児童ポルノ所持罪で逮捕されるとどうなる?不起訴処分・執行猶予獲得を目指すコツを解説

児童ポルノ所持罪で逮捕されるとどうなる?不起訴処分・執行猶予獲得を目指すコツを解説
児童ポルノ所持罪で逮捕されるとどうなる?不起訴処分・執行猶予獲得を目指すコツを解説

児童ポルノは所持しているだけで犯罪です。児童ポルノ禁止法違反の容疑が発覚すると、他の刑法犯罪と同じような刑事手続きで刑事責任を追及されます。

たとえば、児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・勾留されると長期間身柄拘束される可能性があります。特に、児童ポルノ所持罪について捜査活動が展開されている過程で児童ポルノ製造や他の性犯罪への関与がバレると、再逮捕・再勾留によって身柄拘束期間が数週間~数カ月に及ぶ危険性も生じます。さらに、昨今の性犯罪厳罰化の流れを踏まえると、児童ポルノ所持罪で立件されたときには初犯でも一発実刑のリスクに晒されかねません。

したがって、児童ポルノ所持罪の容疑をかけられたときには、「身柄拘束を避けること、期間を短縮化すること」「不起訴処分や執行猶予付き判決・罰金刑の獲得を目指すこと」が重要だと言えるでしょう。

そこで今回は、児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されるか不安を抱えている方や、ご家族が児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕された方のために、以下5点について分かりやすく解説します。

  1. 児童ポルノ禁止法の基礎知識
  2. 児童ポルノ所持罪の構成要件・法定刑
  3. 児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されるときの刑事手続きの流れ
  4. 児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたときのデメリット
  5. 児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたときに弁護士へ相談するメリット

児童ポルノ所持罪の容疑をかけられたときのさまざまな負担を回避・軽減するには、弁護士の助けを借りるのが最適です。

当サイトでは児童ポルノ所持罪などの性犯罪弁護の経験豊富な専門家を多数掲載しておりますので、この機会に是非アクセスの良い法律事務所までお問い合わせください。

目次

児童ポルノ所持罪の基礎知識

児童ポルノ所持罪は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」で規定されている犯罪類型のことです。同法は、「児童買春・児童ポルノ禁止法」「児童買春・児童ポルノ法」「児童買春・児童ポルノ処罰法」「児童ポルノ禁止法」「児童ポルノ法」「児ポ法」などと略して呼称されることが多いです。

まずは、児童ポルノ所持罪がどのような犯罪を指すのかや、児童ポルノ所持罪で逮捕されたときに生じる法的責任などについて分かりやすく解説します。

児童とは

児童ポルノ禁止法における「児童」とは、「18歳に満たない者」のことを意味します(同法第2条第1項)。

年齢的に未成熟な児童に対する性的搾取・性的虐待は児童の権利を著しく侵害するものです。そのため、18歳未満の児童に対する権利侵害や買春行為などを同法で厳しく処罰することによって、児童の保護・権利の擁護が目指されています(同法第1条)。

児童ポルノとは

児童ポルノ禁止法における「児童ポルノ」とは、「写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)に係る記録媒体その他の物であって、以下のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの」のことです(同法第2条第3項各号)。

  • 児童を相手方とするか、児童による性交・性交類似行為に係る児童の姿態
  • 他人が児童の性器等を触る行為や、児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって、性欲を興奮させまたは刺激するもの
  • 衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等、その周辺部、臀部、胸部)が露出されたり強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させまたは刺激するもの

分かりやすく表現すると、「児童に関する性的な姿態・行為などを視覚的に描写した画像・動画など」が児童ポルノ禁止法における客体と扱われます。

児童ポルノ所持罪(単純所持罪)の構成要件

児童ポルノ所持罪(単純所持罪)とは、「自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る)」を処罰対象にする犯罪類型のことです。

また、「自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノに該当する児童の姿態を視覚によって認識することができる方法で描写した情報を記録した電磁的記録を保管した者(自己の意思に基づいて所持するに至った者であり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る)」も児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されます(児童ポルノ禁止法第7条第1項)。

児童ポルノ所持罪の法定刑

児童ポルノ所持罪の法定刑は「1年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑」です(児童ポルノ禁止法第7条第1項)。

後述の通り、執行猶予付き判決の対象が「3年以下の懲役刑・禁錮刑・50万円以下の罰金刑の言渡しを受けたとき」であることを踏まえると(刑法第25条第1項)、児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・起訴されたときには、基本的には執行猶予付き判決獲得の可能性を高める防御活動が主軸になるでしょう。

児童ポルノ所持罪以外に問われる可能性がある犯罪類型

児童ポルノ所持罪以外に、児童ポルノ禁止法では以下の行為類型を処罰対象にしています。

  • 児童ポルノ提供罪
  • 児童ポルノ製造罪
  • 児童ポルノ運搬罪
  • 児童ポルノ輸出罪
  • 児童ポルノ輸入罪
  • 児童ポルノ提供目的所持罪
  • 児童ポルノ公然陳列罪

