナーと国際結婚をしたあとに実施される配偶者ビザの審査段階で発覚するパターンです。
現状、配偶者ビザを取得する目的での偽装結婚事例はとても多いです。そのため、配偶者ビザの審査では、以下のような事情が認められると入管当局に偽装結婚を疑われて、警察へ通報される可能性があります。
- 結婚歴・離婚歴が多い場合
- 日本人の配偶者側の収入が極端に低い場合
- 夫婦間の年齢差が大きい場合
- 出会い系サイトや結婚相談所を経由して出会っていた場合
- 交際期間が極端に短い場合
- 結婚するまでに会った回数が少ない場合
偽装結婚が発覚しても逮捕されずに済む可能性もある
偽装結婚が発覚しても、必ずしも逮捕されるわけではありません。
というのも、逮捕状が発付されるのは、以下2つの要件を満たしたときに限られるからです。
- 逮捕の相当性:被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること
- 逮捕の必要性:逃亡または証拠隠滅のおそれがあること
つまり、偽装結婚をした事実に間違いがない状況であったとしても、「逃亡または証拠隠滅のおそれがない」と判断される状況なら、通常逮捕によって身柄拘束されることはなく、在宅事件として処理される可能性があるということです。
在宅事件として処理された場合、捜査機関に身柄拘束されることはありません。警察や検察庁から出頭要請がかかったタイミングで訪問をして、数時間程度の事情聴取を受けたあとは、ふたたび自宅に戻ることができます。事情聴取を受ける日時を調整することも可能ですし、場合によっては、出頭自体を拒否しても差し支えありません(ただし、正当な理由がないのに任意の出頭要請を拒否すると、逃亡または証拠隠滅のおそれがあると判断されて、通常逮捕手続きに移行するリスクがある点に注意が必要です)。
- 出頭要請を拒否しない、断るとしても別の日を提示する
- 捜査機関からの電話を無視したり着信拒否したりしない
- 偽装結婚に関する証拠を任意で提出する
- 偽装結婚をした事実に間違いがなく、言い逃れができない状況なら、素直に罪を認める
- 事情聴取で供述を拒否したり、客観的証拠に反する嘘をついたりしない など
偽装結婚について警察段階の取り調べが実施される
偽装結婚をして公正証書原本等不実記載罪の容疑で逮捕されたあとは、警察段階の取り調べが実施されます。
通常逮捕された場合、警察段階の取り調べには「48時間以内」の制限時間が設けられています(刑事訴訟法第203条第1項)。
身柄拘束期間中は厳しい留置場生活を強いられます。たとえば、自宅に戻ったり家族・知人などに連絡を入れたりすることはできません。
偽装結婚について検察段階の取り調べが実施される
偽装結婚について警察段階の取り調べが終了すると、検察官に身柄が送致されます。
逮捕後、検察段階で実施される取り調べの制限時間は「原則24時間以内」です(刑事訴訟法第205条第1項)。
警察段階48時間以内と検察段階24時間以内、合計72時間以内の取り調べで得られてた供述や証拠を前提として、検察官が偽装結婚事件を公訴提起するかどうかを判断します。
偽装結婚がバレると勾留されて身柄拘束期間が長期化しかねない
原則的な72時間以内の捜査活動だけでは、公訴提起判断に必要な証拠を収集できないケースも少なくありません。
たとえば、以下のような捜査活動上やむを得ない理由があるときには、検察官が勾留請求をする可能性があります(刑事訴訟法第206条第1項)。
- 偽装結婚の疑いがあるふたりの関係性を調査するため、家族や知人などの参考人聴取に時間を要する場合
- 偽装結婚の疑いがあるカップルの間で交わされたDMやLINEなどの調査・データ復元に時間を要する場合
- 被疑者が取り調べで供述を拒否している場合、証拠と反する供述をしている場合
- 偽装結婚の相手方の出身国まで調査に出向く必要がある場合 など
検察官からの勾留請求が認められて裁判所が勾留状を発付すると、被疑者の身柄拘束期間が「最長20日間」以内の範囲内で延長されます(刑事訴訟法第208条)。
つまり、偽装結婚を理由に逮捕・勾留されると、検察官の公訴提起判断までに最長23日間の身柄拘束期間を強いられかねないということです。仮に不起訴処分の獲得に成功したとしても、数週間に及ぶ身柄拘束期間が生じるだけで、被疑者の社会生活にはさまざまな支障が生じるでしょう。
偽装結婚について検察官が起訴・不起訴を決定する
偽装結婚について必要な捜査活動が終了すると、検察官が公訴提起するかどうか(起訴か不起訴か)を決定します。
起訴処分とは、偽装結婚事件を公開の刑事裁判にかける旨の判断のことです。これに対して、不起訴処分とは、偽装結婚事件を刑事裁判にかけずに検察限りで刑事手続きを終了させる旨の判断を意味します。
日本の刑事裁判の有罪率は極めて高いので、偽装結婚をした疑いで起訴処分が下されると、事実上有罪になったも同然といえるでしょう。
偽装結婚について刑事裁判にかけられる
偽装結婚がバレて公正証書原本等不実記載罪の容疑で起訴されると、公開の刑事裁判にかけられます。
