カスタマーハラスメントで逮捕される?違法ラインと実例・対処法を解説

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店員に強い口調で不満を伝えただけで「逮捕されるのでは?」と不安になる人もいれば、逆に「客だから何を言っても大丈夫」と誤解している人もいます。近年問題になっているカスタマーハラスメント(カスハラ)は、理不尽なクレームや過度な要求、暴言・威嚇などにより、従業員の安全や企業活動を侵害する行為です。

結論として、カスハラは内容次第で刑事事件化し、逮捕の対象になり得ます。ポイントは、正当なクレームの範囲を超えて、脅迫・恐喝・暴行傷害・強要・名誉毀損侮辱・業務妨害などの犯罪の構成要件に当てはまるかどうかです。

たとえば「返品したい」「説明してほしい」と求めるのは正当なクレームですが、「店を燃やす」「土下座しろ」「帰れないように長時間拘束する」「SNSで晒して潰す」といった言動は一気に違法性が高まります。

さらに、電話・訪問を繰り返す反復性や、従業員が恐怖を感じ業務が止まるほどの悪質性・危険性があると、警察が介入しやすくなります。企業側が録音・防犯カメラ・通話ログなどの証拠を確保し、被害届や相談を行えば、事情聴取や逮捕が検討されるケースもあります。

本記事では、「カスハラで本当に逮捕されるのか」を軸に、クレームと犯罪の境界線、逮捕リスクが高い具体例。そして、被害を受けた企業・従業員の実務対応、そして自分が加害者にならないための注意点まで、わかりやすく解説します。

カスタマーハラスメントで本当に逮捕されるのか?

近年、理不尽なクレーム・過度な要求・従業員への暴言など、カスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題化しています。「これって逮捕されるの?」と疑問に感じる人も多いでしょう。

結論から言うと、カスタマーハラスメントは内容次第で刑事事件・逮捕対象になり得ます。ただし、すべてのクレーム行為が犯罪になるわけではなく、法的評価(刑事・民事)は行為の態様・被害との関係で判断されます。ここでは、逮捕に至るかどうかのポイントをわかりやすく整理します。

【結論】内容次第で刑事事件・逮捕対象になる

カスタマーハラスメント自体は一般には「クレーム行為」として扱われますが、以下のような行為が含まれる場合には、刑法上の犯罪として逮捕される可能性があります。

  • 暴行・傷害
  • 脅迫・恐喝
  • 名誉毀損・侮辱
  • 業務妨害(偽計業務妨害等)

単なる言葉の不満ではなく、従業員に恐怖を与える・身体的危害を及ぼす・企業活動を阻害する行為が含まれる場合には、捜査機関が刑事事件として動く可能性が十分にあります。つまり、カスハラが「社会的に許容される範囲の不満表現」を超え、法の保護する利益(身体・安全・業務秩序)を侵害する行為になっているかどうかが重要です。

たとえば、「スーパーで購入した商品が不良品であったため、交換もしくは返品をしてください」と伝えるのは、正当なクレーム行為であり違法性はありません。ただ、たとえば「商品を交換しなければ、店を燃やす」などと発言した場合は、脅迫行為になります。

このように、クレーム全体が違法となるわけではなく、犯罪行為を行って初めて刑法犯として成立します。

「クレーム」と「犯罪行為」は明確に区別される

まず押さえるべき基本は、「クレーム」と「犯罪」は法的に別物」であるという点です。誠実な対応を求めるクレームや意見は表現の自由・消費者の権利として尊重されます。一方で、次のような行為は法的に評価され、犯罪として処罰される可能性があります。

行為類型 法的評価の例
高圧的・侮辱的表現 侮辱罪
暴力的な言動 暴行罪・傷害罪
裏付けのない不正告発 名誉毀損罪
執拗な電話・訪問 業務妨害罪

単に大声で怒鳴ったり、強い口調で不満を述べたりするだけでは一般的に犯罪とは評価されません。他人の人権・安全・業務秩序を侵害するレベルに至っている場合には、刑法が適用されることがあります。

