乱行パーティーで逮捕されることはある?過去の事例を元に傾向を解説

乱行パーティーで逮捕されることはある?過去の事例を元に傾向を解説
乱行パーティーで逮捕されることはある?過去の事例を元に傾向を解説

乱交パーティーは内容次第で公然わいせつ罪が成立するため、逮捕されてしまう恐れがあります。逮捕をされてしまった場合は、一定期間身柄を拘束されてしまうため、学校へ行けない、会社へ行けないなど社会的な影響が発生するでしょう。

今回は、乱交パーティーで成立し得る罪状や逮捕されてしまう可能性について解説します。また、過去の事例をもとに有罪となった事例や不起訴処分となった事例についても解説しています。

乱交パーティーを楽しみたいと考えている人は、法律に抵触しない範囲で楽しむことが大切です。本記事で解説している内容を踏まえ、合法的に楽しめるようにしましょう。

乱交パーティーの罪状と逮捕される可能性

乱交パーティーとは、不特定多数の男女が集まって性交等を行う行為のことを指します。参加者全員が同意をした上で行っているのであれば、とくに問題はないように思えるかもしれません。

しかし、乱交パーティーを主催したり参加したりすると、さまざまな法律に抵触してしまう可能性があるため注意が必要です。まずは、乱交パーティーがどういった法律に抵触するのかについて解説します。

公然わいせつ罪に問われる可能性がある

乱交パーティーは、公然わいせつ罪に抵触する可能性があります。まず、公然わいせつ罪の成立要件については、刑法によって以下の通り明記されています。

(公然わいせつ)
第百七十四条 公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

引用:刑法|第174条

乱交パーティーは不特定多数の男女が集まって、性交等を行うその行為のことを言います。

公然わいせつ罪で言う「公然」とは、不特定または多数のどちらかの要件を満たしている場合に成立します。そのため、「不特定多数の男女を公募して集まって」の時点で、公然わいせつ罪の公然は満たしていることになります。

その上で、「わいせつな行為」を行った場合に公然わいせつ罪が成立します。乱交パーティーは、不特定多数の人が集まって性交等を行うことを指すため、当然ながら「わいせつ行為」としてみなされるでしょう。

このことから乱交パーティーは「公然」と「わいせつな行為」を行っているということになるため、公然わいせつ罪が成立すると考えられます。

対象者が未成年の場合はその他の犯罪が成立する可能性がある

乱交パーティーの対象者が未成年の場合は、さまざまな法律に抵触する可能性があります。まず、対象者が13歳未満だった場合は無条件で不同意性交等罪が成立します。16歳未満だった場合は、行為者が5歳以上年長の場合は不同意性交等罪として処罰対象です。18歳未満の場合は児童福祉法違反によって処罰されてしまう可能性があります。

また、いずれの場合も金銭のやり取りがあった場合は児童売春が成立するため、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に違反することとなります。

不同意性交等罪に問われた場合の法定刑は5年以上の拘禁刑です。執行猶予付き判決は原則5年以下の犯罪に付けられるため、不同意性交等罪が成立した時点でほぼ確実に実刑判決となります。

また、児童淫行は10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、児童売春は5年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金です。いずれの場合もとても重たい判決が下される可能性が高いため注意してください。

逮捕される可能性がある

乱交パーティーはさまざまな法律に抵触する可能性があります。そのため、犯罪として成立した場合は、逮捕されてしまう可能性があるため注意しなければいけません。

逮捕とは、被疑者の身柄を拘束して取り調べを行う手続きです。逮捕をされてしまうと数日〜数十日、裁判で実刑判決が下されれば数カ月〜数年程度、社会へ戻ることができなくなってしまいます。

自分たちが楽しんでいるだけであっても、犯罪として成立する以上は逮捕されてしまう可能性があるため、十分に注意してください。

【事例】乱交パーティーの有罪事例と不起訴事例

過去にあった乱交パーティーの事件事例について解説します。有罪判決となった事例、不起訴となった事例を紹介しますので、どういった場合で有罪になるのか無罪になるのかの判断基準にしてください。

