盗撮で逃げてしまった場合はどうなる?今後のリスクと対処法を解説

盗撮で逃げてしまった場合はどうなる?今後のリスクと対処法を解説
盗撮で逃げてしまった場合はどうなる?今後のリスクと対処法を解説

盗撮で逃げてしまった場合は、各都道府県の迷惑防止条例によって処罰されてしまう可能性があります。また、通常逮捕(後日逮捕)によって、身柄を拘束されてしまう可能性があるため注意してください。

この記事では、盗撮をして逃げてしまった場合のリスクや対処法について詳しく解説します。盗撮をしてしまった人、振り切って逃げてしまった人は、今後起こり得るリスクや対処法について紹介しているのでぜひ参考にしてください。

盗撮を行った場合に適用される罪状とは

盗撮行為は、以下の法律によって処罰される可能性があります。

  • 迷惑防止条例違反
  • 軽犯罪法違反

盗撮を行ってその場を逃げてしまった場合は、後日、上記の法律によって逮捕状を請求されて逮捕される可能性があります。まずは、盗撮に適用される法律の罪状や刑罰について詳しく解説します。

迷惑防止条例違反

迷惑防止条例違反とは、各都道府県で定められている条例(法律)です。基本的にはすべての都道府県で同条例によって「盗撮行為」が規制されています。

東京都の場合は「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例(略称:迷惑防止条例)」にて、以下の通り定められています。

二 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。

引用元:東京都迷惑防止条例|第5条1項2号

また、罰則については以下の通り明記されています。

第八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二条の規定に違反した者
二 第五条第一項又は第二項の規定に違反した者(次項に該当する者を除く。)
2 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第五条第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定に違反して撮影した者

引用元:東京都迷惑防止条例|第8条

つまり、東京都では「通常衣服等で隠されている下着や身体を撮影する目的で、写真機やその他の機器を設置・差し向けた」場合の罰則は以下の通りです。

  • 6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金

そして、「通常衣服等で隠されている下着や身体を撮影する目的で、写真機やその他機器を設置し、撮影した」場合の罰則は以下の通りです。

  • 1年以下の懲役または100万円以下の罰金

つまり、撮影機器を向けるだけでも迷惑防止条例違反となり、撮影をした場合はさらに重たい罰則を受けることになります。

軽犯罪法違反

盗撮行為は、軽犯罪法にも抵触する可能性があります。実際、軽犯罪法では以下の通り明記されています。

二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

引用元:軽犯罪法|第1条23項

軽犯罪法では「正当な理由なく他人の通常衣服をつけないでいるような場所をのぞき見た物」と定義されています。そのため、「撮影(盗撮)」自体を取り締まる法律ではありません。よって、実際は軽犯罪法での摘発は難しいのが現実です。

とはいえ、解釈によっては軽犯罪法によって処罰できる可能性もあります。そのため、罰則規定についても覚えておくと良いでしょう。軽犯罪法の刑罰は比較的軽く、拘留または科料のみです。

「拘留」とは、1日以上30日未満の刑事施設への収容を指します。「勾留」とは意味が異なるため注意してください。そして、科料とは1,000円以上1万円未満の金銭支払いを命令する刑罰です。

罰則自体は罰金刑と同じですが、罰金刑は1万円以上の支払いを命じることを指します。つまり、法律的には罰金と科料は意味が異なります。

軽犯罪法はその他法律と比較しても刑罰は軽めです。また、盗撮行為を直接的に取り締まる法律ではありません。そのため、大半のケースで条例(都道府県の迷惑防止条例)違反によって処罰されると考えておきましょう。