これらの犯罪類型で逮捕された場合、「3年以下の懲役刑または300万円以下の罰金刑」の範囲で処断されます(児童ポルノ禁止法第7条各項)。

児童ポルノ所持罪の容疑をかけられる被疑者の中には、児童ポルノ関連以外の性犯罪にも関与しているケースが少なくありません。たとえば、自宅などで見つかった動画・画像をきっかけに不同意性交等罪・不同意わいせつ罪・児童買春罪などの性犯罪が発覚すると、児童ポルノ所持罪の容疑よりも厳しい捜査活動が想定されます。したがって、過去に複数の性犯罪に関与したご記憶がある方はできるだけ早いタイミングで弁護士へ相談することを強くおすすめします。早期の示談交渉などによって刑事責任の回避・軽減を目指して尽力してくれるでしょう。

児童ポルノ所持罪などの公訴時効

児童ポルノ所持罪(単純所持罪)は公訴時効制度が適用されます。

そのため、過去に児童ポルノを所持した経験があったとしても、児童ポルノを手放してから一定の公訴時効期間が経過することによって刑事訴追されるリスクが消滅するということです。

児童ポルノ所持罪の公訴時効期間は「3年」です(刑事訴訟法第250条第2項第6号)。

ただし、PCやスマホなどでデータとして児童ポルノを所持した経験がある場合、現段階で児童ポルノを手放していたとしても、データの授受などの履歴をきっかけに過去にさかのぼって刑事訴追される危険性があります。

つまり、児童ポルノの所持が終わってから3年が経過するまでは、常に逮捕リスクと隣り合わせの状態で社会生活を営まなければいけないということです。

過去の犯罪がいつ掘り起こされるか分からない状態でキャリアなどを積むのは非常に危険です。今後安定的な社会生活を営むためにも、仮に現段階で児童ポルノを所持していないとしても、念のために性犯罪などに詳しい弁護士までご相談ください

【注意!】児童ポルノ所持罪で立件されたときの賠償責任について

児童買春をしたときに児童ポルノを撮影したときや、盗撮などによって児童ポルノを入手したときには、被害者に対する民事の賠償責任が生じます。

被害者に対して支払わなければいけない慰謝料は刑事責任とは全く別物です。

たとえば、慰謝料の金額は当事者同士の交渉で決定することもできますが、話し合いが決裂すると民事訴訟で解決を目指さなければいけません。また、不法行為に基づく損害賠償請求権は以下の期間が経過しなければ消滅時効が完成しないので、場合によっては刑事責任に関する公訴時効期間が経過した後でも民事の賠償責任を追及される危険性もあります(民法第724条、同法第724条の2)。

  • 被害者またはその法定代理人が損害及び加害者を知った時から「3年間」行使しないとき(人の生命または身体を害する不法行為による損害賠償請求権については「5年間」)
  • 不法行為の時から「20年間」行使しないとき

民事責任・刑事責任の両者について解決を実現しなければ安定的な環境で社会復帰を目指すことはできません。刑事事件の経験豊富な弁護士は被害者との示談交渉も同時に進めてくれるので法律事務所を選ぶときには実績や経験などのにも注目することを強くおすすめします。

児童ポルノ所持罪の容疑で刑事訴追されるときの刑事手続きの流れ

児童ポルノ所持罪の容疑をかけられたときの刑事手続きの流れは以下の通りです。

  1. 児童ポルノ所持罪の容疑について警察からアプローチをかけられる
  2. 児童ポルノ所持罪について警察段階の取調べが実施される
  3. 児童ポルノ所持罪について検察官に送検される
  4. 児童ポルノ所持罪について検察段階の取調べが実施される
  5. 検察官が児童ポルノ所持罪を公訴提起するか否か判断する
  6. 児童ポルノ所持事件が刑事裁判にかけられる

児童ポルノ所持罪の容疑について警察からアプローチをかけられる

児童ポルノ所持事件は警察に発覚することによって刑事事件化します。

まずは、捜査の端緒や警察からのアプローチ方法について解説します。

児童ポルノ所持事件が警察にバレる理由

児童ポルノ所持事件が警察に発覚するきっかけとして以下の端緒が挙げられます。

  • SNSや出会い系サイトなどを通じて児童に対して画像・動画を要求したことが原因で親・本人に通報される
  • SNSや匿名掲示板に対して実施されるサイバーパトロールをきっかけに警察に見つかる
  • 会員制サイト・児童ポルノ販売サイトが摘発されて会員名簿・ログ履歴情報等が捜査機関に渡り、児童ポルノをダウンロードしたことが警察にバレる
  • 別件の容疑で家宅捜索されたときに自宅に保管していたPCやスマホから児童ポルノが発見される

「誰にも言わずに自宅に隠している児童ポルノが見つかるはずがない」と油断するのは危険です。

なぜなら、児童ポルノの所持は被害申告や販売サイトへの捜査活動などのあなた自身の関知し得ないところからでも発覚する可能性があるからです。

したがって、現段階で警察から何の連絡がない状態でも、いつ手元に所持している児童ポルノが原因で刑事告発されるか分からないので、すみやかに弁護士へ相談をして今後の対応を相談するべきでしょう

児童ポルノ所持罪の容疑をかけられると逮捕される

児童ポルノを所持していることが警察に発覚すると逮捕されることがあります。

児童ポルノ所持が発覚したシチュエーションによって、逮捕処分は以下2種類に分類されます。

  • 現行犯逮捕
  • 通常逮捕

現行犯逮捕・通常逮捕のどちらであったとしても、逮捕処分が実行された時点で被疑者の身体・行動の自由が大幅に制約されます。

たとえば、「今日は出社しなければいけないので警察署への出頭は別の日にして欲しい」「警察に連行される前に家族・会社に電話連絡を入れさせて欲しい」などの要望は一切聞き入れてもらえません。