これは裁判例でも共通して認められている区別であり、クレーム行為が法的評価に耐えるかどうかは、内容・態様・頻度・相手側の被害実態によって判断されます。

企業側が被害届を出せば警察は介入する

カスタマーハラスメントが犯罪の構成要件に該当すると企業・従業員側が判断した場合、被害届や告訴状が提出されることがあります。この場合、警察は被害状況を把握し、捜査・逮捕の可能性を検討します。

たとえば、以下のような事例が該当し得るでしょう。

  • 社員が暴言・脅迫で恐怖感を抱いた
  • 執拗な要求・連絡が業務に支障をきたした
  • 身体的な接触や危険な行動があった

従業員の安全・企業の正常な業務運営が阻害されていると判断されれば、警察は被害届に基づき事情聴取・証拠収集・捜査を進め、必要に応じて逮捕に踏み切る場合があります。

また、日本の刑事手続では、被害者側の届け出が捜査の起点となることが多いです。企業や従業員が被害届を出すかどうかが、捜査開始に大きく影響することも重要なポイントです。

悪質性・反復性・危険性が判断基準になる

カスタマーハラスメントが刑事事件として評価されるかどうかの判断は、次の要素が重視されます。
【悪質性】

  • 単発の強い言葉遣い
  • 継続的・執拗な脅迫
  • 嘘の情報を用いた名誉毀損

【反復性】

  • 電話・訪問・SNS等を繰り返す
  • 同じ従業員への複数回の攻撃

【危険性】

  • 暴力行為や身体への危害の恐れ
  • 緊急対応や業務停止を強いる行為

単なる不満表明や一度の感情的な発言では刑事責任は問われないことが多いですが、悪質・執拗・危険という複数の要素が重なると、刑法適用の可能性が高まります。これは裁判所の判断基準とも重なっており、行為の態様全体を総合的に見ることが重要です。

カスハラの対象になる行為とは

「カスタマーハラスメント(カスハラ)」は、単なる理不尽なクレームではなく、従業員や企業に対する不当な侵害行為です。行為が一定のレベルに達すると、民事責任だけでなく刑事責任(逮捕・起訴)や行政処分の対象になり得ます。

次に、どのような行為がカスハラとして法的な問題になるのかを、代表的なパターンごとにわかりやすく解説します。

脅迫・威力業務妨害・恐喝に該当する行為

カスハラの中でも刑事罰になり得ると評価を受けるのが、従業員や企業を脅迫・威嚇し業務を妨害する行為です。以下のような行為は、刑法上の犯罪に該当する可能性があります。

【脅迫罪(刑法222状)】

  • 「従業員を傷つける」「会社を潰す」といった言葉で恐怖心を与える
  • 虚偽の情報をもちいて強い恐怖を生じさせる発言

【恐喝罪(刑法249条)】

  • 「金を払わなければ不利益を与える」と脅す
  • 虚偽の不利益(報告するなど)をちらつかせて金銭・物を要求する

【威力業務妨害罪(刑法234条)】

  • 大声で店内を騒然とさせ、業務を継続できない状態にする
  • 集団で押しかけ、来客や従業員を拘束する

たとえば、「殺すぞ」「殴るぞ」などの発言は、正当なクレームの範囲を超えて脅迫罪に該当し得ます。さらに、「お金を払わなければ、〇〇するぞ」といった発言は、恐喝罪や恐喝未遂罪に該当し得るため注意が必要です。

たとえば、クレームの範囲で企業側から「〇〇の理由で返金には応じられません」と言われているにも関わらず、「返金に応じなければ〇〇するぞ」と言ったとしましょう。この場合も、企業や個人を脅して金銭を要求していることとなるため、恐喝罪や恐喝未遂罪が成立する可能性があります。

