窃盗罪の時効は何年?成立要件や成立の可能性を詳しく解説

窃盗罪の時効は何年?成立要件や成立の可能性を詳しく解説
窃盗罪の時効は何年?成立要件や成立の可能性を詳しく解説

窃盗罪は公訴時効のある犯罪です。犯罪行為から一定の期間が経過した時点で、当該犯罪に対する刑罰を処せなくなります。

今回は、窃盗罪の時効と成立するための要件について詳しく解説します。もし、窃盗を行ってしまい、不安を感じているのであればぜひ参考にしてください。今後、逮捕される可能性や逮捕されてしまった場合の対処方法についても解説しています。

窃盗罪の時効年数と成立要件

窃盗罪の時効は公訴時効で7年、民事の場合は3年もしくは20年で成立します。まずは、窃盗罪の時効成立年数と成立要件について詳しく解説します。

公訴時効は7年

窃盗罪の公訴時効は、犯罪行為を終えてから7年間です。たとえば、2023年1月1日に万引き(窃盗)を行った場合、この日から7年が経過した日(2030年1月1日)が終了した時点(1月2日になった瞬間)に公訴時効が成立します。

また、犯罪行為を終えたときとは、窃盗行為を終えた瞬間です。万引きであれば、商品を窃取して店舗の敷地を出た瞬間を指します。

ちなみに、公訴時効とは犯罪者を処罰できなくなる期間です。つまり、公訴時効を迎えると検察官は窃盗を行った者を起訴できません。また、公訴時効が成立した場合はそもそも逮捕もされません。

民事は3年もしくは20年

以下のうちいずれか早いほうが民事上の時効成立(損害賠償請求権の消滅時効)時点です。

  • 損害及び加害者を知ったときから3年
  • 犯罪行為があったときから20年

たとえば、コンビニで万引きをした場合、コンビニ(店舗側)が商品を盗まれたことを知ったときもしくは、万引きを行った人を知ったときから3年で時効が成立します。もし、コンビニ側が万引きを把握していなかった場合は20年です。

なお、上記時効はあくまでも損害賠償請求権の消滅時効が成立するための要件です。

万引きによって損害を被った場合、店舗側から実際に発生した損害を請求される可能性があります。もし請求された場合、上記要件を満たしている場合は時効が成立しているため、損害を支払う必要はありません。

窃盗で時効が成立する可能性はある?

窃盗罪は立派な犯罪行為です。そのため、「犯罪を犯してそのまま時効が成立するのだろうか?」と考える人も多いでしょう。次に、窃盗罪で時効が成立する可能性の有無についても詳しく解説します。

被害額が軽微な場合は時効を迎える可能性がある

被害額が軽微な窃盗である場合、時効を迎える可能性があるでしょう。たとえば、お店で万引きをして店員さん等に見つからなかった場合、その後何事もなく時効を迎える可能性はあるでしょう。

また、被害額が軽微な場合は警察等に通報することなく、そのまま被害者が泣き寝入りして時効が成立する可能性もあります。

窃盗罪といってもその犯罪の内容はさまざまです。軽微な場合は、時効が成立する可能性も考えられますが、あまり期待をしないほうが良いでしょう。

被害者や捜査機関次第では時効を迎えられない

窃盗罪によって捜査機関が捜査を開始している場合、時効を迎えるのは難しいでしょう。日本の警察は非常に優秀であり、ほとんどの事件で容疑者を発見することができます。そのため、時効を迎えるのはとても難しいです。

たとえば、万引き等で被害額が軽微な場合であれば、被害者は警察に申し出ない可能性があります。しかし、常習的な空き巣犯のような場合は、被害者が警察に通報するケースが多く、しっかり捜査をするため時効を迎えられないケースが大半です。

自ら出頭するのが得策

窃盗を行ってしまった場合、時効を迎えるのを待つのではなく、自ら出頭したほうが良いです。捜査機関が犯罪行為を把握する前に自首した場合は、刑が軽くなる可能性もあります。

窃盗罪の公訴時効は7年間であるため、この期間逮捕されるのではないか?と怯えて生活を送るよりも、自ら出頭して刑を軽くしてリスタートしたほうが良いでしょう。

窃盗罪で逮捕された場合の刑罰とは

窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」と定められています。しかし、窃盗を行うためにその他の犯罪行為をおこなっているケースもあり、加算される場合があります。