したがって、逮捕処分が実行された時点で「最低でも数日程度社会生活から完全に隔離されること」を受け入れなければいけないと考えられます。

児童ポルノ所持罪で現行犯逮捕される場合

現行犯逮捕とは、「現に罪を行い、または、罪を行い終わった者(現行犯人)に対する身柄拘束処分」のことです(刑事訴訟法第212条第1項)。

現行犯逮捕は犯行現場を現認したときに実行されるものであり、冤罪・誤認逮捕のリスクが極めて少ないので、逮捕状の発付手続きを省略して無令状で行うことができるとされています(同法第213条)。

たとえば、家宅捜索の際に児童ポルノが発見したようなケースでは、その時点で児童ポルノ所持罪の容疑で現行犯逮捕されます(その後、児童買春や児童ポルノ製造などの容疑が発覚したときには、別罪の容疑で再逮捕されます)。

児童ポルノ所持罪で通常逮捕される場合

通常逮捕(後日逮捕)とは、「裁判官の事前審査を経て発付される逮捕令状に基づいて実施される身柄拘束処分」のことです(刑事訴訟法第199条第1項)。

現行犯逮捕とは違って、通常逮捕は裁判官が事前に発付した逮捕令状が必要です。

たとえば、違法サイトなどに対する捜査活動の結果、被疑者が自宅に児童ポルノを大量に所持していることが判明したとき、平日早朝などのタイミングで逮捕状を持参した捜査員が自宅等にやってきて逮捕状を執行することになります。

逮捕状が発付されるのは、「逮捕の理由(被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること)」・「逮捕の必要性(留置の必要性、被疑者の身柄を強制的に拘束した状態での取調べを実施する必要性)」という2つの要件を満たすときです。

児童ポルノ所持罪の容疑で通常逮捕(後日逮捕)されるケースとして以下のものが挙げられます。

  • 住所不定・無職・職業不詳で逃亡するおそれがある場合
  • 児童ポルノなどの性犯罪の前科・前歴がある場合
  • 児童買春や痴漢・盗撮などの余罪への関与が疑われる場合
  • 児童ポルノを保管しているPCやスマホデータなどの証拠物を隠滅するおそれがある場合
  • 所持している児童ポルノの量が多い場合
  • 児童ポルノや買春の被害者サイドの処罰感情が強い場合
  • 警察からの任意の出頭要請に応じなかった場合
  • 任意の事情聴取で黙秘・否認をしている場合、供述内容に矛盾点が存在する場合

【注意!】児童ポルノ所持罪の容疑が発覚しても常に逮捕されるとは限らない

児童ポルノ所持罪の容疑が警察に発覚したとしても、常に逮捕手続きに移行するとは限りません。

現行犯逮捕や通常逮捕の要件を満たさないものの、児童ポルノ所持の嫌疑をかけられたときには、「任意捜査(在宅事件)」の対象と扱われるのが一般的です。

逮捕処分と異なり、任意捜査(在宅事件)では被疑者が強制的に身柄拘束されることはありません。取調べに対する受忍義務も存在しないので、帰宅したいタイミングで家に帰ることができます。たとえば、事情聴取の日程と会社の都合などを調整しやすいので、社会生活への影響を大幅に軽減できるでしょう。

そのため、児童ポルノの所持が警察にバレたときには、「いかに逮捕処分を回避して在宅事件として刑事手続きを進めることができるか」がポイントになるでしょう。

児童ポルノ所持罪が在宅事件の対象になるのは以下のようなケースです。

  • 氏名・住所・職業が明らかで逃亡のおそれがない場合
  • 児童ポルノ所持について犯行を自供して真摯に反省の態度を示している場合
  • 児童ポルノ所持以外の犯罪容疑をかけられていない場合
  • 所持している児童ポルノの量が少ない場合
  • 所持している児童ポルノやPC、スマホなどの証拠物を素直に提出している場合
  • 児童ポルノに関する被害者との間で示談が成立している場合
  • 前科・前歴がない完全初犯の場合
  • 児童ポルノの単純所持だけで営利目的所持ではない場合
  • 警察からの出頭要請に素直に応じて事情聴取で否認・黙秘をしていない場合

なお、後述のように逮捕処分が実行されると刑事手続きの各段階には厳格な時間制限が設定されますが、任意捜査には一切制限時間が存在しません。そのため、児童ポルノ所持事件が在宅事件になったときには、捜査対象になる期間が長期化する危険性があります。

また、在宅事件として扱われたからと言って、「不起訴」が確約されるわけでもありません

したがって、児童ポルノ所持事件が在宅事件の対象になったとしても「不起訴処分」「執行猶予付き判決・罰金刑」獲得を目指した防御活動が不可欠になるので、かならず適宜弁護士のアドバイスを参考にしながら事情聴取に臨むようにしてください