有罪事例1.公然わいせつ罪で有罪判決が下された事例

ロッジに男女を集めて乱交パーティーを開催し、有罪判決が下された事例です。弁護側は「不特定多数の人を集めたわけではない」と主張し、公然わいせつ罪は成立せず、無罪であると主張しました。

しかし、誰でも参加できたことから「不特定多数の者が参加可能であった」と認められ、公然わいせつ罪が成立した事例です。判決では、求刑が懲役4カ月に対して懲役4カ月執行猶予5年となりました。

この事例から見てもわかるように、乱交パーティーで公然わいせつ罪が成立するためには「不特定多数」であることが前提となります。誰でも参加できるような乱交パーティーを開催した場合は、強制わいせつ罪が成立し得ます。

参考:J-CASTニュース|乱交パーティーで有罪判決 高松地裁

逮捕・起訴事例2.児童買春・児童ポルノ禁止法違反で逮捕事例

女子高生を対象に乱交パーティーを常習的に開催していた事例です。通常、乱交パーティーは不特定多数を対象にした場合に成立する犯罪であり、公然わいせつ罪が適用されます。

しかし、本事例では対象が18歳未満の高校生であり、女子高生に対して金銭を支払っていたことから児童売春・児童ポルノ禁止法違反で処罰されました。

また、同事例では乱交パーティーを主催した者のみならず、参加した男性も同法にて逮捕されています。当然ながら、未成年を対象に金銭を支払って性交等を行うことは禁止されています。

参考:京都新聞|女子高生との集団性交を主催、男を再逮捕 児童買春容疑、顧客100人か

不起訴事例1.女子中高生と乱交パーティーを行ったものの不起訴となった事例

女子中高生を対象に乱交パーティーを行い、現金を支払ってわいせつな行為をしたとして逮捕されました。しかし、最終的には不起訴となった事例です。不起訴になった理由は明らかにされていないため、どういった要因があったかは不明です。

通常、女子中高生を対象に乱交パーティーを行った場合は、児童売春・児童ポルノ禁止法違反に問われます。しかし、本事案では何らかの理由で不起訴処分となっています。

参考:京都新聞|集団わいせつ、逮捕の高校教諭は不起訴処分 京都地検

乱交パーティー容疑で逮捕された場合の流れ

乱交パーティーを行い、何らかの犯罪で逮捕されてしまった場合の流れについて解説します。

逮捕

乱交パーティーを行った場合は、公然わいせつ罪となる可能性があります。また、対象が未成年だった場合は、不同意性交等罪や児童売春・児童ポルノ法違反に問われてしまう可能性があるでしょう。

上記犯罪はいずれも刑罰が定められているため、当然ながら逮捕される恐れがあります。逮捕とは、身柄を拘束して被疑者の取り調べを行うための手続きです。

逮捕するためには、証拠隠滅の恐れがあることや逃亡の恐れがあることなど、一定の要件を満たしている必要があります。そのため、乱交パーティーを行った場合であっても、必ず逮捕されるとは限りません。逮捕されずに在宅で取り調べを受けることもあります。

取り調べ・送致

取り調べを受けて事件を送致します。逮捕をされて取り調べを受ける場合は、逮捕から48時間以内に事件を送致しなければいけません。逮捕されていない場合は、タイムリミットがありません。

逮捕をされると、被疑者の身柄を拘束する必要があり、社会生活にも多大な影響を与える恐れがあります。そのため、可能な限り迅速に対応するよう求められているのです。

また、事件を検察官へ送致することなく、そのまま終結させる微罪処分という処分もあります。この場合は、逮捕されていた場合であっても即時釈放されて事件が終了します。

勾留の請求

事件を送致されると、検察官が勾留の有無を判断します。勾留が必要であると判断された場合は、裁判所へ行って勾留質問が行われ、最終的に裁判官が勾留の有無を判断するという流れです。