公開の刑事裁判が開かれるのは、起訴処分が下されてから1ヶ月〜2ヶ月後が目安です。公訴事実に争いがなければ第1回公判期日で結審します。これに対して、公訴事実を争う否認事件では、複数回の公判期日をかけて証拠調べ・証人尋問、弁論手続きなどがおこなわれます。
公正証書原本等不実記載罪の法定刑は「5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金刑」なので、初犯でも実刑判決が下される可能性があります。
偽装結婚がバレると略式起訴の対象になる可能性がある
略式手続き(略式裁判/略式命令/略式起訴)とは、罰金または科料が100万円以下の簡易裁判所管轄事件について、被疑者が同意する場合に限って公開の刑事裁判を省略し、検察官から提出された書面の審理だけで刑事罰を確定させる簡略化された刑事裁判手続きのことです。
略式手続きに同意をすれば、スピーディーに刑事手続きが終了します。社会復帰を目指すタイミングを前倒しできるでしょう。
ただし、略式手続きを選択すると公開の刑事裁判で反論する機会を失う点に注意が必要です。略式手続きに同意をした時点で有罪・前科が確定するので、無罪を目指すなら、略式手続きに同意をしてはいけません。
偽装結婚を理由に逮捕されたときのデメリット4つ
偽装結婚がバレて刑事訴追されたときのデメリット4つについて解説します。
- 実名報道される可能性がある
- 逮捕・勾留によって長期間身柄拘束されかねない
- 会社から何かしらの処分を下される可能性がある
- 有罪になると前科によるデメリットに悩まされる
- 税金面や相続面でペナルティを科される
偽装結婚について実名報道される可能性がある
偽装結婚がバレて公正証書原本等不実記載罪の容疑で逮捕・起訴されると、実名報道のリスクに晒されます。
もちろん、すべての刑事事件が実名報道の対象になるわけではありませんが、偽装結婚のような世間の注目を浴びやすい刑事事件を起こすと、テレビの報道番組やネットニュースで取り上げられる可能性が高いです。
そして、一度でも実名報道されると、偽装結婚をした事実が半永久的にインターネット上に残りつづけてしまいます。たとえば、就職活動・転職活動をする際に求職先の企業に犯罪歴が簡単に発覚して内定を獲得しにくくなったり、結婚の難易度が高くなったりするでしょう。
偽装結婚を理由に長期間身柄拘束される危険性がある
偽装結婚がバレて公正証書原本等不実記載罪の容疑で刑事訴追されると、逮捕・勾留によって長期間身柄拘束される可能性があります。
刑事手続きにおいて身柄拘束される可能性がある期間は以下のとおりです。
- 警察の取り調べ(逮捕段階):48時間以内
- 検察官の取り調べ(逮捕段階):24時間以内
- 検察官の取り調べ(勾留段階):20日間以内
- 起訴後勾留:刑事裁判が終了するまで
仮に不起訴処分などの有利な刑事処分を引き出すことに成功したとしても、身柄拘束期間が生じるだけで被疑者・被告人の社会生活にさまざまな支障が生じる可能性が高いです。また、身柄拘束期間中は厳しい留置場生活がつづくため、心身に過度なストレスを強いられるでしょう。
偽装結婚がバレて会社から何かしらの処分を下される可能性がある
偽装結婚をした事実が勤務先にバレると、就業規則の懲戒規程に基づいて懲戒処分が下される可能性が高いです。
一般的に、懲戒処分は戒告・譴責・減給・出勤停止・降格・諭旨解雇・懲戒解雇の7種類に分類されます。
就業規則の内容次第ですが、偽装結婚のような身分に関わる重大な犯罪を起こすと、会社をクビになることも覚悟しておきましょう。
偽装結婚が原因で有罪になると前科がつく
偽装結婚がバレて公正証書元本等不実記載罪などの容疑で有罪になった場合、刑事罰を科されるだけではなく、前科がついてしまいます。
前科とは、有罪判決を受けた経歴のことです。
実刑判決だけではなく、執行猶予付き判決や罰金刑が確定したときにも、前科持ちと扱われます。
そして、前科がつくと、今後の社会生活に以下のデメリットが生じます。
- 履歴書の賞罰欄への記載義務、採用面接で質問されたときの回答義務が生じるので、就職活動・転職活動の難易度が高くなる
- 前科を隠して内定を獲得したり就職に成功したりしても、前科の事実が発覚すると、経歴詐称を理由に内定取り消し・懲戒解雇処分が下される
- 前科を理由に就業が制限される資格・仕事がある(士業、警備員、金融業など)
- 前科を理由に離婚を言い渡されたり結婚話がなくなったりしかねない
- ビザやパスポートの発給制限を受ける場合がある(海外旅行、海外出張に支障が生じる)
- 再犯に及んだときに刑事処分が重くなる可能性が高い など
日本の刑事裁判の有罪率はとても高いので、刑事裁判で無罪判決を獲得する方法によって前科を回避するのは簡単ではありません。
ですから、前科によるデメリットを回避したいときには、検察官から不起訴処分の判断を引き出すための防御活動が重要だといえるでしょう。
税金面や相続面でペナルティを科される