そして、たとえ正当なクレームであっても、大声を出すなどして他人の業務を妨害した場合は、畏敬業務妨害罪に該当するため注意しなければいけません。

長時間拘束・土下座要求・人格否定発言

カスハラは言葉の暴力だけで終わらず、法的に違法と判断される行為に発展しやすい特徴があります。たとえば、以下のような行為には注意が必要です。

【長時間の拘束】

  • 商品の説明後に帰宅を許さず、長時間居座る
  • 席や通路を塞ぎ、他の客の利用を妨害する

【土下座要求】

  • 個人的な謝罪や土下座を要求し、断ればさらに強い非難を浴びせる
  • 店舗外で待ち伏せして謝罪を強要する

【人格否定発言】

  • 「バカ」「クズ」「死ね」など、執拗な人格攻撃
  • 個人の尊厳を否定する一連の侮辱的言葉

正当な理由なく、長時間の拘束を行った場合は、監禁罪に問われる可能性がります。たとえば、「家まで謝罪しに来い」と言い、実際に謝罪に来た人を帰さずに長時間拘束した場合なども該当します。

そして、土下座の強要は「強要罪」という刑法犯罪が成立するため注意しなければいけません。強要罪は、義務の何ことを行わせる行為を指します。中には、「相手のミスである以上、謝罪するのは当然」と考えている人がいるかもしれません。

しかし、相手の意思に反して謝罪を強要した場合は、強要罪になるため注意しましょう。

人格否定的な発言は、侮辱罪が成立します。「バカ」や「クズ」などの発言は絶対に避けるべきです。正当なクレームであっても、こう言った発言により、犯罪者となってしまう恐れがあるためです。

SNS晒し・レビュー荒らしによる業務妨害

インターネットを悪用したカスハラも重大な問題です。SNSでの晒し(個人・企業情報の公開)やレビュー荒らしが、次のような法的責任を生むケースがあります。

たとえば以下のような行為が該当します。

【虚偽情報の拡散】

  • 「この店は不潔だ」など事実と異なる内容を投稿
  • 虚偽の体験談を多数の人に共有する

【レビュー荒らし】

  • 意図的に★1評価を大量に投稿し、評価を下げる
  • 実際に来店していないのに酷評する

虚偽投稿の拡散は、信用毀損罪や偽計業務妨害罪に該当し得ます。上記のとおり「この店は不潔だ」などと虚偽の情報を拡散した場合に該当し得るため注意しましょう。ただし、一個人の意見として「〇〇のように感じた」程度の投稿であれば、法的な責任を問われる可能性は低いでしょう。

そして、レビュー荒らしにも注意が必要です。たとえば、大量のアカウントを作成して当該店舗の低レビューを大量に書き込むような行為は要注意です。この場合は、偽計業務妨害罪に問われる可能性があるでしょう。

正当な意見であっても、過剰に行うことによって刑法犯罪になり得る可能性があります。また、SNSでの投稿であっても、虚偽性・悪意・影響力の大きさによっては刑事責任に発展するリスクがあるため注意が必要です。

従業員への暴行・物損・不法侵入

カスハラが「暴力行為」や「不法侵入行為」に及ぶと、刑法上の犯罪に該当します。たとえば、以下のような行為が該当するため注意しましょう。

【暴行・傷害】

  • 商品の受け渡し時に従業員に暴力を振るう
  • 手をつかむ・押すなど身体に危険を加える行為

【器物損壊罪】

  • 店舗什器を壊す
  • 商品を破損させる

【住居侵入罪】

  • 閉店後の店舗へ勝手に上がり込む
  • 許可なく倉庫やバックヤードに侵入する

これらの行為はカスハラという枠を超え、刑事責任が明確に問われる重大な違法行為です。従業員やその他の利用者の安全を脅かす行為は、警察の介入や逮捕につながるリスクが高まります。

被害を受けた企業・従業員の対応方法

カスタマーハラスメントは、企業の日常業務や従業員の心身に深刻な影響を与えることがあります。被害を放置すると、二次被害・健康障害・組織全体のモチベーション低下につながるおそれがあるため、適切な対応が不可欠です。