児童ポルノ所持罪について警察段階の取調べが実施される

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕された場合、まずは警察段階の取調べが実施されます。

警察段階の取調べの制限時間は「48時間以内」です(刑事訴訟法第203条第1項)。

逮捕後実施される警察段階の事情聴取は拒絶することができません(取調べで黙秘・否認するのは自由ですが、客観的な証拠に反して不自然に供述を避けると刑事処分が重くなる可能性があります)。また、事情聴取が行われないときは拘置所・留置場に身柄が留められるので、帰宅することも許されません。さらに、身柄拘束期間中は接見禁止処分が下され、また、スマホなどの所持品も取り上げられるので、家族などの第三者との面会はおろか、一切直接的な連絡をとることも不可能です。

逮捕後、警察段階の取調べ中に被疑者の唯一の味方になってくれるのは弁護士だけです。特に、性犯罪弁護は初期対応が重要なので、すみやかに児童ポルノ事犯の実績豊富な弁護士までお問い合わせください

児童ポルノ所持罪について送検される

児童ポルノ所持罪の容疑について警察段階の取調べが終了すると、事件が検察官に送致(送検)されます(刑事訴訟法第246条本文)。

児童ポルノ所持罪は微罪処分の対象外の可能性が高い

微罪処分とは、「警察が捜査活動をスタートした事件を送検せずに、警察限りの判断で刑事手続きを終結させる事件処理類型」のことです(刑事訴訟法第246条但書、犯罪捜査規範第198条)。

微罪処分を獲得すれば、「身柄拘束期間を48時間以内に短縮化できる」「送検リスク・有罪リスクに怯えずに済む」「前科を回避できる」というメリットを得られます。

ただし、児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたときには微罪処分は期待しにくいのが実情です。なぜなら、微罪処分は以下の要件を満たすときに限られるからです。

  • 検察官があらかじめ指定する軽微な犯罪類型に該当すること(窃盗罪、占有離脱物横領罪など)
  • 犯情が極めて軽微であること(衝動的な犯行、知らないうちにダウンロードしてしまったなど)
  • 被害が軽微であること(所持している児童ポルノの量が少ないこと、余罪に関与した疑いがないこと)
  • 被害者との間で示談が成立していること
  • 素行不良者ではないこと、前科・前歴のない完全初犯であること
  • 家族や上司などの身元引受人がいること

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕された後、微罪処分や厳重注意で済ませるには、警察からコンタクトがある前からの防御活動が重要です。現段階で警察からのコンタクトがあるか否かにかかわらず、児童ポルノを所持している方はすみやかに弁護士までご相談ください

児童ポルノ所持罪について検察段階の取調べが実施される

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕された後、事件が送検されると、検察段階の取調べが実施されます。

検察段階で実施される取調べの制限時間は「24時間以内」が原則です(刑事訴訟法第205条第1項)。「警察段階48時間以内と検察段階24時間以内の合計72時間以内」に得られた証拠・供述内容などを前提に、検察官が公訴提起するか否かを判断します。

児童ポルノ所持罪の捜査進捗次第では勾留請求の可能性もある

児童ポルノ所持罪の容疑で送検された後は24時間以内に公訴提起判断に至るのが原則ですが、「やむを得ない理由」によってこの時間制限を遵守できないときには、検察官による勾留請求が認められています(刑事訴訟法第206条第1項)。

検察官の勾留請求によって裁判所から勾留状が発付されたときには、被疑者の身柄拘束期間は「10日間~20日間」の範囲で延長されます(同法第208条各項)。

児童ポルノ所持事件が勾留請求の対象になる可能性があるのは以下のようなケースです。

  • 所持している児童ポルノの量が多い場合
  • 児童ポルノの入手経路やPCなどのログ解析などに時間を要する場合
  • 児童ポルノ所持以外の犯罪(不同意性交等罪や盗撮、児童ポルノ製造など)への関与が疑われる場合
  • 児童ポルノの所持や入手方法などについて被疑者が黙秘・否認している場合

つまり、児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・勾留されたときには「最長23日間」身柄拘束期間が生じる可能性があるということです。これでは、仮に不起訴処分を獲得できたとしても、長期間身柄拘束期間が生じただけで社会生活にさまざまなデメリットが生じかねません。

したがって、児童ポルノ所持罪で逮捕されたときには、「不起訴処分の獲得」だけではなく、「勾留阻止」「身柄拘束期間の短縮化」も重要な防御活動になると言えるでしょう。

児童ポルノ所持罪以外で立件されると身柄拘束期間が更に長期化しかねない

児童ポルノ所持罪について捜査活動が展開される過程で別の犯罪への関与が発覚すると、再逮捕・再勾留が繰り返される危険性があります。

たとえば、児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・勾留されて23日間身柄拘束を受けた後、児童ポルノ製造罪の容疑で再逮捕・再勾留されると、連続して数カ月に及ぶ身柄拘束期間が生じる可能性が生じかねません。

このように、警察段階・検察段階で設定された身柄拘束期間は「事件単位」でカウントされるので、複数事件への関与が疑われる事案では、別罪についての捜査活動がスタートする前に先行して防御活動に着手する必要があります出来るだけ早いタイミングで弁護士にすべての事情を話して、示談交渉などの身柄拘束期間短縮化に向けた防御活動を展開してもらいましょう。