盗撮をして逃げた場合は後日逮捕の可能性がある

盗撮をして逃げてしまった場合は、後日逮捕されてしまう可能性があります。後日逮捕とは、ある日突然警察官が現れ、逮捕状を見せられてそのまま逮捕されることを言います。

次に、逮捕の種類も含めて後日逮捕について詳しく解説します。

後日逮捕の可能性

盗撮をしてその場を逃げてしまった場合、後日逮捕(通常逮捕)されてしまう可能性があります。そもそも、逮捕には以下3つの種類があります。

  • 現行犯を逮捕する場合の「現行犯逮捕」
  • 逮捕状を請求して逮捕を行う「通常逮捕」
  • 指名手配犯などに対して礼状がなくても逮捕ができる「緊急逮捕」

盗撮行為を行い、その場で逮捕されてしまった場合は「現行犯逮捕」となります。現行犯逮捕は、現行犯(準現行犯)であることを条件に逮捕ができるため、逮捕状の請求が必要ありません。

しかし、盗撮をしてその場を逃げてしまった場合は現行犯逮捕は不可能です。そのため、捜査をして逮捕状を請求し、逮捕状を持って逮捕を行う「通常逮捕」となるのが一般的です。

また、緊急逮捕は「懲役3年以上の刑罰が定められている罪を犯し…」と定められているため、盗撮の場合は成立しません。よって、盗撮をして逃げてしまった場合は、通常逮捕となる可能性が高いことになります。

ちなみに、逮捕の種類は3種類ありますが、いずれの場合も「逮捕」であることに変わりはありません。

なお、盗撮の場合は逮捕をせずに事件を終結させるケースもあります。たとえば、初めに被疑者に対して任意同行を求め、事情聴取を行いながら捜査を行います。これを「在宅捜査」と言います。

在宅捜査になると、基本的には日常生活を送りながら警察や検察、裁判所から呼ばれた際に出向けば良いです。

ただ、在宅捜査となった場合であっても、実刑判決や罰金刑といった有罪判決が下される可能性もあります。そのため、「在宅捜査=安心」とは思わないようにしましょう。

ちなみに、警察官の判断で「微罪処分」を下すケースもあります。微罪処分とは、被害者と示談が成立していたり、被疑者が反省している、初犯などさまざまな事情を考慮して判断します。そのため、盗撮で捕まってしまった場合は、早急に弁護士へ相談をしておくと良いでしょう。

後日逮捕の流れ

後日逮捕の流れは以下の通りです。

  1. 事件発生・通報
  2. 警察官による内偵捜査
  3. 逮捕状の請求
  4. 通常逮捕

大まかな流れは上記の通りです。初めに、盗撮をして発見され、その場を逃げてしまった場合はすぐに通報が入ることでしょう。その後は警察官が聞き取りや周辺の防犯カメラの映像等を確認して捜査を行います。

被疑者が特定され証拠が集まり次第、逮捕状を請求する流れです。逮捕状が請求されると、警察官が自宅等に来て通常逮捕されてしまいます。

また、逮捕と同時に「家宅捜索差押え」が行われる場合があります。とくに、盗撮行為による逮捕の場合は、証拠となる画像や動画が残っている可能性が高いため、家宅捜索差押えを行います。

そのため、同居家族がいる場合はほぼ確実に家族にも犯罪行為が知られてしまうでしょう。

逃亡時に他人を怪我させた場合はその他の犯罪も成立の可能性

盗撮が見つかってその場を逃げる際、その他の犯罪も成立してしまっている可能性があるため注意してください。

たとえば、盗撮を行って取り押さえようとした人を振り払い、その人に怪我を負わせてしまった場合は、傷害罪や暴行罪が成立します。そのため、逮捕時には迷惑防止条例違反のみならず、その他の法律も加算されて逮捕される可能性があります。

盗撮をして後日逮捕された場合の流れ

盗撮をして後日逮捕されてしまった場合の流れについて詳しく解説します。

逮捕

盗撮をしてその場を逃げてしまった場合、通常逮捕(後日逮捕)となるのが一般的です。なぜなら、逃げてしまっている時点で現行犯は成立しないこと、盗撮は緊急逮捕の対象にもならないためです。