次に、窃盗罪で逮捕された場合の法定刑やその他の関連犯罪についても解説します。

【法定刑】10年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金

窃盗罪の法定刑は以下のとおりです。

(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

引用:刑法|第235条

窃盗罪で逮捕された場合の法定刑は上記の通りですが、初犯の場合は執行猶予付き判決もしくは罰金刑、不起訴・不送致となるケースが多いです。常習的な窃盗罪であっても、2〜3年程度の実刑判決となることが多く、他の犯罪と比較しても刑は軽めです。

とはいえ、実刑判決が下るケースも多いため、注意しなければいけません。

その他の犯罪が加算される可能性がある

窃盗を行うために他の犯罪を行ってしまうケースがあります。たとえば、以下のような場合が該当します。

  • 窃盗を目的に他人の住宅や事務所等に侵入した場合「住居侵入罪」
  • 被害者に発見されて暴行を加えて逃走した場合「強盗罪」

たとえば、窃盗を行おうとした場合、被害者のものが置かれている場所へ行かなければいけません。たとえば、空き巣であれば他人の自宅や事務所へ侵入しなければいけません。万引きであれば、他人のお店へ侵入しなければいけません。

上記の行為がいずれも「住居侵入罪」に該当します。住居侵入罪の法定刑は以下のとおりです。

(住居侵入等)
第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

引用:刑法|第130条

たとえば、他人の住居へ侵入して窃盗をおこなった場合は、住居侵入罪と窃盗罪が成立します。この場合、牽連犯となります。牽連犯とは、犯罪の目的を達成するために他の犯罪に触れてしまうことを指します。

たとえば、窃盗罪の場合は窃盗を行うことが犯罪の目的です。よって、住居へ侵入することを目的としていません。よって、侵入窃盗は牽連犯であると判断されます。

牽連犯の場合は、複数ある犯罪行為の中でもっとも重たいものが適用されます。つまり、窃盗と住居侵入罪であれば、窃盗罪の法定刑が適用されるということです。

また、窃盗を行おうとして強盗罪等が適用される可能性があります。たとえば、万引きをして店員に見つかってしまい、追いかけられた際に振り払って相手が怪我をしたとしましょう。この場合、「事後強盗罪」という窃盗よりも重い罪が適用されます。

他にも、たとえば忍び込みを行おうとして被害者に発見され、暴行等を行って窃盗をおこなった場合です。この場合は、「強盗罪」や「強盗致死傷罪」が適用されてしまう可能性があります。

いずれの場合も5年以上もしくは6年以上の有期懲役となり、非常に重い罪が科されてしまう可能性が高いです。また、仮に被害者が死亡してしまえば、死刑もしくは無期懲役です。

窃盗自体は比較的軽微な犯罪であると認識されがちですが、窃盗の延長線上にはさまざまな犯罪があります。最悪の場合は長期間の服役もあり得るため十分に注意しましょう。

窃盗罪が適用される犯罪の例

窃盗罪の定義は「他人の財物を窃取した者」です。つまり、他人の財物を窃取した時点で窃盗罪が成立します。

では、実際にどういった犯罪行為が窃盗罪に該当するのか?について詳しくみていきましょう。

万引き

万引きは商業施設などの店舗から商品等を窃取することを指します。万引きは立派な窃盗罪であり、最悪の場合は実刑判決となる可能性があります。

ただし、一般的に見ると初犯で被害額が軽微であり、被害者の処罰感情もさほど強くない場合は微罪処分となることが多いです。微罪処分とは、警察等から注意を受ける処分を指し、処罰を受けることはありません。

再犯の場合や被害額が高額な場合は、罰金刑や懲役刑といったさらに重い罪になる可能性もあるため注意してください。

空き巣

空き巣や忍び込みは、他人の住居に入って金銭を窃取する行為です。空き巣・忍び込みも当然、窃盗罪で処罰対象です。

空き巣や忍び込みの場合、初犯であってもこれまでに何度も行為を繰り返しているケースが多く、初犯でも実刑判決となるケースが多いため注意しなければいけません。とくに被害件数が多かったり被害額が多かったりすると、より厳しい処罰となります。

車上荒らし

車上荒らしは、車内に置いてある他人の財物を窃取することを指します。当然、他人の財物を窃取しているため、窃盗罪が成立します。

車上荒らしの場合も常習性や前科などを考慮して、判決が下されるため、初犯であっても実刑判決の可能性が高い犯罪であると考えて良いでしょう。

置き引き

置き引きとは、他人のが置いている財物を窃取する行為を指します。たとえば、公園にピクニックへ来ていた家族のカバンを窃取した場合等が置き引きに該当します。置き引き行為も当然、窃盗罪です。