児童ポルノ所持罪について起訴・不起訴が判断される

児童ポルノ所持罪について検察段階の取調べが終了すると、それまでに得られた証拠等を前提にして検察官が事件を刑事裁判にかけるか否か(起訴にするか不起訴にするか)を決定します。

起訴処分とは、「児童ポルノ所持事件を公開の刑事裁判にかける旨の訴訟行為」のことです。

これに対して、不起訴処分とは、「児童ポルノ所持事件を公開の刑事裁判にかけずに、検察官限りの判断で刑事手続きを終結させる旨の意思表示」のことを意味します。

児童ポルノ所持罪で逮捕されたときは不起訴処分獲得がポイント

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・勾留されたときには「不起訴処分を獲得できるか」が重要な分岐点になります。

なぜなら、日本の刑事裁判の有罪率は約99%以上とも言われているからです。

たとえば、起訴処分が下された時点で有罪判決が事実上確定するので、前科を避けることはできません。

これに対して、不起訴処分を獲得すれば有罪リスクや前科を回避できるので、何の支障もなく今後の社会復帰を目指しやすくなるでしょう。

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたときは起訴猶予処分獲得が防御目標になる

児童ポルノを所持していること自体に間違いがなくても不起訴処分獲得は不可能ではありません

なぜなら、不起訴処分は以下3種類に分類されるため、「起訴猶予処分」は充分獲得できるからです。

  • 嫌疑なし:児童ポルノ所持を立証する証拠がない場合、誤認逮捕や冤罪の場合
  • 嫌疑不十分:児童ポルノ所持罪を立証する証拠が足りない場合
  • 起訴猶予:児童ポルノの所持自体は間違いないが、諸般の事情を総合的に考慮すると刑事裁判にかける必要がない場合

起訴猶予処分に付するか否かを判断するときには、「犯人の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、犯行に至った情状、犯罪後の情況」などの諸般の事情が総合的に考慮されます(刑事訴訟法第248条)。

起訴猶予処分を獲得するには刑事事件に強い弁護士の防御活動や供述方針の決定が不可欠なので、児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたときには出来るだけすみやかに弁護士へ相談することを強くおすすめします

児童ポルノ所持罪の容疑で起訴されたときには早期の保釈請求がポイント

児童ポルノ所持罪の容疑で起訴されたときには、出来るだけ早いタイミングで「保釈手続き」を履践する必要があります。

なぜなら、以下の事由が存在する場合には、起訴後勾留によって社会生活に復帰できないからです(刑事訴訟法第60条第1項各号)。

  • 被告人が定まった住居を有しないとき
  • 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
  • 被告人が逃亡し、または、逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき

起訴後勾留が続くと、起訴処分があった日から2カ月(その後、1カ月ごとに更新)拘置所生活が続きます(同法第60条第2項)。

児童ポルノ所持事件の経緯や起訴後の事情によって履践すべき保釈手続きは異なります。弁護士に相談のうえ、以下のなかから適切な保釈手続きを履践してもらいましょう

  • 権利保釈(保釈除外事由に該当しない限り認められる保釈)
  • 裁量保釈(裁判官の裁量によって認められる保釈)
  • 義務的保釈(身柄拘束期間が不当に長期化している場合に認められる保釈)

児童ポルノ所持罪について刑事裁判にかけられる

児童ポルノ所持罪の容疑で起訴されると、刑事裁判で審判を受けることになります。

刑事裁判が開廷されるタイミングは「起訴処分が下されてから1カ月~2カ月後」が目安です。

公訴事実に争いがなければ、第1回公判期日で結審に至り、後日判決が言い渡されます。これに対して、否認事件の場合(知らないうちに児童ポルノをダウンロードしてしまった等)には複数の公判期日を経て弁論手続き・証拠調べ手続きが実施されて判決に至ります。

児童ポルノ所持罪の容疑で起訴されたときは執行猶予付き判決獲得を目指す

児童ポルノ所持罪の法定刑は「1年以下の懲役刑または100万円以下の罰金刑」なので、事案の状況次第では初犯でも”一発実刑”の危険性があります

実刑判決が下されると、数カ月とは言えども刑期を満了するまで服役を強いられます。この間は社会生活から完全に隔離されるので、学校生活やキャリアに甚大な支障が生じかねません。

そこで、児童ポルノ所持罪の容疑で起訴されたときには、「執行猶予付き判決を獲得できるか」がポイントになります。

執行猶予とは、「所定の執行猶予期間が明けるまでに何のトラブルもなく社会生活を送ることに成功すれば刑が執行されずに済む制度」のことです。執行猶予付き判決を獲得できれば刑務所への収監を回避できるので、学校生活や職場生活に支障なく刑事責任を果たせます。

執行猶予付き判決を獲得するには、「3年以下の懲役刑・禁錮刑・50万円以下の罰金刑の言渡しを受けたとき」という要件を満たさなければいけません(刑法第25条第1項)。

児童ポルノ所持事件とは言っても、執行猶予付き判決を獲得するには、裁判官に対して反省の態度を示したり、説得力のある更生環境を用意したりする必要があるので、かならず性犯罪弁護や刑事裁判の経験豊富な弁護士までご依頼ください