ただ、逮捕の種類こそ違っても「逮捕」であることに変わりはなく、その後の手続き等も変わりはありません。

通常逮捕は、逮捕状を持った警察官が自宅等へ現れて、令状を見せて逮捕をします。同時に家宅捜索差押えが行われ、自宅の中にある証拠品等を押収します。

なお、先ほども簡単に触れましたが、逮捕をせずに在宅捜査となる可能性もあります。とくに、初犯であったり悪質性が低い場合は、在宅捜査となったり微罪処分となったりするかもしれません。

48時間以内に送致

逮捕されるとその時から48時間以内に事件を検察官へ送致をしなければいけません。これを「検察官送致(送検)」と言います。そのため、逮捕から48時間以内はしっかりと聴取を受けることになります。

また、逮捕をされてから48時間以内は、原則身柄を拘束されています。警察署内にある留置所という場所で勾留されるため、会社や学校等へ行くことはできません。もちろん、自宅へ帰ることもできないため、逮捕された時点から社会的な影響が出始めます。

勾留請求の有無を判断|在宅捜査の可能性もあり

事件を受け取った検察官はさらに24時間以内に勾留を行うかどうかを判断しなければいけません。この時点で最大72時間は身柄を拘束され続け、当然ながら会社や学校へ行くこともできません。

そして、24時間以内に「勾留が必要である」と判断された場合は、勾留請求を行います。勾留請求では検察官と一緒に裁判所へ行って、裁判官から勾留質問を行います。勾留質問では、事件に関することや被疑者本人のことについて聴取を行う流れです。

聴取後は、最終的に裁判官の判断で「勾留が必要かどうか」を判断して決定します。

なお、検察官や裁判官が「勾留の必要はない」と判断した場合は、そのまま在宅捜査に切り替わります。自宅へ戻ることができ、会社や学校等へ行くこともできます。ただ、呼び出しがあった場合は行かなければいけないため、その点は注意が必要です。

ちなみに、早期の釈放を目指すためには弁護人の助言やサポートが必要不可欠です。そのため、早期に弁護士へ相談をするようにしましょう。

最長20日間の勾留

勾留請求が認められると、初めに10日間の勾留となります。その後、さらに必要であると判断された場合は、10日間追加され合計で最大20日間もの間、勾留が続きます。

実務的な部分で見ると、大半のケースで最大の20日間勾留が認められているため、勾留請求が認められた時点で覚悟しておきましょう。

起訴・不起訴を判断

検察官は勾留期間中に取り調べなどを行い、起訴・不起訴を判断しなければいけません。起訴となった場合は、被疑者から被告人に呼び名が変わり、留置所から拘置所へと移送されるのが一般的です。

起訴された場合は、刑事裁判を受けることになるため、その後も勾留期間終了後も身柄の拘束が続きます。

不起訴となった場合は、即時釈放されて事件が終結します。また、不起訴とならなかった場合でも、略式起訴となる場合があります。この場合は、略式命令として罰金刑等が言い渡され、納付によって終了します。

刑事裁判を受ける

起訴された場合は、刑事裁判を受けます。その後は、判決に従って刑に服します。盗撮は、迷惑防止条例違反として以下の罰則規定があります。

  • 6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 1年以下の懲役または100万円以下の罰金

当然ながら懲役刑もあり得る犯罪行為であるため注意してください。

盗撮をして咄嗟に逃げてしまった場合の対処法

盗撮をして咄嗟に逃げてしまった場合の対処法について解説します。

自首・出頭を検討

初めに、事件が認知されているのであれば、すぐにでも自首・出頭をしたほうが良いです。遅かれ早かれ逮捕されてしまう可能性が高いため、できるだけ早めに出頭したほうが良いです。

ちなみに、自首をすると刑罰が軽くなります。自首は「捜査機関が犯罪を認知もしくは犯人を特定する前に自ら罪を申告すること」であるため、とにかく早めに行動することがとても大切です。