置き引きに関しても常習性や被害者の処罰感情、被害額や被疑者の前科などを総合的に判断して判決が下されます。

しかし、中には「つい出来心で盗ってしまった…」という人がいるかもしれません。この場合、本人がしっかり反省しており被害の弁済も行われていて、前科がないなどの事情がある場合は微罪処分となる可能性も考えられます。

その他

窃盗罪は他にも、友達の家から物を盗んで自分のものにしてしまったり、ひったくりをしてしまったりなど、さまざまな場合で成立します。

窃盗罪の成立要件は「他人の財物を窃取すること」であるため、どういった形であっても他人の財物を窃取すれば逮捕・処罰の可能性があります。出来心でつい手が伸びてしまいそうな時も、一呼吸おいて冷静になり、犯罪者にならないようにしましょう。

【例外】家族間の窃盗は犯罪にならない

家族間であっても、他人のモノを盗むのは許されません。しかし、法律的に見ると「罪に問うことができない」のが現実です。

実は、家族間での窃盗については「親族相盗例」といって、刑罰を免除すると定められているのです。そのため、たとえば兄弟間で兄のプリンを勝手に食べてしまったとしても、窃盗罪は成立しません。

他にも、親の財布からお金を盗ってしまったとしても、窃盗罪という罪に問うことはできません。とはいえ、「家族間であれば窃盗を行って良いのか?」といえば、絶対に行うべきではないです。

刑罰で処罰されなくとも、家族間の信頼関係等失うものがあり、自分の身近な人を悲しませてしまう原因になります。絶対に避けるべきでしょう。

窃盗罪で逮捕された場合に早期釈放されるためのポイント

窃盗罪で逮捕された場合、内容次第では微罪処分となる可能性があります。仮に、逮捕・起訴されてしまったとしても、正しく対応しておけば早期の釈放も可能です。

最後に、窃盗罪で逮捕されてしまった場合に早期釈放されるためのポイントについて解説します。ぜひ参考にしてください。

窃盗は逮捕・勾留の可能性がある

まず、窃盗罪で逮捕された場合、そのまま勾留されてしまう可能性があります。

逮捕後は48時間以内に検察官への送致を行い、その後検察官が24時間以内に勾留請求の有無を判断します。この時点で72時間は拘束されていることになります。

もし、検察が勾留請求を行って認められれば、最大で20日間の勾留が認められます。その後、起訴されれば刑事裁判へ移行して判決が下される流れです。もし、実刑判決が下されれば、そのまま刑務所へ移送されて刑期を全うします。

最悪の場合、窃盗罪であっても上記の流れすべての期間で拘束され続けます。

しかし、早期釈放のポイントを押さえてしっかり対応しておけば、早急に釈放されるかもしれません。たとえば、在宅捜査への切り替えや勾留請求が認められずに、3日以内の釈放もあり得ます。

逃亡の恐れ・証拠隠滅の恐れがないと判断されることが大切

早期釈放を目指すためには、窃盗行為の事実を認めた上で以下2つの条件を満たしている必要があります。

  • 逃亡の恐れがないこと
  • 証拠隠滅の恐れがないこと

たとえば、軽微な犯罪であり本人も罪を認めてしっかり反省している場合である場合はあえて勾留する必要がないと判断される可能性があります。

言葉や態度で示すのは難しいため、弁護士としっかり打ち合わせをした上で早期の釈放を目指しましょう。

示談を成立させておくと早期釈放の可能性が高まる

被害者と示談交渉を行い、成立させておくことで早期に釈放される可能性が高まります。

被害者との示談交渉は、被害弁済+損害金程度で話を進めます。もし、示談が成立すれば、被害者の処罰感情も弱まるため、その他のさまざまな事情を考慮した上で不起訴となる可能性があるでしょう。不起訴処分が決定すれば、すぐにでも釈放されます。

なお、示談交渉は弁護士を介して行います。被疑者は直接被害者と交渉を行うのが難しいため、弁護士へ依頼をした上で示談交渉を進めていきましょう。

まとめ

今回は、窃盗罪の時効について解説しました。

窃盗罪の公訴時効は7年であるため、この期間を経過した時点で逮捕されたり罪に問われたりすることはありません。

とはいえ、窃盗の事実がある以上は、公訴時効を迎えるまでにいつ逮捕されるかわからない状況が続きます。中には、「つい出来心でやってしまった…」という人もいるでしょう。

もし、自分が行った犯罪行為に後ろめたさを感じているのであれば、公訴時効を待つのではなく出頭・自首を検討したほうが良いでしょう。弁護士へ相談をすれば付き添ってくれます。

自首が認められれば、罪も軽くなるためまずは弁護士へ相談をされてみてはいかがでしょうか。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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