ナンパが犯罪になるケースってある?違法になる場合や対処法を解説

ナンパが犯罪になるケースってある?違法になる場合や対処法を解説
ナンパが犯罪になるケースってある?違法になる場合や対処法を解説

街で気になる人に声をかけること自体は、通常、犯罪ではありません。ただし、相手が嫌がっているのに追いかける、体に触れる、脅して同行を迫るといった行動を取れば、犯罪や条例違反が問題になります。「ナンパのつもりだった」という説明だけで、行動が許されるわけではありません。

この記事では、声かけと違法行為の境目、断られた後に注意すべきこと、警察に通報された場合の対処法を解説します。実際の判断は、言葉の内容だけでなく、触れた場所、相手の反応、声をかけ続けた時間などによって変わります。

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ナンパで声をかけるだけなら犯罪になる?

道で一度話しかけたという事実だけで、直ちに犯罪が成立するわけではありません。問題になるのは、声のかけ方や、その後に相手の意思を無視して取った行動です。

一度声をかけるだけなら、通常は犯罪にならない

例えば、公共の場所で「よかったらお話ししませんか」と一度声をかけ、相手が応じなければそのまま離れる場合です。相手が不快に思ったとしても、そのことだけで声をかけた人を処罰できるとは限りません。犯罪が成立するには、法律で定められた行為に当てはまる必要があります。

もっとも、「一回なら何を言ってもよい」という意味ではありません。大声で性的な言葉を浴びせる、逃げようとする人の前に立つ、体を触りながら話しかけるなど、声かけと同時に別の行為をすれば、その行為が問題になります。相手の年齢や場所、発言の内容によっても、確認すべき法律や条例は変わります。

声をかけることと、相手に会話を続けさせることは別です。話すかどうか、連絡先を渡すかどうかは相手が決めます。反応がない、足を速める、顔をそむけるといった様子も、会話を望んでいないサインとして受け止めましょう。

相手の意思を無視した行動は、犯罪につながることがある

声をかけた後、相手から「やめてください」と言われたのに追いかけたり、腕をつかんで引き止めたりすると、状況は変わります。相手が断りづらいように複数人で囲む行為も、単なる会話の誘いとはいえません。行動の内容によって、暴行、脅迫、強要などが問題になる可能性があります。

言葉では断られていなくても、相手が立ち去ろうとしているなら、会話を続けたいと考えているとは限りません。「笑っていたから同意していた」「強く拒否されなかった」という思い込みも危険です。怖くて反論できない人や、その場を穏便に離れるために曖昧な返事をする人もいます。

相手が自由に立ち去れる状態かを考えると、行動を見直しやすくなります。進路を空け、距離を取り、返事を求め続けないことが基本です。少しでも拒否の様子が見えたら、会話を終えてその場を離れてください。

ナンパが犯罪になる可能性があるケース

ナンパに伴う行動が刑法などに触れる場合があります。ここでは、体に触れる、引き止める、脅す、つきまとうという四つの場面を見ていきます。

相手の体を無理やり触る

会話のきっかけを作るためでも、相手の体に勝手に触れてよいわけではありません。肩に手を置く、腕を引くなどの行為は、態様によって暴行が問題になります。転倒させたり、けがを負わせたりした場合には、傷害も検討されます。「軽く触れただけ」という本人の感覚で判断は決まりません。

胸や尻などを触る性的な行為では、不同意わいせつ罪や地域の迷惑防止条例違反などが問題になる可能性があります。どの罪が成立するかは、触れ方、前後の状況、相手が同意しない意思を示せる状態だったかなどを踏まえて判断されます。近年の性犯罪に関する法律は、被害者が明確に抵抗したかどうかだけで結論を出す仕組みではありません。

一緒に写真を撮る、手をつなぐといった行為も、相手が了承しているかを確認すべきです。会話に応じたことは、体に触れることへの同意を意味しません。相手が身を引いたり、表情をこわばらせたりしたら、すぐに手を離し、それ以上接触しないでください。

腕をつかんだり、進路をふさいだりして引き止める

相手が歩き出したときに腕をつかむ、服やバッグを引っ張るといった行為は、暴行に当たる可能性があります。「話を聞いてほしかっただけ」でも、相手の体に力を加えた事実は消えません。相手が振りほどこうとして転ぶなど、けがにつながるおそれもあります。