次に、企業として取るべき具体的な対応方法を、法的側面・安全確保・社内制度の整備という視点からわかりやすく解説します。

証拠確保(録音・防犯カメラ・通話ログ)が最優先

被害に遭った際、まず最初に取り組むべきは、証拠の確保です。カスハラが法的に評価されるかどうかは、客観的な証拠の有無で大きく変わります。具体的には次のような証拠を可能な限り残すことが重要です。

  • 録音・録画(音声・映像)
  • クレーム対応中の言動・威圧的な発言・物理的行為など
  • 防犯カメラ映像
  • 訪問客の行動・店舗内外でのトラブル状況
  • 通話ログ・チャット履歴
  • 長時間の電話・SNS・チャットによる嫌がらせ

証拠は、警察対応・損害賠償請求・就業規則に基づく社内処分などで根拠資料として使用します。証拠を確実に抑えるため、従業員には常日頃からスマホ・防犯カメラ・通話記録の保存方法や録音の法律的注意点(相手通知が必要なケース等)について教育しておくことが重要です。

社内マニュアルに沿った対応と記録化

カスハラ対応は属人的ではなく、社内マニュアルに沿った行動で統一することが必要です。
具体的には、次のような項目を含む対応フローを定めましょう。

  • 初動対応のルール
  • 関係者の安全確保・上司/担当部署へのエスカレーション
  • 記録テンプレートの整備
  • 日時・相手氏名(可能な範囲)・場所・行為内容・発生状況
  • 一次対応者の報告義務
  • 口頭だけでなく、書面化された記録の提出
  • 証拠の保全ルール
  • 録音画像・通話ログの整理・バックアップ

文書化された記録は、精神的負担の軽減・労務管理・法的リスク対応において重要です。また、同じクレームでも対応履歴が蓄積されることでパターン化・危険度評価が可能になり、再発防止策の策定に役立ちます。

警察相談と被害届の出し方

カスハラが威力業務妨害・脅迫・暴行・ストーカー行為等に該当すると判断される場合、早めに警察相談・被害届の提出を検討することが重要です。警察対応の基本的な流れは以下の通りです。

  • 最寄りの警察署に相談
  • 電話・窓口でカスハラの内容を説明
  • 記録と証拠の提示
  • 録音・映像・通話ログ等を持参(警察はコピーを保管します)
  • 被害届の作成
  • 会社として被害者代表者を明示し作成(従業員名義も可)
  • 捜査の進捗確認
  • 担当警察官との連絡を継続し、必要に応じて事情聴取に協力

被害届は刑事手続きのスタート地点であり、企業として被害内容を明確に届け出ることで捜査機関の対応が開始されます。被害届の提出後は、警察の捜査方針に応じて担当者との調整が必要になるため、記録保全と社内連携も同時に進めておきましょう。

【注意】
警察へ被害届を提出したとしても、かならず捜査が開始され、処罰されるわけではありません。証拠の有無や被害程度などを総合的に判断されるため、可能な限り証拠を集めることに尽力しましょう。

弁護士・労基署・産業医との連携

カスハラは単なる接客トラブルではなく、労働法・労務管理・健康安全の複合問題です。被害を受けた従業員・企業は、必要に応じて複数の専門機関と連携する体制を整えることが理想的です。

【弁護士】

  • 法的評価・被害届作成支援
  • 損害賠償請求・示談交渉
  • 社内ルール整備・リスク評価

【労働基準監督署(労基署)】

  • 労働条件・安全配慮義務に関する相談
  • 長時間拘束・パワハラ類似行為の助言

【産業医・保健スタッフ】

  • 心身の不調を早期把握
  • 休職・復職支援・健康管理プログラム

これらの専門家との連携は、法的リスクの低減・従業員の健康保全・企業としての適正な対応に直接つながります。とくに、健康障害が発生した場合や長期的なカウンセリングが必要なケースでは、産業医との連携が加わることで再発防止策やフォロー体制の構築が進みます。