所得税や相続税の配偶者控除などの税制を悪用していたケースでは、偽装結婚が発覚すると、税制上のペナルティを科される点に注意が必要です。
これらの税制上の優遇制度は、合法的な婚姻関係にある当事者のみが利用できるものです。偽装結婚がバレると、追徴課税によって高額の税負担を強いられかねないでしょう。この場合、未納付の税金だけではなく、延滞税や重加算税なども負担しなければいけません。指定された期日までに納付できないと、所有不動産や預貯金、給与などが差し押さえられます。
また、偽装結婚によって遺産相続において財産を承継していた場合には、偽装結婚が発覚することで遺産分割協議のやり直しを求められるなどして、本来相続する権利を有していた相続人たちに財産などを返還する必要に迫られます。
偽装結婚がバレそうなときに弁護士へ相談するメリット4つ
偽装結婚がバレそうなときには、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談・依頼をしてください。
刑事事件への対応が得意な弁護士の力を借りることで、以下4つのメリットを得られるでしょう。
- 自首に関するアドバイスを期待できる
- 有利な刑事処分を獲得するための防御活動を期待できる
- 日常生活に生じるデメリットの回避・軽減を目指した弁護活動を期待できる
- 偽装結婚の指摘をされないような説明方法・証拠提示をアドバイスしてくれる
偽装結婚について自首するときのアドバイスを期待できる
現段階で捜査当局に偽装結婚がバレていない段階なら、偽装結婚について自首するかどうかを検討してください。
自首とは、犯罪事実または犯人が捜査機関に発覚する前に、犯人自らが犯罪事実を申告し、刑事処分に服する旨の意思表示をすることです。
自首をすれば、刑事裁判で自首減軽の恩恵を受けて有利な量刑判断を引き出しやすくなります。また、反省の態度があると判断されるので、不起訴処分や在宅事件処理などの有利な刑事処分を獲得しやすくなるでしょう。
偽装結婚が発覚する前に弁護士に相談すれば、自首について以下のようなメリットを得られます。
- 偽装結婚の経緯を聴取したうえで、現段階で自首するべきか否かを判断してくれる
- 自首したあとに実施される事情聴取での供述内容・供述方針についてアドバイスをくれる
- 自首をするために警察署に同行してくれる
軽い刑事処分獲得を目指した防御活動を期待できる
以下のように、刑事事件への対応が得意な弁護士に相談・依頼をすれば、有利な刑事処分を獲得するための防御活動を展開してくれます。
- 逮捕・勾留の回避、早期の身柄釈放により、身柄拘束によるデメリットの回避・軽減を目指してくれる
- 検察官から不起訴処分の判断を引き出すための防御活動を展開してくれる
- 起訴処分が下されたとしても、執行猶予付き判決や罰金刑の量刑判断を引き出し、実刑判決回避を目指してくれる
今後の社会生活への悪影響を最大限軽減するなら、検察官から不起訴処分(起訴猶予処分)の判断を引き出すことができるかがポイントになります。
起訴猶予処分を下すかどうかの判断の際には、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況が総合的に考慮されるので、刑事事件に強い弁護士に必要な証拠などを用意してもらいましょう(刑事訴訟法第248条)。
偽装結婚発覚が原因で生じる日常生活のペナルティの回避・軽減を目指してくれる
偽装結婚が発覚すると、刑事手続き以外の場面でも、さまざまなペナルティが生じる可能性が高いです。
弁護士に相談・依頼をすれば、入管当局や税務署とのやりとり、遺産相続関係手続きへの対応なども期待できるでしょう。
偽装結婚の疑いが生じないような証拠収集をしてくれる
これから国際結婚をして在留権の取得を目指す場合には、入管当局が実施する審査への対策が不可欠です。
偽装結婚と疑われるような事情があると永住権を取得できなくなるので、事前に弁護士に相談・依頼をして、収集するべき証拠や調査の際への回答方法などについてアドバイスをもらうと良いでしょう。
偽装結婚がバレて逮捕されるか不安なときは弁護士へ相談しよう
偽装結婚は公正証書原本等不実記載罪に該当する犯罪です。入管当局による審査・調査や近親者からの通報などによって偽装結婚の疑いが生じると、刑事責任を問われる可能性が高いです。
また、偽装結婚をして税制上の優遇措置を悪用したり有利な遺産相続を実現したりした場合には、各法制度のルールにしたがってペナルティが科されます。
ですから、偽装結婚の心当たりがある場合や、偽装結婚について公的機関から聴取を受けた場合には、できるだけ早いタイミングで刑事事件への対応が得意な弁護士に相談・依頼をしてください。
刑事事件相談弁護士ほっとラインでは、偽装結婚などの刑事事件トラブルに力を入れている弁護士を多数紹介中です。弁護士に相談するタイミングが早いほど日常生活に生じるデメリットを回避・軽減しやすくなるので、速やかに信頼できる弁護士までお問い合わせください。