触れていなくても、狭い道や階段の前で進路をふさぎ、相手が通れない状態にするのは危険です。人数や立ち位置、妨害した時間、相手が逃げられたかによって、適用される法律の判断は異なります。一定の場所から出られないようにするほど行動の自由を奪えば、監禁などが問題になることもあります。

「少しだけなら」と引き止める時間を延ばすほど、相手の恐怖は強くなり得ます。会話を断られたら横に退き、通り道を空けましょう。相手の後ろに回り込んだり、行く先で待ったりする行動も避けてください。

脅して連絡先の交換や同行を迫る

「連絡先を教えないとどうなるか分からない」「ついて来なければ写真を広める」などと害を告げれば、脅迫罪が問題になる場合があります。脅しや暴行によって、連絡先の交換や同行など、相手に義務のないことをさせた場合には、強要罪が問題になる可能性もあります。冗談のつもりだったという説明だけで、発言の影響がなくなるわけではありません。

相手の勤務先や学校を知っていると告げ、断りづらくする行為にも注意が必要です。何を言ったかだけでなく、声の大きさ、距離、周囲の状況、その後に相手へ何をさせたかが重要になります。複数人で取り囲んで要求すれば、相手は一層逃げにくくなるでしょう。

連絡先を交換しても、脅されて渡したのであれば、相手が望んで交換したとはいえません。同行してくれたから同意があった、と決めつけることもできません。相手がためらっている時点で要求をやめ、自由に離れられるようにしてください。

断られた後も繰り返しつきまとう

断られた相手を追いかける、行く先で待つ、帰り道を尾行するといった行為は、つきまといに当たる可能性があります。相手への恋愛感情や、それが満たされなかったことへの恨みを理由に、同じ相手に対して法が定める行為を繰り返せば、ストーカー規制法が問題になります。

例えば、偶然知った相手の勤務先付近で待つ、SNSのアカウントを見つけて拒否後も何度も連絡する、といったケースです。ストーカー規制法には、つきまといや待ち伏せのほか、面会・交際の要求、拒否後の連続した連絡なども定められています。ただし、一度断られた後にもう一度話しかけたら必ずストーカー行為になる、という単純な基準ではありません。

一回の行為でも、腕をつかむ、脅すなど、別の犯罪が成立する可能性はあります。また、恋愛感情などストーカー規制法で定める目的に当たらなくても、地域の条例が問題になる場合があります。法律上の線引きを探って続けるのではなく、拒否された時点で接触を終えることが大切です。

犯罪にあたらなくても違法になる場合はある?

刑法上の犯罪が成立しない場合でも、地域の条例違反や民事上の損害賠償が問題になることがあります。また、店への客引きや仕事への勧誘には、通常の声かけとは別の規制があります。

地域の迷惑防止条例に違反する場合がある

迷惑防止条例は、都道府県ごとに内容が異なります。そのため、「ナンパは条例で一律に禁止されている」「声をかけるだけなら全国どこでも条例上問題ない」とは言い切れません。行為があった地域の条例を確認し、禁止される行為や条件に当てはまるかを見ます。

例えば東京都の迷惑防止条例では、悪意の感情に基づき、正当な理由なく特定の人に不安を覚えさせる方法でつきまといなどをする行為が規制されています。警視庁は、恋愛感情などに基づく行為を扱うストーカー規制法との違いも説明しています。相手を怖がらせるような性的な言動や接触についても、場所と行為の内容に応じて条例違反が問題になり得ます。

条例の適用を考える際は、単に「相手が迷惑だと思ったか」だけで結論を出しません。いつ、どこで、何を、何回したのかを具体的に確認する必要があります。別の地域へ移動すれば同じ行動が許されると考えるのも危険です。

悪質な声かけによって、損害賠償を求められる場合がある

刑事事件として処罰されるかどうかとは別に、相手から損害賠償を求められることがあります。民法では、故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害し、損害を生じさせた場合の賠償責任が定められています。例えば、体をつかんでけがをさせた、執拗なつきまといによって精神的な苦痛を与えたといった場合です。