自分がカスハラ加害者にならないための注意点

カスタマーハラスメントは、理不尽な態度やクレームがエスカレートした結果、相手に精神的・身体的苦痛や業務妨害を与える行為として法律的に評価されることがあります。

本人に悪意がなかったとしても、行動や言葉が法律違反として捉えられる可能性があるのが現実です。ここでは、自分がカスハラの加害者にならないための具体的な注意点を、実際の事例や法的判断基準を踏まえてわかりやすく解説します。

正当なクレームと違法行為の境界を理解する

まずもっとも重要なのは、「正当なクレーム」と「違法行為が成立するレベルの行為」の境界を理解することです。クレームには、企業やサービスに対して改善を求める権利があります。これは消費者として当然の権利であり、法的にも保護されます。

しかし、以下のような行為はクレームの範囲を超え、刑事責任の対象となる可能性があります。

  • 従業員に対する執拗な威圧や脅し
  • 虚偽の事実を断定的に述べる行為
  • 法的根拠のない恫喝や強要

正当なクレームは、「具体的な事実や改善要求に基づいて冷静に伝える」ことですが、違法行為になるのは「相手に恐怖や業務への支障を与える表現・行為」です。この境界線を法律上の評価(脅迫・業務妨害・名誉毀損など)で理解することが重要です。

感情的な言動・長時間拘束はリスクが高い

カスハラが問題になる多くのケースに共通する特徴は、感情的な言動・執拗な拘束行為です。具体的には以下のような行為がリスクを高めます。

  • 大声で怒鳴る・暴言を繰り返す
  • 店舗・オフィスで長時間滞在し帰宅を拒む
  • 他の客や従業員に迷惑をかける

これらは、単なる感情表現の範囲を超え、迷惑防止条例違反や業務妨害として評価される可能性があります。実際に、従業員が恐怖を感じた・業務が継続できなくなったという状況では、警察による介入や逮捕につながるケースもあります。

感情的な言動は、相手の主観(恐怖・不安)を生みやすいため、法律上の評価が厳しくなります。クレームは「冷静さ」が最大の防御策だと理解してください。

録音・SNS投稿は逆に証拠として使われることがある

「自分の言い分を残しておきたい」という意図で録音・録画やSNS投稿を行う人がいます。しかし、これが自分の行為を裏付ける証拠として使われるリスクがある点を理解することが重要です。

たとえば、以下のような場合は注意が必要です。

  • クレーム中の音声・映像をSNSで公開
  • 企業名や従業員名をSNSで晒す
  • 自分の主張だけを切り取って投稿する

このような行為は、名誉毀損・偽計業務妨害・信用毀損などの刑事・民事責任につながる可能性があります。さらに、公開された証拠は第三者の評価を不利にする材料になり得るため、本人が発信した情報自体が証拠として使われるリスクがあります。

自分の行動を証明しようとして記録を残す場合も、法律に抵触しない範囲で公平・客観的な方法をとる必要があるため、専門家の指導を仰ぐことが安全です。

不満は文書・第三者を通して冷静に伝える

カスハラにならないための実務的な対応として正しいのが、「文書でのやり取り・第三者を通した対応」です。感情が高ぶっている場面では、直接的な口頭や強い表現で伝えることがリスクになるため、以下のような方法が有効です。

  • クレームは書面(メール・文書)で冷静に整理して送付
  • 内容に誤りがないか第三者(家族・友人)に確認してもらう
  • 重大な不満は消費生活センターや弁護士を通して伝える

文書化することで、主張内容に不必要な感情表現や脅迫的な表現が含まれないかを客観的にチェックできます。また、第三者を通すことで、相手企業・従業員への心理的負担を軽減しながら、冷静な対応が可能になります。

よくある質問

カスハラに関するよくある質問を紹介します。

Q.怒鳴っただけで逮捕されますか?

A.「怒鳴った」という事実だけで逮捕される可能性は低いです。

発言した内容、場所、などを総合的に判断したうえで「犯罪に該当する」と判断されれば、逮捕される可能性があります。たとえば「殴る」「殺す」と言った発言をした場合は、当然犯罪になるため逮捕される可能性があるでしょう。

ただ、少し声を荒げてしまった、という程度であれば直ちに逮捕される可能性は低いです。とはいえ、クレームを伝える際は感情的にならずに、冷静に淡々と事実のみを伝えることを意識しておいたほうがトラブルを回避できるでしょう。

Q.レビューに事実を書いても違法ですか?