捜査機関の認知後は「出頭扱い」となるため、刑罰が軽くなることはありません。しかし、心象は少なからず良くなるため、とにかく早めに行動することを心がけましょう。

弁護士への相談を検討

盗撮をして咄嗟に逃げてしまった場合、できるだけ早めに弁護士へ相談をしておきましょう。弁護士へ相談しておくと、その後のアドバイスなどを受けられます。そのため、取り調べ前に弁護士へ相談をしておくのが得策です。

ちなみに、弁護士を呼べるタイミングは以下の3通りです。

  • いつでも呼べるのが「私選弁護人」
  • 逮捕後に一度だけ呼べるのが「当番弁護人」
  • 勾留確定後に付くのが「国選弁護人」

原則は私選弁護人となりますが、費用は実費です。そのため、弁護士費用の用意が難しい場合は、当番弁護人や国選弁護人となります。

当番弁護人および国選弁護人を呼べるタイミングは決められているため、早期に弁護士へ相談をするためには、私選のみとなる点に注意してください。

被害者との示談交渉を進める

被害者との示談交渉を進めておくことで、早期の釈放や刑罰が軽くなるなどの効果に期待ができます。なぜなら、被害者の処罰感情がなくなることは、刑罰を決定する上でとても重要なことであるためです。

示談が成立し、「処罰感情がありません」となれば、寛大な判決となる可能性が高いため、早期の示談交渉を進めておきましょう。

ちなみに、示談交渉は弁護士が行うのが一般的です。被害者対被疑者で行うことは、原則あり得ません。そのため、早期釈放を目指すためにも、できるだけ早めに弁護士へ相談しておきましょう。

盗撮で逮捕された場合によくある質問

盗撮で逮捕された場合によくある質問を紹介します。

Q.盗撮で逮捕された場合の刑罰はどのくらいですか?

A.盗撮で逮捕された場合の刑罰は「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」もしくは「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。

2パターンの罰則規定がある理由は、撮影機器を仕向けただけなのか、実際に撮影を行ったのかによって異なるためです。なお、上記は東京都の迷惑防止条例に違反した場合の罰則です。

Q.電車内で盗撮を行った場合、同じ電車に乗るのはリスキーですか?

A.前提として、盗撮は絶対に行ってはいけません。また、同じ電車かどうかに関わらず、逮捕の可能性があります。

盗撮行為を行った事実がある以上、逮捕されてしまう可能性があります。これは、同じ電車に乗っているかどうかは関係ありません。

ただ、過去に盗撮をした対象の被害者が乗っている電車に乗り、同じことを繰り返している場合は、現行犯逮捕を狙った警察官による逮捕の可能性もあります。そういった点ではリスキーであるとも言えるでしょう。

Q.盗撮で逃げてしまった場合に弁護士へ相談をするメリットは何ですか?

A.今後の対応方法についてアドバイスを行ってくれます。

盗撮で逃げてしまった場合は、その後に逮捕されてしまう可能性があります。そのため、事前に弁護士へ相談しておくことをおすすめします。

弁護士へ相談をしておくと、自首や出頭に付き添ってくれたり取り調べ時のアドバイスを行ったりしてくれます。また、同時に被害者との示談交渉を進め、捜査機関へは早期の釈放を働きかけてくれます。

このように、早めに弁護士へ相談をしておくことで、早期の社会復帰を目指せることでしょう。そのため、まずは弁護士へ相談をしてください。

まとめ

今回は、盗撮をして逃げてしまった場合について解説しました。

盗撮行為を直接取り締まる法律はなく、各都道府県の定める迷惑防止条例によって処罰されます。東京都の場合は、6カ月もしくは1年以下の懲役、または50万円もしくは100万円以下の罰金に処されます。

また、逃亡をする際に振り払って誰かを怪我させてしまった場合は、暴行罪や傷害罪などの犯罪行為が成立しているかもしれません。

盗撮行為はもちろんのこと、逃亡する行為もとても危険であり立派な犯罪行為です。絶対にやめてください。そしてもし、逃げてしまったのであれば早急に弁護士への相談を検討してください。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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