児童ポルノ所持罪の容疑で起訴されたときには略式手続きで妥協するのも選択肢のひとつ

児童ポルノ所持罪の容疑で起訴されたときには、「略式手続き」を利用するのも選択肢のひとつです。

略式手続き(略式起訴・略式裁判・略式命令)とは、「簡易裁判所の管轄に属する刑事事件について100万円以下の罰金刑が想定される場合に、被疑者側の同意がある場合に限って、公開の刑事裁判を省略して簡易・簡便な形で罰金刑を確定させる裁判手続き」のことです(刑事訴訟法第461条)。

たとえば、検察官が刑事裁判で罰金刑を求刑する予定の場合、略式手続きを選択することによって、刑事裁判手続きを省略して略式起訴段階・罰金の納付段階で刑事手続きを終わらせて、社会復帰のタイミングを前倒しできます

ただし、略式手続きに同意をすると、公開の刑事裁判で反論する機会が失われる点に注意が必要です。「児童ポルノ所持の故意がなかった」「入手した動画像が児童ポルノに該当するものだとは知らなかった(分かるはずもなかった)」などの反論を公判で展開したいときには、略式手続きに同意をしてはいけません。

このように、児童ポルノ所持事件の詳細によって略式手続きに同意するべきか否かの判断は異なるので、かならず刑事裁判経験豊富な弁護士に今後の流れを想定してもらいましょう

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたときに生じるデメリット6つ

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されると、以下6点のデメリットが生じます。

  1. 児童ポルノ関係の余罪などが発覚して身柄拘束期間が長期化する危険性に晒される
  2. 児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・起訴されると勤務先から懲戒処分を下される
  3. 児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・起訴されたことを理由に学校から何かしらの処分を下される
  4. 児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されると実名報道リスクに晒される
  5. 児童ポルノ所持罪などの性犯罪の嫌疑をかけられて逮捕されると人間関係が崩れる
  6. 児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・起訴されると前科によるデメリットに悩まされ続ける

児童ポルノ関係の余罪が発覚して長期間身柄拘束される可能性がある

児童ポルノ所持罪で逮捕された場合、複数の余罪が発覚するケースが少なくありません。

たとえば、児童と性交中の様子を撮影した動画が見つかったときには、児童買春罪や不同意性交等罪の容疑で再逮捕・再勾留される可能性が生じます。

再逮捕・再勾留が繰り返されると、身柄拘束期間が数週間~数カ月に長期化しかねません

これだけの期間社会生活から隔離される状態が続くと、会社や学校に刑事事件を起こしたことを隠し通すのは不可能でしょう。

児童ポルノ所持罪で逮捕されたことを理由に会社から懲戒処分を下される

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・起訴されたことが現在の勤務先にバレると、懲戒処分を下される可能性が高いです。

懲戒処分の内容は、各社が定める就業規則の懲戒規定に基づいて決定されます。一般的に、懲戒処分の内容は「戒告・譴責・減給・出勤停止・降格・諭旨解雇・懲戒解雇」に分類されますが、性犯罪に対して厳しい考え方が広まっている風潮を踏まえると、児童ポルノ所持事件を起こしただけでも懲戒解雇処分を下される可能性も否定できません。

刑事事件を理由に懲戒処分を下されると、現在のキャリアや今後の転職活動に大いなる支障が生じるでしょう。

児童ポルノ所持罪で逮捕されたことを理由に学校から何かしらの処分を下される

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・起訴されたことが学校にバレると、何かしらの処分が下される可能性が高いです。

学校から下される処分内容は、学則・校則の内容に基づいて決定されます。たとえば、普段の学校生活の様子や成績が良好なときには、厳重注意や短期間の出席停止処分で済むでしょう。これに対して、普段の生活態度が悪く児童ポルノ所持事件の経緯について斟酌すべき事情がないときには、長期の停学処分や退学処分もあり得ます。

単位取得が困難になったり学歴にキズがつくと、その後の就職活動が困難になるでしょう。

会社や学校からのペナルティを回避するには、「会社や学校にバレずに刑事手続きを終わらせること」が重要です。「逮捕を避けて在宅事件化を目指すこと」「勾留阻止によって身柄拘束期間を短縮化すること」「実刑判決を回避して執行猶予付き判決・罰金刑獲得を目指すこと」など刑事手続きのステージごとに目指すべき防御目標が異なるので、かならず刑事事件の経験豊富な弁護士までご相談ください。

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されると実名報道のリスクに晒される

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されると、顔写真付きで実名報道される危険性が生じます。

近年、性犯罪関連の刑法が改正されるなど、社会的風潮として性犯罪に対して厳しい目を向けられるようになっています。

そのため、児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されると、その時点で報道番組やネットニュースなどで配信される可能性が高いです。

一度でも報道されると、性犯罪に関与した事実が生涯Web上に残り続けます。就職活動の際に氏名をネット検索されるとすぐに過去の犯行がバレるので、今後の社会生活形成が困難になるでしょう。

報道機関に実名報道されるのは「児童ポルノ所持罪等の容疑で逮捕されたとき」です。したがって、実名報道のリスクを減らすには、「逮捕されないこと=在宅事件化をすること」が何より重要でしょう。警察からアクションがあった段階で誠実に対応すれば任意ベースの捜査活動を期待できるので、適宜弁護士の判断を仰ぎながら捜査活動に対応してください。