A.事実である場合は、違法性はありません。

お店や企業等に対するレビューは、その商品やサービスを利用した人の「リアルな声」を載せられる場所です。そのため、実体験に基づいて「〇〇と感じた」「〇〇のサービスが不適切であった」と感じたのであれば、その内容を記載すること自体に違法性はありません。

ただし、たとえばあなたがインフルエンサーのように強い影響力を持っている人であれば、発言には十分気をつけたほうが良いでしょう。思ったことを伝えるのは問題ありませんが、結果として業務妨害罪に該当するリスクもある点に注意が必要です。

Q.録音はしてもいいですか?

A.顧客、企業側双方とも録音をしていても問題はありません。

録音したデータは、良くも悪くも証拠として扱われます。お互いにとって、自分の主張や相手の主張を客観的に示す証拠ともなり得るため、録音は積極的にしておくべきでしょう。

なお、録音をする際は、とくに相手の許可を得る必要はありません。自分の意思で自由に録音をしても良いですし、違法性が問われることもないため安心してください。

Q.警察はどの段階で動きますか?

A.事件性があると判断された場合に動きます。

警察は、カスタマーハラスメントの内容を把握し、事件性があると判断した場合に動き始めます。たとえば、物損や暴行等が発生した場合、侮辱や恐喝行為等があった場合に捜査を開始し、犯罪であると認められた場合には、逮捕等を検討する流れになるでしょう。

本記事で解説しているとおり、クレームを伝えること自体に違法性はありません。そのため、クレームを言ったからといって、直ちに警察の捜査対象になることはないため、安心してください。

Q.会社が被害届を出さないと逮捕されませんか?

A.被害届の提出は必須ではありません。

被害届はあくまでも「こういった被害がありました」という内容を説明するだけのものです。つまり、警察に対して「犯罪として認知させるための届出」でしかありません。

そのため、たとえば警察へ被害届を提出していなくても、警察側で被害を認知した場合は捜査を開始したり加害者側の逮捕や事情聴取を検討します。とはいえ、カスハラは個人対企業等で行われることが多く、表には出にくいです。

そのため、捜査のきっかけとして被害届を提出することは有効であり、検討をしたほうが良いでしょう。

まとめ

カスタマーハラスメント(カスハラ)は、単なるクレームの延長ではなく、内容によっては刑事事件・逮捕に発展する可能性があります。逮捕の可否を左右するのは「不満を伝えたか」ではなく、脅迫・恐喝・暴行傷害・強要・侮辱名誉毀損・(威力/偽計)業務妨害・監禁・住居侵入・器物損壊など、犯罪行為に該当するかという点です。

とくに「殺す」「店を潰す」といった威嚇、返金等を迫る恐喝まがいの要求、土下座の強要、長時間拘束、物を壊す・押すなどの暴力は、逮捕リスクが高い典型例です。また、SNS晒しやレビュー荒らしも、虚偽性や悪意、影響の大きさによっては信用毀損・偽計業務妨害に問われ得ます。

警察が動くかどうかは、悪質性・反復性・危険性、そして業務への具体的支障や従業員の恐怖感などの被害実態が重要で、企業側の証拠(録音・防犯カメラ・通話ログ・チャット履歴)が決定打になります。

被害を受けた側は、記録化と社内マニュアルに沿った対応を徹底し、必要に応じて警察相談・被害届、弁護士や労基署、産業医と連携することが有効です。一方、利用者側は「正当なクレーム」と「違法行為」の境界を理解し、感情的言動や長時間拘束、SNS投稿での晒しを避ける必要があります。そして、文書や第三者を通じて冷静に伝えることが、トラブルと逮捕リスクを回避する最善策です。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、勾留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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