ちなみに、逮捕されている場合は送致から24時間以内に勾留請求の有無を判断する必要があります。勾留の必要がない場合は、即時釈放しなければいけません。

最長20日間の勾留

勾留請求が認められた場合は、最長で20日間身柄を拘束されることになります。この時点で最長23日間は自宅へ戻ることができず、学校や会社などへも当然ながら出社することができません。そのため、さまざまな社会的影響が発生するでしょう。

起訴・不起訴の判断

検察官は事件を起訴するか不起訴とするかを判断します。勾留されている場合は、勾留期間中に起訴・不起訴を判断しなければいけません。勾留されていない場合は、タイムリミットがなく、一般的には1〜2カ月程度で判断をされます。

また、起訴には「正式起訴」と「略式起訴」の2種類があります。正式起訴とは、公開の法廷で通常通り裁判を行うことです。略式起訴とは、裁判を行うことなく書面でのみ審理を行って、刑を確定させることを言います。

略式起訴となった場合は、書類審理のみであるため弁解の機会を与えられない点がデメリットです。しかし、刑事裁判が簡略化されるため、早期の釈放を望めたり事件の早期終了が可能となります。

ちなみに、略式起訴された場合は罰金刑が下されます。罰金が支払えない場合は、1日5,000円程度で労役場で働くこととなります。たとえば、10万円の罰金が払えなかった場合は20日間の労役場留置です。

刑事裁判

正式起訴された場合は、刑事裁判を受けます。刑事裁判では、公開された法廷で事件について審理を行い、最終的に有罪か無罪か、有罪の場合は刑罰をどの程度にするかを決定します。

判決に従って刑に服する

判決が下された場合は、その判決に従って刑に服します。罰金刑の場合は罰金を支払い、支払えない場合は労役場留置となります。懲役刑の場合は、執行猶予がつかない限りは刑務所へ一定期間収容されることが刑罰です。

なお、執行猶予とはその刑罰を一定期間猶予することです。たとえば、「懲役1年執行猶予5年」であれば、懲役1年という刑罰の執行を5年間は猶予するというものです。5年間、罰金以上の刑罰を受けなければ懲役1年はなくなります。

しかし、罰金刑以上の刑が下された場合は、懲役1年も加算されて刑罰を受けることになります。

乱交パーティーで逮捕されてしまったときの対処法

乱交パーティーで逮捕されてしまった場合は、早期に対処することで不起訴処分となったり執行猶予付き判決となったりする可能性があります。次に、乱交パーティーで逮捕された場合に行うべき対処法について詳しく解説します。

弁護士へ相談をする

初めに、弁護士への相談を検討しましょう。乱交パーティーは早期に弁護士へ相談をして弁護活動を行ってもらうことで、早期釈放を目指せたり寛大な処分が下されたりする可能性が高まります。

弁護士は、基本的には自分で選任してお金を支払って依頼する必要があります。しかし、以下のタイミングで費用を支払うことなく弁護人に依頼することも可能です。

  • 逮捕後に1度だけ
  • 勾留確定後

初めに、逮捕をされた場合は1度だけ弁護人を呼ぶことができます。これを「当番弁護人制度」と言います。実費で払う必要はない点がメリットですが、逮捕後にしか呼べない点がデメリットです。

逮捕は被疑者の身柄を拘束するために行うものであり、逮捕をされてしまうと社会生活にも影響を与えてしまいます。そのため、逃亡の恐れがない人や証拠隠滅の恐れがない人は、基本的に逮捕をせずに捜査を行います。

乱交パーティーでも内容によっては逮捕をせずに捜査を行うこととなるため、当番弁護人を呼べない可能性があるのです。また、国選弁護人も勾留が確定してから選任できる制度であるため、勾留されなければ付きません。

このことを考えると、実費でも早期に弁護人を選んで弁護活動を行ってもらったほうが良いです。当然ながら、逮捕を回避したり勾留を回避したりしたいと考えている人が大半であるため、早期に相談しましょう。

具体的な改善策を考える

乱交パーティーで逮捕されてしまった場合、反省の態度を示すことがとても大切です。その上で、具体的な改善策を伝えることで、再犯の可能性がないことを伝える必要があります。