もっとも、不快な声かけを受けたら必ず慰謝料が認められるわけではありません。行為がどの程度悪質だったか、どのような損害が生じたか、その行為と損害に関係があるかなどが判断されます。請求を受けた側も、請求額を言われるまま支払う必要があるとは限りません。

相手から連絡が来た場合は、感情的に反論したり、直接会って取り下げを求めたりしないことが重要です。自分の行動を時系列で整理し、届いた書面やメッセージを保存してください。事実関係や金額に争いがあるなら、回答する前に弁護士へ相談する方法があります。

店への客引きやスカウトは、別の規制を受ける場合がある

声をかける目的が、飲食店への客引きや仕事へのスカウトである場合は、通常のナンパとは別に考える必要があります。店の種類、勧誘の内容、場所によって、風俗営業などに関する法律や自治体の条例が関係します。「友達になろう」と言いながら店へ連れて行く場合も、実際の目的や行動が見られます。

東京都の迷惑防止条例には、一定の客引きやスカウトを規制する規定があります。対象になる店や行為は細かく定められており、あらゆる店の案内が同じように禁止されるわけではありません。自治体によっては、繁華街の客引きに独自のルールを設けています。

仕事として通行人に声をかけるなら、活動する場所のルールを事前に確認してください。個人的な出会いを装って勧誘することは、相手に目的を誤解させ、トラブルにもつながります。相手が断った後に追いかけたり、進路をふさいだりすれば、勧誘に関する規制以外も問題になり得ます。

相手に断られた後も声をかけ続けるとどうなる?

一度断られた後は、行動をやめることが重要です。追跡や繰り返しの接触は相手の恐怖を強め、行為の内容によって警察への相談や法的な問題につながります。

その場で追いかけたり、何度も話しかけたりすると問題になる

「急いでいます」と言われた相手の横を歩き続ける、駅の改札まで追いかける、離れても先回りして話しかける。こうした行動は、最初の一言とは性質が違います。相手が逃げようとしているのに接触を続ければ、本人に強い不安を与えます。

同じ相手を追いかける行為については、時間や場所、回数、立ちふさがりの有無などを踏まえて判断されます。無理やり触れたり、脅したりすれば、追いかけた回数にかかわらず別の犯罪が問題になります。周囲の人が心配して警察へ通報することもあるでしょう。

「もう一度だけ説明すれば分かってもらえる」と考えないでください。断る理由を聞き出す権利もありません。返事が曖昧だったとしても、相手が離れようとしているなら、それ以上話しかけず、自分は別の方向へ進みましょう。

好意を理由に繰り返しつきまとうと、ストーカー規制法の対象になる場合がある

ナンパをきっかけに相手の名前や連絡先を知っても、その後の接触が自由になるわけではありません。会うことを断られたのに待ち伏せする、返信がないのにSNSで連絡を繰り返すなどの行為は、ストーカー規制法の対象となる可能性があります。相手が一度は連絡先を教えた場合でも、その後の拒否は尊重しなければなりません。

同法には、特定の人への恋愛感情や、好意が満たされなかったことへの恨みを満たす目的など、適用のための条件があります。法律上の「ストーカー行為」は、定められた行為を同じ相手に繰り返すことを指します。一方、個々のつきまとい行為についても、警告や禁止命令などの対象となり得ます。

警察から連絡や警告を受けた場合は、内容を正確に確認し、接触を止めてください。「誤解を解きたい」と本人に会いに行くのは、さらに事態を悪くするおそれがあります。事実関係に異議があるときも、相手へ直接働きかけず、必要に応じて弁護士に相談しましょう。

相手が断ったら、すぐに声かけをやめて離れる

断られたときに取る行動は複雑ではありません。「分かりました」と短く伝え、道を空け、その場から離れます。相手を責める言葉や、返事を求める言葉を追加する必要はありません。相手が無言で歩き去った場合も、追いかけて意思を確認しようとしないでください。

すでに連絡先を交換していても、「連絡しないで」と言われたら連絡を止めましょう。別のアカウントを作って送る、友人に伝言を頼む、勤務先を探して会いに行くといった行動は避けてください。謝罪をしたい場合でも、相手が接触を望んでいないなら、自分の気持ちを伝えるために会うべきではありません。