児童ポルノ所持罪などの性犯罪の容疑で逮捕されると家族の信用が失墜する

児童ポルノ所持罪のような性犯罪の容疑で逮捕されると、家族や恋人・知人・会社の同僚などからの信用が失墜します。

法定刑だけで見ると、児童ポルノ所持罪は比較的軽微な犯罪類型に分類されます。

しかし、児童ポルノ所持罪のような性犯罪に対する一般的なイメージは最悪です。配偶者や恋人から別れを言い出されたり、同僚などからの冷ややかな視線を向けられることもあり得るでしょう。

児童ポルノ所持事件などの性犯罪に関与したことを身内にも隠し通すには、人知れず刑事責任を全うしたうえで性依存症などの疾患を克服するしかありません。「逮捕されないこと」「不起訴処分を獲得すること」などの防御目標を達成するには刑事手続き初期段階から適切な防御活動を展開しなければいけないので、出来るだけ早いタイミングで弁護士までご相談ください。

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・起訴されると前科によるデメリットに晒される

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕・起訴されると、「前科」によるデメリットに晒され続けます。

前科とは、「有罪判決を受けた経歴」のことです。実刑判決だけではなく、執行猶予付き判決や罰金刑が下された場合も、前科として扱われます。

前科者になると、今後の社会生活に以下のデメリットが生じます。

  • 前科情報は履歴書の賞罰欄への記載義務が生じるので、就職活動・転職活動が困難になる
  • 前科を理由に制限される職業・資格がある(士業、警備員、金融業など)
  • 逮捕歴や前科は「法定離婚事由」に該当するので、配偶者からの離婚申し出を拒絶できない(慰謝料や親権判断も不利に扱われる)
  • 前科を理由にビザ・パスポートの発給制限を受けると、自由に海外旅行・海外出張できない
  • 前科者が再犯に及ぶと次回は厳しい刑事処分が想定される

なお、「前科がつくと住宅ローンを組めない」「前科情報は戸籍・住民票に登録される」というのは間違いです。

前科を避けるには「不起訴処分を獲得すること」が何より重要です。児童ポルノ所持罪の容疑のみで立件されただけなら不起訴処分獲得は充分可能なので、刑事弁護経験豊富な専門家の力を借りましょう。

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたときに弁護士へ相談するメリット4つ

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されるか不安なときや、ご家族が児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたときには、弁護士へ相談することを強くおすすめします。

なぜなら、性犯罪事件の経験豊富な弁護士への相談によって以下5点のメリットを得られるからです。

  1. 性犯罪被害者との間で早期の示談成立を目指してくれる
  2. 児童ポルノ所持罪が警察にバレる前なら自首の要否を検討してくれる
  3. 児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されても少しでも軽い刑事処分獲得を目指してくれる
  4. 児童ポルノ所持罪の容疑で身柄拘束中の被疑者を接見機会を通じて励ましてくれる
  5. 性依存症などの疾患を抱えている被疑者の本格的な更生支援をサポートしてくれる

性犯罪被害者との間で早期の示談成立を目指してくれる

児童ポルノ所持罪や児童買春罪などの容疑で逮捕されたときには「早期の示談成立」が重要です。

刑事弁護の経験豊富な専門家は早期の示談成立を目指して交渉を開始してくれるでしょう。

示談成立は軽い刑事処分獲得に役立つ

示談とは、「刑事事件の当事者(被害者・加害者)同士で解決策について直接話し合いを行い、和解契約(示談契約)を締結すること」です。

示談は民事事件に関することなので、理屈上は刑事事件とは無関係なはずです。しかし、刑事実務では「被害者と示談が成立していること」が重要な判断材料に挙げられるのが実情です。

どのような示談契約を締結するかは当事者が自由に決定できます。ただし、児童ポルノ関連の示談契約では以下の項目が掲げられるのが一般的です。

  • 加害者が被害者に対して、児童ポルノ関連の事件で生じた損害や慰謝料、治療費等を「示談金」として支払う
  • 加害者は今後一切被害者周辺に近付かない
  • (被害申告済みの場合)被害者は、既に提出した被害届や告訴状を取り下げて、「処罰感情がないこと」を捜査機関や裁判所に伝える
  • (被害申告前の場合)被害者が警察に相談していない場合には、今後被害届や告訴状を提出しない

児童ポルノ関連事件の示談交渉を弁護士へ依頼するメリット

示談交渉は被疑者本人や被疑者の家族が行うことも可能ですが、効率的な示談交渉を希望するなら弁護士のサポートは不可欠です。

なぜなら、示談交渉を弁護士へ依頼することで以下のメリットを得られるからです。

  • 感情的な被害者サイドとも冷静に話し合いを進めることができる
  • 弁護士が代理人に就くことで被害者側の連絡先を入手しやすくなる
  • 書面の準備や被害者との話し合いなど、示談交渉に要するすべての作業を代理してくれる
  • 交渉ノウハウを発揮して不当な示談金の釣り上げなどに対抗してくれる

ここまで紹介したように、刑事事件の各ステージには厳格な制限時間が設けられています。そのため、示談交渉に時間をとられると有利な刑事処分を獲得しにくくなるのが実態です。