たとえば、乱交パーティーは一種の性癖であるとも言えます。そのため、癖を抑えることは容易ではないため、どのように今後改善していくのかを具体的に伝えなければいけません。

ただ「もう2度とこのようなことは行いません」と伝えても、言葉だけではあまり意味がないでしょう。そのため、具体的に「法律に違反しない範囲で行います」のような改善策が必要です。

乱交パーティーで公然わいせつが認められるためには、公然性が前提となります。公然性では、「不特定または多数の人が認識できる状態」を指します。つまり、SNS上などで勧誘を行って実際に乱交パーティーを行った場合に成立すると言うことです。

そのため、たとえば「今後は、法律に違反しない範囲で行います(同じ趣味の仲間で楽しみます)」のように具体的な改善策を伝えれば良いでしょう。そうすることで、再犯の可能性が低いと判断され、寛大な処分が下される可能性が高まります。

事実を認めて反省の意を示す

実際に乱交パーティーに関わる犯罪行為を行ったのであれば、事実を認めてしっかりと反省している態度を示しましょう。

逮捕された場合、言いたくないことは言わなくても良い権利、「黙秘権」についての説明を受けます。黙秘をしたとしてもその事件にて不利になることはありませんという内容です。

そのため、取り調べを受けるにあたって、黙秘権を行使しても全く問題はありません。もちろん、判決や処分等で不利を受けることもないでしょう。しかし、初めから罪を認めて反省している態度を示したほうが、「再犯の可能性が低いのではないか」と判断されやすくなります。

乱交パーティーに関するよくある質問

乱交パーティーに関するよくある質問を紹介します。

Q.乱交パーティーで逮捕されるのは誰ですか?

A.乱交パーティーで逮捕される人は、適用される法律によってことなります。

公然わいせつ罪が適用される場合は、公然と不特定多数の人の前で性行為をした人が逮捕される可能性があります。そのため、主催者のみならず参加者も逮捕されてしまう可能性があると考えて良いでしょう。

なお、乱交パーティーによる公然わいせつ罪が認められた場合であっても、逮捕をされるとは限りません。逮捕をせずに取り調べ等を行う可能性もあるため、「犯罪=逮捕」とは考えなくて良いでしょう。

Q.乱交パーティーに参加した人も処罰対象ですか?

A.処罰対象になり得るため注意してください。

乱交パーティーは、公然と不特定多数の人と性行為等をした場合に成立する犯罪です。そのため、この要件を満たしている場合は、参加者であっても処罰対象になり得ます。

また、未成年者が参加することを知りながら参加してお金を支払った場合は、児童売春・児童ポルノ禁止法違反(不同意性交等罪の可能性もある)として参加者全員が処罰対象になります。

Q.乱交パーティーの定義は何ですか?

A.成立する犯罪の種類によっても異なりますが、公然わいせつの場合は「公然と不特定多数の人とわいせつな行為をすること」です。

公然とは、「不特定または多数の人が認識できる状態」のことを指します。つまり、ネット上などで勧誘を行って不特定多数の人を集め、実際にわいせつな行為を行った場合に強制わいせつ罪が成立します。つまり、特定少人数でわいせつな行為をした場合は、公然わいせつ罪は成立しません。

ただし、具体的に「〇〇人以上は乱交パーティー」のような基準はありません。そのため、実際に公然わいせつ罪が成立するかどうかは、担当検察官の刑事政策的な判断も影響を与えるでしょう。

まとめ

今回は、乱交パーティーについて解説しました。

乱交パーティーは、公然わいせつ罪に該当する可能性があります。公然性や不特定多数などの要件を満たした場合に成立します。また、対象が未成年だった場合は不同意性交等罪や児童売春・児童ポルノ禁止法違反になる可能性があるため、注意しなければいけません。

乱交パーティーが趣味である人は、今回解説した内容を踏まえて合法の範囲内で楽しむよう十分に注意してください。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、拘留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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