酒を飲んでいた、友人にあおられた、といった事情も、接触を続ける理由にはなりません。判断が鈍っていると思うなら、声かけをやめて帰宅するのが安全です。相手の拒否を受け入れ、接触を終えることが、トラブルを広げないための基本です。

ナンパをして警察に通報されたときの対処法

通報されたからといって、必ず逮捕されるわけではありません。ただし、警察が事実を確認する可能性はあります。相手への接触を止め、起きたことを正確に整理して対応しましょう。

相手への接触をやめ、警察官に落ち着いて対応する

警察官に声をかけられたら、走って立ち去ったり、相手に近づいて説明を求めたりしないでください。警察官から何を尋ねられているのかを聞き、覚えている事実を落ち着いて伝えます。その場にいる相手に向かって「誤解です」と言い続ける行為は、相手をさらに怖がらせるおそれがあります。

声をかけた回数や、体に触れたかどうかなど、重要な点を推測で答えないことも大切です。覚えていない部分は、覚えていないと伝えて構いません。事実と異なる説明を合わせようとして友人と口裏を合わせたり、メッセージを消したりする行動は避けましょう。

警察署で話を聞きたいと言われた場合は、自分がどのような立場で話を求められているかを確認できます。手続きや対応に不安があれば、弁護士に相談したい旨を伝えてください。相手から直接連絡が来ても、警察への相談後は特に慎重に対応しましょう。

日時や場所、声をかけた後の行動を整理する

記憶が新しいうちに、声をかけた日時、場所、一緒にいた人、会話の内容、その後の移動を時系列で書き出しましょう。相手がいつ断ったか、自分はその後どこまで歩いたか、体に触れた場面があったかも重要です。自分に不利だと感じる点を抜かすと、後で説明が食い違う原因になります。

店の利用記録、交通系ICカードの履歴、友人とのメッセージなど、当日の行動を確認できるものがあれば保存してください。相手とのメッセージや通話履歴がある場合も、加工せずに残します。防犯カメラの映像など、自分では保管できない資料が関係しそうなら、その場所と時間を記録しておきましょう。

記録は、相手の非を探すためではなく、何が起きたかを正確に確認するために使います。SNSに相手の写真や当日の事情を投稿するのは避けてください。相手を特定できる情報を広めれば、元のトラブルとは別の問題を生むおそれがあります。

逮捕や取調べが心配な場合は、弁護士に相談する

体に触れた、強い言葉で迫った、追いかけたなど、犯罪の疑いがある行動に心当たりがあるなら、早めに刑事事件を扱う弁護士に相談しましょう。警察から出頭を求められている場合も、連絡内容と自分の記録を伝えると、状況に応じた助言を受けやすくなります。相談したからといって、必ず事件になるという意味ではありません。

弁護士には、自分に不利だと思う事実も含めて正確に話してください。「どこまで話すべきか」「相手から連絡が来たらどう対応するか」など、具体的に確認できます。逮捕されている場合は、家族などを通じて弁護士に連絡する方法もあります。

相手へ謝りたい、示談を提案したいと考えても、直接会いに行ったり、連絡を重ねたりしないでください。相手が接触を拒んでいる場合、その行動自体が新たな問題になります。謝罪や賠償について検討するなら、弁護士を通じて適切な方法を相談しましょう。

ナンパが犯罪・違法になるケースを知り、状況に合った対処法を取ろう

一度声をかけるだけなら通常は犯罪になりません。しかし、体に触れる、行く手をふさぐ、脅す、断られた後もつきまとうといった行動には、刑法、ストーカー規制法、地域の条例などが関係します。処罰の対象になるかどうかは、行為の内容と具体的な状況によって判断されます。

相手が会話を望んでいないと分かったら、すぐに声かけをやめて離れてください。すでに通報や請求を受けているなら、相手への直接の接触を避け、事実と記録を整理しましょう。逮捕や取調べ、損害賠償への対応に不安がある場合は、早めに弁護士へ相談してください。

刑事事件でお悩みの場合はすぐにご相談ください。

刑事事件で重要なのはスピードです。ご自身、身内の方が逮捕、勾留されそうな場合はすぐにご相談ください。

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