軽い刑事処分の獲得は社会復帰の可能性を左右します。出来るだけ早いタイミングで刑事事件に強い弁護士へ相談をして早期の示談成立を目指してもらいましょう

児童ポルノ所持罪が警察にバレる前なら自首の是非を検討してくれる

児童ポルノ所持事件が警察に発覚する前なら「自首」が有効な選択肢になります。

自首とは、「まだ捜査機関に発覚しない前に、犯人自ら進んで犯行に及んだ事実を申告し、刑事処罰を求める意思表示」のことです(刑法第42条第1項)。

自首が有効に成立すれば、「刑の任意的減軽」というメリットを得られます。たとえば、児童ポルノ所持罪や児童買春罪などの容疑で逮捕・起訴されたとしても、自首減軽によって執行猶予付き判決や罰金刑を獲得しやすくなります

ただし、現段階で児童ポルノを所持していたとしても、状況次第ではわざわざ警察に連絡をしなくても、すぐに手元の児童ポルノを破棄するだけで大丈夫なケースも少なくありません。このようなケースでは、わざわざ警察に出頭する必要はないでしょう。

したがって、現段階で警察から連絡がないとしても、手元に児童ポルノを所持してしまっている場合には、すぐに弁護士に相談をして「警察に出頭するべきか」「手元にある児童ポルノをどのように破棄するべきか」「警察に連絡をした後の事情聴取ではどのような供述をするべきか」などについてアドバイスをもらいましょう

児童ポルノの所持が警察にバレても軽い刑事処分獲得を目指してくれる

児童ポルノの所持が警察にバレたとしても、弁護士は出来るだけ軽い処分獲得を目指して尽力してくれます

以下のように、刑事手続きの段階に応じて目指すべき防御方針は異なります。

  • 児童ポルノの所持が警察に発覚~逮捕される前:在宅事件化
  • 児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕~公訴提起判断まで:早期の身柄釈放、勾留阻止、微罪処分・不起訴処分獲得
  • 児童ポルノ所持罪の容疑で起訴~刑事裁判:保釈手続き、略式手続き、執行猶予付き判決獲得

刑事事件を専門にする弁護士は捜査段階から明確に防御方針を立ててくれるでしょう。

接見機会を通じて身柄拘束中の被疑者にメリットをもたらしてくれる

児童ポルノ所持罪等の容疑で逮捕・勾留されると、被疑者には接見禁止命令が下されることが多いので、家族や友人などとは誰にも連絡をとることができません。

ただし、身柄拘束中の被疑者には「接見交通権」が認められているので、弁護士とならいつでも立会人なしで面会できますし、自由に書類や物の授受をすることが認められています(刑事訴訟法第39条第1項)。

刑事事件に強い弁護士は接見機会をフル活用して以下のメリットをもたらしてくれるでしょう。

  • 身柄拘束中に厳しい事情聴取を受けている被疑者を励ましてくれる
  • 捜査状況を踏まえて供述方針を明確化してくれる
  • 被疑者ノートを差し入れて違法捜査へのリスクヘッジをしてくれる
  • 家族や会社などへの伝言を引き受けてくれる

身柄拘束中の被疑者にとって弁護士は唯一の味方です。心身が疲弊した中さまざまな有益なアドバイスを提供してくれるでしょう。

性依存症などの精神疾患への対策をサポートしてくれる

児童ポルノ所持事件を起こした被疑者の中には、性依存症などの精神疾患などを抱えているケースが少なくありません。

今回立件された刑事事件について仮に軽い刑事処分を獲得できたとしても、根本的な疾患を治癒できていなければ再犯に及ぶリスクが生じたままです。そして、前科・前歴がある状態で再犯に及ぶと、次回の刑事手続きは相当厳しいものになってしまいます。

性犯罪弁護の経験豊富な専門家は、カウンセリング施設やNPO法人との繋がりがあるので、被疑者が本当の意味で社会復帰を目指すサポートをしてくれるでしょう。

【注意!】児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたときには私選弁護人と契約するのがおすすめ

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたとき、当番弁護士制度を利用するか私選弁護人と契約するかを選択できます。

当番弁護士制度は日本弁護士連合会の制度で、誰でも初回無料で当番弁護士に相談可能です。

ただし、児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されたときには、当番弁護士よりも私選弁護人と契約することを強くおすすめします。なぜなら、当番弁護士制度を頼ってもどのような経歴の弁護士がやってくるか分からないからです。たとえば、性犯罪弁護の経験がない専門家や、コミュニケーション能力の低い弁護士などがやってくる危険性もあります。

私選弁護人なら、実績・弁護士歴・年齢・熱意・性別などのあらゆる面から依頼人の判断で契約相手を選ぶことができます。児童ポルノ関連事件では早期の示談交渉などのスピーディーな対応が求められるので、信頼できそうな法律事務所までお問い合わせください。

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されるか不安なときは弁護士へ相談しよう

児童ポルノ所持罪の容疑で逮捕されるか不安なときは、警察から連絡があるか否かにかかわらず、弁護士への相談がおすすめです。自首するべきか否かや、児童ポルノの廃棄方法、場合によっては被害者との示談交渉などについて有益な情報を提供してくれるでしょう。

当サイトでは、性犯罪弁護などに力を入れている弁護士を多数掲載しています。実績や費用などの諸項目をご参考のうえ、信頼できるアクセスの良い法律事務所までお問い合わせください

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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